JP2602289B2 - レーザープローブ - Google Patents

レーザープローブ

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JP2602289B2
JP2602289B2 JP63172921A JP17292188A JP2602289B2 JP 2602289 B2 JP2602289 B2 JP 2602289B2 JP 63172921 A JP63172921 A JP 63172921A JP 17292188 A JP17292188 A JP 17292188A JP 2602289 B2 JP2602289 B2 JP 2602289B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、レーザー光を用いて患部を処置するレー
ザープローブに関する。
[従来の技術] 生体組織の切開,凝血などの処置に用いられるレーザ
ープローブには、従来、特表昭61−502168号公報,特開
昭62−170263号公報および実開昭62−202813号公報に開
示されているものがある。
すなわち、特表昭61−502168号公報にはレーザー光を
伝送するレーザーガイドの出射端の前方に、人工サファ
イアからなる接触部材(レーザー透過部材に相当)を設
けたものが示されている。そして、レーザーガイドから
出射したレーザー光を接触部材を通って、レーザーガイ
ドの軸方向へ出射させている。
また特開昭62−170263号公報は、レーザーガイドの出
射端を円錐状に形成して、広範囲にレーザー光を照射さ
せるようにしている。
残る実開昭62−202813号公報は、レーザーガイドの出
射端の前方に球状のレーダー反射部材を設けて、広範囲
にレーザー光を照射させるようにしている。
[発明が解決しようとする課題] ところが、いずれのレーザープローブにも難点があ
る。すなわち、特表昭61−502168号公報によると、レー
ザー光はレーザーガイドおよび接触部材の軸方向にの
み、照射される。このため、血管等の細い管腔内にレー
ザープローブを挿入して使用する場合(血栓の処置
等)、患部(血栓部等)以外の部位に集中的にレーザー
光を照射して、血管壁など管腔壁に穿孔を生じさせてし
まうおそれがある。
また特開昭62−170263号公報によると、レーザーガイ
ドの出射端に血液等の汚物が付いた場合、焼損しやすい
欠点をもち、耐久性の点で劣る。
実開昭62−202813号公報によると、球状のレーザー反
射部材を使用するので、構造の点,コストの点でよくな
い欠点がある。
この発明は、このような事情に着目してなされたもの
で、簡単な構造で、広範囲にレーザー光が照射できる耐
久性に優れたレーザープローブを提供することを目的と
する。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、この発明のレーザープロ
ーブによると、レーザーガイドの出射端と対向する側と
は反対の部分に、レーザーガイドから出射したレーザー
光の一部又は全部をレーザーガイドより出射したレーザ
ー光出射方向とは異なる方向へ反射させる面を形成した
くぼみをもつ、レーザ透過部材をレーザーガイドの出射
端の前方に設ける。
[作用] この発明のレーザープローブによると、レーザーガイ
ドの出射端から出射したレーザー光は、レーザ透過部材
を透過する際、反射面で反射される。そして、この反射
によって、レーザー光出射方向とは異なる方向へ照射さ
れていく。
[実施例] 以下、この発明を第1図ないし第5図に示す第1の実
施例にもとづいて説明する。第3図はレーザープローブ
1の先端側の構造を示し、2はレーザー光A(第2図に
図示)を伝送するレーザーガイド、3はそのレーザーガ
イド2の外周囲に設けたシース、4は保持部材である。
保持部材4は、中央のフランジ部5を境として、後部
側に第4図のような複数のスリワリ部6をもつ差込み部
7を設け、また前部側に外周におねじ部をもつ接続部8
を設けた中空構造となっている。そして、この保持部材
4の差込み部7の内径部に、上記レーザーガイド2の出
射側の端部が保持され、出射端となる露出した先端を接
続部側の開口に臨ませている。なお、差込み部7の外径
部には上記シース3の端部が嵌挿されている。
一方、10は略円柱状のレーザー透過部材である。レー
ザー透過部材10は、人工サファイア(Al2O3)等の耐熱
性を有し、かつレーザー光Aを透過する部材から構成さ
れている。なお、レーザー透過部材10の後端部には、内
周面にめねじ部が形成されたホルダ11が連結されてい
る。そして、このホルダー11が上記保持部材4の接続部
に着脱自在に接続され、レーザー透過部材10をレーザー
ガイド2の出射端2aの前方に固定している。
そして、こうしたレーザー透過部材10の上記レーザー
ガイド2の出射端2aと対向する面とは反対側の面の中央
に、くぼみ12が設けられている。くぼみ12は、第1図お
よび第2図にも示すようにレーザー透過部材10の軸方向
中程の地点を底部とした円錐面12aから構成されてい
