JPH03206011A - 光重合性歯科用組成物 - Google Patents

光重合性歯科用組成物

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JPH03206011A
JPH03206011A JP1344848A JP34484889A JPH03206011A JP H03206011 A JPH03206011 A JP H03206011A JP 1344848 A JP1344848 A JP 1344848A JP 34484889 A JP34484889 A JP 34484889A JP H03206011 A JPH03206011 A JP H03206011A
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JP
Japan
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group
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carbon atoms
formulas
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Application number
JP1344848A
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English (en)
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Naoki Yamamoto
山本 直己
Nobuhiro Mukai
向 信博
Hitoshi Ishita
位下 仁
Junko Shin
純子 新
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、無機物として有機質複合充填剤を高配合した
歯冠修復材料等の歯科用充填組成物に関し、更に詳しく
は、特殊な光重合開始剤系を用いて可視光の照射により
簡便に重合硬化して,高い機械的性質と優れた耐水性を
有し、更に高い耐摩耗性と良好な審美性を付与させた光
重合性歯科用組成物に関する。
[従来技術] 歯科用充填組成物においては、機械的強度、嗣摩耗性、
耐水性、接着性等の物理的性質と、より天然歯に近づけ
るために透明性、研磨性等の審美的性質とを兼ね備える
ことが重要であり、アマルガム代替材料として、これら
の性質を改善する目的で無機質フィラーを樹脂に配合し
た、所謂、コンポジットレジンの開発が多く試みられて
いる。
また、窩洞■級以上のう蝕に対してはコンポジットイン
レーと呼ばれる組成物材料が用いられ、より高い機械的
強度、耐摩耗性が望まれている。
このコンポジットレジンやコンポジットインレーを構成
している主成分は■無機質フィラー、■オレフィン性不
飽和化合物、および■重合開始剤(重合方法)の3成分
である。
しかしながら、単に無機質フィラーと有機樹脂とを配合
する場合では、無機質フィラーと有機樹脂の相溶性、接
着性等の界面親和性に乏しく充分なコンボジット性能が
得られない。そこで、この点を改良するために、例えば
ガラス表面にシランカップリング剤を処理したフィラー
を配合して成る歯科材料が提案されているが、シランカ
ップリング剤による表面処理は、対象無機質がシラノー
ル基を表面に持つガラス質フィラーに限定され汎用性に
乏しいという大きな欠点を有している上、さらに、生成
したシロキサン結合が加水分解を受け易く耐水性に劣る
という問題点かある。そのため歯科用組成物に適用する
場合、主として高硬度および審美性を付与する充填剤と
して汎用される石英系フィラーに対しては界面補強性を
発現しにくく、さらに湿潤した口腔内での長期臨床に対
して、耐水性が悪いため機械的強度の経時的低下を引き
起こす、色調が変化するといった臨床上の問題点を有し
ている。
また、有機樹脂を構成する単量体についても種々の検討
がなされており、例えば、重合収縮率の小さいコンボジ
ットを与えるものとして、ビスフェノールAジグリシジ
ルジメタクリレート(以下Bis−GMAと略す)で代
表されるビスフェノールA系多官能性単量体が、優れた
耐水性を与えるものとして、疎水性モノマーである2,
2−ビス[4一(メタクリロイルオキシエトキシ)フエ
ニル]プロパン(以下Bis−MEPPと略す)等の単
量体がそれぞれ見い出されている。しかしながら、Bi
s−GMAは分子中に水酸基を有しているため、得られ
る硬化物の吸水率が大きく、耐水性に劣り、一方、Bi
s−MEPPを用いる場合では、硬化性が低く、充分な
架橋密度が得られず、機械的強度に劣るという問題を有
している。更に、これらの欠点を補うため例えば単にB
is−GMAとBis−MEPPを併用しても、優れた
特性を有するコンポジットレジンは得られない。
光重合開始剤についても、可視光により重合硬化させる
方法が様々に試みられており、例えば、α−ジケトン化
合物と還元剤の組合せ、特にカンファーキノンとアミン
の組合せが最も一般的に使用されるが、感光領域が50
0nm付近に限定された可視光領域の光エネルギーを有
効に利用できないために、重合が不十分となり耐摩耗性
を低下させていた。さらに、カンファーキノンなどのα
−ジケトン化合物は組成物に黄変をもたらし、歯科用組
成物としての審美性をそこなっていた。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的とするところは、機械的強度、耐水性に優
れ、かつ耐摩耗性と審美性の良好な光重合性歯科用組成
物を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の要旨とするところは、 (1) (A)一般式[I] (式中、R1はH1炭素数1〜15のアルキル基、co
oy、ハロゲン原子またはフエニル基またはその誘導体
、R2はH、炭素数1〜15のアルキル基、cooz、
ハロゲン原子またはフエニル基またはその誘導体,R3
はH、炭素数1〜15のアルキル基、ハロゲン原子また
はフェニル基またはその誘導体、x,y,zはそれぞれ
H,NH.またはアルカリ金属原子を示す。)または一
般式[11] (式中、R4,RllはそれぞれH、炭素数1〜15の
アルキル基、ハロゲン原子、フエニル基またはその誘導
体を示す)で表される少なくとも1種のカルボン酸系モ
ノマーと、少なくとも1種のラジカル重合しつるビニル
単量体とを、無機化合物を分散させた重合系中で重合せ
しめることにより得られる有機質複合充填剤、 (B) 2.2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ
)フェニル]プロパンおよび3官能以上の(メタ)アク
リル酸エステル化合物の少なくとも一種、並びに稀釈用
エチレン性ビニル単量体からなる単量体混合物、および (C)一般式[■]で示されるアシルホスフィンオキシ
ド化合物と還元剤および一般式[rV]で示されるケタ
ール化合物との混合物である光重合開始剤 [式中R9は低級アルキル基、低級アルコキシ基または
低級アルキル基により置換されていてもよいフエニル基
、RIOは低級アルコキシ基、または低級アルキル基に
より置換されていてもよいフェニル基、Rl+はアセチ
ルオキシ基により置換されていてもよい2〜18個の炭
素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基、3〜
12個の炭素原子を有するシクロアルキル基、または低
級アルキル基、低級アルコキシ基もしくはハロゲン原子
により置換されていてもよいアリール基、あるいは次式 (R.及びR1。は前記の意味を有し、Xはpーフェニ
レン基を意味する)の原子団であるコ一般式[■コ ?R・ E式中、R6はH、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアル
キル基または炭素数1〜5のアルコキシ基、R1はフェ
ニレン基、R8は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数
7〜9のアラルキル基、または式−((cH2),o)
. −R9 (式中、n.mは1〜5の整数を、R9は
炭素数1〜5のアルキル基を示す)で示される基を示す
。] からなる光重合性歯科用組成物にある。
本発明の組成物を構成する有機質複合充填剤(A)は、
無機化合物を分散させた重合系中で、カルボン酸系モノ
マーおよび1種以上の他のラジカル重合し得るビニル単
量体を無触媒重合することにより得ることが出来、特に
その製造法は限定されていない。好ましい製造法の一例
をあげると熱重合反応を生じない範囲の温度条件におい
て、ビニル系単量体と無機化合物とを水媒体中に!I!
