JPH0320683Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は工場、倉庫あるいは飲食店の厨房など
に多く使用され、一般家庭用の換気扇にくらべ、
大風量、高静圧が得られる換気扇（以下、有圧換
気扇という。）に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来の有圧換気扇は第１図に示すように、枠体
１０１に羽根１０２を固着した電動機１０３を支
持する支持体１０４を複数個の支持体取付ねじ１
０５で固定していた。そして、このような有圧換
気扇を壁面１０６に取り付ける場合には枠体１０
１を直接に壁面１０６に複数個の取付木ねじ１０
７で固定していた。

一方、有圧換気扇は飲食店の厨房などに取り付
けた場合に非常に汚れやすく、保健所などの指導
もあり頻繁に掃除をしなければならない。ところ
で第１図のように壁面１０６に取り付けた有圧換
気扇を拭くことによる掃除では汚れは落ちにく
い。また、羽根１０２の裏側などは十分に手が届
かない。そのため掃除のときには必ず有圧換気扇
を壁面１０６からはずす必要がある。したがつて
第１図のような取け方をしておれば、掃除をする
際には工具を使つて複数個の取付木ねじ１０７を
外し、壁面１０６から有圧換気扇を取り外して掃
除を行い、その後に再び工具を使い複数個の取付
ねじ１０７を締め付け壁面１０６に固定する。

また、他の方法としては、支持体１０４を枠体
１０１に固定している複数個の支持体取付ねじ１
０５を前記同様に工具を使つて取り外し、枠体１
０１は壁面１０６に固定したまま残し、羽根を固
着した電動機を支持する支持体を取り外し、掃除
をした後に再び前記同様工具を使つて複数個の支
持体取付ねじ１０５で支持体１０４を枠体１０１
に固定する。

以上のように有圧換気扇を掃除する場合には、
複数個の取付木ねじ１０７または複数個の支持体
取付ねじ１０５を工具を使つて着脱するという作
業が必要であり、掃除自体よりも取り外しの作業
の方が面倒であり、手間がかかつていた。また有
圧換気扇のサイズの大きいものは重く、１人で取
り付けおよび取り外しの作業をすることが困難で
あり、１人が支え、もう１人が工具を使い、取付
木ねじ１０７または支持体取付ねじ１０５を取り
外したり、取り付けたりせねばならないなどの欠
点を有していた。

さらに、飲食店の扇房などのように多量の油煙
や油塵が発生する所では、有圧換気扇の汚れがひ
どく、かつ上昇していく油煙・油塵によつて有圧
換気扇の下方の壁を汚していた。そして有圧換気
扇は、たとえ頻繁に掃除をしても、羽根１０２に
付着した油煙や油塵が枠体１０１に飛散して流れ
落ち、その油煙・油塵の量によつて、その都度有
圧換気扇を掃除しなければならないという欠点を
有していた。

考案の目的 本考案はこのような従来の欠点を解消するもの
で、有圧換気扇を掃除するときに工具を使うこと
なく、簡単に取り外しおよび取り付けができ、そ
の上、サイズの大きい重いものでも２人がかり
で、１人が支え、もう１人が取り外し作業や取り
付け作業をするのではなく、１人で容易に掃除の
ための取り外し作業を行なうことを可能とし、ま
た有圧換気扇から流れ落ちる油煙や油塵を防止す
るために、流れ落ちる油煙や油塵の量によつてそ
の都度有圧換気扇を掃除することなく連続して運
転を可能とし、さらに有圧換気扇の下方の壁を汚
さない構造を提供することを目的とする。

考案の構成 前記目的を達成するため、本考案は壁面の開口
部に固定する第１の枠体と、電動機を支持する第
２の枠体と、上部を開放した幅大の箱体を有し、
前記第１の枠体に第２の枠体をかけ吊り、第１の
枠体に設けたねじを第２の枠体に貫通させてねじ
に螺合するつまみを締めることにより第１の枠体
を固定し、第１の枠体に箱体を着脱可能に掛け吊
つて第１の枠体の下方の壁を覆い、かつ第１と第
２の枠体の間に挟持して配置した構成としたもの
である。

