JP3693834B2 - 防振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般産業機械、自動車のエンジンマウントや自動車用サスペンションブッシュ等として用いられる防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用のエンジンマウントとして用いられる防振装置には、円筒状の外筒と、この外筒の中空部内に配置される円筒状の内筒と、内筒及び外筒との間に配置されて内筒と外筒とを連結するゴム製弾性体と、外筒に固定されるブラケット金具とを備えたものがある。このような防振装置は、例えば内筒が振動発生部であるエンジンに連結されると共に、ブラケット金具がボルト等により振動受部である車体へ連結される。ここで、エンジンからの振動が内筒に伝達されると、この振動により弾性体が変形すると共に内筒が外筒に対して相対変位する。このとき、弾性体の内部摩擦により振動エネルギーが吸収されて車体への振動伝達が抑制される。
【0003】
上記の防振装置防振装置では、弾性体が外筒及び内筒から脱落すること、及び弾性体が外筒内における所定の位置から移動することを防止する必要がある。このため、従来の防振装置では、内筒の外周面上に弾性体を加硫接着して内筒からの離脱を防止し、この内筒へ加硫接着された弾性体を外筒の内周面上に加硫接着し、この弾性体を介して内筒へ連結された外筒をエンジン又は車体側への連結用ブラケット金具の筒部(ブラケット筒部)へ圧入して固定するようにしたものがある。また、このような防振装置では、一般的に外筒を縮径方向へ塑性変形させて弾性体の外筒内周面からの剥離や脱落を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような防振装置では、弾性体の外筒への加硫接着、外筒の塑性変形、外筒のブラケット筒部内へ圧入等の工程が必要となるため組立作業が煩瑣になり、さらに外筒をブラケット筒部とは独立した1部品としなればならことから、製造コストを抑制することが困難であった。
【0005】
一方、外筒を廃止して弾性体を直接ブラケット筒部へ圧入保持することも考えられるが、このような構成を採用した場合には、弾性体のブラケット筒部内からの脱落を確実に防止することが困難であった。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮し、外筒内に圧入された弾性体のブラケット筒部からの脱落が確実に防止されると共に、装置の効率的な生産及びコストの抑制が可能な防振装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の防振装置は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される内筒と、前記内筒の外周面に固着された弾性体と、内周側に形成された中空部内に前記弾性体が非接着で圧入され、該弾性体を介して中空部内に前記内筒を支持するブラケット筒部と、振動発生部及び振動受部の他方に連結されると共に前記ブラケット筒部へ固定されるブラケット金具とを有する防振装置であって、前記ブラケット金具は、互いに対向するように支持されて前記ブラケット筒部の軸方向両端面を挟持する一対の側板部を有し、前記側板部に前記ブラケット筒部の内周面より軸心側へ延出して前記弾性体の側面部分と対向する延出部を形成し、しかも前記ブラケット筒部における周方向に沿った一部分に軸方向に沿って外側へ延出する凸状の位置決め部を形成すると共に、前記側板部に前記延出部の外周側まで切り欠かれて前記位置決め部が挿入される凹部を形成したものである。
【0008】
上記構成の防振装置によれば、前記ブラケット筒部内に弾性体が非接着状態で保持されると共に、側板部に形成された延出部がブラケット筒部の内周面より軸心側へ延出して弾性体の側面部分と対向することにより、ブラケット筒部の中空部内へ圧入された弾性体に対して軸心に沿った外力が作用した場合でも、弾性体の軸方向への移動が側板部の延出部により制限され、弾性体がブラケット筒部の軸方向端面より外側へ移動することがないので、弾性体がブラケット筒部の中空部内から脱落しない。
【0009】
ここで、弾性体の軸方向両端面が側板部の延出部と当接するように、軸方向における弾性体の幅をブラケット筒部の幅と略等しい長さにしておけば、弾性体がブラケット筒部内での軸方向への移動を防止できる。
【0010】
請求項2記載の防振装置は、請求項1記載の防振装置において、前記ブラケット筒部は、軸直角断面の形状が略楕円形状とされた中空部を有し、かつ前記弾性体は、前記中空部の内周面における長軸方向両端部にそれぞれ圧接する一対の圧接部を有するものである。