.濁分敗させた後、カルボン酸モノマーを添加、撹拌す
ることによって、水系不均一重合反応を生ゼしぬ、所定
の時間重合を行う方法を挙げることができる。
有機質複合充填剤(A)の形成に用いられる前記の一般
式[I]または[Ir]で示される特定のカルボン酸系
モノマーとしては、重合活性をもたらす活性サイドとし
て、カルボン酸基を有し、かつ生成ボリマーと無機化合
物との強固なる合一性を発現させる二重結合の存在が必
須であり、これらの官能基を含む構造式を有する化合物
が、すべて適用でき、具体例としてアクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸、チグリン酸、ケイ皮酸、無水マレ
イン酸、無水シトラコン酸等をあげることができるが、
特にアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸および無水
マレイン酸が重合活性が高く好ましい。
また有機質複合充填剤(A)の製造に使用される無機化
合物としては、周期率第I, II, IIIrv,v
族、遷移金属およびそれらの酸化物、水酸化物、塩化物
、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩およ
びこれらの混合物、複合塩などがあげられるが、中でも
硫酸バリウム、フッ化バリウム、二酸化ケイ素、酸化ア
ルミニウム、酸化チタン、石英粉末、ガラス粉末、ガラ
スビーズ、ガラス繊維、バリウム塩、鉛塩またはストロ
ンチウム塩を含有するガラスフィラー、シリカゲル、ジ
ルコニウム酸化物およびスズ酸化物が、ビニル単量体の
活性化および重合体との強固な合一化効果がとりわけ顕
著であり好ましい。本発明においては通常のカップリン
グ処理が効かない無機化合物へも適用できる点が大きな
特徴の一つであり、無機化合物の形状、大きさも適宜選
択できる。
さらに有機質複合充填剤(A)の製造に使用されるビニ
ル単量体としては、通常のラジカル重合しつるビニル単
量体はいずれも適用でき、具体例としては、例えば、メ
タクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等の(メタ)アク
リル酸アルキルエステル類、スチレン、α−メチルスチ
レン等の芳香族ビニル単量体類、アクリロニトリル、メ
タクリロニト1ノル等のシアン化ビニル単量体類や、後
述するように、本発明におけるエチレン性ビニル単量体
混合物(B)として使用される単量体などが挙げられ、
目的に応じて任意に選択することができる。
有機質複合充填剤(A)を得る際のカルボン酸系モノマ
ーの濃度は、無機化合物とビニル単量体との総重量に基
づき約0.05〜100重量%、好ましくは0,1〜5
0重量%、特に好ましくは0.5〜30重量%の範囲で
使用される。大抵の場合、ビニル単量体成分の増加゛に
応じてカルボン酸系モノマーの量を増加させるのが好ま
しい。使用する無機化合物に対するビニル単量体もしく
はそれらの混合物の重量比は広範囲に変えることができ
、約500:1ないし1:5、好ましくは50:lない
し1:1である。また、水媒体中で重合する場合、水の
量は無機化合物とビニル単量体との総重量に基づき約1
%ないし数百倍、好ましくは約10%ないし10倍であ
る。反応は好ましくは、例えば窒素などの不活性ガスの
雰囲気下において温度約10〜100℃、好ましくは2
0〜80℃で行われるが、無機化合物の種類によっては
含酸素の雰囲気下に行われる場合もある。ここで具体的
な反応温度は用いるビニル単董体によって適宜選択され
るが、熱重合が無視できる程度に抑制される温度で実施
されることが重要であり、極端に熱重合が起こるような
高温で実施する場合、生成複合充填剤の合一性および均
一性は阻害される。反応時間は30分ないし約200時
間である。生成有機質複合充填剤(A)は約10〜30
0℃、好ましくは約50〜200℃の温度範囲で乾燥す
ることができる。なほ、無機化合物の表面と本発明方法
によって施される重合体との間の相互作用は、簡単な吸
着ないしはファンデアワールス力等による物理的な意味
における接着を超えたものであり、この事実はビニルボ
リマーの良溶媒で抽出処理しても多量の未抽出ボリマー
が認められることから明白である。
上述した有機質複合充填剤(A)は、各種無機化合物と
有機重合体とが強固に合一していることから、コンポジ
ットレジン中の無機化合物や有機重合体との相溶性が高
く、従って目的に応じて歯科用組成物に必要な無機化合
物を任意に選択することにより本発明の目的とする歯科
用組成物を得ることが可能となる。
本発明に用いられるエチレン性ビニル単量体混合物(B
)には、Bis−MEPPおよび3官能以上の(メタ)
アクリル酸エステル化合物の少なくとも一種を含有する
ことが必要である。
上記2種の単量体を組み合わせることにより、驚くべき
ことに、本発明の組成物を硬化させた場合、架橋密度が
高く機械的強度に優れ、かつ耐水性の良好なコンポジッ
トレジンとすることができる。
3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル化合物として
は、どの様な構造であってもよく、例えば、下記一般r
V[V],  [VI],  [■],[■].[IX
].[X]で示されるものが用いられる。
C8.0−R,” (式中、mは1〜10の整数であり、nはO〜2の整数
であり、R3はHまたはメチル基を示す。)で示される
基であり同一であっても異なっていてもよく、R2はH
、炭素数1〜3のアルキ、ル基またはヒドロキシメチル
基を示す。](式中、o,pは1〜10の整数であり、
