JPH07287096A - ルテニウムの処理方法及び放射性液体廃棄物の処理方法並びに放射性液体廃棄物の処理装置 - Google Patents

ルテニウムの処理方法及び放射性液体廃棄物の処理方法並びに放射性液体廃棄物の処理装置

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JPH07287096A
JPH07287096A JP7888694A JP7888694A JPH07287096A JP H07287096 A JPH07287096 A JP H07287096A JP 7888694 A JP7888694 A JP 7888694A JP 7888694 A JP7888694 A JP 7888694A JP H07287096 A JPH07287096 A JP H07287096A
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vapor
liquid waste
ruthenium
radioactive liquid
treating
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JP7888694A
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Tadahiro Hoshikawa
忠洋 星川
Akira Sasahira
朗 笹平
Tetsuo Fukazawa
哲生 深澤
Kiyomi Funabashi
清美 船橋
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高い反応速度で大量の気体のルテニウムを除去
し、高レベル廃液濃縮工程・酸回収工程でも高効率で十
分に浄化処理を行えるルテニウムの処理方法及び放射性
液体廃棄物の処理方法並びに放射性液体廃棄物の処理装
置を提供する。 【構成】ルテニウム化合物を含む放射性液体廃棄物が高
レベル廃液濃縮缶1で加熱され濃縮される。発生したR
uO4を含む蒸気は凝縮器4で凝縮され貯槽5へ貯留さ
れるが蒸気の一部は凝縮されず放出され反応器6内に流
入する。このとき冷却器7bで露点より低温とした水と
NOxとを同時に反応器6に吹き込み飽和水蒸気圧以上
として蒸気を凝縮させる。これによりRuO4を含む蒸
気はこの反応器6中で凝縮するとともにその凝縮過程に
おいてNOxと反応し、蒸気に含まれるRuO4はほとん
どが不揮発性のルテニウム化合物であるRuNO3+に還
元され、凝縮液に取り込まれて凝縮器4を介し貯槽5へ
流入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射性液体廃棄物の浄
化処理に係わり、特に、ルテニウムを含む放射性液体廃
棄物から発生した気体のルテニウムを浄化処理するルテ
ニウムの処理方法及びこれを用いた放射性液体廃棄物の
処理方法並びに放射性液体廃棄物の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉から発生する使用済燃料は、原子
力発電所内の燃料貯蔵プールで貯蔵・冷却された後再処
理工場へ搬出され、この使用済燃料から再使用する残存
燃料を回収するともに生成された核分裂生成物を除去す
る燃料再処理が行われる。
【0003】この燃料再処理において現在最も実用化さ
れている方法はpurex法である。このpurex法
の最初の工程である高レベル廃液濃縮工程においては、
適当な小片に切断された燃料が硝酸に溶解されて高レベ
ル廃液となる。そして例えば「原子力工業」第35巻(19
89)第9号(p.5-23)に記載されているように、この高
レベル廃液は蒸発濃縮缶において加熱されることにより
一部が蒸発し、残りは濃縮される。すなわち、高レベル
廃液中の放射性物質は蒸発濃縮缶に閉じこめられたまま
濃縮されてガラス固化等の処分が別途施される一方、蒸
発した蒸気の大部分は凝縮器で凝縮されて再び放射性廃
液となるが、この蒸発・凝縮操作によって廃液中の放射
性物質濃度は大きく低減される。そしてこの放射性廃液
は、後段階である酸回収工程及びさらに後段階である低
レベル廃液処理工程において、同様にして放射性物質濃
度がさらに低減され、最後に海洋放出される。また凝縮
器で凝縮しなかった一部の蒸気は気体廃棄物処理系に導
かれ、蒸気に含まれていた水及び硝酸はこの気体廃棄物
処理過程において冷却されて回収される。
【0004】この高レベル廃液中において、核分裂生成
物の1つである放射性ルテニウムは、不揮発性であるR
uNO3+(液体)の形態で溶解している。しかしなが
ら、この放射性ルテニウムの一部が高レベル廃液中で酸
化されて揮発性であるH2RuO5(液体)の形態となっ
て溶解している場合があり、この場合、蒸発・濃縮過程
における加熱によってこのH2RuO5が気化してRuO
4(気体)となり、このRuO4が蒸気中に混入する可能
性がある。そしてこのようにRuO4の形態で放射性ル
テニウムが混入した蒸気が凝縮器で凝縮されずそのまま
気体廃棄物処理系での気体廃棄物処理工程に移行する
と、この処理工程後に放射性ルテニウムを含んだまま大
気中へ放出され、大気中の放射性物質量を増加させるお
それがある。また気体の形態となっている放射性ルテニ
ウムは気体廃棄物処理系の配管等の内壁にその析出物を
付着させ、放射性物質を蓄積させるおそれもある。
【0005】上記問題を解決するための方法としては、
(1)高レベル廃液中に溶解している状態のルテニウム
を除去する方法、及び(2)気体となったルテニウムを
除去する方法、の2通りが考えられる。
【0006】(1)の方法によるルテニウム除去の公知
技術としては、例えば以下のものがある。 特開平1−138496号公報 この公知技術は、いわゆる液体処理法と称されるもので
あり、溶液中に揮発性であるH2RuO5の形態で溶解し
ているルテニウムを、電気化学的な方法により酸化した
後次いで還元し不溶性であるRuO2(固体)の形態に
変化させることにより、溶液から除去するものである。
【0007】また(2)の方法によるルテニウム除去の
公知技術としては、例えば以下のものがある。 特開平2−99898号公報 この公知技術は、高レベル廃液のガラス固化プロセスに
おいて発生する放射性ガスに揮発性であるRuO4の形
態で含まれるルテニウムを、NOxと反応させ還元して
不揮発性であるRuNO3+の形態に変化させこれを液体
に吸収させることにより、ルテニウムを容器から除去す
るものである。
【0008】特開平3−209198号公報 特開平5−126994号公報 これらの公知技術は、溶液中に揮発性であるH2RuO5
の形態で含まれているルテニウムを高温処理し蒸発させ
てRuO4の形態とし、次にこれにNOxを添加し還元し
て不揮発性であるRuNO3+の形態に変化させこれを液
体に吸収させることにより、ルテニウムを溶液から除去
するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知技術には以下の問題点が存在する。すなわち、公知技
術においては、燃料再処理における低レベル廃液蒸発
工程・海洋放出工程において適用した場合には一定のル
テニウム除去効果を得るが、高レベル廃液濃縮工程又は
酸回収工程への適用を考えた場合、これらの工程におけ
る放射性廃液は硝酸濃度が高く0.001規定以上であ
ることから、ルテニウムを電気化学的に酸化・還元する
前に硝酸や水の電気分解にエネルギーが用いられてしま
い、ルテニウムの不溶形への転化効率が低下する。すな
わち、高レベル廃液濃縮工程又は酸回収工程に適用した
場合は十分なルテニウム除去効果が得られない。
【0010】また、燃料再処理の高レベル廃液濃縮工程
又は酸回収工程において発生するルテニウムを含んだ蒸
気の流量は非常に多いので、この蒸気の浄化処理におい
ては反応速度が速いほうが好ましい。しかし、公知技術
のように揮発性のRuO4に単にNOxを添加して
還元し不揮発性のRuNO3+にする方法では、反応速度
が遅い。よって高レベル廃液濃縮工程又は酸回収工程に
はこれらの方法を適用する場合には、適用が困難である
か、適用できても浄化処理の効率が悪い。
【0011】本発明の目的は、高い反応速度で大量の気
体のルテニウムを除去することにより、燃料再処理の高
レベル廃液濃縮工程又は酸回収工程に適用した場合でも
高効率で十分に浄化処理を行えるルテニウムの処理方法
及び放射性液体廃棄物の処理方法並びに放射性液体廃棄
物の処理装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の概念によれば、気体のルテニウム化
合物を含む蒸気を凝縮させるとともに、その凝縮過程に
おいて前記蒸気と還元剤とを反応させることにより、前
記気体のルテニウム化合物を不揮発性のルテニウム化合
物に変化させることを特徴とするルテニウムの処理方法
が提供される。
