JPH0321201Y2

JPH0321201Y2 -

Info

Publication number: JPH0321201Y2
Application number: JP1985182203U
Authority: JP
Priority date: 1985-11-28
Filing date: 1985-11-28
Publication date: 1991-05-09
Also published as: JPS6290602U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は先端構成部から導出する処置具の誘導
装置部を改良した十二指腸用内視鏡に関する。

［従来技術］近年、内視鏡の鉗子チヤンネルを通じて高周波
処置具を体腔内に導き、その体腔内の患部を処置
することが行われている。たとえば十二指腸乳頭
舌約筋を切開するため、十二指腸用内視鏡を用い
て高周波ナイフを導入し、挿入部先端から導出す
る高周波ナイフの向きは、誘導子を回動操作する
ことによつて行なう。

この場合、高周波ナイフと内視鏡との電気的絶
縁を図るため、その誘導子と誘導子収容室の内壁
面とを全体的に電気的絶縁材で構成する内視鏡が
提案されている（実開昭57−60601号公報）。

［考案が解決しようとする問題点］上記従来の内視鏡はその誘導子と誘導子収納室
の内面部を構成する電気絶縁材を合成樹脂など金
属に比べて機械的強度が弱いものとするため、誘
導子の枢支軸まわりやその軸を支えている誘導子
収納室の左右壁部が強度的に不十分であつた。そ
して、誘導子を繰り返して使用すると、その軸ま
わりや壁部が破損したり割れたりして誘導子の回
動操作に支障をきたすとともに、所望の方向へ処
置具を誘導できなくなり、また、適切な検査が困
難となる。さらに、破損した破片が処置具と収容
室の間に挟まると突き出した処置具を引き戻せな
くなる危険の可能性があつた。

また、誘導子収納室の内面を全体に絶縁するた
めにはその収納室を電気絶縁材の筒体で構成する
必要がある。しかし、これを組み込む先端構成部
はもともと小さいので、筒体や組込み部分も非常
に小さくなり、しかも、複雑な加工を必要として
実用的でなかつた。

一方、誘導子および誘導子収納室の各内面を電
気絶縁膜で被覆することも考えられる。しかし、
誘導子および収納室はその誘導子の回動操作を円
滑に行なうため、きわめて厳しい寸法精度が要求
されるが、電気絶縁膜で被覆する方式ではその要
求に応じることは技術的に困難であるとともに耐
久性も劣るものと考えられる。

本考案は上記問題点に着目してなされたもの
で、その目的とするところは処置具誘導子の繰り
返し操作に対して耐久性がすぐれ、しかも、その
回動操作を確実かつ安全に行うことができる十二
指腸用内視鏡を提供することにある。

［問題点を解決するための手段および作用］上記問題点を解決するために本考案は、内視鏡
の先端構成部に設けられた収容室に、処置具誘導
子を回動自在に設け、この処置具誘導子に操作ワ
イヤを連結するとともに、その操作ワイヤを押し
引きすることにより上記処置具誘導子を回動して
処置具挿通路を通じて上記収容室から先端構成部
の外部に導出する処置具の導出方向を設定するよ
うにした十二指腸用内視鏡において、先端構成部
本体、および上記処置具誘導子を金属体で形成
し、上記先端構成部本体の、上記処置具挿通路の
導出口から導出する処置具を受けて誘導する上記
処置具誘導子の誘導面に対向するとともに、上記
導出口に連なる収容室の壁面部分に電気絶縁部材
を設けたものである。

［実施例］第１図ないし第５図は本考案の第１の実施例を
示すものである。

第２図中１は十二指腸用内視鏡の操作部、２は
その操作部１に連結された長尺の挿入部である。
この挿入部２は可撓管部３、彎曲管部４および先
端構成部５からなり、上記彎曲管部４は操作部１
に設けたアングル操作ノブ６による操作によつて
遠隔的に湾れるようになつている。