qはOまたは1であり、R3はHまたはメチル基を示す
。)で示される基を示す。コ CH20−R [式中、 R, R R, R, は 整数であり、nは0〜2の整数であり、R3はHまたは
メチル基を示す6)で示される基であり同一であっても
異なっていてちよい。] [式中、 R4 R4 R, R4 は チル基を示す。)で示される基を示し同一であっても異
なってもよく、R5は炭素数1〜20のアルキレン基、
フェニレン基または置換フェニレン基を示す。] [式中、 R4 R4 R4 R6 R6 R8′゛ ル基を示す。
で示される基を示し同一であって も異なってもよいが、 R, はヒドロキシエチル 基であってもよい。
] Y [式中、 Yは はl〜10の整数であり、 R, R3 はHまた はメチル基を示す。
で示される基を示す。
] 本発明では硬化性、機械的強度を考慮すると、一般式[
V]で示される単量体としては、トリメチロールメタン
トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ
 (メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールブタントリ(メ
タ)アクリレート、トリ(メチレン才キシル)メチロー
ルメタントリ(メタ)アクリレート、トリ(エチレンオ
キシル)メチロールメタントリ(メタ)アクリレート、
トリ(ブロビレンオキシル)メチロールメタントリ(メ
タ)アクリレート、トリ(ジエチレンオキシル)メチロ
ールメタントリ(メタ)アクリレート、トリ(ジブロビ
レンオキシル)メチロールメタントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート
等が挙げられ、中でもトリメチロールメタントリ(メタ
)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート
等がより好ましい。
同様の理由から、一般式[VT]で示される単量体とし
ては、イソシアヌル酸エチルトリ(メタ)アクリレート
、イソシアヌル酸プロピルトリ(メタ)アクリレート、
イソシアヌル酸ブチルトリ(メタ)アクリレート、イン
シアヌル酸ペンチルトリ(メタ)アクリレート、イソシ
アヌル酸へキシルトリ(メタ)アクリレート、インシア
ヌル酸(ヘキシルケト)エチルトリ(メタ)アクリレー
ト等が挙げられ、中でもイソシアヌル酸エチルトリ (
メタ)アクリレート等がより好ましく、一般式[■]で
示される単量体としてはペンタエリスリトールテトラ(
メタ)アクリレート等がより好ましい。
また、同様の理由から、一般式[■]で示される単量体
としては、R5がメチレン基、エチレン基、ブロビレン
基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチ
レン基、1.4−トリレン基、−CH.C(CH3)2
CH.CH(CH3)CH2−CH2−で示される基、
一φ−CH2−φ−(式中、φはフェニレン基を示す。
)で示される基である4官能ウレタン系(メタ)アクリ
レート等が挙げられ、中でもR5がへキサメチレン基、
または−CHz−C (CH3) 2cLcfl(CH
3) CH2CH2−で示される基である4官能ウレタ
ン系(メタ)アクリレート等がより好ましく、一般式[
IX]で示される単量体としては、ジペンタエリスリト
ールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルヘキサ(メタ)アクリレート等がより好ましく、一般
式[X]で示される単量体としてはSが6である6官能
ウレタン系(メタ)アクリレート等がより好ましい。
本発明において、ビニル単量体混合物(B)に用いられ
る希釈用エチレン性ビニル単量体としては、歯科用コン
ポジットレジンに用いられる従来公知の単量体を使用す
ることができ、具体例としては、例えば、ブロビレング
リコールジメタクリレート、1.6−ヘキサメチレング
リコールジメタクリレート等のアルカンジオール(メタ
)アクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレ
ート(以下3Gと略す)、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールブロバントリ(
メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート
およびメチルメタクリレート、プチルアクリレート等の
(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン、a−
メチルスチレン等の芳香族炭化水素、アクリロニトリル
、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物等が挙
げられる。
なほ、本発明においては、有機質複合充填剤(A)に用
いられるラジカル重合可能なビニル単量体と単量体混合
物(B)とは同一であってもよい。
本発明においては、単量体混合物(B)におけるBis
−MEPP、3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル
化合物および希釈用エチレン性単量体の配合比は特に限
定されるものではないが、得られる本発明の組成物の作
業性の点から、本発明の組成物粘度が1 000〜50
万ボイズ(25℃)になるように配合するのが好ましい
。通常、単量体混合物(B)中のBis−MEPP、3
官能以上の(メタ)アクリル酸エステル化合物の配合量