【0011】
上記構成の防振装置によれば、ブラケット筒部の中空部の軸直角断面形状が略楕円形状とされ、かつ弾性体が、中空部の内周面における長軸方向両端部にそれぞれ圧接する一対の圧接部を有することにより、ブラケット筒部の中空部内へ圧入された弾性体に軸心回りの回転方向の外力が作用した場合でも、弾性体の圧接部がブラケット筒部の内周面に沿って移動するには、弾性体が中空部の径が狭くなる内周面に沿って弾性変形する必要があるので、圧接部には弾性体の変形抵抗に応じた抵抗力が作用し、この抵抗力により弾性体のブラケット筒部の中空部内での回転を防止できる。
【0012】
請求項3記載の防振装置は、請求項1記載の防振装置において、前記弾性体には、それぞれ前記内筒の軸心に対して放射状に延出し前記ブラケット筒部の内周面に圧接する一対の圧接部が形成され、かつ前記中空部の内周面には、径方向内側へ突出すると共に一対の前記圧接部のブラケット筒部の内周面に沿った端部にそれぞれ接して圧接部の中空部内周面に沿った移動を拘束する凸状の回転拘束部が設けられたものである。
【0013】
上記構成の防振装置によれば、弾性体には、ブラケット筒部の内周面に圧接する一対の圧接部が形成され、かつ中空部の内周面には、径方向内側へ突出すると共に弾性体の圧接部のブラケット筒部の内周面に沿った端部にそれぞれ接して圧接部のブラケット筒部の内周面に沿った移動を拘束する凸状の回転拘束が設けられたことにより、ブラケット筒部の中空部内へ圧入された弾性体に、軸心に対する回転方向の外力が作用した場合でも、弾性体の圧接部がブラケット筒部の内周面に沿って移動するには、弾性体が回転拘束部に沿って弾性変形する必要があるので、圧接部には弾性体の変形抵抗に応じた抵抗力が作用し、この抵抗力により弾性体のブラケット筒部の中空部内での回転を防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る防振装置について図面を参照して説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1及び図2には、本発明の第1の実施形態に係る防振装置が示されている。
この防振装置10は所謂ブッシュタイプの防振装置であって、本実施形態では車両のエンジンマウントとして適用されている。防振装置10は、図1及び図2に示されるようにブラケット金具20の一部として構成された円筒状の筒部12と、この筒部12の中空部14内に配置された円筒状の内筒16と、筒部12と内筒16との間へ配置された弾性体18と、筒部12が固定されるブラケット金具20とを備えている。
【0016】
筒部12はステンレス等の金属からなり、この筒部12には、図2に示されるように軸心Sに沿った軸方向両側の端面12A,12Bにそれぞれ一対の位置決め部12Cが形成されている。一対の位置決め部12Cは、筒部12の端面12A,12Bから円筒壁部の一部を軸方向へ略コ字状に突出させることにより形成されており、筒部12の軸心Sに対して互いに対称的な2位置に配置されている。また位置決め部12Cはそれぞれ同一形状とされており、後述するブラケット金具20の側板部22,24の外形形状に対応する周長及び突出長を有している。
【0017】
内筒16は、筒部12に対して小径とされると共に、軸方向へは僅かに長く形成されている。本実施形態では内筒16は車両における振動発生部であるエンジン(図示省略)に連結される。内筒16の外周面には、図1に示されるように軸方向中間部にそれぞれ径方向へ突出する一対のストッパ支持部16Aが設けられている。一対のストッパ支持部16Aは、それぞれ略直方体のブロック状に形成されており、軸心Sに対して対称的な2位置に配置されている。
【0018】
内筒16の外周面にはゴム製の弾性体18が加硫接着されている。この内筒16に加硫接着された弾性体18は、図1に示されるように装置が組み立てられた状態では筒部12の中空部14内へ圧入される。弾性体18は軸方向から見た形状が軸心Sを中心として互いに直交する中心軸C1 ,C2 に沿って径方向へそれぞれ延出する延出部を有する略X字状に形成されている。ここで、弾性体18の中心軸C1 に沿って延出する一対の延出部は、それぞれ筒部12の内周面に延出端部を圧接させる圧接部26として構成され、また弾性体18の中心軸C2 に沿って延出する一対の延出部は、それぞれ筒部12の内周面に延出端部を対向させると共に、内筒16のストッパ支持部16Aを覆うストッパ部28として構成されている。
【0019】