【0013】好ましくは、前記ルテニウムの処理方法に
おいて、前記気体のルテニウム化合物は、RuO4であ
ることを特徴とするルテニウムの処理方法が提供され
る。
【0014】また好ましくは、前記ルテニウムの処理方
法において、前記不揮発性のルテニウム化合物は、Ru
NO3+であることを特徴とするルテニウムの処理方法が
提供される。
【0015】さらに好ましくは、前記ルテニウムの処理
方法において、前記還元剤は、窒素酸化物のガスである
ことを特徴とするルテニウムの処理方法が提供される。
【0016】また好ましくは、前記ルテニウムの処理方
法において、前記還元剤は、亜硝酸溶液であることを特
徴とするルテニウムの処理方法が提供される。
【0017】さらに好ましくは、前記ルテニウムの処理
方法において、前記蒸気と還元剤とが反応する蒸気の凝
縮過程は、窒素酸化物と前記蒸気の露点よりも低温であ
る水との両方及び前記蒸気の露点よりも低温である亜硝
酸溶液のうちの一方を前記蒸気に吹き込むことにより、
前記蒸気の圧力を飽和蒸気圧以上として蒸気を凝縮させ
るとともに、前記気体のルテニウム化合物を還元する過
程であることを特徴とするルテニウムの処理方法が提供
される。
【0018】また好ましくは、前記ルテニウムの処理方
法において、前記蒸気と還元剤とが反応する蒸気の凝縮
過程は、前記蒸気をその蒸気の露点より低温に冷却する
とともに、水と窒素酸化物との両方及び亜硝酸溶液のう
ちの一方を前記冷却された蒸気に吹き込むことにより、
前記蒸気の圧力を飽和蒸気圧以上として蒸気を凝縮させ
るとともに、前記気体のルテニウム化合物を還元する過
程であることを特徴とするルテニウムの処理方法が提供
される。
【0019】さらに好ましくは、前記ルテニウムの処理
方法において、前記蒸気と還元剤とが反応する蒸気の凝
縮過程は、前記蒸気の露点よりも低温である亜硝酸溶液
中に前記蒸気を通液させることにより、前記蒸気を凝縮
させるとともに前記気体のルテニウム化合物を還元する
過程であることを特徴とするルテニウムの処理方法が提
供される。
【0020】また上記目的を達成するために、本発明の
第2の概念によれば、酸化数8のルテニウムからなるル
テニウム化合物を含む蒸気を凝縮させるとともに、その
凝縮過程において前記蒸気と還元剤とを反応させること
により、前記酸化数8のルテニウムを酸化数2のルテニ
ウムに変化させることを特徴とするルテニウムの処理方
法が提供される。
【0021】さらに上記目的を達成するために、本発明
の第3の概念によれば、ルテニウム化合物を含む放射性
液体廃棄物を加熱し蒸気を蒸発させて前記放射性液体廃
棄物を濃縮するとともに、前記蒸気を冷却し凝縮させて
生じた凝縮液を回収する放射性液体廃棄物の処理方法に
おいて、前記蒸気の凝縮過程で前記蒸気と還元剤とを反
応させることにより、前記蒸気に含まれる気体のルテニ
ウム化合物を不揮発性のルテニウム化合物に変化させて
前記凝縮液に取り込み、その凝縮液を回収することを特
徴とする放射性液体廃棄物の処理方法が提供される。
【0022】好ましくは、前記放射性液体廃棄物の処理
方法において、前記蒸気に含まれる気体のルテニウム化
合物は、RuO4であることを特徴とする放射性液体廃
棄物の処理方法が提供される。
【0023】また好ましくは、前記放射性液体廃棄物の
処理方法において、前記不揮発性のルテニウム化合物
は、RuNO3+であることを特徴とするルテニウムの処
理方法が提供される。
【0024】さらに好ましくは、前記放射性液体廃棄物
の処理方法において、前記還元剤は、窒素酸化物のガス
であることを特徴とする放射性液体廃棄物の処理方法が
提供される。
【0025】また好ましくは、前記放射性液体廃棄物の
処理方法において、前記還元剤は、亜硝酸溶液であるこ
とを特徴とする放射性液体廃棄物の処理方法が提供され
る。
【0026】さらに上記目的を達成するために、本発明
の第4の概念によれば、ルテニウム化合物を含む放射性
液体廃棄物が供給されその放射性液体廃棄物を加熱して
気体のルテニウム化合物を含む蒸気を蒸発させる蒸発手
段と、その蒸発手段からの蒸気が導かれ前記蒸気の凝縮
を行う第1の凝縮手段とを備え、溶液中に含まれる放射
性物質の濃度を低減する放射性液体廃棄物の処理装置に
おいて、前記第1の凝縮手段に接続されその第1の凝縮
手段に還元剤を供給する還元剤供給手段を有することを
特徴とする放射性液体廃棄物の処理装置が提供される。
【0027】好ましくは、前記放射性液体廃棄物の処理
装置において、前記還元剤は、窒素酸化物のガスである
ことを特徴とする放射性液体廃棄物の処理装置が提供さ
れる。
【0028】また好ましくは、前記放射性液体廃棄物の
処理装置において、前記還元剤は、亜硝酸溶液であるこ
とを特徴とする放射性液体廃棄物の処理装置が提供され
る。
【0029】さらに好ましくは、前記放射性液体廃棄物
の処理装置において、前記第1の凝縮手段で生成された
凝縮液が導かれて貯留される第1の貯留手段をさらに有
することを特徴とする放射性液体廃棄物の処理装置が提
供される。
【0030】また好ましくは、前記放射性液体廃棄物の
処理装置において、前記蒸発手段で発生した蒸気の一部
分を凝縮するとともに他の部分を蒸気のまま放出する第
2の凝縮手段をさらに有し、前記第1の凝縮手段は、前
記第2の凝縮手段から放出された蒸気を凝縮する手段で
あることを特徴とする放射性液体廃棄物の処理装置が提
供される。
【0031】さらに好ましくは、前記放射性液体廃棄物
の処理装置において、前記第1及び第2の凝縮手段のう
ち少なくとも一方で生成された凝縮液が導かれて貯留さ
れる第2の貯留手段をさらに有することを特徴とする放
射性液体廃棄物の処理装置が提供される。
【0032】また好ましくは、前記放射性液体廃棄物の
処理装置において、前記第1の凝縮手段は、前記蒸発手
段で発生した蒸気の一部分を凝縮するとともに他の部分
を蒸気のまま放出する手段であり、かつ、前記第1の凝
縮手段から放出された蒸気を凝縮する第3の凝縮手段を
設けたことを特徴とする放射性液体廃棄物の処理装置が
提供される。
【0033】さらに好ましくは、放射性液体廃棄物の処
理装置において、前記第1及び第3の凝縮手段のうち少
なくとも一方で生成された凝縮液が導かれて貯留される
第3の貯留手段をさらに有することを特徴とする放射性
液体廃棄物の処理装置が提供される。
【0034】また好ましくは、前記放射性液体廃棄物の
処理装置において、前記気体のルテニウム化合物を含む
蒸気と前記還元剤とを前記第1の凝縮手段内で攪拌する
撹拌手段を有することを特徴とする放射性液体廃棄物の
処理装置が提供される。
【0035】さらに好ましくは、前記放射性液体廃棄物
の処理装置において、前記第1の凝縮手段は、前記蒸発
手段から前記気体のルテニウム化合物を含む蒸気が供給
されるらせん状の配管を有することを特徴とする放射性
液体廃棄物の処理装置が提供される。
【0036】また好ましくは、前記放射性液体廃棄物の
処理装置において、前記蒸発手段で発生した蒸気が導か
れその蒸気中に含まれる硝酸と水とが除去される精留手
段を有することを特徴とする放射性液体廃棄物の処理装
置が提供される。
【0037】さらに好ましくは、前記放射性液体廃棄物
の処理装置において、前記第1の凝縮手段は、前記蒸気
中に含まれる硝酸と水とを除去する手段を有することを
特徴とする放射性液体廃棄物の処理装置が提供される。
【0038】
【作用】以上のように構成した本発明の第1の概念のル
テニウムの処理方法においては、気体のルテニウム化合
物を含む蒸気の凝縮過程でその蒸気と還元剤とを反応さ
せることにより、非常に速い反応速度で気体のルテニウ
ム化合物を不揮発性のルテニウム化合物に変化させるこ
とができる。よって大量の気体のルテニウム化合物を処
理することができるので、単に気体のルテニウム化合物
に還元剤を添加する従来の方法と異なり、蒸気流量の多
い燃料再処理の高レベル廃液濃縮工程や酸回収工程にも
適用できる。またこのとき、電気化学的手段による従来
の方法のように高い硝酸濃度により浄化処理効率が低下
することがなく、常に高効率で十分な浄化処理を行うこ
とができる。
【0039】また、気体のルテニウム化合物をRuO4
とすることにより、揮発性のルテニウム化合物を不揮発
性のルテニウム化合物に変化させる方法を実現すること
ができる。さらに、不揮発性のルテニウム化合物をRu
NO3+とすることにより、気体のルテニウム化合物を液
体のルテニウム化合物に変化させる方法を実現すること
ができる。また、還元剤を窒素酸化物のガス若しくは亜
硝酸溶液とすることにより、ルテニウムの浄化処理にお
ける揮発性のルテニウム化合物を還元する手段を実現す
ることができる。さらに、窒素酸化物と露点より低温の
水、及び露点より低温の亜硝酸溶液のうちの一方を蒸気
に吹き込むことにより、蒸気の凝縮とルテニウム化合物
の還元との両方を同時に実現することができる。また、
蒸気を露点より低温に冷却し、水と窒素酸化物、及び亜
