JPH0321901Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、連続ステープル供給装置、例えば段
木材や家具などに打ち込む連続ステープルをマガ
ジンケースから打ち込み位置まで送るようにした
連続ステープル供給装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、連続ステープル供給装置においては、打
ち込み動作時に、各種駆動力、例えば圧縮空気の
圧力でステープル送り用ピストンをいつたん送り
出し方向とは逆の方向へ付勢力に抗して移動さ
せ、打ち込み動作終了後の、この付勢力によるス
テープル送り用ピストンの復帰動作で連続ステー
プルを打ち込み位置に送るようにしている。そし
て、このような装置においては、ステープル送り
用部材、例えばステープル送り用爪を設けたステ
ープル送り用スライダをピストンに結合させて実
質的に一つの部材とし、両者を連動させている。
また、ステープル送り用スライダとステープル送
り用ピストンとの結合態様としては、両者を直結
する場合やバネを介してフレキシブルに連結する
場合がある。

〔考案が解決しようとする課題〕

以上のような従来の装置では、ステープル送り
用スライダとステープル送り用ピストンとを結合
して一つの部材にしているため、その製作に手間
がかかつていた。また、ステープル送り用スライ
ダとステープル送り用ピストンとは一体になつて
連続ステープルの送り出し方向とは逆の方向への
移動動作、及びその後の当該送り出し方向への復
帰動作を実行しているため、それぞれの動作範囲
はステープル一個分になる。したがつて、この復
帰動作のときにステープル送り用爪がステープル
の表面で滑つてしまうと、連続ステープルは何ら
送り出されないままでステープル送り用スライダ
だけが初期状態に復帰してしまうという問題点が
あつた。

そこで、本考案ではステープル送り用ピストン
には連動用係合部を、また当該ステープル送り用
ピストンと別体に形成したステープル送り用スラ
イダにはこの連動用係合部との間で所定の遊びが
生じるような被係合部をそれぞれ設け、また復帰
用の弾性体をステープル送り用ヒストンとステー
プル送り用スライダとで別のものとして、先ずス
テープル送り用スライダはステープル送り用ピス
トンと一体になつて連続ステープルの送り出し方
向とは逆の方向に、そのステープル送り用爪が複
数個、例えば三個のステープルを通り越す位置ま
で移動し、この移動後の状態から、ステープル送
り用スライダは弾性力により前記遊びの部分を独
自に復帰して連続ステープルを確実にステープル
一個分だけ移動させる、例えばステープル送り用
爪が最初のステープルの表面で滑つた場合には、
次のステープルをステープル送り用爪で送り出す
ようにすることにより、連続ステープルを打ち込
み部の方へステープル一個分だけ確実に送り出す
ことができるようにすることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、打ち込み動作のとき、例えば圧縮空
気などの駆動力により、弾性的付勢力に抗して、
連続ステープルの送り出し方向とは逆の方向に移
動するステープル送り用ピストンに連動用係合部
を設けている。また、ステープル送り用スライダ
には連続ステープルの表面に向かう方に弾性的に
付勢されたステープル送り用爪を取付るととも
に、前記連動用係合部に対応する被係合部を設け
ており、当該ステープル送り用スライダはステー
プル送り用ピストンと一体になつて打ち込み部の
方（連続ステープルの送り出し方向）とは逆の方
向に、ステープル送り用爪が複数個、例えば三個
のステープルを通り越す位置まで移動するように
している。そして、打ち込み動作の終了後、ステ
ープル送り用ピストンおよびステープル送り用ス
ライダはそれぞれの弾性的付勢力により、それぞ
れ独自に打ち込み部の方に復帰し、この復帰の際
に、ステープル送り用スライダはそのステープル
送り用回動爪で連続ステープルを打ち込み部の方
にステープル１個分だけ送つている。また、ステ
ープル送り用ピストンは元の位置付近まで戻つて
停止する。

なお、ステープル送り用ピストン、ステープル
送り用スライダのそれぞれが独自の復帰動作を行
えるようにするため、連動用係合部と被係合部と
の間にはステープル送り用ピストンの長手方向に
一定の遊びを持たせている。