上記先端構成部５は金属製の本体７とこの本体
７に嵌着されたカバー８とから構成されている。
このカバー８はエポキシ、ポリカーボネイト、ポ
リサルホンなどの合成樹脂材料によつて成形され
ており、上記本体７の平坦面９と対応する開口部
１０が設けられている。また、上記本体７の平坦
面９における操作部側から見て右側には処置具誘
導子収容室１１が設けられ、左側には先端側から
順に照明光伝達光学系１２、像伝達光学系１３の
光学部材１２ａ，１３ａが設けられている。な
お、これら光学部材１２ａ，１３ａの外表面は上
記平坦面９とほぼ同一面であるが、窪みに水滴が
溜まらないように0.2〜0.4mm程度、上記平坦面９
より突出している場合もある。さらに、第３図で
示すように上記処置具誘導子収容室１１は本体７
の垂直線ａより内方へ角度αだけ傾斜しており、
この底部には金属製の処置具誘導子１４の一端部
が支軸１５によつて回動自在に枢着されている。
この処置具誘導子１４は側面から見て先端側が広
幅となるほぼ扇状をなしており、その上面には凹
円弧状の誘導溝１６が設けられている。さらに、
この処置具誘導子１４の自由端部には取付穴１７
が穿設されていて、この取付穴１７には操作用ワ
イヤ１８の先端が取着されてている。すなわち、
操作用ワイヤ１８の先端部は処理具誘導子１４に
穿設した取付穴１７に挿入され、この取付穴１７
内に回転自在な回転リング１９を貫通して抜止め
リング２０に取着されている。なお、この抜止め
リング２０は操作用ワイヤ１８にスエージング加
工により取り付けられるが、さらに、その加工前
にセラミツク系などの接着剤が塗布された上でス
エージング加工されると、抜止めリング２０と操
作用ワイヤ１８との抜止め効果が高まる。そし
て、この操作ワイヤ１８の基端部は上記挿入部２
内にその長手方向に沿つて形成されたワイヤ案内
孔２１内を通り操作部１の鉗子起上ノブ２２に連
結されている。

上記処置具誘導子収容室１１の操作部側から見
て右側の側壁には第３図および第４図で示すよう
上記処置具誘導子収容室１１内にわずかに出張る
ストツパ部２３が設けられている。そして、上記
操作ワイヤ１８によつて回動される上記処置具誘
導子１４は、その起上時に上記ストツパ部２３に
衝止するようになつている。

また、処置具誘導子１４を収容する上記処置具
誘導子収容室１１は本体７の軸方向に穿設した貫
通路２４を介して挿入部２に内装された処置具チ
ヤンネル２５に連通している。この貫通路２４お
よび処置具チヤンネル２５は処置具を処置具誘導
子収容室１１に導びく処置具挿通路を構成してい
る。上記貫通路２４の上部は、凹状の溝２６が切
欠き形成され、この溝２６には電気絶縁部材２７
が密に嵌合して接着固定され、また、上記本体７
に嵌着された上記カバー８の内周面２８は、上記
電気絶縁部材２７に外嵌している。さらに、上記
電気絶縁部材２７には、凹円弧状の溝部２９が形
成されている。

そして、上記溝部２９は第４図で示すように貫
通路２４（処置具挿通路）の導出口の一部分を構
成している。すなわち電気絶縁部材２７は起上し
た処置具誘導子１４の誘導面たる誘導溝１６に対
向する壁面部を構成するとともに、この壁面部に
わたり上記溝部２９を延出形成している。

さらに、上記カバー８には処置具誘導子収容室
１１と対応する処置具突出窓３０が設けられてい
る。この処置具突出窓３０の上記光学部材１２
ａ，１３ａと反対側の開口縁３１すなわち操作部
側から見て右側は、先端側からなだらかに光学部
材１２ａ，１３ａの外表面より高く盛り上がつて
おり、また、このカバー８の開口縁３１における
内面３２は上記処置具誘導子１４と隙間ｔを介し
て対向しており、その上端部は平面３２ａに、中
途部は円錐面３２ｂに形成されている。なお、支
軸１５の中心線を中心線とする。

しかして、内視鏡の挿入部２を体腔内に挿入し
た状態において、その操作部１から処置具として
の高周波ナイフ３３を挿入すると、その高周波ナ
イフ３３は処置具チヤンネル２５を挿通し、先端
部本体７の貫通路２４を介して処置具誘導子１４
に導びかれる。この処置具誘導子１４には高周波
ナイフ３３を案内する誘導溝１６が設けられてい
るため、高周波ナイフ３３は、誘導溝１６を摺動
しながら前進する。この状態において、操作部１
の操作によつて操作ワイヤ１８を引くと、処置具
誘導子１４は支軸１５を支点として回動して起上
し、操作ワイヤ１８を押すと処置具誘導子１４は
倒伏する。したがつて、操作ワイヤ１８の押し引
き操作によつて処置具誘導子１４を倒伏、起上で
き、その誘導溝１６に沿つて挿入さされた高周波
ナイフ３３を湾曲して任意な方向に指向させるこ
とができる。

