JPH03213699A - ボリュートケーシング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポンプの吐出しボリユートの形状に係り、特に
、高圧のポンプに関する。

〔従来の技術〕

単段ポンプの吐出し流路には、通常、渦巻状のボリユー
トケーシングが用いられている。しかし、ボリユートケ
ーシングはその形状が周方向に非対称のため、半径方向
スラストが発生して１問題を生じることがある。この欠
点を無くすため、大形ポンプや高圧ポンプでは、ボリユ
ート流路を周方向対称位置に設けた二重ボリユートとし
て、半径スラスト原因となるボリユートケーシング内の
静圧分布を対象としたり、羽根車出口に案内羽根を配設
してボリユートケーシング内の静圧分布の不均一が、直
接、羽根車に及ばないようにしている。

しかし、第４図の従来例で示すように、二重ボリユート
ケーシングでは、二番目のタング２０２から形成される
隔壁２０３の出口部２１０で内外流路２０５，２０６か
ら合流する流れを均等にするには、外側の流路２０６の
面積は入口から出口まで同一断面積となり、この外側流
路２０６は吐出し管２０７への単なる案内流路となる。

従って、低比速度ポンプでは、ボリユート流路長さＬｌ
と比較して、ボリユート断面Ａが相対的に小さくなるの
で、この隔壁２０３による摩擦損失が大きな割合を占め
、高性能が得られにくい。さらに、隔壁２０３はケーシ
ング全周の、はぼ、半分の長さとなるため作りづらく、
製作上にも問題がある。

一方、案内羽根部のボリユートポンプでは、案内羽根部
をデイフユーザ流路とすることにより、短い区間で動圧
を静圧に有効に回復するため高性能が得られるが、寸法
的に大きくなるため、価格的にもケーシングの水圧強度
の面でも不利となる欠点があった。

二重ボリユートケーシングの欠点を改良したものとして
実開昭６２−１４８８００号や、実開昭５４−１７５０
０６号公報に記載のものが公知である。しかし、実開昭
６２−１４８８００号公報に記載の構成は、ボリユート
流路から吐出し部へかけてのデイフユーザ流路での流れ
の不安定を解消するために、隔壁にスリットを設けたも
のであり、ケーシングの製作性の改善や、流路摩擦損失
の低減とはならない。

また、実開昭５４−１７５００６号公報に記載のように
、タングを周方向に対称位置からずらしたものでは、外
側の流路長さが短い場合には、製作性及び摩擦損失の低
減に若干の効果があるが、半径方向スラストをバランス
させるには内外流路の対称性を著しく崩すことは出来ず
、性能向上、製作性の改善には限界があった 〔発明が解決しようとする課題〕 上記従来技術は半径方向スラストの低減を主眼としてい
たため、製作性や性能についての考慮が十分ではなく、
性能と信頼性の両立の面で問題があった。

本発明の目的は、小形高性能で、かつ、半径スラストを
低減できる吐出しケーシングを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、ボリユート流路を分割する
隔壁を円周上ｎ等分位置に配置し、かつ、ｎ−１番目の
タングから始まる隔壁はｎ番目のタングの始まり位置ま
でとし、ｎ番目のタングから始まる隔壁終端で仕切られ
る流路の内外の面積比をほぼ１：ｎ−１となるようにし
たものである。

〔作用〕

ボリユートケーシングは羽根車から出た流れが通常設計
点付近でケーシング内を周方向−様に流れるように設計
さ九る。従って、設計点より大吐出量側では半径方向速
度成分が大きく、逆に、周方向速度成分が小さくなるた
め、第５図（ａ）に示すようにケーシングタング部２０
２で流れは外向きに流れてタング側が高圧となる。一方
、設計点より低流量側では第５図（ｂ）に示すように流
れは周方向を向き、タング部が負圧側となる。このケー
シング全周の静圧分布の不均衡により、大吐出量側では
タング側からの、低流量側ではタング側へ向う半径方向
スラストＴｒ　を生じる。この半径方向スラストはＴｒ
、同一形状のタング部を周方向等分位置に配置すること
により低減することができる。

一方、多重ボリユートケーシングでも、タング重なり部
上前の流路内の静圧分布は流量により著しく変化するが
、重なり部以後の流路内での静圧の変化は少ない。従っ
て、例えば、三重ボリユートケーシングの場合、二番目
のタングから始まる隔壁は三番目のタングとの重なり部
以後では、その壁面の有無にかかわらず静圧分布への影
響は少ない６ 本発明によりボリユートケーシングでは、各隔壁は次の
タング始まり位置までの長さをもってタング重なり部を
形成しているため、静圧分布は円周上対称となり、従来
の多重ボリユートケーシングと同様に半径スラストを低
減することができる。