硝酸溶液のうちの一方を吹き込むことにより、蒸気の凝
縮とルテニウム化合物の還元との両方を同時に実現する
ことができる。さらに、蒸気の露点より低温の亜硝酸溶
液中に蒸気を通液させることにより、蒸気の凝縮とルテ
ニウム化合物の還元との両方を同時に実現することがで
きる。
【0040】また、本発明の第2の概念のルテニウムの
処理方法においては、酸化数8のルテニウム化合物を含
む蒸気の凝縮過程でその蒸気と還元剤とを反応させ、酸
化数8のルテニウムを酸化数2のルテニウムに変化させ
ることにより、蒸気の凝縮とルテニウム化合物の還元と
の両方を同時に実現することができる。
【0041】さらに、本発明の第3の概念の放射性液体
廃棄物の処理方法においては、蒸気の凝縮過程で蒸気と
還元剤とを反応させることにより気体のルテニウム化合
物を還元して不揮発性のルテニウム化合物とすることが
でき、そしてその不揮発性のルテニウム化合物を凝縮液
に取り込んで回収することにより、すべての放射性ルテ
ニウム化合物をプラント内に封じ込めもれなく回収する
ことができる。また、気体のルテニウム化合物をRuO
4とすることにより、揮発性のルテニウム化合物を不揮
発性のルテニウム化合物に変化させる手段を実現するこ
とができる。さらに、不揮発性のルテニウム化合物をR
uNO3+とすることにより、気体のルテニウム化合物を
液体のルテニウム化合物に変化させる手段を実現するこ
とができる。また、還元剤を窒素酸化物のガス若しくは
亜硝酸溶液とすることにより、放射性液体廃棄物の処理
における揮発性のルテニウム化合物を還元する手段を実
現することができる。
【0042】さらに、本発明の第4の概念の放射性液体
廃棄物の処理装置においては、蒸発手段で放射性液体廃
棄物を加熱し気体のルテニウム化合物を含む蒸気を蒸発
させ、第1の凝縮手段でその蒸発手段からの蒸気を凝縮
し、第1の凝縮手段に接続された還元剤供給手段でその
第1の凝縮手段に還元剤を供給することにより、蒸気の
凝縮過程で気体のルテニウム化合物を還元する手段を実
現することができる。
【0043】また、還元剤を窒素酸化物のガス若しくは
亜硝酸溶液とすることにより、放射性液体廃棄物の処理
における揮発性のルテニウム化合物を還元する手段を実
現することができる。さらに、第1の貯留手段で第1の
凝縮手段で生成された凝縮液を貯留することにより、不
揮発性のルテニウム化合物を取り込んだ凝縮液を回収し
貯留する手段を実現できる。また、第2の凝縮手段で、
蒸発手段で発生した蒸気の一部分を凝縮するとともに他
の部分を蒸気のまま放出し、第1の凝縮手段で第2の凝
縮手段から放出された蒸気を凝縮することにより、第2
の凝縮手段でまず液体廃棄物の原液から蒸発した蒸気を
凝縮し、この第2の凝縮手段で凝縮されず洩れ出た蒸気
をさらに第1の凝縮手段で凝縮する。すなわち、凝縮を
2段階に分けて行う放射性液体廃棄物の処理装置を実現
できる。さらに、第2の貯留手段で第1及び第2の凝縮
手段のうち少なくとも一方で生成された凝縮液を貯留す
ることにより、主に硝酸と水からなる第2の凝縮手段か
らの凝縮液及び不揮発性のルテニウム化合物を取り込ん
だ第1の凝縮手段からの凝縮液のうち少なくとも一方を
回収し貯留する手段を実現できる。また、第1の凝縮手
段で、蒸発手段で発生した蒸気の一部分を凝縮するとと
もに他の部分を蒸気のまま放出し、第3の凝縮手段で第
1の凝縮手段から放出された蒸気を凝縮することによ
り、第1の凝縮手段でまず液体廃棄物の原液から蒸発し
た蒸気を凝縮し、この第1の凝縮手段で凝縮されず洩れ
出た蒸気をさらに第2の凝縮手段で凝縮する。すなわ
ち、凝縮を2段階に分けて行う放射性液体廃棄物の処理
装置を実現できる。さらに、第3の貯留手段で第1及び
第3の凝縮手段のうち少なくとも一方で生成された凝縮
液を貯留することにより、不揮発性のルテニウム化合物
を取り込んだ第1の凝縮手段からの凝縮液及び主に硝酸
と水からなる第3の凝縮手段からの凝縮液のうち少なく
とも一方を回収し貯留する手段を実現できる。また、撹
拌手段で、気体のルテニウム化合物を含む蒸気と還元剤
とを攪拌することにより、これらを十分混合し還元反応
をより効率良く行なわせることができる。さらに、第1
の凝縮手段は、蒸発手段から気体のルテニウム化合物を
含む蒸気が供給されるらせん状の配管を有することによ
り、気体のルテニウム化合物を含む蒸気と還元剤とを十
分混合させ還元反応をより効率良く行なわせることがで
きる。また、蒸発手段で発生した蒸気中の硝酸と水とを
除去する精留手段を有することにより、燃料再処理の酸
回収工程において適用することができる。さらに、第1
の凝縮手段は、蒸気中に含まれる硝酸と水とを除去する
手段を有することにより、燃料再処理の酸回収工程にお
いて設けられる精留手段を第1の凝縮手段として用いる
ことができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図13により
説明する。まず、本発明の原理を示す実施例を図2及び
図3により説明する。本実施例は、ルテニウムの処理方
法についての実施例である。本実施例のルテニウムの処
理方法を実施するルテニウム蒸留装置を図2に示す。図
2において、このルテニウム蒸留装置は、放射性廃液処
理過程特に使用済原子燃料再処理施設の廃液のような条
件においてルテニウム溶液を蒸留するものである。すな
わち、容器101には不揮発性のルテニウム化合物であ
るRuNO3+溶液102(100ml)が満たされてお
り、この溶液102をヒーター103で加熱し蒸気を蒸
発させる。溶液102から発生した蒸気はデミスタ10
4で飛沫を除去された後、凝縮器105で凝縮されて留
出液106として留出する。またこのとき容器101内
の上方の気相部分には、開閉弁108を介し還元剤とし
てのNOxを注入可能な供給配管107が接続されてい
る。
【0045】上記構成のルテニウム蒸留装置において、
使用済原子炉燃料再処理施設で行われる高レベル廃液濃
縮工程・酸回収工程での蒸気流量等と同一の条件が得ら
れるように考慮し、100mlのRuNO3+溶液(初期
濃度30μmol/l)102が10時間ですべて流出して
しまうような条件で加熱を行い、留出後0時間(直後)
〜24時間が経過した留出液106をサンプリングし、
その成分を確認するために別途四塩化炭素CCl4を用
いて分離定量を行った。すなわち、溶液中の不揮発性の
RuNO3+の一定部分は、加熱器103の加熱によりR
uが8価に酸化された揮発性のH2RuO5となり、この
2RuO5がさらに気液平衡によって気体のルテニウム
化合物であるRuO4へと変化する。そしてこのRuO4
が凝縮器105で凝縮すると再び揮発性である液体のH
2RuO5となって留出する。一方、開閉弁108を開と
し供給配管107からNOxを注入した場合には、加熱
器103の加熱によりH2RuO5から変化したRuO4
のうち一定部分はこのNOxによって還元されて不揮発
性である液体のRuNO3+となり留出する。したがっ
て、蒸留液106には不揮発性のRuNO3+と揮発性の
2RuO5とが混在しているが、このうちH2RuO5
CCl4に取り込まれやすい性質を有するので、所定時
間経過後の留出液106に対しCCl4を加えて激しく
振り混ぜ、上層のRuNO3+と下層のCCl4に取り込
まれたH2RuO5との2層に分かれた留出液106を分
離しそれぞれの濃度を測定した。なおこの濃度測定にお
いては別途還元剤を用い適定を行った。
【0046】以上の方法による留出液106のRuNO
3+及びH2RuO5の濃度の測定結果を図3(a)(b)
に示す。図3(a)は開閉弁108を閉じ状態とした場
合、図3(b)は開閉弁108を開状態として供給配管
107を介しNOxを供給した場合の結果である。
【0047】図3(a)において、RuNO3+の濃度と
2RuO5の濃度の合計(以下適宜全ルテニウム濃度と
いう)は、留出直後において約12.5μmol/l、24
時間経過後において約11.5μmol/lであり、この間
わずかに減少するもののほとんど変わらない。一方、揮
発性であるH2RuO5の濃度(以下適宜揮発性ルテニウ
ム濃度という)は留出直後において全ルテニウム濃度と
ほぼ等しい約12.5μmol/lであり、このことから溶
液102のほぼ全部が加熱器103の加熱で揮発性のH
2RuO5となり、気体のRuO4を経て、凝縮して再び
揮発性のH2RuO5となっていることがわかる。そして
留出直後から不揮発性のRuNO3+へ自然に変化し始め
徐々に揮発性ルテニウム濃度は減少するが、留出直後の
濃度の約10%である約1.2μmol/lまで減少するの
に24時間を要している。
【0048】これに対し、NOxを注入した図3(b)
においては、全ルテニウム濃度の挙動は図3(a)と同
様であるが、注入したNOxの還元作用によって揮発性
の気体であるRuO4のうち大部分が不揮発性の液体で
あるRuNO3+へと変化し、揮発性ルテニウム濃度は留
出直後で既に全ルテニウム濃度の約10%である約1.
