JPH081662U - ファスナの動力打込み工具の位置決め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 動力締結工具において加工物の孔を通して他
の加工物を締結するとき正確に打込む事ができるような
位置決め装置を得る。 【解決手段】 締結具を案内する金具を有する動力締結
工具において他の加工物に締結する加工物の孔に関して
位置決めする装置であって、該位置決め装置は、金具に
連結されて上下方向に移動可能であり、金具に整合して
前記孔に延び該孔を通って正確に締結具を打込むと共に
工具を引き戻したとき前記孔から縦方向に動かし締結具
に係合する表面を有する触手を含む装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はファスナの動力打込み工具の位置決め装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

釘等のファスナを金属製のワーク、例えばチャンネルなどの孔に挿入して他の 材料を締結するのに空気圧式あるいは燃焼圧式のファスナ打込み工具が用いられ る。通常、そのような工具には釘等を案内する前金具が装着されている。このよ うな工具で作業するとき孔の位置が判りにくい傾向があるので釘等を孔に正確に 打ち込むために前金具の位置決めに苦労する。空気圧式ファスナ打込み工具の前 金具に使う位置決め装置は知られているが可成り複雑な構造を有している。米国 特許第５０５２６０７号はその代表的なものである。釘等を孔を通じて正確に打 ち込むことのできる空気圧式あるいは燃焼圧式ファスナ打込み工具に使用する簡 単で有用な装置の出現が望まれていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はワークの孔を通して他の加工物を釘で締結するとき、釘を正確に打ち 込む事ができるような位置決め装置を得ることを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前述の課題を解決するため、横方向に移動可能に前金具に連結された触手を備 え、この触手の先は釘を正確に打込める様に前記孔に対して、前記前金具を調心 させる様に前記孔の中に差込む事ができる。この触手は打込まれる釘の頭部に係 合可能な曲面を備え、工具による釘の打込みの反動で触手を孔から横に動かす。 この独特な触手を含む位置決め装置によって本考案は上記の課題を解決する。

【０００５】

【実施例】

図１は尖端部を有するシャンク１４と拡大頭部１６とを備える釘１２をマガジ ン１８から送給する空気圧式ファスナ打込み工具１０を示し、工具１０は前金具 ２２の位置決めをする本考案の好適な実施例による位置決め装置２０を有し、こ れによりワーク２６の丸孔２４から釘１２を他の加工物２８に向って正確に打ち 込むことができる。位置決め装置２０は前金具２２に結合された触手３０を有し 、触手３０は横に可動である。触手３０は丸孔２４に進入する傾斜端部３２を有 し、釘１２を正確に打ち込めるように前金具２２を調心させる。触手３０は釘１ ２の頭部１６に係合可能な曲面３４を有し工具１０による釘打込みの反動で触手 ３０を丸孔から横に動かす。図においてワーク２６は金属製チャンネルで加工物 ２８は木材の梁である。

【０００６】 工具１０は図示説明するもの以外は本文に参考までに引用した米国特許第４９ ３２４８０号に例示された公知の空気圧式ファスナ打込み工具と同様である。か かる空気圧式ファスナ打込み工具はイリノイ州リンカーンシャイアのアイティー ダブリュー パスロード（ＩＴＷ Ｐａｓｌｏｄｅ、イリノイツールワークス インコーポレーテッドの１部門）からＰＡＳＬＯＤＥの商標で市販されている。

【０００７】 工具１０は前金具２２に装着されたアクチュエータ４０を有し、このアクチュ エータ４０は引き金４４に装着されたレバー４２に連結されている。アクチュエ ータ４０は所定の範囲内で上下動が可能であり、部材４８を介しばね４６によっ て下向きに付勢されている。レバー４２を上げるためにアクチュエータ４０を上 方に移動しない限り工具１０を作動させない機構として、アクチュエータ４０、 レバー４２、引き金４４、ばね４６、部材４８および特定の弁及び他の部品は公 知の方法で取り付けられている。