〔作用〕

本考案においては、打ち込み動作のときは、ス
テープル送り用ピストンおよびステープル送り用
スライダは連続ステープルの送り出し方向とは逆
の方向に、最初から最後まで一体となつて移動
し、ステープル送り用爪が複数個のステープルを
通りこした状態で停止する。一方、打ち込み動作
終了後は、両者ともにそれぞれの付勢力によつて
復帰する。

このとき、連動用係合部と被係合部との間に遊
びがあるため、ステープル送り用スライダの復帰
動作はステープル送り用ピストンのそれとは、こ
の遊びの部分の間独立したものとなり、ステープ
ル送り用スライダは連続ステープルをステープル
一個分だけ打ち込み部の方に送り出した状態で停
止する。すなわち、打ち込み動作のときにステー
プル送り用爪は複数個先のステープルの位置まで
移動しているため、ステープル送り用爪が最初の
ステープルの表面を滑つてしまつて連続ステープ
ルを打ち込み部の方に送り出せない場合には、ス
テープル送り用スライダは停止することなしに復
帰動作を継続してそのステープル送り用爪は次の
ステープルを送り出そうとする。

〔実施例〕

第１図〜第７図を参照して本考案の実施例を説
明する。

第１図は本考案の前提となる封函機の打ち込み
動作終了後（開始前）の状態を示す説明図（縦断
面図）である。

第１図において、Ａはボデイ部、Ｂは連続ステ
ープル送り機構、Ｃは連続ステープルが収容され
ているマガジン部分である。図示の状態では、制
御回路の動作によつて矢印Ｅ方向の２系統の通路
に圧縮空気が送られている。この圧縮空気はヘツ
ドバルブ上室○ハとダンパピストン下部室○ニとに入
り、ヘツドバルブ○ヘの上面を押し下げ、またダン
パピストン○ワの下面を押し上げようとする。一
方、一部が蓄圧室○ホに面しているヘツドバルブ○ヘ
は上方向への力も受けるが、上面の受圧面積が大
きいためヘツドバルブ上室○ハの圧力で押し下げら
れ、矢印Ｆ方向の圧縮空気の供給が絶たれる。し
たがつて、シリンダ○オに蓄圧室○ホから圧縮空気が
入ることはなく、ダンパピストン○ワは押し上げら
れて打ち込みヘツド○チは上昇している。

次に、制御回路の動作によつて矢印Ｅ方向の圧
縮空気の供給が絶たれるとヘツドバルブ上室○ハの
圧力は下がり、ヘツドバルブ○ヘは蓄圧室○ホの圧力
で持ち上げられて矢印Ｆ方向の圧縮空気がピスト
ン○トの上部に入り込むため、ピストン○トが下降し
て打ち込みヘツド○チを押し下げ、先頭ステープル
の打ち込みを実行する。そして、この下降にとも
なつてシリンダ○オに入り込んだ圧縮空気は逆止弁
○リ、ピストンリターン用空気室○ヌ、空気通路○イお
よび孔部１０を介して（矢印Ｇ方向）ステープル
送り用シリンダ部９の中に入つていく。この圧縮
空気を受けたステープル送り用ピストン１４は、
ピストンロツド１４ａに取り付けたコイルスプリ
ング１７の矢印Ｈ方向（連続ステープルの送り出
し方向）への付勢力に抗して矢印Ｉ方向に移動す
る。このとき、先端部にステープル送り用爪２２
を取り付けたステープル送り用スライダ１８は連
動用係合部１５を介してステープル送り用ピスト
ン１４と連動し、複数個のステープル分だけ同方
向に移動する（第３図参照）。

続いて、矢印Ｅ方向の圧縮空気が供給されると
ヘツドバルブ○ヘが再び押し下げられるため、各部
材は第１図の状態に戻る。すなわち、ピストン○ト
および打ち込みヘツド○チは上昇し、ステープル送
り用ピストン１４はコイルスプリング１７の付勢
力により矢印Ｈ方向に復帰する。このとき、ステ
ープル送り用スライダ１８はステープル送り用ピ
ストン１４とは独自に同方向へ復帰する（第３図
参照）。この復帰の際、ステープル送り用爪２２
が連続ステープルをステープル一個分だけ矢印Ｈ
方向に送り出し、またステープル送り用ピストン
１４は元の位置付近まで戻つて次の駆動動作に備
える。また、ピストンリターン用空気室○ヌの中の
圧縮空気は、逆止弁○リの下方に設けられている
（ピストンリターン用空気室○ヌとシリンダ○オとの
間の）連絡孔（図示省略）を通つてシリンダ○オの
中に入つていき、ピストン○トを押し上げる働きを
する。また、ヘツドバルブ○ヘの下降によつてピス
トン○ト上部の圧縮空気は連絡路を通つて外部に逃
げていく。

