JPH03209198A - ルテニウム分離方法およびその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、ルテニウム含有液体またはルテニウム含有気
体からルテニウムを除去または回収するルテニウムの分
離方法およびその装置に関する。

（従来の技術） 原子力施設における高放射性廃液にはルテニウムが含有
されている 従米、この廃液を高温炉等の高温処理装置により処理し
てルテニウムその他の戒分を気化させ、次に、この廃気
を洗浄塔等の溶解装置において水洗して水にルテニウム
その他の可溶性威分を水に吸収させることにより廃気を
浄化していた。

一方、ルテニウムは合金として装飾材料または電ス接点
材料などとして有用である。このため、前記高放射性廃
液などルテニウム含有液からルテニウムを回収するため
、添加剤を用いて非ルテニウム或分を順次反応除去し、
ルテニウムを化学的に分離していた。これら化学的な添
加物の中には強力な酸化剤も使用されている。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上記従来技術では、次のような課題があ
った。

ルテニウム含有液体を高温処理してルテニウム或分など
を蒸発させ、次にこの廃スを水洗して水にルテニウムを
吸収させるものでは、水洗の工程いかんによっては大部
分のルテニウムが水に溶けないで廃気中に残ってしまう
という課題があった。

一方、ルテニウムを化学的に分離するものでは、その分
離工程として多数の工程があり、かつ多種類の添加剤を
必要とするため高コストとなりかつ工程管理に手間や時
間、コストがかかるという課題がある他、添加剤として
強力な酸化剤を使用するため設備が腐食されるという問
題点があった。

本発明はこのような従米技術の課題を解消するものであ
り、本発明の目的は、高放射性廃液中のルテニウムを確
実に分離除去すると同時に、該分離除去工程に１５いて
設備を腐食させることなく、かー〕高純度のルテニウム
を分離する方法およびその装置を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達或するため、本発明で（よ、ノレテニウム
含有液体を高温処理して揮発性ノレテニウムを蒸発させ
、次にこの揮発性ノレテニウム１二酸化窒素を添加して
反応させ、次にその生成物を液体に吸収させる。

（実施例） ところで、高放射性廃液を高温で蒸発処理して生ずるル
テニウム化合物はＲｕＯ＝であり、これを以下揮発性ル
テニウムと称する。この揮発性ルテニウムは、核燃料再
処理施設の除染１こ使用される酸化剤によりルテニウム
が酸化されて生ずるものである。

−殻に気液平衡が小さくなるにつれて溶解度が大きくな
るが、揮発性ルテニウムは気液平衡が５と大きく、溶解
度が小サリ・。しかし、揮発性ルテニウムがＮＯｘと反
応してニトロシノレノレテニウムになると、気液平衡が
大幅に低下することが実験により判明した。すなわち、
第２図にＨｉ’：　ｔ実験結果のように揮発性７レテニ
ウムの杓２００倍当量の二酸化窒素ＮＯ２を添加すると
気液平衡は大幅に低下し、また第３図に示す実験結果の
ように揮発性ルテニウムの約２０倍当量のＮｏを添加す
ると気液平衡は大幅に低下した。：れにより、特に一酸
化窒素Ｎｏを添加した場合にＡｆｌ．平衡の低下効果が
大きいことが判った。

上記揮発性ルテニウムに酸化窒素を反応させるとス液平
衡が低下することを利用して、本発明では第１図に示す
ような方法および装置でルテニウムを分離除去するもの
である。

図を参照して、たとえ１！原子力施設から生じる高放射
性廃液などのルテニウム含有液体を焼却炉、溶融炉など
の高温処理装置１により高温に過熱して揮発性ルテニウ
ムＲｕ○４その他の揮発性放分などを蒸発させる。

次に、このガスに酸化窒素供給装置２により酸化窒素Ｎ
　（’．”＋　ｘを添加して反応させ、液体に吸収しや
ｒ　＜　ｔる。酸化窒素と揮発性ルテニウムとの反応は
室温ないし杓１０００゜Ｃの広範囲で可能なため、特別
な反応温度の制御は不要である。また、酸化窒素を添加
する箇所は、高温処理装置、吸収装置または両者の接続
路など揮発性ルテニウムの存在する箇所であればどの位
置でもよい。