は、3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル化合物の
種類によって粘度が大きく異なるため一概には言えない
が、それぞれ20〜90重量%、5〜70重量%程度で
ある.また、耐水性および機械的強度の点からは、Bi
s−MEPPと3官能以上の(メタ)アクリル酸エステ
ル化合物との配合比(重量比)としては、好ましくは1
:0.1〜1:1程度で通常用いられる。
有機質複合充填剤(A)と単量体混合物(B)の配合量
は、充填剤(A)に用いられる無機化合物および単量体
混合物(B)の種類並びに使用目的に応じて任意に選択
すればよいが、通常、有機質複合充填剤(A)20〜9
0重量部、単量体混合物(B)10〜80重量部の範囲
で使用される。
本発明に用いられる光重合開始剤(C)は、歯科用であ
ることから口腔内為害性を考慮して近紫外線領域を除い
て、波長400〜8 0 0 nmの可視光によって重
合するものが用いられ、また、臨床上、30秒程度で硬
化することが望まれる。さらに近年、歯科用組成物の審
美性が重要視される様になり、光重合開始剤として汎用
されているカンファーキノンなどのα−ジケトン化合物
は、黄変をもたらす点で好ましくない。以上の点から好
ましい光重合開始剤(C)としては、前記一般式[m]
で示されるアシルホスフィンオキシド化合物に、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、4−(N,N−ジメチ
ルアミノ)安息香酸アルキルエステル、p−メトキシベ
ンズアルデヒド等の還元剤を用い、さらに500止以下
の光エネルギーを活用することにより重合硬化を促進し
、特に耐摩耗性を発現するために前記一般式[TV]で
示されるケタール化合物を併用することが特徴である。
本発明に用いられるアシルホスフィンオキシド化合物は
、下記一般式[■]で表わされる。
E式中R.は低級アルキル基、低級アルコキシ基または
低級アルキル基により置換されていてもよいフエニル基
、R,。は低級アルコキシ基、または低級アルキル基に
より置換されていてもよいフェニル基、R.はアセチル
オキシ基により置換されていてもよい2〜18個の炭素
原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基、3〜1
2個の炭素原子を有するシクロアルキル基、または低級
アルキル基、低級アルコキシ基もしくはハロゲン原子に
より置換されていてもよいアリール基、あるいは次式 (R9及びRhoは前記の意味を有し、Xはpーフェニ
レン基を意味する)の原子団であるコ本発明の対象は、
特に前記一般式においてRl1が少なくともジ置換され
たフェニル基であって、少なくとも力ルボニル基との結
合位置に隣接する二つの炭素原子に同一でも異なっても
よい置換基AおよびBを有し、AおよびBは低級アルキ
ル基、低級アルコキシ基またはハロゲン原子好ましくは
塩素原子もしくは臭素原子であり、あるいはRl+が少
なくとも2.8一位においてAおよびBにより置換され
たα−ナフチル基、あるいは少なくとも1.3一位にお
いてAおよびBにより置換されたβ−ナフチル基である
アシルホスフィンオキシド化合物である。
本発明のアシルホスフィンオキシド化合物の一般式(m
)に関して、詳細は下記に説明する。
R9は直鎖状または分岐状の低級アルコキシ基、たとえ
ばメチル基、エチル基、イソブロビル基、n−プロビル
基、n−ブチル基、低級アルコキシ基たとえばメトキシ
基、エトキシ基、イソブロボキシ基、ブトキシ基または
エチルオキシエトキシ基、アリール基たとえばフエニル
基、ナフチル基、ハロゲン置換アリール基たとえばモノ
ーもしくはジクロルフェニル基、アルキル置換フェニル
基たとえばメチルフェニル基、エチルフェニル基、イソ
ブロビルフェニル基、三級プチルフェニル基、ジメチル
フエニル基であってよい。
RIOは低級アルキル基を除いてR9と同じものであっ
てもよい。
R.の例は下記のものである。エチル基、イソブロビル
基、n−プロビル基、n−ブチル基、イソブチル基、三
級ブチル基、イソアミル基、n 一ヘキシル基、ヘブチ
ル基、n一才クチル基、2ーエチルヘキシル基、イソノ
ニル基、ジメチルへブチル基、ラウリル基、ステアリル
基、シクロブロビル基、シクロブチル基、シクロベンチ
ル基、1−メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基
、1−メチルシクロヘキシル基、ノルボルナジエニル基
、アダマンチル基、ジメチルオクチル基、ジメチルノニ
ル基、ジメチルデシル基、メチルフェニル基、ジメチル
フエニル基、トリメチルフェニル基、三級プチルフエニ
ル基、イソブロビルフェニル基、メトキシフエニル基、
ジメトキシフェニル基、インブロボキシフエニル基、α
ーおよひβ−ナフチル基、β−アセトキシエチル貢  
枯r.= hヱ±l./I+9 G 一乃J羊』しフ〒
二ル某、2.6−ジメトキシフェニル基、2.6−ジク
ロルフェニル基、2,6−ジブロムフェニル基、2−ク
ロルー6−メトキシフェニル基、2,4.6 − トリ
メチルフェニル基、2, 4. 6−トリメトキシフェ
ニル基、2, 3, 4. 6−テトラメチルフェニル
基、2.6一ジメチル−4−三級プチルフェニル基、1
.3−ジメチルナフタリン−2基、2.8−ジメチルナ
フタリン−1基、1.3−ジメトキシーナフタリン−2
基、1.3−ジクロルナフタリン−2基、2.8−ジメ
トキシナフタリン−1基。
R9及びR1。はそのほか光開始剤を結合剤中に重合含
有させることを可能にするC−C二重結合を含有するこ
とができる。
本発明のアシルホスフィン才キシド化合物の例は下記の