なお、１，１６は装置本体に固定されたプレー
トで、ステープル送り機構などを支持している。
また、６はレール、７はガイドプレート、１５は
ステープル送り用ピストン１４に設けた連動用係
合部である。

第２図は、連続ステープルを示す説明図であ
る。

図において、連続ステープル４は、例えば平直
針２，２ａを横並びにして中央部を合成樹脂薄膜
テープで接続した帯状のものである。

第３図〜第６図は連続ステープル送り機構を示
す説明図である。

図において、ステープル送り用ピストン１４の
ピストンロツド１４ａには連動用係合部１５が設
けられており、その端部はプレート１６を貫通し
ている。また、連動用係合部１５とプレート１６
との間のピストンロツドには復帰用のコイルスプ
リング１７が捲装されている。そして、ステープ
ル送り用スライダ１８には、軸２３で支持される
ステープル送り用回動爪２２と、連動用係合部１
５に対応した凹部（被係合部）１９とが設けられ
ており、この凹部１９は連動用係合部１５に対し
て矢印Ｈ，Ｉ方向の所定の遊び部分を持つてい
る。また、ステープル送り用爪２２と、ステープ
ル送り用スライダ１８の上側取付孔２５との間に
はスプリングロツド２６を介してスプリング２４
が取り付けられてこのステープル送り用爪２２は
反時計方向に付勢されている。また、ステープル
送り用スライダ１８の取付孔２１とプレート１６
などの装置本体部との間には復帰用の弾性体２０
が取り付けられている（第４図参照）。

そして、図示の打ち込み動作開始前（動作終了
後）の状態からステープル送り用ピストン１４が
矢印Ｉ方向に駆動されると、その連動用係合部１
５とステープル送り用スライダ１８の凹部１９と
が係合して両者は一体となつて同方向に、例えば
ステープル送り用回動爪２２が三個のステープル
を通り越す位置まで移動する。

次に、ステープル送り用ピストン１４の駆動力
がオフになると両者は復帰用のコイルスプリング
１７、弾性体２０それぞれの弾性力によつて独自
に矢印Ｈ方向に復帰する。このとき、ステープル
送り用スライダ１８の凹部（被係合部）１９と、
ステープル送り用ピストン１４の連動用係合部１
５との間には同方向の遊びがあるため、この遊び
部分の間ステープル送り用スライダ１８はステー
プル送り用ピストン１４から独立した復帰動作を
行ない、そのステープル送り用爪２２で連続ステ
ープル４をステープル一個分だけ矢印Ｈ同方向に
移動させる。すなわち、前記したように、ステー
プル送り用爪２２が滑りなどのために最初のステ
ープルを送り出すことなしにその表面を通り過ぎ
てしまつた場合には、ステープル送り用スライダ
１８は停止せずに次のステープルに対する送り出
し動作を行なう。

なお、被係合部１９を凸部で形成し、また連動
用係合部１５を肉厚にしてこの肉厚部分に、当該
凸部に対して所定の遊び部分を持つ凹部を形成し
てもよい。

また、装置本体部に固定された送り用ボデイ８
はステープル送り用シリンダ部９、平行に延びた
鍔部１１，１１ａおよび脚部１３からなつてい
る。そして、ステープル送り用シリンダ部９はス
テープル送り用ピストン１４を、また鍔部１１，
１１ａ間の凹部はステープル送り用スライダ１８
をそれぞれガイドしている（第５図参照）。

また、連続ステープル４をガイドするレール部
６は、幅方向の中央部に対してその左右両側を低
くしたテーパ面６ａとなつている。そして、この
左右両側に設けた一方向性規制部材３２は、ステ
ープル送り用爪２２が後退する（矢印Ｉ方向に移
動する）ときに連続ステープル４が同方向に引き
ずられて移動するのを阻止している（第６図参
照）。

