JPH03227906A - 光重合性歯科用組成物 - Google Patents

光重合性歯科用組成物

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JPH03227906A
JPH03227906A JP2017950A JP1795090A JPH03227906A JP H03227906 A JPH03227906 A JP H03227906A JP 2017950 A JP2017950 A JP 2017950A JP 1795090 A JP1795090 A JP 1795090A JP H03227906 A JPH03227906 A JP H03227906A
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JP
Japan
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formula
group
carbon atoms
meth
compound
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JP2017950A
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Naoki Yamamoto
山本 直己
Nobuhiro Mukai
向 信博
Hitoshi Ishita
位下 仁
Junko Shin
純子 新
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、無機物として有機質複合充填剤を高配合した
歯冠修復材料などの歯科用充填組成物に関し、さらに詳
しくは、特殊な光重合開始剤系を用いて可視光の照射に
より簡便に重合硬化して、高い機械的性質と優れた耐水
性を有し、さらに高い耐摩耗性を付与させた光重合性歯
科用組成物に関する。
[従来技術] 歯科用充填組成物においては、機械的強度、耐摩耗性、
耐水性、接着性などの物理的性質と、より天然歯に近づ
けるために透明性、研磨性などの審美的性質とを兼ね備
えることが重要であり、アマルガム代替材料として、こ
れらの性質を改善する目的で無機質フィラーを樹脂に配
合した、所謂、コンポジットレジンの開発が多く試みら
れている。また、窩洞I11級以上のう蝕に対してはコ
ンポジットインレーと呼ばれる組成物材料が用いられ、
より高い機械的強度、耐摩耗性が望まれる。
このコンポジットレジンやコンポジットインレーを構成
している主成分は■無機質フィラー■オレフィン性不飽
和化合物、および■重合開始剤(重合方法)の3成分で
ある。
しかしながら、単に無機質フィラーと有機樹脂とを配合
する場合では、無機質フィラーと有機樹脂の相溶性、接
着性などの界面親和性に乏しく充分なコンポジット性能
が得られない、そこで、この点を改良するために、例え
ばガラス表面にシランカップリング剤で処理したフィラ
ーを配合してなる歯科材料が提案されているが、シラン
カップリング剤による表面処理は、対象無機物がシラノ
ール基を表面に持つガラス質フィラーに限定され、汎用
性に乏しいという大きな欠点を有している上、さらに、
生成したシロキサン結合が加水分解を受は易く耐水性に
劣るという問題点がある。
そのため歯科用組成物に適用する場合、主として高硬度
および審美性を付与する充填剤として汎用される石英系
フィラーに対しては界面補強性を発現しにくく、さらに
湿潤した口腔内での長期臨床に対して、耐水性が悪いた
め機械的強度の経時的低下を引き起こす、色調が変化す
るといった臨床上の問題点を有している。
また、有機樹脂を構成する単量体についても種種の検討
がなされており、例えば、重合収縮率の小さいコンポジ
ットを与えるものとして、ビスフェノールAジグリシジ
ルジメタクリレート(以下Bis−GMAと略す)で代
表されるビスフェノールA系多官能性単量体が、優れた
耐水性を与えるものとして、疎水性モノマーである2、
2ビス[4−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル
]プロパン(以下Bis−MEPPと略ず)などの単量
体がそれぞれ見出されている。しかしながら、Bis−
GMAは分子中に水酸基を有しているため、得られる硬
化物の吸水率が大きく、耐水性に劣り、一方、Bis−
MEPPを用いる場合では、硬化性が低く、充分な架橋
密度が得られず、機械的強度に劣るという問題を有して
いる。さらに、これらの欠点を補うため例えば単にBi
s−GMAとBis−MEPPとを併用しても、優れた
特性を有するコンポジットレジンは得られない。
光重合開始剤についても、可視光により重合硬化させる
方法が様々に試みられており、例えば、α−ジケトン化