圧接部26の軸方向から見た断面形状は、中心軸C1 に沿って長い略長方形状に形成されている。圧接部26の延出端部には、その周方向における幅が基端部側の幅より広くなるように周方向外側へ突出する突出部26Aが形成されている。これにより、中心軸C1 に沿った弾性体18のばね定数を必要以上大きくするとなく、圧接部26と筒部12の内周面への接触面積として十分大きな面積を確保することが可能になる。また圧接部26の筒部12への接触面は、筒部12への圧入前には筒部12の内周面の曲率半径より僅かに曲率半径が小さい凸状の曲面とされている。弾性体18の延出端部の軸方向における長さは筒部12の端面12A,12B間の距離と等しくされている。弾性体18の中心軸C1 に沿った自然長は、筒部12の内径より所定長だけ長くされている。これにより、弾性体18の中心軸C1 に沿った自然長と筒部12の内径との差だけ中心軸C1 に沿って圧縮され、この圧縮量に対応する加圧力で圧接部26は筒部12の内周面へ圧接する。
【0020】
一方、弾性体18の中心軸C2 に沿って延出する一対の延出部は、それぞれ筒部12の内周面に延出端部を対向させると共に内筒16のストッパ支持部16Aを覆うストッパ部28として構成されている。このストッパ部28の周方向の幅は圧接部26より十分広くされ、かつにストッパ部28は内筒16のストッパ支持部16Aにより中心軸C2 に沿った肉厚が薄くされている。
【0021】
また弾性体18の中心軸C2 に沿った自然長は、筒部12の内径より所定長だけ短くされている。これにより、筒12,16間に外力が作用しておらず、弾性体18が弾性変形していない復元状態では、図1に示されるようにストッパ部28の延出端部は筒部12の内周面から離間する。ストッパ部28の延出端面は、筒部12の内周面の曲率半径より小さい曲率半径の凸状曲面とされており、このストッパ部28の延出端面には、図2に示されるように軸方向に延在するリブ状の突起28Aが周方向へ一定のピッチ毎に設けられている。これにより、ストッパ部28の延出端面と筒部12の内周面との接触面積を小さくし、ストッパ部28の延出端面が長時間、筒部12の内周面上へ加圧状態で接触していた場合でも、ゴム製のストッパ部28の延出端面が筒部12の内周面に圧着することを防止している。
【0022】
振動受部である車体(図示省略)に固定されるブラケット金具20は、ステンレス板等の金属板をコ字状に屈曲して形成されており、このブラケット金具20には、図2に示されるように底板部30の軸方向両端部から直角に屈曲された側板部22,24が形成されている。一対の側板部22,24は、筒部12の端面12A,12B間の距離に略等しい間隔を空けて互いに平行となるように支持されている。底板部30には、その両端部にそれぞれ板厚方向へ貫通する貫通穴30Aが形成されており、底板部30の上面には一対の貫通穴30A上にブロック状のナット部材33が溶接等により固定されている。このナット部材33には、同軸的に貫通穴30Aに連通するめねじ穴33Aが貫通している。ブラケット金具20を車体へ固定する際には、車体側へ設けられたフランジ部を挿通したボルト(図示省略)をブラケット金具20の底面側からナット部材33のめねじ穴33Aへ規定の締結トルクが発生するまでねじ込むことにより、ブラケット金具20が車体へ固定される。
【0023】
ブラケット金具20の一対の側板部22,24は同一形状とされており、側板部22,24の板厚は、筒部12の位置決め部12Cの端面12A,12Bからの突出長と略等しい厚さとされている。側板部22,24の中央部には筒部12に対応する形状の開口部32が形成されている。開口部32は、軸方向から見た形状が図1に示されるように側板部22,24の上端部付近を開口端32Aとする略U状に形成されており、開口部32の内周面には、開口端32Aとは逆側の底部に筒部12の位置決め部12Cに対応する凹部32Bが形成されている。また開口部32の内周面における開口端32Aと凹部32Bとの間は、筒部12の内周面の曲率半径より所定長小さい曲率半径の凹状の曲面部32Cとされている。凹部32Bは、曲面部32Cの曲面を延長した仮想の延長曲面P(図1参照)より径方向外側へ略コ字状に凹んでおり、凹部32Cの底部には、筒部12の外周面の曲率半径と略等しい曲率半径の凹状曲面からなる支持面32Dが形成され、この支持面32Dの周長は、図1に示されるように筒部12の位置決め部12Cの外周面の周長より僅かに長くされている。
【0024】
ここで、開口部32の開口端32Aの周方向中心点と支持面32DFの周方向中心点とを結ぶ直線は、底板部30に対して所定角度傾いており、開口部32は前記直線を対称軸とし、この対称軸に対して対称的な形状とされている。また組立状態の防振装置10では、図1に示されるように軸方向から見てストッパ部28の中心軸C2 が開口部32の対称軸と一致するように弾性体18が固定されている。
【0025】