【０００８】 アクチュエータの移動を制限するため、アクチュエータ４０は前金具２２のボ ス５２が貫通する長いスロット５０を有する。小ねじ５４がボス５２のねじ付き ソケットにねじ込まれ、ワッシャ５６が小ねじ５４の頭とボス５２との間に挿入 されている。小ねじ５４とワッシャ５６とはアクチュエータ４０を工具１０に保 持する。

【０００９】 従来知られている工具ではアクチュエータはレバーを持ち上げアクチュエータ を上に移動するためワークに対して強固に押圧するようになっている。然しなが ら本願考案の工具１０においては触手３０が一緒に移動するように、又横方向に 動くようにアクチュエータ４０に結合されていると共に、レバー４２を持ち上げ 、アクチュエータ４０を上に移動するためにワーク２６に対して強固に押圧する ようになっている。「上方に」および「下方に」の方向を示す用語は本工具の通 常の方向として用いられているものであり、本考案の工具１０に対して限定を意 図するものではない。

【００１０】 位置決め装置２０は中央に近い端部６２と末端部６４とを有するばね鋼帯６０ を有している。このばね鋼帯６０が中央に近い端部６２において２つの小ねじ６ ６，６６によりアクチュエータ４０に装着されている。ワッシャ６８がばね鋼帯 ６０と触手３０との間に挿入されている。触手３０は末端部６４の近くで小ねじ ７０によりばね鋼帯６０に装着されている。ばね鋼帯６０は触手３０を図１，図 ２に示す通常の位置に付勢しているが、釘１２が打込まれる際は、触手３０の曲 面３４は打込まれる釘に係合して図４に示す移動した位置に触手３０を横に動か すことができる。アクチュエータ４０はばね鋼帯６０が撓むとき幾分撓むことが できる。アクチュエータ４０の撓みは小ねじ５４とワッシャ５６とによって制限 される。

【００１１】 前に述べたごとく２４は丸孔である。触手３０の傾斜端部３２は該端部３２が ワーク２６に対して強固に押圧されたとき傾斜端部３２を丸孔２４の中へ案内し 該丸孔の約半分を塞ぐ形となるように円錐台の半分の形状であるのが好ましい。 さらに、触手３０には横を向いた縦方向の溝７２を設けてある。ラム５８で釘１ ２が打ち込まれるときシャンク１４は頭部１６が曲面３４に係合するまで溝７２ に沿って打ち込まれ、ここで工具１０による釘の打込みの反動で釘１２は丸孔２ ４から触手３０を横に向って動かす。傾斜端部３２は工具１０による釘の打込み の反動で丸孔２４の縁に作用し得るカム面の役目を果たす。

【００１２】 図５から８においてダッシュ付の符号は図１から４におけるダッシュなしの符 号で示した部品と同じものを示す（図示および以下に説明することを除く）。図 ５から８に示すように空気圧式ファスナ打込み工具１０’はマガジンから送給さ れるシャンク１４’、拡大頭部１６’を有する釘１２’を打ち込むもので、本考 案の第２実施例として、前金具２２’を位置決めする装置２０’を有している。 装置２０’はワーク２６’の丸孔２４’から他の加工物２８’に釘１２’を正確 に打ち込む。図示およびここに説明する以外は工具１０’は工具１０と同じもの であり、装置２０’は装置２０と同じものである。

【００１３】 前金具２２’は離間した２つの部分８０，８０を設けるため二股になっている 点で前金具２２に比べて幾分異なっている。この装置２０’は触手３０と同じく 触手３０’を備えている。アクチュエータ４０’はアクチュエータ４０に比べて 下方に向ってより長く延びている。