る。そして、円錐面12aの傾斜角は、レーザー光Aを反
射する臨界角を越えないように設定されていて、円錐面
12aの反射面として、レーザーガイド2から出射される
レーザー光Aの一部又は全部をレーザー透過部材10の外
周方向側、つまりレーザー光出射方向とは異なる方向へ
照射できるようにしている。
なお、レーザー光Aが全反射される角度θは、つぎの
与式で与えられる。
θ=sin-1 h0/h 但し、h0はレーザー透過部材10の周囲の物質の屈折
力、hはレーザー透過部材10の屈折力である。
また、ホルダー11のレーザ透過部材10を保持する部分
には、ホルダー11の内腔部と連通するスリワリ部13が設
けられていて、レーザーガイド2とシース3との間の間
隙で形成される流体通路14を流れてくる流体Bを保持部
材4のスリワリ部6,ホルダー11内を通じてホルダー11の
スリワリ部13から吐出できるようにしている。
なお、図示はしないがレーザーガイドはレーザー発振
装置に接続され、流体通路14は流体供給装置に接続され
ている。
しかして、こうして構成されたレーザープローブ1を
用いて、例えば第5図のように血管15(生体の管腔)の
血栓部15aを除去するときは、まず、レーザープローブ
1を血管15内に挿入し、レーザー発振装置および流体供
給装置を作動させる。すると、レーザー発振装置から発
振されたレーザー光Aは、レーザーガイド2を通じて出
射端2aから出射され、レーザー透過部材10を透過しよう
とする。
ここで、レーザー透過部材10にはくぼみ12が形成され
ているから、レーザーガイド2から出射したレーザー光
Aは円錐面12aで反射されていく。つまり、レーザー光
Aは、反射によって、レーザー光出射方向とは異なる方
向となる、レーザー透過部材10の外周方向へ照射されて
いく。
一方、流体通路14に入った流体Bは、スリワリ部6お
よびホルダー11内を通ってスリワリ部13から外部に吐出
され、レーザー透過部材10を冷却していく(レーザー透
過部材10の焼損防止)。
そして、このようにレーザー光Aを出射しながら、レ
ーザープローブ1の先端を血栓部15aに導いて行けば、
血管15の軸方向(血栓のない方向)へ照射せず、レーザ
ー透過部材10の外周に有る広範囲な組織に一様にレーザ
ー光Aを照射して、血栓部15aを焼灼除去していく。
かくして、血栓部15a以外の部位にはレーザー光Aの
照射がないから、レーザー光Aによる穿孔の危険性な
く、安全に処置を行なうことができる。またレーザー光
Aの反射は、レーザーガイド2を利用していないので、
耐久性が損われるようなこともない。
しかも、レーザー透過部材10にくぼみ12を設けるだけ
でよいから、構成的にも簡単で、コストも安価ですむ。
なお、この発明は第1の実施例に限らず、例えば第6
図および第7図に示す第2の実施例、第8図および第9
図に示す第3の実施例、第10図および第11図に示す第4
の実施例、第12図および第13図に示す第5の実施例、第
14図および第15図に示す第6の実施例、第16図および第
17図に示す第7の実施例、第18図および第19図に示す第
8の実施例、第20図および第21図に示す第9の実施例、
第22図ないし第25図に示す第10の実施例のようにしても
よい。
すなわち、第2の実施例は、第1の実施例で示したく
ぼみ12の傾斜角を、θ′が臨界角を越えない範囲で変え
たものである(臨界角を越えない範囲内で傾斜を自由に
選択した一例)。但し、第6図はレーザー透過部材10の
正面を、第7図は断面を示す。
このようにすれば、レーザー光Aの照射方向を変える
ことができる。
第3の実施例は、臨界角を利用してくぼみ12からレー
ザー光Aを反射させたのではなく、くぼみ12の傾斜面に
アルミ等の反射コーティング20を施して、この反射コー
ティング20がされた面でレーザー光Aを反射させるよう
にしたものである。
こうした反射コーティング20を用いて、レーザー透過
部材10の外周方向へレーザー光Aを照射する構造は、く
ぼみ12の傾斜が臨界角を越えてもレーザー光Aを反射さ
せることができるので、先の第1および第2の実施例以
上に照射方向を選択することができる。但し、第8図は
レーザー透過部材10の正面を、第9図は断面を示す。
第4の実施例は、くぼみ12を楕円回転体の一部の面で
構成したものである。但し、第10図はレーザー透過部材
10の正面を、第11図は断面を示す。
第5の実施例は、くぼみ12を円回転体の一部の面で構
成したものである。但し、第12図はレーザー透過部材10
の正面を、第13図は断面を示す。
第6の実施例は、先の第1の実施例,第2の実施例で
示したくぼみ12の底部を平面としたものである。
こうしたくぼみ12によると、底の平面部25を通過する
レーザー光Aの一部は前方へ照射されるので、その分、
より広範囲のレーザー光Aの照射が可能となる。
第7の実施例は、その第6の実施例の変形例で、くぼ
み12の底部を半球面としたものである。
こうしたくぼみ12によると、底の半球面部26を通過す
るレーザー光Aの一部は、半球面部26のレンズ効果によ
り、前方へ広がりながら照射されるので、その分、広範
