JPH0320623B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、一枚の金属板にて成形された板金プ
ーリーに関し、特に板金プーリー側壁の一側面に
同板金プーリーの軸芯を中心としたバーリングを
突成し、同側壁の他側面に上記軸芯を中心とした
トルク伝達プレートを一体に固着し、このトルク
伝達プレートを介して上記バーリングに差し込ま
れた軸との一体固装を図つた板金プーリーに関す
る。

従来技術とその問題点 従来のこの種一枚の金属板にて成形された板金
プーリー１は、例えば第１図に示すように同板金
プーリー１の軸芯を中心として成形された筒状の
外周壁２に歯形３を成形すると共に、同板金プー
リー１の側壁４に上記軸芯を中心としたボス５を
成形し、このボス５のボス孔５ａに軸７を取付け
固装するブツシユ６を圧入固装したものである。

板金プーリーは歯形成形せねばならない関係か
ら素材板厚が制約され、板厚増加には限界があ
る。上記従来の板金プーリーはブツシユ６によつ
てボス５の補強を行い併せて芯出し機能を具備さ
せている。

又この板金プーリー１と軸７とのトルク伝達は
ボス５、ブツシユ６を介して行われるものである
から、ボス５には板金プーリー１の芯出し機能の
他に上記ブツシユを圧入して固装する機能が要求
される。このため上記ボス５は強度的にも精度的
にも充分に満足するものでなければならない。

更に上記ボス５にブツシユ６を圧入して固装す
る構造であるから、精度出しに難点があり、従つ
てブツシユ６をボス５に圧入した後に切削加工を
施さなければならず、コストアツプの要因とな
る。

発明の目的 本発明の目的は一枚の金属板にて成形された板
金プーリーの側壁中心部に軸と板金プーリーとを
結合して一体回転させるトルク伝達プレートを固
着する構成として、上述した従来の欠点を解決す
ることにある。

発明の構成 本発明は、一枚の金属板にて成形された板金プ
ーリーの側壁の一側面に板金プーリーの軸芯を中
心とした芯出し機能を有するバーリング孔を画成
するバーリングを突成すると共に、他側面に上記
軸芯を中心としたトルク伝達プレートを固着し、
軸を上記バーリング孔に挿通しつつボルトにより
該トルク伝達プレートに固装して板金プーリーと
軸とを一体回転するように構成した板金プーリー
に関する。

発明の実施例 本発明の構成を一実施例として示した第２図乃
至第５図につき説明する。

本発明の各実施例図において、上述した従来例
図と同一付号は同一部位を指称する。

本発明の各実施例図において、板金プーリー１
の側壁４の一側面には同板金プーリー１の軸芯を
中心とした円形のバーリング８の突成してバーリ
ング孔８ａを形成すると共に、側壁４の他側面に
は上記軸芯を中心とした円形のトルク伝達プレー
ト１０を固着する。このトルク伝達プレート１０
の中心部には上記バーリング孔８ａより小径のボ
ルト挿通孔１０ａを穿孔する。

７は軸であつて、この軸７の先端部を上記バー
リング８のバーリング孔８ａにその内周面に接し
て差し込み、同軸７の端面を上記ボルト挿通孔１
０ａの周域の上記トルク伝達プレート１０の側面
に当接し、軸端面に偏心し突設した位置決ピン７
ａをボルト挿通孔１０ａの周囲に偏心し設けた位
置決孔１０ｂに挿入し、取付回転角を設定する。

この軸７の端面には螺孔７ｂが穿設されてお
り、この螺孔７ｂに上記トルク伝達プレート１０
のボルト挿通孔１０ａに挿通したボルト１１の螺
軸部１１ａを螺合し、上記軸７の端面を上記トル
ク伝達プレート１０の側面に締付け固装する。９
はトルク伝達プレート１０と板金プーリー側壁４
との重合取付面である。斯くして板金プーリー１
と軸７とをトルク伝達プレートを介して一体固装
する。

上記トルク伝達プレート１０を上記重合取付面
９を以つて板金プーリー側壁４に固着するにはト
ルク伝達プレートの取付面９に相当する部分に予
め複数の突起を形成しておき、これを利用してプ
ロジエクシヨン溶接し一体とする。