【００１４】 アクチュエータの移動を制限するためにアクチュエータ４０’は長いスロット ５０’を有し、そこを通して前金具２２’のボス５２’が延びている。小ねじ５ ４と同じ小ねじ５４’およびワッシャ５６と同じワッシャ５６’がアクチュエー タ４０’を工具１０’に保持する。触手３０’は小ねじ７０’によってアクチュ エータ４０’に装着されている。ボス５２と同じようなボス５２’がアクチュエ ータ４０’の長いスロット５０’を通って延び、アクチュエータの移動範囲を定 める。ボス５２’のねじ付きソケットにねじ込まれた小ねじ５４’とワッシャ５ ６’とはアクチュエータ４０’を工具１０’に保持する。ばね鋼帯６０に相当す るものはないがアクチュエータ４０’はある程度可撓性のある鋼材で作られてい て小ねじ５４’とワッシャ５６’とで移動を制限される。そのような撓みは工具 １０’による釘の打込みの反動で触手３０’が丸孔２４’から横方向に動くのに 十分なものである。

【００１５】 さらに、位置決め装置２０’はピン９２で前金具２２’の離間した２つの部分 ８０，８０の間に樞着されたプレート状ガイド９０を有し、触手が丸孔に延びた ときガイド９０が丸孔を部分的に覆う位置（図６参照）とガイド９０が丸孔をク リアする位置（図７参照）との間で回動可能である。ガイド９０は前金具２２’ を下向きにして工具１０’を保持しているとき丸孔を部分的に覆う位置と丸孔を クリアする位置との間の位置（図５）に在る。前金具２２’の離間した部材８０ ，８０を貫通して装着されたピン９４がガイド９０の拡大孔９６を緩く通って延 び、ガイド９０の前金具２２’に対する回動を制限する。

【００１６】 ガイド９０は触手３０’から離間していて釘１２’を触手３０’とガイド９０ との間に案内するために触手３０’と共に働く。ガイド９０は、はす縁９３を有 していて、このはす縁９３は触手３０’が丸孔２４’の中に延びている時も触手 ３０’が丸孔２４’から横方向に移動したのちも丸孔２４’の側でワーク２６’ に圧接する。はす縁９３は、ワーク２６’と共に働いて触手３０’が丸孔２４’ に入るにつれて前記丸孔を部分的に覆う位置にガイドを回動する。ガイド９０は 打込まれる釘１２’が係合してガイド９０を通常の位置から丸孔をクリアする位 置まで回動するように配置されている。

【００１７】 触手３０’は横を向いた上下方向の溝７２’を有しガイド９０は触手３０の溝 ７２’に対面する溝９５を有している。ガイド９０の前記丸孔を部分的に覆う位 置においては溝９５は打込まれる釘１２’のシャンク１４’と係合するように配 置されている。触手３０’の溝７２’とガイド９０の溝９５とはワーク２６’と 加工物２８’に打込まれる釘１２’を案内するチャンネルを形成する。

【００１８】 位置決め装置２０および２０’は空気圧式ファスナ打込み工具１０、１０’に 使用するように示されているが、本考案による位置決め装置は米国再発行特許３ ２４５２、及び米国特許４４０３７２２、４４８３４７４、４５２２１６２に例 示されている燃焼圧駆動の打込み工具（図示せず）にも使用することができる。 そのような燃焼圧駆動の打込み工具は前記ＩＴＷ ＰａｓｌｏｄｅからＩＭＰＵ ＬＳＥの商標で市販されている。この様な燃焼圧駆動の打込み締結工具はアクチ ュエータ４０、４０’に類似のアクチュエータもしくは付勢装置が類似したもの がこの様な工具の燃焼室を閉じるために伸長した位置から後退した位置まで動か されない限りその工具を作動させない装置を有している。

【００１９】 上述の好適な実施例およびこれに代る実施例に対して本考案の精神から逸脱す ることなく種々な変更を実施することができる。

【００２０】

【考案の効果】

本考案の位置決め装置の構成によれば、ワークの丸孔を通して他の加工物を締 結するとき正確に打ち込む事ができる、という本考案特有の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の位置決め装置の好適な１実施例を示す
長手方向縦断面図である。