ところで、十二指腸乳頭活約筋切開術を目的と
する十二指腸用の内視鏡の場合、高周波ナイフ３
３は処置具誘導子１４を回動操作することによつ
て第５図の如く視野内に現れる。この状態は先端
構成部５の軸方向の断面をとると、第４図の如く
なる。これは乳頭の切開方向が視野11〜12時方向
であるため、必ず、アクテイブ電極３６の方向
は、処置具誘導子収容室１１の後壁側、つまり上
記電気絶縁部材２７側に位置する。したがつて、
上記アクテイブ電極３６に高周波電流を通電して
乳頭切開を行う際、上記アクテイブ電極３２が最
も触れる可能性が高い処置具誘導収容室１１の後
壁側が電気的に絶縁されているため、上記アクテ
イブ電極３６が先端構成部５と接触してスパーク
し、患者の体腔内を火傷させたり、上記高周波ナ
イフや内視鏡を損傷することなく、安全に検査、
処置が行なえることになる。

また、上記電気絶縁部材２７の接着固定が壊れ
ても、本体７の凹状の溝２６とカバー８の内周面
とで包み込まれた状態で嵌着されているため、電
気絶縁部材２７が移動して処置具の挿通を妨げた
り、脱落して体腔内を傷つけることがなく安全で
ある。

さらに、上記処置具誘導子１４と、処置具誘導
子収容室１１における処置具誘導子１４が回動す
る内面は、電気絶縁材で構成していないため、そ
の加工上寸法の制御が容易で処置具誘導子１４の
回動操作が確実であるとともに、強度的破損等の
恐れはなく安全である。

しかも、これらが構造的に簡単であるため、加
工が簡単で安価である。

第６図は本考案の第２の実施例を示すものであ
る。

この実施例が上記第１の実施例と異なるのは、
処置具誘導収容室１１の４面ある壁のうち操作部
側の１面である凹円弧状溝部３４に電気絶縁部材
３５を被覆したことである。

被覆する電気絶縁材は、たとえばプラズマ溶射
によるAl₂O₃やAl₂O₃・MgOでもよいし、浸漬法
によるCr₂O₃でもよいし、塗布法によるSiO₂でも
よいし、スプレー法によるポリイミド樹脂でもよ
い。また被覆する電気絶縁材の厚さは、高周波的
に絶縁するために100μ〜150μ程度が望ましい。

［考案の効果］以上説明したように本考案によれば、十二指腸
用内視鏡において、処置具誘導子の繰返し使用上
に対する耐久性を向上するとともに、使用上の安
全性を高める。さらに、その回動操作の円滑性を
確保できる。

また、加工が容易でしかも、正確に作ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例の先端構成部の
平面図、第２図は同じくその実施例の内視鏡全体
の斜視図、第３図は第２図中−線に沿う断面
図、第４図は第１図中−線に沿う断面図、第
５図は同じくこの実施例における観察視野の状況
を示す図、第６図は本考案の第２の実施例におけ
る先端構成部の側断面図である。２……挿入部、５……先端構成部、１１……処
置具誘導子収容室、１４……処置具誘導子、２４
……貫通路、２７……電気絶縁部材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】内視鏡の先端構成部に設けられた収容室に、処
置具誘導子を回動自在に設け、この処置具誘導子
に操作ワイヤを連結するとともに、その操作ワイ
ヤを押し引きすることにより上記処置具誘導子を
回動して処置具挿通路を通じて上記収容室から先
端構成部の外部に導出する処置具の導出方向を設
定するようにした十二指腸用内視鏡において、先端構成部本体、および上記処置具誘導子を金
属体で形成し、上記先端構成部本体の、上記処置
具挿通路の導出口から導出する処置具を受けて誘
導する上記処置具誘導子の誘導面に対向するとと
もに上記導出口に連なる収容室の壁面部分に電気
絶縁部材を設けたことを特徴とする十二指腸用内
視鏡。