ものである。イソブチリルーメチルホスフィン酸メチル
エステル、イソブチリルーフエニルホスフィン酸メチル
エステルビバロイルーフエニルホスフィン酸メチルエス
テル、2−エチルヘキサノイルーフェニルホスフィン酸
メチルエステI+.  l/バ口l II/−フ〒二ル
ホズフイン醍イソプロビルエステル、p−トルイルーフ
ェニルホスフィン酸メチルエステル、o一トルイルーフ
ェニルホスフィン酸メチルエステル、2.4−ジメチル
ベンゾイルーフェニルホスフィン酸メチルエステル、p
−三級プチルベンゾイルーフェニルホスフィン酸イソブ
ロビルエステル、ビバロイル−(4−メチルフェニル)
ホスフィン酸メチルエステル、ビバロイルーフェニルホ
スフィン酸ビニルエステル、アクリロイルーフェニルホ
スフィン酸メチルエステル、イソブチリルージフェニル
ホスフィン才キシド、ビバロイルージフェニルホスフィ
ンオキシド、1−メチル−1−シクロヘキサノイルージ
フェニルホスフィンオキシド、2−エチルヘキサノイル
ージフェニルホスフィンオキシド、p−トルイルージフ
ェニルホスフィンオキシド、O−トルイルージフェニル
ホスフィンオキシド、p一三級プチルベンゾイルージフ
ェニルホスフィンオキシド、アクリロイルジフェニルホ
スフィンオキシド、ペンゾイルージフェニルホスフィン
オキシド、2.2−ジメチルーヘブタノイルージフェニ
ルホスフィンオキシド、テレフタロイルービスージフェ
ニルホスフィンオキシド、アジボイルービスージフェニ
ルホスフィンオキシド、そして特に2.6−ジメチルベ
ンゾイルーフェニルホスフィン酸メチルエステル、2.
6−ジメトキシベンゾイルーフェニルホスフィン酸メチ
ルエステル、2.6−ジメチルベンゾイルージフェニル
ホスフィンオキシド、2.6−ジメトキシベンゾイルー
ジフェニルホスフィンオキシド、2,4.6−トリメチ
ルベンゾイルーフェニルホスフィン酸メチルエステル、
2. 4. 6−トリメチルベンゾイルージフェニルホ
スフィンオキシド、2,3.6−1リメチルベンゾイル
ージフェニルホスフィンオキシド、2,4.6一トリメ
チルベンゾイルートリルホスフィン酸メチルエステル、
2, 4. 6−トリメトキシベンゾイルージフェニル
ホスフィンオキシド、2.6−ジクロルベンゾイルーフ
ェニルホスフィン酸エチルエステル、2.6−ジクロル
ベンゾイルージフエニルホスフィン才キシド、2, 3
, 4. 6−テトラメチルベンゾイルージフェニルホ
スフィンオキシド、2.6−ジプロムベンゾイルージフ
ェニルホスフィンオキシド、1.3−ジメチルナフタリ
ン−2−カルポニルージフェニルホスフィンオキシド、
2.8−ジメチルナフタリン−1−カルボニルージフェ
ニルホスフィンオキシド、1.3−ジメトキシナフタリ
ン−2−カルポニルージフェニルホスフィン才キシド、
1.3−ジクロルナフタリン−2−カルボニルージフェ
ニルホスフィンオキシド。
特に優れているものは、そのアロイル基がそれぞれの〇
一位においてアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子
、またはそれらの組合せにより置換されているアロイル
ーフェニルホスフィン酸エステルまたはアロイルジフェ
ニルホスフィンオキシドであって、その例は2.6−ジ
メチルへンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,
4.6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィン才
キシド、2,4.6−1リメチルベンゾイルーフエニル
ーホスフィン酸メチルエステル、2.6−ジクロルベン
ゾイルーもしくは2.6−ジメトキシベンゾイルジフェ
ニルホスフィン才キシドである。中でも、2,4.6−
1リメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(
以下丁MDPOと略す。)が最も好ましい。
本発明の組成物においては、特に還元剤として、4−(
N,N−ジメチルアミノ)安息香酸の炭素数5〜10の
アルキルエステル、例えば4−(N,N−ジメチルアミ
ノ)安息香酸イソアミル(以下DABAと略す)を用い
、一般式[IV]で示されるケタール化合物として、ベ
ンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、
ベンジルジ(2−メトキシエチル)ケタール、4.4゜
−ジメチルベンジルジメチルケタールの中のいずれかを
上述の一般式[m]で示されるアシルホスフィンオキシ
ド化合物と組み合わせた光重合開始剤が高硬化性の点で
好ましい。
光重合開始剤の添加量は、組成物の硬化性および貯蔵安
定性を考慮して、任意に選択すればよいが、通常、単量
体混合物(B)に対してアシルホスフィン才キシド化合
物が0.Ol〜15重量%、好ましくは0.05〜5重
量%、より好ましくは0.1〜2重量%であり、還元剤
が0.05〜10重量%、ケタール化合物が0.02〜
15重量%の範囲で使用される。
本発明の組成物においては、粘度調整、透明性、#Wi
性などをコントロールするために必要に応じてさらにフ
ィラ〜を上述の戊分に加えることができる。フィラー戊
分としては、周期律第■,I1.III.IV族、遷移
金属およびそれらの酸化物、水酸化物、塩化物、硫酸塩
、亜硫酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩およびこれらの混合物
、複合塩等が挙げられるが、中でも二酸化ケイ素、石英
粉末、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、