次に、上記のように各構成部品が構成された防振装置10の組立方法を説明する。先ず、ブラケット金具20には筒部12が固定される。この際、ブラケット金具20の一対の側板部22,24の間に筒部12が中心軸C2 に沿って挿入され、これにより、筒部12の両端面12A,12Bが一対の側板部22,24により挟持される。また筒部12を一対の側板部22,24の間に挿入しつつ、筒部12の一対の位置決め部12Cの一方を凹部32Bへ挿入される。このとき、位置決め部12Cの外周面と凹部32Cの支持面32Dとの曲率半径が一致しているので、位置決め部12Cの外周面は凹部32Bの支持面32Dと隙間なく接触する。また位置決め部12Cの一方が凹部32Bへ挿入されると、位置決め部12Cの他方は開口部32の開口端32Aに面する位置に支持される。
【0026】
位置決め部12Cと支持面32Dと隙間なく接触させることにより、一対の側板部22,24により挟持された筒部12は、筒部12の軸心Sが曲面部32Cの曲率中心と一致するように位置決めされる。このように位置決めされた状態で、筒部12は溶接等によりブラケット金具20に固定される。
【0027】
前述したように曲面部32Cの曲率半径は、筒部12の内周面の曲率半径より所定長小さくされている。従って、側板部22,24の曲面部32Cに沿った部分は筒部12の内周面より軸心S側へ延出する延出部となる。このとき、軸心Sに対する径方向における側板部22,24の筒部12の内周面からの延出長L(図1参照)は、弾性体18の脱落を防止するため1mm以上必要であり、また後述するように曲面部32C間を通して筒部12内へ弾性体18を圧入する場合には5mm以下にしておくことが望ましい。但し、弾性体18を筒部12の中空部14内へ挿入した後に、筒部12をブラケット金具20へ固定する場合には、側板部22,24の筒部12の内周面からの延出長Lを5mmより長くしても、防振装置10の組立時に問題は生じず、また弾性体18を筒部12の中空部14内に圧入する作業が容易になる。
【0028】
また本実施形態の防振装置10では、圧接部26が筒部12の内周面へ圧接していない状態では筒部12内で弾性体18が回転可能になるので、弾性体18を中心軸C1 に沿って圧縮し、この弾性体18を図1に示される取付方向から略90°回転させて筒部12内へ挿入した後、弾性体18を取付方向と一致するように筒部12内で回転させてもよい。
【0029】
ブラケット金具20に固定された筒部12の中空部14内には弾性体18が圧入される。弾性体18を中空部14内へ圧入する際には、先ず、弾性体18を、ブラケット金具20の側方で中心軸C2 が開口部32の対称軸と一致するように位置決めする。そして、専用治具(図示省略)を使用して弾性体18を、中心軸C1 に沿った長さが曲面部32C間の距離より小さくなるように圧縮変形させる。このように圧縮変形させた状態で、弾性体18を一対の曲面部32C間を通して筒部12の中空部14内へ挿入する。中空部14内への挿入が完了した後、弾性体18を圧縮力から開放すると、弾性体18の中心軸C1 に沿った長さ、すなわち圧接部26の延出端間の距離が、筒部12の内径と等しくなるまで復元する。このとき、弾性体18の中心軸C1 に沿った自然長が筒部12の内径より長くされていることから、弾性体18の圧接部26は、弾性体18の中心軸C1 に沿った自然長と筒部12の内径との差、及び弾性体18の中心軸C1 に沿った方向のばね定数に対応する圧力で筒部12の内周面へ圧接する。
【0030】
また、本実施形態の防振装置10が適用される車両では、エンジンの自重による荷重の大部分が図示しない他の防振装置等により支持される。従って、防振装置10は、エンジンが搭載されたマウント状態でも、エンジンからの振動が伝達されていない時には筒部12と内筒16とが互いに略同軸的な位置に保持され、エンジンからの振動伝達時に弾性体18が変形して筒部12と内筒16とが相対変位する。
【0031】
次に、本実施形態に係る防振装置10の作用を説明する。
【0032】
エンジンからの振動が内筒16へ伝達されると弾性体18が弾性変形する。このため、弾性体18の内部摩擦により振動エネルギーが吸収され、筒部12及びブラケット金具20を介して車体側へ伝達される振動が減衰する。このような、弾性体18の内部摩擦による振動エネルギーの吸収は、主として弾性体18が中心軸C1 に沿って弾性変形することにより行われる。またエンジンから内筒16へ中心軸C2 に沿った方向の過大な荷重が伝達された場合には、ストッパ部28が筒部12の内周面に圧接する。このとき、ストッパ部28の中心軸C2 に沿った方向の弾性変形がストッパ支持部16Aにより制限されることから、エンジンから内筒16へ中心軸C2 に沿った方向の過大な荷重が伝達された場合でも、内筒16が、中心軸C2 に沿って変位することが防止される。