2μmol/lと低くなっており、その後きわめてゆっくり
と減少し24時間後にほぼゼロとなっている。
【0049】以上において、まず、図3(a)(b)と
もに留出直後の全ルテニウム濃度は約12.5μmol/l
と高いことにより、留出したルテニウム化合物が飛沫同
伴によるものでないことがわかる。なぜなら、もし飛沫
同伴によりルテニウム化合物が飛来するものであれば、
デミスタ104ですべてトラップされるので留出液10
6においては全ルテニウム濃度はほぼゼロとなるはずだ
からである。よって留出液106中のルテニウム化合物
は、すべて一旦気体(RuO4)となってデミスタを通
過後、凝縮器105で凝縮して再び液体となって留出し
たものである。
【0050】次に、図3(b)に示すNOxを注入する
場合においては、H2RuO5からRuNO3+への還元反
応は、主として容器101内の気相中ではなく凝縮器1
05内の凝縮過程かまたは留出液106の液相中で起こ
っていることがわかる。なぜならば、容器101上部の
気相中でこの反応が起こるならば、RuNO3+は液体で
あることからデミスタ104でトラップされてしまい、
結果として揮発性の気体のH2RuO5のみが留出するは
ずだからである。このことを言い換えれば、この還元反
応は気相中では反応速度が非常に遅くほとんど進行しな
いことになる。
【0051】一方、NOxを注入した図3(b)におい
て、留出直後において既に揮発性ルテニウム濃度が極め
て低く全体の約90%以上が不揮発性のRuNO3+に変
化していることから、この還元反応は、主として留出液
106の液相より前の段階、すなわち容器101内の気
相中か凝縮器105内の凝縮過程で起こっていることが
わかる。
【0052】以上の考察から、このH2RuO5からRu
NO3+への還元反応は、主として凝縮器105の凝縮過
程において行われていることがわかる。ここで、この凝
縮過程においては、デミスタ104を通過後留出液10
6として留出するまでの極めて短い時間に非常に速い速
度で反応が進行している。これに加え、留出液106に
おける揮発性ルテニウム濃度の減少は極めて緩やかであ
るからこの還元反応の液相中の反応速度は非常に遅く、
また前述のとおり気相中でも反応速度が極めて遅いこと
がわかっているので、結論として、この還元反応を凝縮
過程において行う場合は、気相中又は液相中で行う場合
に比し反応速度が非常に速くなることがわかる。
【0053】以上説明したように、本実施例によれば、
気体のルテニウム化合物RuO4と還元剤であるNOx
を蒸気の凝縮過程において作用させるので、単に気体の
ルテニウム化合物RuO4に還元剤を添加する従来の方
法に比し、極めて速い速度で反応を起こすことができ
る。なお、この実施例においては還元物質としてNOx
を用いたが、他の還元物質(例えば亜硝酸溶液)を用い
た場合も挙動は同様であり、同様の作用効果を得ると思
われる。
【0054】次に、上記原理に基づく本発明の第1の実
施例を図1により説明する。本実施例以降は、上記原理
に基づくルテニウムの処理方法を用いた放射性液体廃棄
物の処理方法、及びその方法を実施するための放射性液
体廃棄物の処理装置の実施例である。本実施例の放射性
液体廃棄物の処理方法を実施する放射性液体廃棄物の処
理装置50を図1に示す。本実施例は、使用済原子炉燃
料再処理施設の高レベル廃液濃縮工程に適用する場合の
実施例である。図1において、放射性液体廃棄物の処理
装置50は、液体のルテニウム化合物(主にRuN
3+)を含む放射性液体廃棄物が貯蔵されている放射性
廃液貯槽2と、放射性廃液貯槽2から供給された放射性
液体廃棄物を加熱し蒸気を蒸発させる高レベル廃液濃縮
缶1と、高レベル廃液濃縮缶1で発生した蒸気の一定部
分を凝縮するとともに残りの部分を蒸気のまま放出する
凝縮器4と、凝縮器4で生成された凝縮液が導かれて放
射性濃縮廃液として貯留される貯槽5とを有する。貯槽
5は、使用済原子燃料再処理施設における高レベル廃液
濃縮工程のさらに後段階である酸回収工程における放射
性液体廃棄物の処理装置60、及びさらにその放射性液
体廃棄物の処理装置60を介しその後段階である低レベ
ル廃液処理系70に接続されている。
【0055】また放射性液体廃棄物の処理装置50は、
気体廃棄物処理系80と凝縮器4との間に設けられ凝縮
器4から放出された蒸気が導かれる反応器6と、反応器
6に接続されて反応器6に還元性気体、例えばNOx
供給するNOx吹き込み装置3aと、同様に反応器6に
接続されて反応器6に水を供給する水吹き込み装置3b
と、反応器6に併設され反応器6内を冷却可能な冷却器
7aと、反応器6と水吹き込み装置3bとの間に設けら
れ双方に短い配管を介して接続された冷却器7bとを有
する。この冷却器7bは水吹き込み装置3bから反応器
6へ供給される水を冷却可能である。
【0056】上記構成において、放射性廃液貯槽2から
供給されたルテニウム化合物を含む放射性液体廃棄物
は、高レベル廃液濃縮缶1において加熱されて蒸気が蒸
発し濃縮される。高レベル廃液濃縮缶1内で濃縮され放
射性物質濃度が増大した廃棄物は、別途取り出されてガ
ラス固化等の所定の処理が施される。発生した蒸気につ
いては、原理を示す実施例で前述したように、放射性液
体廃棄物中のRuNO3+のほぼ全部がH2RuO5となり
これが気化してRuO4となっている。よってこの蒸気
には、水と、使用済原子炉燃料を最初に溶解させ廃液と
するために用いた硝酸と、気体のルテニウム化合物であ
るこのRuO4とが含まれている。そしてこの蒸気の一
定部分は凝縮器4において凝縮されて液体となり落下し
て貯槽5へ貯留され、すなわちこの凝縮液には主に水と
硝酸と揮発性のH2RuO5とが含まれることとなる。但
し原理を示す実施例の図3(a)で説明したようにこの
2RuO5は長時間経過後にはRuNO3+に変化する。
以上の手順を経ることによって、貯槽5内に貯留された
溶液中の放射性物質の濃度は、もとの放射性廃液貯槽2
内の高レベル廃液中の放射性物質の濃度よりも低減され
る。
【0057】一方このとき凝縮器4において、高レベル
廃液濃縮缶1からの蒸気の残りの部分は凝縮されず水・
硝酸・RuO4を含んだ蒸気のまま放出され反応器6内
に流入する。ここで、反応器6中で凝縮が起きる条件に
なるように、NOx吹き込み装置3aから還元剤のNOx
を吹き込む。この凝縮発生条件としては、例えば、水吹
き込み装置3bからの水を冷却器7bで冷却し蒸気の露
点よりも低い温度としたものとNOxとを反応器6に同
時に吹き込み、反応器6内の蒸気の圧力を飽和水蒸気圧
以上とするか、若しくは、冷却器7aで反応器6を冷却
して反応器6内の温度を蒸気の露点よりも低い温度に保
ち、これに水吹き込み装置3bからの水とNOxとを反
応器6内に吹き込み、反応器6内の蒸気の圧力を飽和水
蒸気圧以上とする。これによって、RuO4を含む蒸気
はこの反応器6中で凝縮するとともにその凝縮過程にお
いてNOxと反応し、蒸気に含まれるRuO4はほとんど
が不揮発性のルテニウム化合物であるRuNO3+に還元
される。すなわち酸化数でみるとルテニウムの酸化数は
8から2へと変化している。そしてこのRuNO3+は凝
縮液に取り込まれるが、反応器6内は溶液と蒸気との平
衡がほぼ保たれているので、RuO4がほぼ除かれ水・
硝酸のみが含まれたわずかな蒸気が気体廃棄物処理系8
0へ排出されて所定の処理が施される一方、RuNO3+
を取り込んだ凝縮液は落下して凝縮器4を介し貯槽5へ
流入する。すなわち、従来凝縮器4から漏れ出て気体廃
棄物処理系80へ移行していた気体の放射性ルテニウム
化合物RuO4を回収することができる。
【0058】以上のように構成した本実施例によれば、
反応器6において、気体のルテニウム化合物であるRu
4を含む蒸気をその凝縮過程でNOxと反応させるの
で、非常に速い反応速度でRuO4を不揮発性のRuN
3+に変化させることができる。よって大量のRuO4
を処理することができ、蒸気流量の多い高レベル廃液濃
縮工程においても適用可能である。またこのとき、電気
化学的手段による従来の方法のように高い硝酸濃度によ
り浄化処理効率が低下することがなく、常に高効率で十
分な浄化処理を行うことができる。さらに、従来凝縮器
4から漏れ出て気体廃棄物処理系80へ移行していた気
体の放射性ルテニウム化合物RuO4を回収することが
できるので、すべての放射性ルテニウム化合物をプラン
ト内に封じ込めもれなく回収することができる。よって
放射性ルテニウムが気体廃棄物処理系80に混入し大気
中に放出されるおそれがなく、大気中の放射性物質量を
増加せることがない。
【0059】なお、上記構成において、反応器6は、蒸
気と吹き込んだNOxとが十分効率良く混合できるよう
に、非常に長形の形状を有するほうが好ましい。
【0060】本発明の第2の実施例を図4により説明す