【図２】図１の工具の触手の先端を丸孔に差込んだ状態
を示す図である。

【図３】図１の工具のラムが釘の頭部を打撃した状態を
示す図である。

【図４】図１の工具が釘の打込みを完了した状態を示す
図である。

【図５】本考案の位置決め装置の他の実施例を示す長手
方向縦断面図である。

【図６】図５の工具のラムが釘の頭部を打撃した状態を
示す図である。

【図７】図６の工具が釘の打込みを完了した状態を示す
図である。

【図８】図５、６および７の位置決め装置の一部を示す
正面図である。

【符号の説明】

１０ 工具 １２ 釘 １４ シャンク １６ 頭部 ２０ 位置決め装置 ２２ 前金具 ２６ ワーク ３０ 触手 ４０ アクチュエータ ４２ レバー ４４ 引き金

フロントページの続き (72)考案者 モハメッド ケー．ワグディー アメリカ合衆国 60004 イリノイ州 ア ーリントン ハイツ キングズリー ドラ イブ 818 (72)考案者 ラインホールド メディッツ アメリカ合衆国 60047 イリノイ州 レ ーク ズーリック スタントン ロード 1136

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 工具によって打込まれるファスナを案内
   するように配置された前金具を有するファスナの動力打
   込み工具における他の工作物へ固定されるべきワークの
   孔に対し該工具を位置決めする装置において、横方向へ
   可動なように前記前金具へ結合されて、ファスナが前記
   孔を経て正確に打込み可能なように該前金具を調心させ
   るように該孔内に差込めるように構成された触手を備
   え、該触手が、前記工具のファスナ打込みによる反動で
   該孔から横方向へ該触手を移動するように、打込まれる
   ファスナによって係合可能な曲面を有し、前記曲面が、
   打込まれるファスナに係合できる位置に横方向へ前記触
   手を付勢する装置を更に備え、前記触手が、前記孔内に
   差込めるように構成された傾斜端部を有し、前記触手と
   ファスナのガイドとの間で打込まれるファスナを案内す
   るように該触手から間隔を設けられて前記工具へ装着さ
   れるガイドを含む装置を更に備え、前記ガイドが、前記
   触手を前記孔内に差込んだときに該孔を持つ前記ワーク
   に圧接するように構成された、はす縁を有するファスナ
   の動力打込み工具の位置決め装置。
2. 【請求項２】 工具によって打込まれるファスナを案内
   するように配置された前金具と、延長位置と後退位置と
   の間を可動で、該後退位置へ移動されなければ該工具を
   作動させないように該延長位置へ付勢されたアクチュエ
   ータを含む装置とを有するファスナの動力打込み工具に
   おける他の工作物に固定されるべきワークの孔に対して
   該工具を位置決めする装置において、前記アクチュエー
   タと一緒に移動するように、該アクチュエータに結合さ
   れた触手を備え、該触手が、前記孔を経てファスナを正
   確に打込み可能なように前記前金具を調心させるように
   該孔内に差込めるように構成され、該触手が、前記工具
   によるファスナ打込みの反動で該孔から横方向へ該触手
   を移動するように、打込まれるファスナによって係合可
   能な曲面を有するファスナの動力打込み工具の位置決め
   装置。
3. 【請求項３】 請求項２に記載の装置において、中央に
   近い端部と、末端部とを有するばね鋼帯を更に備え、該
   ばね鋼帯が、該中央に近い端部に近く前記アクチュエー
   タへ装着されて、該末端部に近く前記触手へ装着され、
   該ばね鋼帯が、前記曲面に係合して打込まれるファスナ
   により該触手を横方向へ移動するのを許すように撓むよ
   うに構成されたファスナの動力打込み工具の位置決め装
   置。