【0033】
また本実施形態の防振装置10によれば、ブラケット金具20一対の側板部22,24が筒部12の両端面12A,12Bを挟持し、一対の側板部22,24の曲面部32Cがそれぞれ筒部12内周面より軸心S側へ延出して弾性体12の圧接部26の側面と対向することにより、筒部12の中空部14内へ圧入された弾性体18に対して軸心Sに沿った外力が作用した場合でも、弾性体18の軸方向への移動が側板部22,24により阻止されるので、弾性体18が筒部12の中空部14内から脱落することを防止できる。
【0034】
さらに本実施形態の防振装置10では、弾性体18の脱落を防止するため筒部12の両端面12A,12B付近を縮径方向へ塑性変形させるなどの複雑な加工を行う必要がなく、従来から使用されていたブラケット金具20の形状を僅かに変更するだけで、弾性体18の筒部12からの脱落を防止できる。
【0035】
(第2の実施形態)
図3及び図4には、本発明の第2の実施形態に係る防振装置が示されている。
なお、図1及び図2に基づいて説明した第1の実施形態に係る防振装置10と同一部材には同一符号を付し、重複した説明を省略する。
【0036】
本実施形態の防振装置40では、図3に示されるようにブラケット金具20の一部として構成された筒部42が軸方向から見て略楕円状に形成されている。この筒部42は肉厚一定の金属板からなる。従って、この筒部42の中空部44も軸直角断面が略楕円状に形成される。また筒部42の両端面42A,42Bには、短軸方向両端部にそれぞれ第1の実施形態の外筒12と同様に一対の位置決め部12Cがそれぞれ形成されている。
【0037】
ここで、中空部44の長軸方向は、弾性体18の圧接部26の中心軸C1 と平行とされる弾性体18の取付方向とされている。そして、弾性体18の中心軸C1 に沿った自然長は、筒部42の長軸方向における内径より所定長だけ長くされている。また弾性体18の中心軸C2 に沿った自然長は、外筒12の短軸方向における内径より所定長だけ短くされている。これにより、弾性体18が筒部42内へ圧入された組立状態では、弾性体18の一対の圧接部26が筒部42の内周面の長軸方向両端部に圧接し、また弾性体18が弾性変形していない復元状態では、ストッパ部28の延出端部が筒部42の内周面から離間する。
【0038】
また本実施形態でも、側板部22,24の曲面部32Cに沿った部分は筒部42の内周面より軸心S側へ延出している。このとき、軸心Sに対する径方向における側板部22,24の外筒12の内周面からの延出長L(図3参照)は、第1の実施形態と同様に1〜5mmとされている。
【0039】
次に、本実施形態に係る防振装置40の作用を説明する。
【0040】
本実施形態の防振装置40によれば、筒部42の中空部44の軸直角断面形状が略楕円形状とされ、かつ弾性体18が中空部44の内周面における長軸方向両端部にそれぞれ圧接する一対の圧接部26を有することにより、第1の防振装置10による作用に加えて、筒部42の中空部44内へ圧入された弾性体18に、軸心S回りの回転方向の外力が作用した場合でも、弾性体18の圧接部26が外筒12の内周面に沿って移動するには、弾性体18が内径が狭くなる内周面に沿って弾性変形する必要があるので、圧接部26には弾性体18の変形抵抗に応じた抵抗力が作用し、この抵抗力により弾性体18の外筒12の中空部44内での回転を防止できる。従って、本実施形態の防振装置40によれば、筒部42内に圧入された弾性体18の軸方向及び回転方向への移動を防止できる。
【0041】
(第3の実施形態)
図5及び図6には、本発明の第3の実施形態に係る防振装置が示されている。なお、図1及び図2に基づいて説明した第1の実施形態に係る防振装置10と同一部材には同一符号を付し、重複した説明を省略する。
【0042】
本実施形態の防振装置50では、筒部12の内周面に径方向内側へ突出する凸状の回転拘束部52が設けられている。回転拘束部52は、図6に示されるように軸方向Sに沿って延在している。ここで、筒部12の内周面には、合計で4個の回転拘束部52が設けられており、これらの回転拘束部52のうちの2個(一対)が弾性体18の一方の圧接部26に対応するように配置され、残りの2個(一対)が他方の圧接部26に対応するように配置されている。そして弾性体18が筒部12内へ圧入された状態で、一対の圧接部26はそれぞ圧接部26の突出部26Aの筒部12の内周面に沿った両端部へ接する。
【0043】
本実施形態では、上記のような回転拘束部52を筒部12を塑性変形することにより、例えば、筒部12を形成した金属板を外周面側からプレス機等により加圧し、金属板に軸方向Sと平行な直線に沿った溝状の凹みを形成することにより形成している。また、このような塑性加工によらず、筒部12とは別体の棒状部材を筒部12の内周面へ固着することより、回転拘束部52を設けるようにしてもよい。