タルク、ガラス粉末、ガラスビーズ、ガラス繊維、バリ
ウム塩、鉛塩を含有するガラスフィラー、シ+)カゲル
、コロイダルシリカ、炭素繊維、ジルコニウム酸化物、
スズ酸化物、その他のセラミックス粉末等が好ましい。
なお、上記フィラーは未処理フィラー、シランカップリ
ング剤等による表面処理フィラーおよびボリマーで被覆
したフィラーのいずれであっても適用できる。
上記フィラーの配合量は、光重合性歯科用組成物の使用
目的に応じて適宜変えられるが、通常、前述の単量体混
合物(B)に対して、0.1〜io3重量%、好ましく
は0.5〜102@量%、特に好ましくは1〜10”重
量%の範囲で配合されて、ペースト状の組成物として用
いられる。
さらに、本発明の組或物には、必要に応じて着色剤、重
合禁止剤(例えば、ハイドロキノン、メトキシベンゾフ
ェノン、メチルフェノール、ハイドロキノンモノメチル
エーテル等)、酸化安定剤、紫外線吸収剤(例えば、ペ
ンゾフェノン等)、顔料(例えば、酸化鉄、酸化チタン
等)、染料等を配合することもできる。
[実施例コ 次に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明
は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施
例中、部は重置部を示す。
また、本実施例中の物性評価は下記の方法に従い行った
医檻豊厘 配合組成で調−製した各種光重合性歯科用組成物を、内
径4mm、高さ6mmのステンレス製金型に充填し、上
下両面に厚さ約0.1mmのカバーグラスを帝着させた
後、可視光照射器(スリーエム社製、”Optilux
”)を用いてカバーグラスと、照射器との距離を1mm
に設定して、上下両面より30秒ずつ照射した後、評価
した。強度測定はテンシロン(島津製作所Is−500
 )を用い、クロスヘッドスピード1. 0mm/mi
nで実施した。
紅玉強茂 同様の硬化物を37℃で1か月水中保存した後の圧縮強
度を耐水強度としての先の圧縮強度と比較して評価した
長玉杢 内径20mm、高さ1mmのステンレス製金型を用いて
、同様の方法で得られた硬化物を、37℃で1週間水中
保存した後、硬化物単位表面積当りの重量増加分を測定
し、吸水率の評価を実施した。
摩耗量 摩耗面1 0mmX 3 0mm、厚さ3fflmのス
テンレス製金型を用いて、同様の方法で得られた硬化物
を、歯ブラシにより5, 000回滑走摩耗したときの
硬化物単位表面積単位当りの重量減少分を測定し、摩耗
量の評価を実施した。
実施例1 下に示す製造方法により得られた混合有機質複合充填剤
90gに、疎水化アモルファスシリカ(デガッサ社製、
アエロジルR−972)Logを混合した充填剤成分7
0部に対し、単量体混合物(B)として2,2−ビス[
4−(メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]ブロ
バン(以下、Bis−MEPPと略す)18部、前記構
造式[X]のS=6、Rs、Rs’がHであるイソシア
ヌル酸骨格の6官能ウレタン系アクリレート(新中村化
学■製、以下、U−6HAと略す)6部、トリエチレン
グリコールジメタクリレート(以下、3Gと略す)6部
と更に光重合性開始剤(C)として2, 4. 6−ト
リメチルベンゾイルジフエニルホスフィンオキシド(以
下、TMDPOと略す)と4 − (N,N一ジメチル
アミノ)安息香酸イソアミル(以下、DABAと略す)
とベンジルジメチルケタール(以下、BDKと略す)を
それぞれ単体量混合物(B)に対し0.4重量%、2.
0重量%、0.5重量%配合し光重合性組成物を調製後
硬化し、得られた硬化物を評価し第1表の結果を得た。
[有機質複合充填剤の製造方法] 冷却管、窒素導入管、攪拌棒、および内温検知用熱電対
をセット500mfiの4つロセバラブルフラスコに、
無機化合物として石英微粉(龍森■A−2を平均粒径1
〜2μmに粉砕)50gとバリウムガラス(コーニング
社製#7724を平均1〜2μmに粉砕)50gを脱イ
オン水300mj2中に懸濁分散せしめ、30分間窒素
置換を行った。
次いでビニル単量体としてメタクリル酸メチル3.0g
を窒素雰囲気下に激しく攪拌しながら加えた。次に温水
浴中でこの懸濁液を70℃まで昇温せしめ、単量体の均
一な分散状態を確認したのちカルボン酸系単量体として
アクリル酸0.5gを徐々に加え、同温で8時間重合反
応を行った。
反応終了後、生成物を減圧濾過し、脱イオン水により充
分に洗浄した後、100℃の熱風乾燥により、水分を除
去して有機質複合充填剤約100gを得た。この有機質
複合充填剤は、焼成法により測定したボリマー含有率が
2.5%であり、熱ベンゼンを抽出溶媒として50時間
のソックスレー抽出試験を実施したところ、抽出処理後
のボリマー含有率が2.0%であることから、石英微粉
およびバリウムガラスの表面とこの方法によって複合化
された重合体の大部分がきわめて強固に合一化している
ことが判った。なお、別途石英微粉とバリウムガラスと
を100gずつ単独で同処方により重合してもそれぞれ
混合系とほぼ同等のボリマー含有率を示したことから、
上記混合系中の2種の無機フィラーの表面はいずれも均
一にボリマーで複合化されていることが認められた。
実施例2 実施例1の有機質複合充填剤の製造方法中、カルボン酸
系単量体としてアクリル酸の代わりに無水マレイン酸を
用い、実施例1と同様にして混合有機質複合充填剤を得
、アエロジルR−972を同量配合して充填剤成分とし
た。この充填剤成分に対し、実施例1と同様の配合組成
で光重合性組成物を調製して、同様の評価を実施した.