さらに、三番目以後のタングから始まる隔壁で構成され
る流路では、外側の流路断面が広くなるため摩擦損失が
低減する。

また、隔壁長さがケーシング全周の１７３以下となるた
め、タング始まり位置を調整するだけでケーシング二つ
割り面上に隔壁の始点、終点を同時に配置することがで
きる。

〔実施例〕

以下１本発明の実施例を第１図ないし第３図を用いて説
明する。第１図は本発明によるボリユートケーシングの
回転軸に垂直な面内の主要断面図、第２図は第１図の１
−１線断面図である。第１図においてボリユートケーシ
ング２０１は、円周上等分位置に四ケ所のタング２０２
を有し、各タングは周方向に半径位置を大きくしながら
隔壁２０３となり、ボリユート内、外流路２０５，２０
６を形成している。さらに、隔壁２０３は次のタング２
０２の始まる周方向位置で終り、例えば、第三番のタン
グから始まる隔壁の終端と、次のタング２０２との重な
り部２０４で形成される内側流路２０５、外側流路２０
６の面積比はほぼ１：２となっている。

本発明によるボリユートケーシングはこの構成のため、
従来の二重ボリユートケーシングの場合と同様に、対称
位置にあるタング、隔壁の作用でケーシング内の静圧分
布は回転軸に対して対称となり、半径スラストを低減で
きる。さらに、ケーシング内外流路を仕切る隔壁を分割
し、各タングに沿って流れる流体を集水し吐出し管２０
７八案内する外側流路２０６を、順次、下流側に広くし
ているため、外側流路の水力直径ｄを大きくすることが
出来、隔壁全長Ｑは従来の二重ボリユートケーシングの
場合より若干長くなるが、次式で示すように摩擦損失り
、を低減することができる。

ｉ”ｌ　　　　ｄ＋　　　２ｇ ここでλは管摩擦係数であり、レイノルズ数及び流路粗
さと水力直径との比の関数で、水力直径が大きくなるほ
ど小さな値となる。またＱは管路長さ、ｄは水力直径、
■は管内平均流速、ｇは重力加速度、ｊは断面形状が異
なる場合の各断面での値を示す。

なお、本発明によるボリユートケーシングでは、隔壁の
各々の長さが短くなるため、鋳造、製缶等でケーシング
を成形する作業も容易となる効果がある。

第３図は本発明の他の実施例の、ポンプ軸に垂直な面内
でのボリユートケーシングの断面図である。本実施例で
は流路を三重ボリユートとし、さらに、タング位置を規
定し、二番目のタング２０２ａから始まる隔壁２０３ａ
終端をポンプ中心を通る水平面■−■上とし、三番目の
タング２０２ｂを同じ水平面■−■上に配置している。

従って、横軸両吸込ポンプ等で、ケーシングを上、下二
つ側構造として吐呂しケーシングを上ケーシング２０１
ａと下ケーシング２０１ｂに分割する場合でも、従来の
二重ボリユートケーシングの場合のように隔壁２０３が
上ケーシング、下ケーシングにまたがることがないため
、鋳造時の中子の正確な位置合せや、隔壁の最終仕上げ
が不要となり、製作性を向上することが出来る。

〔発明の効果〕

本発明は吐出しケーシングのボリユートを構成するタン
グ及び隔壁を円周上等分位置に配置し、ｎ−１番目の隔
壁の終りをｎ番目のタング始まり位置までとし、かつｎ
番目の隔壁終端部で仕切られる内外流路の面積比をおよ
そ１：ｎ−１にしているので以下に記載されるような効
果を奏する。

従来の長い隔壁の代りに、各々が短い隔壁でケーシング
内の静圧分布をバランスさせることにより、半径スラス
トの低減と流路摩擦損失の低減を製作しやすい形状で同
時に達成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本発明による一実施例の断面図、
第４図は従来のボリユートケーシングの断面図、第５図
はタング付近の流れ及び圧力分布図である。 １０１・・・羽根車、２０１・・・ボリユートケーシン
グ、２０２・・・タング、２０３・・・隔壁、２０４・
・・タング重なり部、２０５・・・内側流路、２０６・
・・外側流路、罵 ？ 図 冨 図 １７ 葉 図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、羽根車から出た水流を集め、吐出し管に案内するボ
   リユートケーシングにおいて、 流路を三個以上ｎ個のタングを円周方向ｎ等分位置に配
   置したｎ重ボリユートとし、かつ、ｎ−１番目のタング
   から始まる遠壁の周方向長さはｎ番目のタングの始まり
   位置までとし、ｎ番目のタングから始まる遠壁終端で仕
   切られる流路の内外の面積比がほぼ１：ｎ−１となるよ
   うにしたことを特徴とするボリユートケーシング。