次に、この生成物（ニトロシルルテニウム）その他の戒
分を洗浄塔などの溶解装置３に投入して、ニトロシルル
テニウムその他の可溶性或分だけを水などの液体に吸収
させ、それ以外の或分を廃スとして除去する。

さらに、このニトロシルルテニウムその他の或分を含有
する洗浄液を濾過装置、沈降分離機、遠心分離機または
蒸発装置などの物理的分離装置４に導入して二トロンル
ルテニウムを分離してもよい。ここで、分離とはルテニ
ウムを有用物質として回収する場合と、環境保全のため
にルテニウムを廃気から除去する場合の両方を含むもの
である。

ところで、従米の原子力施設では、高放射性廃液処理施
設として、廃液を気化するための高温処理装置および蒸
発したス体を水に吸収させて廃気を浄化する溶解装置と
が設けられているので、本発明の方法および装置を叉施
する場合にはその既存設備に酸化窒素添加装置を付設す
るだけで足りる。

本発明の特徴とするところは、揮発性ルテニウムに酸化
窒素ＮＯｘを添加すると溶解し易いニトロシルルテニウ
ムとなる点にあるが、これを実際の規楳の吸収塔を使用
してＮＯｘの添加の有無による気体ルテニウムの除去性
能を比較実験した。

その結果、ＮＯｘを添加しない場合には除去性能（入り
口の揮発性ルテニウム量と出口の揮発性ルテニウム量と
の比）は約８であるのに対して、ＮＯ，を添加した場合
には約７８００と約１　０００倍近く性能が上昇した。

なお、実験に用いた吸収塔の径は１２００ｍｍ、高５５
４００＋Ωｍ、洗浄悔は７段の多穴板、ガス流量２　４
　０　Ｎ　ｍ”／　ｈ、洗浄水流量７　０　１　／　ｈ
のものである。

また、第４図は本発明の方法を実施するための装置の一
部分を示すものであり、高温処理装置たる蒸発缶１１に
吸収装置たるオフ〃ス処理装置１２が接続されており、
蒸発缶１１、蒸発ガス処理装置１２または両者の接続路
１３に対して、Ｎｏボンベ１４から供給管１５を介して
Ｎｏを供給するようになっている。１６は圧力計、１７
段は減圧弁、１８は流量計、１９は流量調節弁である。

また、２０はＮＯ２ボンベであり、該ＮＯ２ボンベ２０
にはＮＯ２を気化、発生させるヒータ２１と温度調節器
２２とが付設されている。

上記装置によって必要に応じて酸化窒素の内、一酸化窒
素ＮＯと二酸化窒素ＮＯ２のどちらか一方を選択使用で
きるものとなる。

（発明の効果） 以上説明した本発明によると次のような効果を奏する。

すなわち、揮発性ルテニウムＲｕｂ．を酸｛ｅ！素ＮＯ
ｘと反応させてニトロシルルテニウムとして気液平衡を
低下させ溶解度を大きくしてから液体に吸収させるので
、液体による吸収率が高くなり、ルテニウムの分離率を
大幅に向上できる。

また、従来のように、多種類の添加剤を必要とせず、工
程も簡素化でき、酸化剤により設備が腐食されることも
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の方法の工程を示すブロック図であり
、第２図はＮＯ２濃度による揮発性ルテニウムの気液平
衡を示すグラフ、第３図はＮＯ濃度による揮発性ルテニ
ウムの気液平衡を示すグラフであ埋、第４図は本発明の
ルテニウム分離装置の一例を示す概略図である。 １：高温処理装置　２二酸化窒素供給装置３：溶解装置
　〕４：Ｎ○ボンベ ２０：Ｎ○，ボンベ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）ルテニウム含有液体を高温処理して揮発性ルテニ
   ウムを蒸発させ、次に該揮発性ルテニウムに酸化窒素を
   添加して反応させ、次にその生成物を液体に吸収させる
   ことを特徴とするルテニウム分離方法。
2. （２）ルテニウム含有液体を高温処理して揮発性ルテニ
   ウムを蒸発させる高温加熱装置と、揮発性ルテニウムに
   酸化窒素を添加する酸化窒素供給装置と、その生成物を
   液体に吸収させる溶解装置と、 から成ることを特徴とするルテニウム分離装置。