結果を第1表に示す。なお、この場合の有機質複合充填
剤のボリマー含有率も実施例lと同等の値を示した。
比較例1〜2 比較のために本発明による有機質複合充填剤のかわりに
、石英微粉50gとバリウムガラス50gの混合フィラ
ーをシランカップリング剤(信越シリコーン■製KBM
−#503 : 3−メタクリロイルオキシブロビルト
リメトキシシラン)3%で処理したシラン処理充填剤9
0gにアエロジルR−972のLogを混合、調製して
得られたシラン処理充填剤を使用した場合(比較例1)
、未処理の石英微粉およびバリウムガラスをそれぞれ4
5gずつ、さらにアエロジルR−972の10gを混合
、調製した未処理充填剤を使用した場合(比較例2)に
ついても、実施例1と同様の配合組成で光重合性組成物
を調製して、同様の評価を行なった。
第l表から明らかな様に、本発明の有機質複合充填剤(
A)を用いた歯科材料(実施例1および2)は、いずれ
も従来から使用されているシラン処理充填剤(比較例1
)および未処理充填剤(比較例2)を配合したものに比
べて、優れた機械的強度並びに耐水性を有する硬化物を
与えることが判る。
また、本発明に用いられる有機質複合充填剤(A)は単
量体混合物(B)との濡れが極めて良いために複合しや
すく、しかも作成した硬化物の外観は比較例よりも著し
く優れていた。
第 表 実施例3 無機化合物として酸化アルミニウム粉末(試薬特級)1
00gを用いる以外は実施例1と同様にして水系不均一
重合反応を行い、有機質複合充填剤を得た。この有機質
複合充填剤は、ボリマー含有率が2.5%であり、抽出
処理後のボリマー含有率は2.0%であった。かくして
得られた酸化アルミニウム粉末の有機質複合充填剤30
部に対し、単量体混合物(B)としてBis−MEPP
の42部、U一6HAの14部、3Gの14部と、更に
光重合性開始剤(C)としてTMDPOとDABAとB
DKをそれぞれ単量体混合物(B)に対し0.4重量%
、2.0重量%、0.5重量%配合し、光重合性組成物
を調製したのち硬化し、得られた硬化物の物性を評価し
たところ第2表の結果を得た。
比較例3〜4 実施例3の有機質複合充填剤のかわりに酸化アルミニウ
ム粉末をシランカップリング剤3%で処理したシラン処
理充填剤を使用した場合(比較例3)、未処理の酸化ア
ルミニウム粉末を使用した場合(比較例4)についても
、実施例3と同様の配合組成で光重合性組或物を調製し
て、それぞれ同様の評価を行った。
第2表から明らかな様に、第l表の結果と同様、本発明
の歯科用組成物を用いたものは、従来のシラン処理充填
剤および未処理充填剤を用いる場合に比べて、 優れた特性を有していることが判 る。
第 表 実施例4〜10、比較例5〜l1 第3表に示す単量体混合物(B)の組成に対する以外は
実施例1と同様にして、歯科用組成物を調製し、実施例
1と同様に、得られた硬化物の各種物性を評価した。得
られた結果を第3表に示した。第3表から明らかな様に
、単量体混合物(B)として特定の単量体を用いること
により、機械的強度、耐摩耗性および耐水性に優れた歯
科材料用硬化物を与えることが判る。
なお、実験において、充填剤としては、実施例lの充填
剤70部を使用した。先重合開始剤(C)とシテハ、T
MDPO  O.4部、DABA 2、Ω部、BDK0
.5部(単量体混合物(B)100部に対する添加量)
を使用した。
実施例1l〜20、比較例12〜18 第4表に示す光重合開始剤(C)の組成にし、単量体混
合物(B)をBis−MEPPのl8部、U−6HAの
6部、3Gの6部にする以外は実施例1、または比較例
1と同様にして歯科用組成物を調製し、硬化物の物性を
評価した。得られた結果を第4表に示した。
従来カンファーキノンとアミンのみの開始剤系に比較し
て、BDKを添加することによって耐摩耗性が飛躍的に
向上することが判る。
また、カンファーキノンの代りに本発明によるアシルホ
スフィンオキサイド化合物を用いることにより、硬化物
の黄変の無い審美性に優れた歯科用組成物が得られる。
[発明の効果] 以上に詳述したように、本発明の組成物は機械的強度お
よび耐水性に優れているのは勿論のこと、耐摩耗性およ
び審美性についても従来にない性能を有しており、コン
ポジットレジン等の歯冠修復材料ばかりでなく、コンポ
ジットインレー硬質歯冠用レジン等の歯科用組成物とし
て用いた場合に、優れた効果を発揮することができる。
特許出願人  三菱レイヨン株式会社 代 理 人 弁理士 若 林  忠

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)(A)一般式[ I ] ▲数式、化学式、表等があります▼…[ I ] (式中、R_1はH、炭素数1〜15のアルキル基、C
    OOY、ハロゲン原子またはフェニル基またはその誘導
    体、R_2はH、炭素数1〜15のアルキル基、COO
    Z、ハロゲン原子またはフェニル基またはその誘導体、
    R_3はH、炭素数1〜15のアルキル基、ハロゲン原
    子またはフェニル基またはその誘導体、X,Y,Zはそ
    れぞれH、NH_4またはアルカリ金属原子を示す。)
    または一般式[II] ▲数式、化学式、表等があります▼…[II] (式中、R_4,R_5はそれぞれH、炭素数1〜15
    のアルキル基、ハロゲン原子、フェニル基またはその誘
    導体を示す)で表される少なくとも1種のカルボン酸系
    モノマーと、少なくとも1種のラジカル重合しうるビニ
    ル単量体とを、無機化合物を分散させた重合系中で重合
    せしめることにより得られる有機質複合充填剤、 (B)2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)
    フェニル]プロパンおよび3官能以上の(メタ)アクリ
    ル酸エステル化合物の少なくとも一種、並びに稀釈用エ
    チレン性ビニル単量体からなる単量体混合物、および (C)一般式[III]で示されるアシルホスフィンオキ
    シド化合物と還元剤および一般式[IV]で示されるケタ
    ール化合物との混合物である光重合開始剤 一般式[III] ▲数式、化学式、表等があります▼…[III] [式中R_9は低級アルキル基、低級アルコキシ基また