る。第1の実施例と同等の部材には同一の符号を付す。
本実施例の放射性液体廃棄物の処理方法を実施する放射
性液体廃棄物の処理装置51を図4に示す。図4におい
て、放射性液体廃棄物の処理装置51が、第1の実施例
の放射性液体廃棄物の処理装置50と異なる点は、還元
剤としてNOx等の還元性気体に代わって還元性溶液、
例えば亜硝酸溶液HNO2が用いられ、これに対応し
て、亜硝酸吹き込み装置3cとこの亜硝酸溶液を冷却可
能な冷却器7cとが設けられることである。その他の構
成は第1の実施例とほぼ同様である。
【0061】上記構成においては、反応器6における凝
縮発生条件として、例えば、亜硝酸吹き込み装置3cか
らの亜硝酸溶液を冷却器7cで冷却し蒸気の露点よりも
低い温度としたものを反応器6に吹き込んで反応器6内
の圧力を飽和水蒸気圧以上とするか、若しくは、冷却器
7aで反応器6を冷却して反応器6内を蒸気の露点より
も低い温度に保ち、亜硝酸吹き込み装置3cからの亜硝
酸溶液を反応器6内に吹き込んで反応器6内の圧力を飽
和水蒸気圧以上になるようにする。その他の手順は第1
の実施例とほぼ同様である。
【0062】本実施例によれば、第1の実施例と同様の
効果に加え、還元性の溶液を用いるので、反応器6に水
を吹き込む必要がない。
【0063】本発明の第3の実施例を図5により説明す
る。第1及び第2の実施例と同等の部材には同一の符号
を付す。本実施例の放射性液体廃棄物の処理方法を実施
する放射性液体廃棄物の処理装置52を図5に示す。図
5において、放射性液体廃棄物の処理装置52が第1の
実施例の放射性液体廃棄物の処理装置50と異なる点
は、反応器6内において蒸気とNOxとを撹拌する撹拌
機9を設けたことである。その他の構成は第1の実施例
とほぼ同様である。
【0064】本実施例によれば、第1の実施例における
効果に加え、撹拌機9により反応器6内の蒸気とNOx
とを撹拌するので、これらを十分混合し還元反応をより
効率よく行わせることができる。なお、第2の実施例の
ように還元剤に亜硝酸溶液等の溶液を用いる場合も本実
施例の撹拌機9を適用することができ、この場合も同様
の効果を得る。
【0065】本発明の第4の実施例を図6により説明す
る。第1〜第3の実施例と同等の部材には同一の符号を
付す。本実施例の放射性液体廃棄物の処理方法を実施す
る放射性液体廃棄物の処理装置53を図6に示す。図6
において、放射性液体廃棄物の処理装置53が、第2の
実施例の放射性液体廃棄物の処理装置51と異なる点
は、反応器6の代わりに還元性の溶液、例えば亜硝酸溶
液HNO2が満たされた容器11と、その容器11内の
亜硝酸溶液を蒸気の露点よりも低温に冷却する冷却器7
dとが設けられており、凝縮器4からの蒸気が容器11
内の亜硝酸溶液に通液されることにより蒸気を凝縮させ
るとともにRuO4を還元することである。その他の構
成は第2の実施例とほぼ同様である。
【0066】本実施例によっても、第2の実施例と同様
の効果を得る。
【0067】本発明の第5の実施例を図7により説明す
る。第1〜第4の実施例と同等の部材には同一の符号を
付す。本実施例の放射性液体廃棄物の処理方法を実施す
る放射性液体廃棄物の処理装置54を図7に示す。図7
において、放射性液体廃棄物の処理装置54が第1の実
施例の放射性液体廃棄物の処理装置50と異なる点は、
反応器6を設けず凝縮器4にNOx等の還元性気体を吹
き込んで還元反応を起こさせることと、これに伴って水
吹き込み装置3b及び冷却器7a,7bが省略されてい
ることである。
【0068】上記構成において、第1の実施例と同様、
放射性廃液貯槽2から供給され高レベル廃液濃縮缶1に
おいて加熱された放射性液体廃棄物は蒸気が蒸発し濃縮
される。高レベル廃液濃縮缶1内で濃縮された廃棄物は
ガラス固化等の所定の処理が施される一方、発生した蒸
気(水・硝酸・RuO4とを含む)は凝縮器4に導かれ
る。ここで、凝縮器4中で凝縮が起きる条件になるよう
に、NOx吹き込み装置3aから還元剤のNOxを吹き込
む。これによって、RuO4を含む蒸気のほとんどの部
分はこの凝縮器4中で凝縮するとともにその凝縮過程に
おいてNOxと反応し、蒸気に含まれるRuO4はほとん
どが不揮発性のルテニウム化合物であるRuNO3+に還
元される。そしてこのRuNO3+は凝縮液に取り込ま
れ、落下して凝縮器4を介し貯槽5へ流入する。そして
RuO4がほぼ除かれ水・硝酸のみが含まれたわずかな
蒸気が凝縮器4から気体廃棄物処理系80へ排出され
る。
【0069】以上のように構成した本実施例によれば、
第1の実施例で得られる効果に加え、凝縮器4中で還元
反応を起こさせるので、反応器を設ける必要がない。
【0070】本発明の第6実施例を図8により説明す
る。第1〜第5の実施例と同等の部材には同一の符号を
付す。本実施例の放射性液体廃棄物の処理方法を実施す
る放射性液体廃棄物の処理装置55を図8に示す。図8
において、放射性液体廃棄物の処理装置55が、第5の
実施例の放射性液体廃棄物の処理装置54と異なる点
は、還元剤としてNOx等の還元性気体に代わって還元
性溶液、例えば亜硝酸溶液HNO2が用いられ、これに
対応して、亜硝酸吹き込み装置3cとこの亜硝酸溶液を
冷却可能な冷却器7cとが設けられることである。すな
わち、凝縮器4における凝縮を阻害しないように、この
冷却器7cで亜硝酸溶液を蒸気の露点よりも低い温度に
冷却した後に凝縮器4に吹き込む。その他の構成は第5
の実施例とほぼ同様である。
【0071】本実施例によっても、第5の実施例と同様
の効果を得る。
【0072】本発明の第7の実施例を図9により説明す
る。第1〜第6の実施例と同等の部材には同一の符号を
付す。本実施例の放射性液体廃棄物の処理方法を実施す
る放射性液体廃棄物の処理装置56を図9に示す。図9
において、放射性液体廃棄物の処理装置56が、第6の
実施例の放射性液体廃棄物の処理装置55と異なる点
は、凝縮器4内に、高レベル廃液濃縮缶1から蒸気が供
給されるらせん状の配管10を設けたことである。その
他の構成は、第6の実施例とほぼ同様である。
【0073】本実施例によれば、第6の実施例で得られ
る効果に加え、凝縮器4内にらせん状の配管10を設け
たので、RuO4と亜硝酸溶液とを十分混合させ還元反
応をより効率よく行わせることができる。なお、上記実
施例においては、還元剤として亜硝酸溶液等の還元性溶
液を用いたが、第5の実施例と同様、NOx等の還元性
気体を用いることができ、この場合も同様の効果を得
る。
【0074】本発明の第8の実施例を図10により説明
する。第1〜第7の実施例と同等の部材には同一の符号
を付す。本実施例の放射性液体廃棄物の処理方法を実施
する放射性液体廃棄物の処理装置60を図10に示す。
本実施例以降は、使用済原子炉燃料再処理施設の酸回収
工程に適用する場合の実施例である。図10において、
放射性液体廃棄物の処理装置60は、高レベル廃液濃縮
工程の放射性液体廃棄物の処理装置50から供給された
液体のルテニウム化合物(主にRuNO3+)を含む放射
性液体廃棄物を加熱し蒸気を蒸発させる酸回収蒸発缶1
2と、酸回収蒸発缶12で発生した蒸気中の硝酸と水と
を除去する精留塔13と、精留塔13からさらに導かれ
た蒸気のうち一定部分を凝縮するとともに残りの部分を
蒸気のまま放出する凝縮器4と、凝縮器4で生成された
凝縮液が導かれて放射性濃縮廃液として貯留される貯槽
15とを有する。この貯槽15は、使用済原子燃料再処
理施設における酸回収工程のさらに後段階である低レベ
ル廃液処理系70に接続されている。
【0075】また放射性液体廃棄物の処理装置60は、
気体廃棄物処理系80と凝縮器4との間に設けられ凝縮
器4から放出された蒸気が導かれる反応器6と、反応器
6に接続されて反応器6に還元性気体、例えばNOx
供給するNOx吹き込み装置3aと、同様に反応器6に
接続されて反応器6に水を供給する水吹き込み装置3b
と、反応器6に併設され反応器6内を冷却可能な冷却器
7aと、反応器6と水吹き込み装置3bとの間に設けら
れ双方に短い配管を介して接続された冷却器7bとを有
する。この冷却器7bは水吹き込み装置3bから反応器
6へ供給される水を冷却可能である。
【0076】上記構成において、高レベル廃液濃縮工程
の放射性液体廃棄物の処理装置50から供給されたルテ
ニウム化合物を含む放射性液体廃棄物は、酸回収蒸発缶
12において加熱されて蒸気が蒸発し濃縮される。酸回
収蒸発缶12内で濃縮され放射性物質濃度が増大した廃
棄物は、別途取り出されてガラス固化等の所定の処理が
施される。発生した蒸気には、水と、使用済原子炉燃料
を最初に溶解させ廃液とするために用いた硝酸と、気体
のルテニウム化合物であるRuO4とが含まれている。
これらのうち硝酸と大部分の水とは精留塔13で除去さ