【0044】
次に、本実施形態に係る防振装置50の作用を説明する。
【0045】
本実施形態の防振装置50によれば、筒部12の内周面に径方向内側へ突出すると共に弾性体18の圧接部26の筒部12内周面に沿った端部にそれぞれ接して圧接部26の筒部12の内周面に沿った移動を拘束する回転拘束部52が設けられたことにより、第1の防振装置10による作用に加えて、筒部12の中空部14内へ圧入された弾性体18に、軸心S回りの回転方向の外力が作用した場合でも、弾性体18の圧接部26が筒部12の内周面に沿って移動するには、弾性体18が回転拘束部52に沿って弾性変形する必要があるので、圧接部26には弾性体18の変形抵抗に応じた抵抗力が作用し、この抵抗力により弾性体18の筒部12の中空部4内での回転を防止できる。
【0046】
なお、以上説明した本発明の実施形態1〜3では、筒部12,42の端面形状が円形状又は楕円形状である場合のみを説明したが、外筒の端面形状は円形又は楕円形に限定する必要はなく、例えば方形状、長円状等であってもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上のように説明したように本発明の防振装置によれば、ブラケット筒部の中空部に圧入された弾性体のブラケット筒部からの脱落が確実に防止されると共に、装置の効率的な生産及びコストの抑制が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る防振装置を示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る防振装置を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る防振装置を示す側面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る防振装置を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る防振装置を示す側面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る防振装置を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10 防振装置
12 筒部(ブラケット筒部)
14 中空部
16 内筒
18 弾性体
20 ブラケット金具
22,24 側板部
26 圧接部
40 防振装置
42 筒部(ブラケット筒部)
44 中空部
50 防振装置
52 回転拘束部

Claims (3)

  1. 振動発生部及び振動受部の一方に連結される内筒と、
    前記内筒の外周面に固着された弾性体と、
    内周側に形成された中空部内に前記弾性体が非接着で圧入され、該弾性体を介して中空部内に前記内筒を支持するブラケット筒部と、
    振動発生部及び振動受部の他方に連結されると共に前記ブラケット筒部へ固定されるブラケット金具とを有する防振装置であって、
    前記ブラケット金具は、互いに対向するように支持されて前記ブラケット筒部の軸方向両端面を挟持する一対の側板部を有し、
    前記側板部に前記ブラケット筒部の内周面より軸心側へ延出して前記弾性体の側面部分と対向する延出部を形成し、
    しかも前記ブラケット筒部における周方向に沿った一部分に軸方向に沿って外側へ延出する凸状の位置決め部を形成すると共に、前記側板部に前記延出部の外周側まで切り欠かれて前記位置決め部が挿入される凹部を形成したことを特徴とする防振装置。
  2. 前記ブラケット筒部は、軸直角断面の形状が略楕円形状とされた中空部を有し、かつ前記弾性体は、前記中空部の内周面における長軸方向両端部にそれぞれ圧接する一対の圧接部を有することを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  3. 前記弾性体には、それぞれ前記内筒の軸心に対して放射状に延出し前記ブラケット筒部の内周面に圧接する一対の圧接部が形成され、かつ前記中空部の内周面には、径方向内側へ突出すると共に一対の前記圧接部のブラケット筒部内周面に沿った端部にそれぞれ接して圧接部のブラケット筒部内周面に沿った移動を拘束する凸状の回転拘束部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の防振装置。
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