    は低級アルキル基により置換されていてもよいフェニル
    基、R_1_0は低級アルコキシ基、または低級アルキ
    ル基により置換されていてもよいフェニル基、R_1_
    1はアセチルオキシ基により置換されていてもよい2〜
    18個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキ
    ル基、3〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル基
    、または低級アルキル基、低級アルコキシ基もしくはハ
    ロゲン原子により置換されていてもよいアリール基、あ
    るいは次式 ▲数式、化学式、表等があります▼ (R_9及びR_1_0は前記の意味を有し、Xはp−
    フェニレン基を意味する)の原子団である]一般式[I
    V] ▲数式、化学式、表等があります▼…[IV] [式中、R_6はH、ハロゲン原子、炭素数1〜5のア
    ルキル基または炭素数1〜5のアルコキシ基、R_7は
    フェニレン基、R_8は炭素数1〜10のアルキル基、
    炭素数7〜9のアラルキル基、または式−((CH_2
    )_nO)_m−R_9(式中、n,mは1〜5の整数
    を、R_9は炭素数1〜5のアルキル基を示す)で示さ
    れる基を示す。] からなる光重合性歯科用組成物。 (2)有機質複合充填剤(A)のカルボン酸系モノマー
    がアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸および無水マ
    レイン酸からなる群から選ばれたものであることを特徴
    とする請求項1記載の光重合性歯科用組成物。 (3)有機質複合充填剤(A)の無機化合物が硫酸バリ
    ウム、フッ化バリウム、二酸化ケイ素、酸化アルミニウ
    ム、酸化チタン、石英粉末、ガラス粉末、ガラスビーズ
    、ガラス繊維、バリウム塩、鉛塩またはストロンチウム
    塩を含有するガラスフィラー、シリカゲル、ジルコニウ
    ム酸化物およびスズ酸化物からなる群から選ばれた少な
    くとも1種であることを特徴とする請求項1記載の光重
    合性歯科用組成物。 (4)単量体混合物の3官能以上の(メタ)アクリレー
    ト系化合物が下記一般式[V],[VI],[VII],[
    VIII],[IX],[X]から選ばれる少なくとも1種で
    あることを特徴とする請求項1記載の光重合性歯科用組
    成物。 ▲数式、化学式、表等があります▼…[V] [式中、R_1,R_1′,R_1″は▲数式、化学式
    、表等があります▼(式中、mは1〜10の整数であり
    、nは0〜2の整数であり、R_3はHまたはメチル基
    を示す。)で示される基であり同一であっても異なって
    いてもよく、R_2はH、炭素数1〜3のアルキル基ま
    たはヒドロキシメチル基を示す。] ▲数式、化学式、表等があります▼…[VI] [式中、Xは▲数式、化学式、表等があります▼ (式中、o,pは1〜10の整数であり、qは0または
    1であり、R_3はHまたはメチル基を示す。)で示さ
    れる基を示す。] ▲数式、化学式、表等があります▼…[VII] [式中、R_1,R_1′,R_1″,R_1′″は▲
    数式、化学式、表等があります▼(式中、mは1〜10
    の 整数であり、nは0〜2の整数であり、R_3はHまた
    はメチル基を示す。)で示される基であり同一であって
    も異なっていてもよい。] ▲数式、化学式、表等があります▼…[VIII] [式中、R_4,R_4′,R_4″,R_4′″は▲
    数式、化学式、表等があります▼(式中、R_3はHま
    たはメ チル基を示す。)で示される基を示し同一であっても異
    なってもよく、R_5は炭素数1〜20のアルキレン基
    、フェニレン基または置換フェニレン基を示す。] ▲数式、化学式、表等があります▼…[IX] [式中、R_4,R_4′,R_4″,R_6,R_6
    ′,R_6″は▲数式、化学式、表等があります▼(式
    中、R_3はHまたはメチ ル基を示す。)で示される基を示し同一であっても異な
    ってもよいが、R_6″はヒドロキシエチル基であって
    もよい。] ▲数式、化学式、表等があります▼…[X] [式中、Yは ▲数式、化学式、表等があります▼(式中、sは1〜1
    0の整数であり、R_3,R_3′はHまたはメチル基
    を示す。)で示される基を示す。](5)光重合開始剤
    のアシルホスフィンオキシド化合物が2,6−ジメチル
    ベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6
    −トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド
    、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニル−ホス
    フィン酸メチルエステル酸メチルエステル、2,6−ジ
    クロルベンゾイル−もしくは2,6−ジメトキシベンゾ
    イルジフェニルホスフィンオキシドからなる群から選ば
    れる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記
    載の光重合性歯科用組成物。 (6)光重合開始剤の還元剤が、4−(N,N−ジメチ
    ルアミノ)安息香酸の炭素数5〜10のアルキルエステ
    ルであることを特徴とする請求項1記載の光重合性歯科
    用組成物。 (7)光重合開始剤のケタール化合物がベンジルジメチ
    ルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジ(
    2−メトキシエチル)ケタール、4,4′−ジメチルベ
    ンジルジメチルケタールの中のいずれかであることを特
    徴とする請求項1記載の光重合性歯科用組成物。
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