JPH0321350Y2

JPH0321350Y2 -

Info

Publication number: JPH0321350Y2
Application number: JP1985148495U
Authority: JP
Priority date: 1985-09-28
Filing date: 1985-09-28
Publication date: 1991-05-09
Also published as: JPS6256392U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は、大型船舶に備え付け緊急時等に使
用する救命船、或いは荒海の救助に使用する救助
艇等に利用される硬質船底を有するエアーボート
に関する。

（従来の技術）硬質船底を有するエアーボートは、内部に空気
を充満させたゴム体からなり船周壁を形成する円
筒形の気胴と、繊維強化プラスチツクス（FRP）
からなる硬質船底（底板）等から構成され、気胴
と硬質船底との接合固定は、気胴底面に付設され
る補強帯１４に硬質船底の端部を挿入し固着する
構成であつた（第５図）。

さらに、実開昭60−44895「ゴムボートの船底簡
易接合構造」が知られている。同考案は、「ゴム
製気胴、硬質合成樹脂製船底およびこれの両者を
一体に接合する硬質ゴム製台座からなり、台座は
船底の上縁を挟着する嵌合溝と気胴を抱着する翼
状抱持部とから構成され、船底の上縁を嵌合した
嵌合部を、この嵌合部の外側に当接した帯板で環
状に締め付けることにより一体に連結してなるゴ
ムボートの船底簡易接合構造。」からなる。

（考案が解決しようとする課題）第５図に図示される、硬質船底を有するエアー
ボートは、救助艇等に多く利用されており、荒海
時の接岸、接船等の際、エアーボートの主として
バウ部を岸壁、船体等に強打することが非常に多
い。バウ部が岸壁等に強く衝突するとその反作用
が気胴を通つて、補強帯、硬質船底にかかる。そ
のため、硬質船底に押圧される形で補強帯が気胴
底面より剥離し、気胴と硬質船底との接合が不完
全になるという課題があつた。

他方、実開昭60−44895「ゴムボートの船底簡易
接合構造」では、ゴム製の環状気胴は、硬質ゴム
により硬質合成樹脂製底板と台座により一体に接
合されるが、台座はゴム製の環状気胴をゴムボー
トの内側外側ともに同様な割合で下から支えてい
るに過ぎないため、環状気胴外側からの加わる衝
撃に対して十分に対抗できない課題を有した。

（課題を解決するための手段）この考案は、バウ部の気胴のエアボート内側下
部の円周面と接合する硬質船底の接合面が、気胴
円周面形状であるとともに、側部気胴円周面と硬
質船底の接合面より大である硬質船底を有するエ
アーボート、を提供することで従来の課題を解決
する。

（作用）エアーボートが岸壁等にバウ部を強く衝突させ
た場合、その強打した箇所の反作用力が気胴を通
つて硬質船底に至るが、バウ部の気胴のエアボー
ト内側下部の円周面と接合する硬質船底の接合面
が、気胴円周面形状であるとともに、側部気胴円
周面と硬質船底の接合面より大である硬質船底か
らなるため、内側下部が支えられ反作用力は分散
されて硬質船底に至る。

（実施例）この考案を実施例図面に基づいて説明する。

エアボート１は、気胴２、硬質船底３、トラン
サム板４、エンジン５等から構成する。気胴２
は、ゴム等の伸縮性、柔軟性のある材質で形成す
る円筒の内部に空気等の気体を充満させたもの
で、硬質般底３の周囲に平面Ｕ字形に設ける。即
ち、後部を除き、この実施例では平面ほぼ半円形
からなるバウ部（船首部）６、及び両側部７を囲
繞する。バウ部６と両側部７の位置はエアーボー
トの形状等により異なる。気胴２の円筒直径は約
30〜50cm程度である。後部には硬質船底３と一体
に固定したトランサム板４を立設し、トランサム
板４にエンジン５を付設する。

硬質船底３は、繊維強化プラスチツクス
（FRP）等の材質で形成され上面が平坦で底面中
央部を下方に突出させた中空体であり、気胴２の
バウ部６、両側部７の内下周壁と接合貼着して固
定する。この実施例では、硬質船底３のバウ部６
先端における気胴２との接合面３（以下バウ部強
打時接合面）は気胴２の外面たる円筒凸曲面に水
密に接合する凹曲面として形成し円筒の横断外周
約1/4と接合する凹曲面からなる。このバウ部接
合面８の凹曲面は、硬質船底側部よりも大きく、
円筒の横断外周の1/2〜1/6程度あればよい。気胴
２のバウ部６と接合する硬質船底３の前部は、バ
ウ部接合面８の高さから水平に板体を連続形成
し、船底中央部表面より一段高い中空のデツキ部
９を構成し、デツキ部９内部は物入れ１０とす
る。１１は、物入れ１０の蓋であり、内部を水密
に閉鎖自在である。硬質船底３の気胴２の両側部
７との接合面１２もバウ部接合面８と同様の凹曲
面に形成するが、気胴２の内下周壁と、第３図に
図示されるように、バウ部６の接合面の約半分程
度の幅で接合貼着されている。両側部７の接合面
は、通常、円筒外周1/8程度である。

デツキ部９の上面板を気胴２の高さの中間程度
に設けたため階段状となり、エアーボート接岸時
に、人の乗下船の際のステツプデツキとして使用
することができ、従来と比し乗降が安全である。
また、デツキ部９内を中空に構成し、閉鎖時に水
密となるように構成したので、波が被つても安全
な物入れとして使用可能である。

（考案の効果）この考案は、上述したような構成、作用を有す
るため、エアーボートの接岸、接船時にバウ部に
繰り返される衝撃による気胴と硬質船底の剥離を
防止し、非常に強固な構成のエアーボートを得る
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図はこの考案を示すもので第１
図はエアーボートの平面図、第２図はバウ部の気
胴と硬質船底との接合固定を示す断面図（第１図
Ａ−Ａ断面図）、第３図は第１図Ｂ−Ｂ線断面図、
第４図は硬質船底の斜視図、第５図は従来例であ
り、バウ部の気胴と硬質船底との接合固定を示す
断面図である。１……エアーボート、２……気胴、３……硬質
船底、４……トランサム板、５……エンジン、６
……気胴バウ部、７……気胴両側部、８……硬質
船底のバウ部接合面、９……デツキ部、１０……
物入れ、１１……蓋、１２……硬質船底の両側部
接合面、１３……底板、１４……補強帯。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

バウ部の気胴のエアボート内側下部の円周面と
接合する硬質船底の接合面が、気胴円周面形状で
あるとともに、側部気胴円周面と硬質船底の接合
面より大である硬質船底を有するエアーボート。