れて残りが凝縮器4へと導かれ、この精留塔13から導
かれた蒸気の一定部分は凝縮器4において凝縮されて液
体となり落下して貯槽15へ貯留される。すなわちこの
凝縮液には主に水と揮発性のH2RuO5とが含まれるこ
ととなる。以上の手順を経ることによって、貯槽15内
に貯留された溶液中の放射性物質の濃度は、もとの高レ
ベル廃液濃縮工程の放射性液体廃棄物の処理装置50で
の廃液中の放射性物質の濃度よりも低減される。
【0077】一方このとき凝縮器4において、精留塔1
3からの蒸気の残りの部分は凝縮されずRuO4を含ん
だ蒸気のまま放出され反応器6内に流入する。ここで、
反応器6中で凝縮が起きる条件になるように、NOx
き込み装置3aから還元剤のNOxを吹き込む。この凝
縮発生条件としては、例えば、水吹き込み装置3bから
の水を冷却器7bで冷却し蒸気の露点よりも低い温度と
したものとNOxとを反応器6に同時に吹き込んで反応
器6内の蒸気の圧力を飽和水蒸気圧以上とするか、若し
くは、冷却器7aで反応器6を冷却して反応器6内の温
度を蒸気の露点よりも低い温度に保ち、これに水吹き込
み装置3bからの水とNOxとを反応器6内に吹き込ん
で反応器6内の蒸気の圧力を飽和水蒸気圧以上とする。
これによって、RuO4を含む蒸気はこの反応器6中で
凝縮するとともにその凝縮過程においてNOxと反応
し、蒸気に含まれるRuO4はほとんどが不揮発性のル
テニウム化合物であるRuNO3+に還元される。そして
このRuNO3+は凝縮液に取り込まれるが、反応器6内
は溶液と蒸気との平衡がほぼ保たれているので、RuO
4がほぼ除かれほぼ水だけが含まれたわずかな蒸気が気
体廃棄物処理系80へ排出されて所定の処理が施される
一方、RuNO3+を取り込んだ凝縮液は落下して凝縮器
4を介し貯槽15へ流入する。すなわち、従来凝縮器4
から漏れ出て気体廃棄物処理系80へ移行していた気体
の放射性ルテニウム化合物RuO4を貯槽15に回収す
ることができる。
【0078】以上のように構成した本実施例によれば、
第1の実施例と同様、反応器6中で気体のルテニウム化
合物であるRuO4を含む蒸気をその凝縮過程でNOx
反応させるので、非常に速い反応速度でRuO4を不揮
発性のRuNO3+に変化させることができる。よって大
量のRuO4を処理することができ、蒸気流量の多い酸
回収工程においても適用可能である。またこのとき、電
気化学的手段による従来の方法のように高い硝酸濃度に
より浄化処理効率が低下することがなく、常に高効率で
十分な浄化処理を行うことができる。さらに、従来凝縮
器4から漏れ出て気体廃棄物処理系80へ移行していた
気体の放射性ルテニウム化合物RuO4を回収すること
ができるので、すべての放射性ルテニウム化合物をプラ
ント内に封じ込めもれなく回収することができる。よっ
て放射性ルテニウムが気体廃棄物処理系80に混入し大
気中に放出されるおそれがなく、大気中の放射性物質量
を増加させることがない。
【0079】なお、上記実施例においては還元剤として
NOx等の還元性気体を用いたが、これに限られず、例
えば亜硝酸溶液等の還元性溶液を用いても良く、この場
合も同様の効果を得る。
【0080】本発明の第9の実施例を図11により説明
する。第1〜第8の実施例の同等の部材は同一の符号を
付す。本実施例の放射性液体廃棄物の処理方法を実施す
る放射性液体廃棄物の処理装置61を図11に示す。図
11において、放射性液体廃棄物の処理装置61が第8
の実施例の放射性液体廃棄物の処理装置60と異なる点
は、反応器6を設けず凝縮器4にNOx等の還元性気体
を吹き込んで還元反応を起こさせることと、これに伴っ
て水吹き込み装置3b及び冷却器7a,7bが省略され
ていることである。その他の点は第8の実施例とほぼ同
様である。
【0081】上記構成において、第8の実施例と同様、
高レベル廃液濃縮工程の放射性液体廃棄物の処理装置5
0から供給され酸回収蒸発缶12において加熱された放
射性液体廃棄物は蒸気が蒸発し濃縮される。酸回収蒸発
缶12内で濃縮された廃棄物はガラス固化等の所定の処
理が施される一方、発生した蒸気は精留塔13で硝酸と
大部分の水とを除かれた後に凝縮器4に導かれる。この
とき凝縮器4中にNOx吹き込み装置3aから還元剤の
NOxを吹き込む。これによって、RuO4を含む蒸気の
ほとんどの部分がこの凝縮器4中で凝縮するとともにそ
の凝縮過程においてNOxと反応し、蒸気に含まれるR
uO4はほとんどが不揮発性のルテニウム化合物である
RuNO3+に還元される。そしてこのRuNO3+は凝縮
液に取り込まれ、落下して凝縮器4を介し貯槽15へ流
入する。そしてRuO4がほぼ除かれ水・硝酸のみが含
まれたわずかな蒸気が凝縮器4から気体廃棄物処理系8
0へ排出される。
【0082】以上のように構成した本実施例によれば、
第8の実施例で得られる効果に加え、凝縮器4中で還元
反応を起こさせるので、反応器を設ける必要がない。な
お、上記実施例においては還元剤としてNOx等の還元
性気体を用いたが、これに限られず、例えば亜硝酸溶液
等の還元性溶液を用いても良く、この場合も同様の効果
を得る。
【0083】本発明の第10の実施例を図12により説
明する。第1〜第9の実施例と同等の部材は同一の符号
を付す。本実施例の放射性液体廃棄物の処理方法を実施
する放射性液体廃棄物の処理装置62を図12に示す。
図12において、放射性液体廃棄物の処理装置62が第
8の実施例の放射性液体廃棄物の処理装置60と異なる
点は、反応器6を酸回収蒸発缶12と精留塔13との間
に配置し、これに伴って水吹き込み装置3b及び冷却器
7a,7bも移設したことである。その他の点は第8の
実施例とほぼ同様である。
【0084】上記構成において、高レベル廃液濃縮工程
の放射性液体廃棄物の処理装置50から供給されたルテ
ニウム化合物を含む放射性液体廃棄物は、酸回収蒸発缶
12において加熱されて蒸気が蒸発し濃縮される。酸回
収蒸発缶12内で濃縮され放射性物質濃度が増大した廃
棄物は、別途取り出されてガラス固化等の所定の処理が
施される。一方酸回収蒸発缶12から発生した蒸気に
は、水と、使用済原子炉燃料を最初に溶解させ廃液とす
るために用いた硝酸と、気体のルテニウム化合物である
RuO4とが含まれており、この蒸気が反応器6内に流
入する。ここで、反応器6中で凝縮が起きる条件になる
ように、NOx吹き込み装置3aから還元剤のNOxを吹
き込む。この凝縮発生条件としては、例えば、水吹き込
み装置3bからの水を冷却器7bで冷却し蒸気の露点よ
りも低い温度としたものとNOxとを反応器6に同時に
吹き込んで反応器6内の蒸気の圧力を飽和水蒸気圧以上
とするか、若しくは、冷却器7aで反応器6を冷却して
反応器6内の温度を蒸気の露点よりも低い温度に保ち、
これに水吹き込み装置3bからの水とNOxとを反応器
6内に吹き込んで反応器6内の蒸気の圧力を飽和水蒸気
圧以上とする。これによって、RuO4を含む蒸気のほ
とんどがこの反応器6中で凝縮するとともにその凝縮過
程においてNOxと反応し、蒸気に含まれるRuO4はほ
とんどが不揮発性のルテニウム化合物であるRuNO3+
に還元される。そしてこのRuNO3+は凝縮液に取り込
まれるが、反応器6内は溶液と蒸気との平衡がほぼ保た
れているので、この凝縮液に取り込まれたRuNO3+
落下して酸回収蒸発缶12に戻る一方、RuO4がほぼ
除かれ水と硝酸だけが含まれたわずかな蒸気が精留塔1
3へ導かれる。この蒸気は精留塔13で大部分の水と硝
酸とが除かれた後、凝縮器4でほとんどが凝縮され、そ
の凝縮液は落下して貯槽15へ流入する。このときの凝
縮液は主として水分のみとなる。すなわち以上の手順を
経ることによって、貯槽15内に貯留された溶液中の放
射性物質の濃度は、もとの高レベル廃液濃縮工程の放射
性液体廃棄物の処理装置50での廃液中の放射性物質の
濃度よりも低減される。また凝縮器4で凝縮されなかっ
たわずかな蒸気は気体廃棄物処理系80へ排出されて所
定の処理が施される。すなわち、従来凝縮器4から漏れ
出て気体廃棄物処理系80へ移行していた気体の放射性
ルテニウム化合物RuO4を貯槽15内へ回収すること
ができる。
【0085】本実施例によっても、第8の実施例と同様
の効果を得る。なお、上記実施例においては還元剤とし
てNOx等の還元性気体を用いたが、これに限られず、
例えば亜硝酸溶液等の還元性溶液を用いても良く、この
場合も同様の効果を得る。
【0086】本発明の第11の実施例を図13により説
明する。第1〜第10の実施例と同等の部材には同一の
符号を付す。本実施例の放射性液体廃棄物の処理方法を
実施する放射性液体廃棄物の処理装置63を図13に示
す。図13において、放射性液体廃棄物の処理装置63
が第8の実施例の放射性液体廃棄物の処理装置60と異
なる点は、反応器6を設けず、精留塔13にNOx等の