囲のレーザー光Aの照射が可能となる。
第8の実施例は、傾斜面に脹らみを有するくぼみ12を
レーザー透過部材10に設けたものである。
このような脹らみ部27をもつ形状のくぼみ12を用いれ
ば、さらに広範囲のレーザー光Aの照射が可能となる。
但し、第18図はレーザー透過部材10の正面を、第19図は
断面を示す。
第9の実施例は、くぼみ12を傾斜の異なる2つ、ある
いはそれ以上の円錐面12a,12bで構成したものである。
こうしたくぼみ12によると、傾斜の異なる各々の面で
反射したレーザー光Aは各々の方向へ照射されるから、
より広範囲なレーザー光Aの照射が可能となる。但し、
第20図はレーザー透過部材10の正面を、第21図は断面を
示す。
第10の実施例は、レーザー透過部材10の中を通して、
流体通路14からの流体を吐出させようとしたものであ
る。
具体的には、レーザー透過部材10の中央に、軸方向に
貫通して、くぼみ12の底部に開口する貫通孔30を設け
る。そして、ホルダー11からスリワリ部13をなくし、そ
れに代って保持部材4のスリワリ部6,ホルダー11内,貫
通孔30から、流体通路14と連通する通路を構成してい
る。
こうした構造によると、流体がレーザー透過部材10の
前方へスムーズに流れるようになるので、その分、管路
抵抗が少なくてすむ。なお、第22図ないし第25図におい
て、第1の実施例と同じものには同一符号を附してその
説明を省略した。
[発明の効果] 以上説明したようにこの発明によれば、くぼみをレー
ザー透過部材に設けるといった簡単な構成で、生体の管
腔壁等に一様にレーザー光を照射することができ、広範
囲なレーザー光の照射が可能となる。しかも、耐久性の
点にも優れる。
そのうえ、レーザーガイドの軸心方向のレーザー光の
照射が抑制されるので、たとえ血管の血栓の焼灼除去に
使用しても血管壁の穿孔の危険性はなく、安全な処置が
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第5図はこの発明の第1の実施例を示し、
第1図はくぼみが設けられたレーザー透過部材を示す正
面図、第2図はそのレーザー透過部材を、レーザーガイ
ドと共に示す断面図、第3図はレーザー透過部材が装着
されたレーザープローブの先端側の構造を示す断面図、
第4図はその第3図中、X−X線に沿う断面図、第5図
はレーザープローブで血栓の焼灼除去を行っている状態
を示す図、第6図はこの発明の第2の実施例の要部とな
るレーザー透過部材を示す正面図、第7図はそのレーザ
ー透過部材を、レーザーガイドと共に示す断面図、第8
図はこの発明の第3の実施例の要部となるレーザー透過
部材を示す正面図、第9図はそのレーザー透過部材を、
レーザーガイドと共に示す断面図、第10図はこの発明の
第4の実施例の要部となるレーザー透過部材を示す正面
図、第11図はそのレーザー透過部材を、レーザーガイド
と共に示す断面図、第12図はこの発明の第5の実施例の
要部となるレーザー透過部材を示す正面図、第13図はそ
のレーザー透過部材を、レーザーガイドと共に示す断面
図、第14図はこの発明の第6の実施例の要部となるレー
ザー透過部材を示す正面図、第15図はそのレーザー透過
部材を、レーザーガイドと共に示す断面図、第16図はこ
の発明の第7の実施例の要部となるレーザー透過部材を
示す正面図、第17図はそのレーザー透過部材を、レーザ
ーガイドと共に示す断面図、第18図はこの発明の第8の
実施例の要部となるレーザー透過部材を示す正面図、第
19図はそのレーザー透過部材を、レーザーガイドと共に
示す断面図、第20図はこの発明の第9の実施例の要部と
なるレーザー透過部材を示す正面図、第21図はそのレー
ザー透過部材を、レーザーガイドと共に示す断面図、第
22図はこの発明の第10の実施例の要部となるレーザー透
過部材を示す正面図、第23図はそのレーザー透過部材
を、レーザーガイドと共に示す断面図、第24図はレーザ
ー透過部材が装着されたレーザープローブの先端側の構
造を示す断面図、第25図はその第24図中、Y−Y線に沿
う断面図である。 2……レーザーガイド、10……レーザー透過部材、12…
…くぼみ、12a……円錐面(反射面)。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザー光を伝送するレーザーガイドの出
    射端の前方にレーザー透過部材を設けて構成されるレー
    ザープローブにおいて、前記レーザ透過部材は、前記レ
    ーザーガイドの出射端と対向する側とは反対の部分に、
    前記レーザーガイドから出射したレーザー光の一部又は
    全部をレーザーガイドより出射したレーザー光出射方向
    とは異なる方向へ反射させる面が形成されたくぼみを設
    けてなることを特徴とするレーザープローブ。
JP63172921A 1988-07-12 1988-07-12 レーザープローブ Expired - Lifetime JP2602289B2 (ja)

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