第７図はステープル送り用爪２２と連続ステー
プル２，２ａ，２ｂ，２ｃとの関係を示す説明図
である。

図において、ステープル送り用回動爪２２の先
端部２２ａでステープル２を押して送り出し方向
（矢印Ｈ方向）に送ろうとしている。このとき、
ステープル送り用爪２２はスプリング２４によつ
て反時計方向の付勢力を受けているため、ステー
プル２ａの左右両側部分はテーパ面６ａに押しつ
けられて曲がり、ステープル２と２ａとの間への
先端部２２ａの食い込みが確実に行われる。

なお、前から２番目の位置のステープルに対し
てその左右両側部分を曲げる処理を実行し、この
ステープルを一つ前の位置、すなわち打ち込み位
置に送つている。また、本考案のステープル送り
装置は、第２図で示すような平直針の連続ステー
プルの外に、左右両側部分が曲げられた針の連続
ステープルなどにも適用できる。

〔考案の効果〕

本考案は、駆動力を受けて打ち込み部から遠ざ
かる方向に移動するステープル送り用ピストン
と、ステープル送り用爪を設けたステープル送り
用スライダとを別体に形成して両者間に所定の遊
びを持たせ、先ず打ち込み部から遠ざかる方向
に、ステープル送り用スライダはステープル送り
用ピストンと一体になつて複数個先のステープル
の位置まで移動し、続いてこの移動後の状態から
打ち込み部の方向に、ステープル送り用ピストン
とステープル送り用スライダはそれぞれ独自に復
帰するようにしているので、ステープル送り用ピ
ストンは元の位置付近まで戻つた状態で停止して
次の駆動動作に備えることができ、またステープ
ル送り用スライダはそのステープル送り用爪で連
続ステープルを確実にステープル一個分だけ送り
出すこと、すなわちステープル送り用爪が最初の
ステープルの表面で滑つて連続ステープルの送り
だしができなかつた場合には、ステープル送り用
スライダはステープル一個分だけ戻つた状態で停
止することなく更に打ち込み部の方向に移動して
次のステープルを送り出すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の前提となる打ち込み動作終了
後（開始前）の状態を示す縦断面図、第２図は連
続ステープルを示す説明図、第３図〜第６図は連
続ステープル送り機構を示す説明図、第７図はス
テープル送り用爪と連続ステープルとの関係を示
す説明図である。 ４……連続ステープル、１４……ステープル送
り用ピストン、１５……連動用係合部、１７……
第１の弾性体、１８……ステープル送り用スライ
ダ、１９……被係合部、２０……第２の弾性体、
２２，２２ａ……ステープル送り用爪、３２……
一方向性規制部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 駆動力を受けて連続ステープル４の送り出し方
   向とは逆の方向に移動し、かつ連動用係合部１５
   を設けたステープル送り用ピストン１４と、 この連動用係合部１５との間で、前記ステープ
   ル送り用ピストン１４の長手方向の遊びが生じる
   ような被係合部１９を設けるとともに、前記連続
   ステープル４の表面に向かう方に弾性的に付勢さ
   れるステープル送り用爪２２を取り付けたステー
   プル送り用スライダ１８と、 前記ステープル送り用ピストン１４を連続ステ
   ープル４の送り出し方向に復帰させるための第１
   の弾性体１７と、 前記ステープル送り用スライダ１８を連続ステ
   ープル４の送り出し方向に復帰させるための第２
   の弾性体２０と、 前記連続ステープル４がその送り出し方向とは
   逆の方向へ移動することを阻止する一方向性規制
   部材３２とを備え、 前記ステープル送り用スライダ１８の被係合部
   １９が前記ステープル送り用ピストン１４の連動
   用係合部１５に係合した状態で、これら両者は、
   前記駆動力により連続ステープル４の送り出し方
   向とは逆の方向に、前記ステープル送り用爪２２
   が複数個のステープルを通り越す位置まで一体と
   なつて移動し、 当該駆動力がオフになると、この移動後の状態
   から、前記ステープル送り用スライダ１８は前記
   第２の弾性体２０の弾性力により前記遊びの部分
   を独自に復帰し、この復帰動作の際、前記ステー
   プル送り用爪２２によつて連続ステープル４をそ
   の送り出し方向にステープル一個分だけ移動させ
   るようにしたことを特徴とする連続ステープル送
   り装置。