還元性気体を吹き込んで還元反応を起こさせることであ
る。その他の点は第8の実施例とほぼ同様である。
【0087】上記構成において、高レベル廃液濃縮工程
の放射性液体廃棄物の処理装置50から供給されたルテ
ニウム化合物を含む放射性液体廃棄物は、酸回収蒸発缶
12において加熱されて蒸気が蒸発し濃縮される。酸回
収蒸発缶12内で濃縮され放射性物質濃度が増大した廃
棄物は、別途取り出されてガラス固化等の所定の処理が
施される。一方酸回収蒸発缶12から発生した蒸気に
は、水と、使用済原子炉燃料を最初に溶解させ廃液とす
るために用いた硝酸と、気体のルテニウム化合物である
RuO4とが含まれており、この蒸気が精留塔13内に
流入し、一定量の水と硝酸とが除かれる。そしてこのと
きこの精留塔13中で凝縮が起きる条件になるように、
NOx吹き込み装置3aから還元剤のNOxを吹き込む。
この凝縮発生条件としては、例えば、水吹き込み装置3
bからの水を冷却器7bで冷却し蒸気の露点よりも低い
温度としたものとNOxとを精留塔13に同時に吹き込
み、精留塔13内の蒸気の圧力を飽和水蒸気圧以上とす
るか、若しくは、冷却器7aで精留塔13を冷却して精
留塔13内の温度を蒸気の露点よりも低い温度に保ち、
これに水吹き込み装置3bからの水とNOxとを精留塔
13内に吹き込み、精留塔13内の蒸気の圧力を飽和水
蒸気圧以上とする。これによって、RuO4を含む蒸気
はこの精留塔13中で凝縮するとともにその凝縮過程に
おいてNOxと反応し、蒸気に含まれるRuO4はほとん
どが不揮発性のルテニウム化合物であるRuNO3+に還
元される。そして精留塔13内は溶液と蒸気との平衡が
ほぼ保たれているので、このRuNO3+は凝縮液に取り
込まれて酸回収蒸発缶12へ戻る一方、RuO4と硝酸
と大部分の水とが除かれわずかな水だけが含まれた蒸気
が凝縮器4へ導かれる。
【0088】この蒸気は凝縮器4でほとんどが凝縮さ
れ、その凝縮液は落下して貯槽15へ流入する。このと
きの凝縮液は主として水分のみとなる。すなわち以上の
手順を経ることによって、貯槽15内に貯留された溶液
中の放射性物質の濃度は、もとの高レベル廃液濃縮工程
の放射性液体廃棄物の処理装置50での廃液中の放射性
物質の濃度よりも低減される。また凝縮器4で凝縮され
なかったわずかな蒸気は気体廃棄物処理系80へ排出さ
れて所定の処理が施される。すなわち、従来凝縮器4か
ら漏れ出て気体廃棄物処理系80へ移行していた気体の
放射性ルテニウム化合物RuO4を貯槽15内へ回収す
ることができる。
【0089】本実施例によっても、第8の実施例と同様
の効果を得る。なお、上記実施例においては還元剤とし
てNOx等の還元性気体を用いたが、これに限られず、
例えば亜硝酸溶液等の還元性溶液を用いても良く、この
場合も同様の効果を得る。
【0090】
【発明の効果】本発明のルテニウムの処理方法によれ
ば、気体のルテニウム化合物を含む蒸気の凝縮過程でそ
の蒸気と還元剤とを反応させるので、非常に速い反応速
度で気体のルテニウム化合物を不揮発性のルテニウム化
合物に変化させることができる。よって大量の気体のル
テニウム化合物を処理することができ、蒸気流量の多い
燃料再処理の高レベル廃液濃縮工程や酸回収工程にも適
用しても、常に高効率で十分な浄化処理を行うことがで
きる。
【0091】また本発明の放射性液体廃棄物の処理方法
によれば、蒸気の凝縮過程で蒸気と還元剤とを反応させ
るので、気体のルテニウム化合物を還元して不揮発性の
ルテニウム化合物とすることができ、そしてその不揮発
性のルテニウム化合物を凝縮液に取り込んで回収するの
で、すべての放射性ルテニウムをプラント内に封じ込め
もれなく回収することができる。よって、放射性ルテニ
ウムが気体廃棄物処理工程に混入し大気中に放出される
おそれがなく、大気中の放射性物質量を増加せることが
ないとともに、気体廃棄物処理配管等に付着する放射性
ルテニウムを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による放射性液体廃棄物
の処理方法を実施する放射性液体廃棄物の処理装置の全
体構成を示す概念図である。
【図2】本発明の原理を示す実施例によるルテニウムの
処理方法を実施するルテニウム蒸留装置の構成を示す概
念図である。
【図3】図2に示す蒸留装置からの留出液のルテニウム
濃度を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例による放射性液体廃棄物
の処理方法を実施する放射性液体廃棄物の処理装置の全
体構成を示す概念図である。
【図5】本発明の第3の実施例による放射性液体廃棄物
の処理方法を実施する放射性液体廃棄物の処理装置の全
体構成を示す概念図である。
【図6】本発明の第4の実施例による放射性液体廃棄物
の処理方法を実施する放射性液体廃棄物の処理装置の全
体構成を示す概念図である。
【図7】本発明の第5の実施例による放射性液体廃棄物
の処理方法を実施する放射性液体廃棄物の処理装置の全
体構成を示す概念図である。
【図8】本発明の第6の実施例による放射性液体廃棄物
の処理方法を実施する放射性液体廃棄物の処理装置の全
体構成を示す概念図である。
【図9】本発明の第7の実施例による放射性液体廃棄物
の処理方法を実施する放射性液体廃棄物の処理装置の全
体構成を示す概念図である。
【図10】本発明の第8の実施例による放射性液体廃棄
物の処理方法を実施する放射性液体廃棄物の処理装置の
全体構成を示す概念図である。
【図11】本発明の第9の実施例による放射性液体廃棄
物の処理方法を実施する放射性液体廃棄物の処理装置の
全体構成を示す概念図である。
【図12】本発明の第10の実施例による放射性液体廃
棄物の処理方法を実施する放射性液体廃棄物の処理装置
の全体構成を示す概念図である。
【図13】本発明の第11の実施例による放射性液体廃
棄物の処理方法を実施する放射性液体廃棄物の処理装置
の全体構成を示す概念図である。
【符号の説明】
1 高レベル廃液濃縮缶 3a NOx吹き込み装置 3b 水吹き込み装置 4 凝縮器 5 貯槽 6 反応器 7a 冷却器 7b 冷却器 7c 冷却器 7d 冷却器 9 攪拌機 10 らせん状の配管 11 亜硝酸溶液が満たされた容器 12 酸回収蒸発缶 13 精留塔 15 貯槽 50 高レベル廃液濃縮工程における放射性液体廃棄
物の処理装置 51 高レベル廃液濃縮工程における放射性液体廃棄
物の処理装置 52 高レベル廃液濃縮工程における放射性液体廃棄
物の処理装置 53 高レベル廃液濃縮工程における放射性液体廃棄
物の処理装置 54 高レベル廃液濃縮工程における放射性液体廃棄
物の処理装置 55 高レベル廃液濃縮工程における放射性液体廃棄
物の処理装置 56 高レベル廃液濃縮工程における放射性液体廃棄
物の処理装置 60 酸回収工程における放射性液体廃棄物の処理装
置 61 酸回収工程における放射性液体廃棄物の処理装
置 62 酸回収工程における放射性液体廃棄物の処理装
置 63 酸回収工程における放射性液体廃棄物の処理装
置 70 低レベル廃液処理系 80 気体廃棄物処理系 102 RuNO3+溶液 104 デミスタ 105 凝縮器 106 留出液 108 開閉弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船橋 清美 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体のルテニウム化合物を含む蒸気を凝
    縮させるとともに、その凝縮過程において前記蒸気と還
    元剤とを反応させることにより、前記気体のルテニウム
    化合物を不揮発性のルテニウム化合物に変化させること
    を特徴とするルテニウムの処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のルテニウムの処理方法に
    おいて、前記気体のルテニウム化合物は、RuO4であ
    ることを特徴とするルテニウムの処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のルテニウムの処理方法に
    おいて、前記不揮発性のルテニウム化合物は、RuNO
    3+であることを特徴とするルテニウムの処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のルテニウムの処理方法に
    おいて、前記還元剤は、窒素酸化物のガスであることを
    特徴とするルテニウムの処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のルテニウムの処理方法に
    おいて、前記還元剤は、亜硝酸溶液であることを特徴と