実施例の説明 以下にその実施例を第２図〜第５図にもとづい
て説明する。

図において１は第１の枠体で、貫通孔２に差し
込んだ絶縁ブツシユ３を通して壁面４に取付用木
ねじ５で堅固に固定されている。前記第１の枠体
１上には第２の枠体６が重ねられ、第１の枠体１
上に切起したＬ字状のひんじ部１１を第２の枠体
６の孔等の受部１２にかけ止めることにより、前
記第２の枠体６が支えられている。前記第１の枠
体１の下部にはねじ部１３が設けられ、第２の枠
体６に設けた貫通孔１４に前記ねじ部１３を通
し、前記第１の枠体のねじ部１３の先端にねじ部
を持つつまみ１５をねじ込むことにより、第１の
枠体１に第２の枠体６が固着される。この第２の
枠体６には電動機８を固着した電動機取付板９を
支える支持体７を取付けてあり、この支持体７は
上方に２本、下方に２本、計４本の脚部７ａを有
している。前記電動機８には羽根１０を固定して
ある。

第１の枠体１の端面には絶縁パツキン１６を設
けてあり、この絶縁パツキン１６で壁面４と第１
の枠体１とを完全に絶縁するようになつている。
第１の枠体１には流れ落ちる油煙や油塵を受ける
ために上部を開放した箱体１８をその上部に設け
られた引掛部１７でひつかけてあり、前記引掛部
１７近くの部分は第１の枠体１と第２の枠体６と
で挟み込まれている。この箱体１８は第１の枠体
１とほぼ同じの広い幅を有し、ひつかけられた状
態で第１の枠体１の下方の壁を覆つている。

上記実施例において、つまみ１５をはずし、つ
ぎに第２の枠体６を手前にひいて第１の枠体１の
ねじ部１３からはずしながら、さらに上へもちあ
げてひんじ部１１から受部をはずして第１の枠体
１から第２の枠体６を取りはずすものである。ま
た箱体１８も枠体１からはずすものである。さら
に掃除した箱体１８と第２の枠体６を第１の枠体
１に取付けるには前記と逆にすればよい。

また、下方から上昇してくる油煙や油塵は、有
圧換気扇近くになると一部は壁に伝つて流れ、壁
を汚すこととなるが、幅大の箱体１８が第１の枠
体１にその下方の壁を覆つてひつかけられている
ので、壁の汚れを防止できる。

考案の効果 前記実施例の説明より明らかなように、本考案
によれば第１の枠体に設けたひんじ部を電動機を
支持する第２の枠体の受部に掛けることで第２の
枠体を着脱自在に支えるとともに、下部には油煙
や油塵を受けるための幅大の箱体が第１の枠体に
ひつかけられ、第１の枠体に設けたねじ部と第２
の枠体に設けた貫通孔を通して先端にねじ部を設
けたつまみとで第１の枠体と第２の枠体とが固定
されるので、有圧換気扇を掃除する際に工具を使
用することなくつまみと第２の枠体を第１の枠体
に着脱する両操作のみで極めて容易に取外作業、
取付作業を行うことができる。また油煙や油塵が
極めて多く発生し有圧換気扇から流れ落ちる場合
においても箱体に受けとめ、さらに上昇してくる
油煙・油塵で有圧換気扇の下方の壁が汚れるの
を、この壁を幅広く覆う箱体によつて防止できる
という種々の効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の有圧換気扇の壁面取付側面図、
第２図は本考案の一実施例の有圧換気扇の壁面取
付側面図、第３図は第２図Ａ部の詳細断面図、第
４図は同Ｂ部の詳細断面図、第５図は同Ｃ部の詳
細断面図、第６図は同有圧換気扇の分解斜視図で
ある。 １……第１の枠体、３……絶縁ブツシユ、４…
…壁面、６……第２の枠体、８……電動機、１１
……ひんじ部、１２……受部、１３……ねじ部、
１５……つまみ、１８……箱体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壁面の開口部に固定する第１の枠体と、電動機
   を支持し、かつ第１の枠体上に重ねられる第２の
   枠体と、上部を開放した幅大の箱体とを有し、前
   記第１の枠体のＬ状のひんじ部を第２の枠体の受
   部に着脱自在に係止して第２の枠体を支えるとと
   もに、第１の枠体より第２の枠体を貫通して突出
   したねじ部につまみを螺合させ、前記箱体を、前
   記第１の枠体の下方の壁を覆つて、その引掛部を
   第１の枠体に着脱自在に係止し、前記第１と第２
   の枠体の間に挟持して配置した有圧換気扇。