又他の取付手段として第４図Ａに示すように治
具１２上に板金プーリー１の側壁４を載置し、こ
の側壁４の所定の位置にトルク伝達プレート１０
を載置し、治具１２の受孔１２ａの真上に相当す
るトルク伝達プレート１０の部分をパンチ１３に
て側壁４よりも肉厚のトルク伝達プレート１０か
ら側壁４側へ突起１０ｄを打ち出し、この突起１
０ｄを側壁４内に一側から侵入させ、側壁４の上
記侵入側と反対側に受孔１２ａの存在により突起
４ａを形成しつつトルク伝達プレート１０を板金
プーリー１に一体に固着する。

尚上記突起１０ｄの圧入は板金プーリー１の板
厚の範囲内にとどめる。

又第４図Ｂに示すように、上記板金プーリー側
壁４には取付孔９ａを穿ち上記トルク伝達プレー
ト１０にはかしめ用ピン１０ｃを一体に突成し、
このかしめ用ピン１０ｃを上記取付孔９ａに挿入
してその先端突出部分にかしめ１０ｅを施して、
トルク伝達プレート１０を重合取付面９の環状領
域において板金プーリー側壁４に一体に固着す
る。

発明の効果 本発明は上述した如く、板金プーリーの一側面
にバーリング孔を画成する芯出し用のバーリング
を形成すると共に、他側面にトルク伝達プレート
を添設固装し、軸を上記バーリングに挿通しつ
つ、軸端面をトルク伝達プレートへ当接させ、該
当接面にてボルト締し、トルク伝達プレートを介
し板金プーリーと一体固装する構成としたから、
板金プーリーの回転力は板金プーリー側壁に対す
るトルク伝達プレートの固着部を介してトルク伝
達プレートに伝達され、更に該トルク伝達プレー
トの側面と軸端面の固装部を介して軸に伝達する
ことができる。

このように、本発明によれば板金プーリーの側
壁に成形されたバーリングに板金プーリーの芯出
し機能を担わせながら、これに大きな負荷をかけ
ずに上記強固に固着されるトルク伝達プレートに
軸取付機能を具備させ軸と板金プーリーの一体化
を図ることができると共に、トルク伝達プレート
にて大きな回転トルク負荷を受ける軸取付部近傍
の強度向上が図れる。

加えてトルク伝達プレートと板金プーリーの接
合によりタイミングプーリー本体のみでの剛性不
足に対しその飛躍的向上が図れる。又トルク伝達
プレート４の材質の選択範囲が広がり、異種材質
での構成が可能となる。更に必要に応じては、同
プレートには熱処理を施すことも可能となる。又
板厚選択の自由度も歯形成形部に制約されること
なく、大幅に広がり、軸と板金プーリーの取付及
び補強強度を自在に高めることができる。

又上記バーリングは板金プーリーと同一工程内
での加工が可能なため、振れ精度の向上が期待で
き、芯出し機能のみを有し負荷がかからないか
ら、それ自身補強をすることを要せず、単なるバ
ーリング加工のみでよく、加工が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の板金プーリーの縦断面図、第２
図乃至第５図は本発明の実施例を示し、第２図は
板金プーリーの正面図、第３図は第２図の縦断面
図、第４図Ａ，Ｂは板金プーリーに対するトルク
伝達プレートの固着手段を示す拡大断面図、第５
図は軸に板金プーリーを固装した状態を示す断面
図である。 １……板金プーリー、２……板金プーリーの外
周壁、３……歯形、４……板金プーリーの側壁、
７……軸、８……バーリング、９……側壁とトル
ク伝達プレートとの重合取付面、１０……トルク
伝達プレート、１１……ボルト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一枚の金属板にて成形された板金プーリーの
   側壁４の一側面に板金プーリーの軸芯を中心とし
   て突設されたバーリング孔８ａを画成するバーリ
   ング８と、上記板金プーリーの側壁の他側面に添
   設固着された上記軸芯を中心とする円形のトルク
   伝達プレート１０と、該トルク伝達プレート１０
   の中心部に穿設された上記バーリング孔８ａより
   小径のボルト挿通孔１０ａと、軸先端が上記バー
   リング孔８ａに該バーリング孔内周面に接するよ
   うに差し込まれ且つ軸端面が上記ボルト挿通孔周
   域のトルク伝達プレート側面に当接された軸７
   と、該軸端面に穿設された螺孔７ｂと、該螺孔７
   ｂに上記トルク伝達プレート１０のボルト挿通孔
   １０ａを通し螺合されて上記軸７の端面をトルク
   伝達プレート１０の側面に締付けるボルト１１と
   から成ることを特徴とする板金プーリー。