    するルテニウムの処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のルテニウムの処理方法に
    おいて、前記蒸気と還元剤とが反応する蒸気の凝縮過程
    は、窒素酸化物と前記蒸気の露点よりも低温である水と
    の両方及び前記蒸気の露点よりも低温である亜硝酸溶液
    のうちの一方を前記蒸気に吹き込むことにより、前記蒸
    気の圧力を飽和蒸気圧以上として蒸気を凝縮させるとと
    もに、前記気体のルテニウム化合物を還元する過程であ
    ることを特徴とするルテニウムの処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のルテニウムの処理方法に
    おいて、前記蒸気と還元剤とが反応する蒸気の凝縮過程
    は、前記蒸気をその蒸気の露点より低温に冷却するとと
    もに、水と窒素酸化物との両方及び亜硝酸溶液のうちの
    一方を前記冷却された蒸気に吹き込むことにより、前記
    蒸気の圧力を飽和蒸気圧以上として蒸気を凝縮させると
    ともに、前記気体のルテニウム化合物を還元する過程で
    あることを特徴とするルテニウムの処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のルテニウムの処理方法に
    おいて、前記蒸気と還元剤とが反応する蒸気の凝縮過程
    は、前記蒸気の露点よりも低温である亜硝酸溶液中に前
    記蒸気を通液させることにより、前記蒸気を凝縮させる
    とともに前記気体のルテニウム化合物を還元する過程で
    あることを特徴とするルテニウムの処理方法。
  9. 【請求項9】 酸化数8のルテニウムからなるルテニウ
    ム化合物を含む蒸気を凝縮させるとともに、その凝縮過
    程において前記蒸気と還元剤とを反応させることによ
    り、前記酸化数8のルテニウムを酸化数2のルテニウム
    に変化させることを特徴とするルテニウムの処理方法。
  10. 【請求項10】 ルテニウム化合物を含む放射性液体廃
    棄物を加熱し蒸気を蒸発させて前記放射性液体廃棄物を
    濃縮するとともに、前記蒸気を冷却し凝縮させて生じた
    凝縮液を回収する放射性液体廃棄物の処理方法におい
    て、 前記蒸気の凝縮過程で前記蒸気と還元剤とを反応させる
    ことにより、前記蒸気に含まれる気体のルテニウム化合
    物を不揮発性のルテニウム化合物に変化させて前記凝縮
    液に取り込み、その凝縮液を回収することを特徴とする
    放射性液体廃棄物の処理方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の放射性液体廃棄物の
    処理方法において、前記蒸気に含まれる気体のルテニウ
    ム化合物は、RuO4であることを特徴とする放射性液
    体廃棄物の処理方法。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の放射性液体廃棄物の
    処理方法において、前記不揮発性のルテニウム化合物
    は、RuNO3+であることを特徴とするルテニウムの処
    理方法。
  13. 【請求項13】 請求項10記載の放射性液体廃棄物の
    処理方法において、前記還元剤は、窒素酸化物のガスで
    あることを特徴とする放射性液体廃棄物の処理方法。
  14. 【請求項14】 請求項10記載の放射性液体廃棄物の
    処理方法において、前記還元剤は、亜硝酸溶液であるこ
    とを特徴とする放射性液体廃棄物の処理方法。
  15. 【請求項15】 ルテニウム化合物を含む放射性液体廃
    棄物が供給されその放射性液体廃棄物を加熱して気体の
    ルテニウム化合物を含む蒸気を蒸発させる蒸発手段と、
    その蒸発手段からの蒸気が導かれ前記蒸気の凝縮を行う
    第1の凝縮手段とを備え、溶液中に含まれる放射性物質
    の濃度を低減する放射性液体廃棄物の処理装置におい
    て、 前記第1の凝縮手段に接続されその第1の凝縮手段に還
    元剤を供給する還元剤供給手段を有することを特徴とす
    る放射性液体廃棄物の処理装置。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の放射性液体廃棄物の
    処理装置において、前記還元剤は、窒素酸化物のガスで
    あることを特徴とする放射性液体廃棄物の処理装置。
  17. 【請求項17】 請求項15記載の放射性液体廃棄物の
    処理装置において、前記還元剤は、亜硝酸溶液であるこ
    とを特徴とする放射性液体廃棄物の処理装置。
  18. 【請求項18】 請求項15記載の放射性液体廃棄物の
    処理装置において、前記第1の凝縮手段で生成された凝
    縮液が導かれて貯留される第1の貯留手段をさらに有す
    ることを特徴とする放射性液体廃棄物の処理装置。
  19. 【請求項19】 請求項15記載の放射性液体廃棄物の
    処理装置において、前記蒸発手段で発生した蒸気の一部
    分を凝縮するとともに他の部分を蒸気のまま放出する第
    2の凝縮手段をさらに有し、前記第1の凝縮手段は、前
    記第2の凝縮手段から放出された蒸気を凝縮する手段で
    あることを特徴とする放射性液体廃棄物の処理装置。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の放射性液体廃棄物の
    処理装置において、前記第1及び第2の凝縮手段のうち
    少なくとも一方で生成された凝縮液が導かれて貯留され
    る第2の貯留手段をさらに有することを特徴とする放射
    性液体廃棄物の処理装置。
  21. 【請求項21】 請求項15記載の放射性液体廃棄物の
    処理装置において、前記第1の凝縮手段は、前記蒸発手
    段で発生した蒸気の一部分を凝縮するとともに他の部分
    を蒸気のまま放出する手段であり、かつ、前記第1の凝
    縮手段から放出された蒸気を凝縮する第3の凝縮手段を
    設けたことを特徴とする放射性液体廃棄物の処理装置。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の放射性液体廃棄物の
    処理装置において、前記第1及び第3の凝縮手段のうち
    少なくとも一方で生成された凝縮液が導かれて貯留され
    る第3の貯留手段をさらに有することを特徴とする放射
    性液体廃棄物の処理装置。
  23. 【請求項23】 請求項15記載の放射性液体廃棄物の
    処理装置において、前記気体のルテニウム化合物を含む
    蒸気と前記還元剤とを前記第1の凝縮手段内で攪拌する
    撹拌手段を有することを特徴とする放射性液体廃棄物の
    処理装置。
  24. 【請求項24】 請求項15記載の放射性液体廃棄物の
    処理装置において、前記第1の凝縮手段は、前記蒸発手
    段から前記気体のルテニウム化合物を含む蒸気が供給さ
    れるらせん状の配管を有することを特徴とする放射性液
    体廃棄物の処理装置。
  25. 【請求項25】 請求項15記載の放射性液体廃棄物の
    処理装置において、前記蒸発手段で発生した蒸気が導か
    れその蒸気中に含まれる硝酸と水とが除去される精留手
    段をさらに有することを特徴とする放射性液体廃棄物の
    処理装置。
  26. 【請求項26】 請求項15記載の放射性液体廃棄物の
    処理装置において、前記第1の凝縮手段は、前記蒸気中
    に含まれる硝酸と水とを除去する手段を有することを特
    徴とする放射性液体廃棄物の処理装置。
JP7888694A 1994-04-18 1994-04-18 ルテニウムの処理方法及び放射性液体廃棄物の処理方法並びに放射性液体廃棄物の処理装置 Pending JPH07287096A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020256007A1 (ja) * 2019-06-21 2020-12-24 株式会社トクヤマ 酸化ルテニウムガスの吸収液、酸化ルテニウムの分析方法およびトラップ装置、定量分析装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020256007A1 (ja) * 2019-06-21 2020-12-24 株式会社トクヤマ 酸化ルテニウムガスの吸収液、酸化ルテニウムの分析方法およびトラップ装置、定量分析装置

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