合物と還元剤の糾合せ、特にカンファーキノンとアミン
の組合せが最も一般的に使用されるが、感光領域が50
0nm付近に限定され可視光領域の光エネルギーを有効
に利用できないため、重合が不充分となり耐摩耗性を低
下させていた。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的とするところは、機械的強度、耐水性に優
れ、かつ耐摩耗性の良好な光重合性歯科用組成物を供給
することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の要旨とするところは、 (A)一般式[I] ・・・・ [I] R2C=C−R2−3O3X [式中、R1はH1ハロゲン原子、炭素数1〜20のア
ルキル基、またはフェニル基、あるいはその誘導体を示
し、R2は−CONH 3 イ ーC0NH−C−R。
4 −CO0−(CH,) m−1または −(CH,) n−(式中、R3、R4はHまたは炭素
数1〜15のアルキル基、R5は炭素数1〜15のアル
キレン基、mは1〜20の整数、nばO〜20の整数を
示す。)で表わされる基、XはH,NH4またはアルカ
リ金属原子を示す。]で表される少なくとも1種のスル
ホン酸系モノマーと、少なくとも1種のラジカル重合し
得るビニル単量体とを、無機化合物を分散させた重合系
中で重合せしめることにより得られる有機質複合充填剤
、 (B)2.2−ビス[4−(メタクリロイルオキシエト
キシ)フェニル]プロパンおよび3官能以上の(メタ)
アクリル酸エステル化合物の少なくとも1種、ならびに
希釈用エチレン性ビニル単量体からなる単量体混合物、
および (C)α−ジケトン化合物と還元剤および一般式%式%
] [式中、R6はH、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアル
キル基または炭素数1〜5のアルコキシ基、R7はフェ
ニレン基、R8は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数
7〜9のアラルキル基、まアルキル基を示す)で示され
る基を示す。]で示されるケタール化合物との混合物で
ある光重合開始剤からなる光重合性歯科用組成物にある
本発明の組成物を構成する有機質複合充填剤(A)は、
無機化合物を分散させた重合系中で、式[I]で示され
るスルホン酸系モノマーおよび1種以上の他の重合し得
るビニル単量体を無触媒重合することにより得ることが
できるが、特にその製造方法は限定されない。好ましい
製造法の一例を挙げると熱重合反応を生じない範囲の温
度条件において、ビニル系単量体と無機化合物とを水媒
体中に懸濁分散させた後、スルホン酸モノマーを添加、
撹拌することによって、水系不均一重合反応を生ぜしめ
、所定の時間重合を行う方法を挙げることができる。
有機質複合充填剤(A)の形成に用いられる前記の一般
式[I]で示される特定のスルホン酸系モノマーとして
は、重合活性をもたらす活性サイドとして、スルホン酸
基を有し、かつ生成ポリマーと無機化合物との強固な合
−性を発現させる二重結合の存在が必須であり、これら
の官能基を含む構造式を有する化合物が、すべて適用で
き、具体例として2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸、2−メタクリロイルオキシエタンスル
ホン酸ナトリウム、3−メタクリロイルオキシプロパン
スルホン酸ナトリウム、2−プロパンスルホン酸ナトリ
ウム、2−メチル−2−スルホン酸ナトリウムなどをあ
げることができるが、特に2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸、2−メタクリロイルオキシエ
タンスルホン酸ナトリウム、3−メタクリロイルオキシ
プロパンスルホン酸ナトリウムが重合活性が高く好まし
い。
また、有機質複合充填剤(A)の製造に使用される無機
化合物としては、周期律第1.II、m■、■族、遷移
金属およびそれらの酸化物、水酸化物、塩化物、硫酸塩
、亜硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩およびこれら
の混合物、複合塩などがあげられるが、中でも硫酸バリ
ウム、フッ化バリウム、二酸化ケイ素、酸化アルミニウ
ム、酸化チタン、石英粉末、ガラス粉末、ガラスビーズ
、ガラス繊維、バリウム塩、鉛塩またはストロンチウム
塩を含有するガラスフィラー、シリカゲル、ジルコニウ
ム酸化物、スズ酸化物が、ビニル単量体の活性化および
重合体との強固な合一化効果がとりわけ顕著であり好ま
しい。本発明においては通常のカップリング処理が効か
ない無機化合物へも適用できる点が大きな特徴の一つで
あり、無機化合物の形状、大きさも適宜選択できる。
さらに有機質複合充填剤(A)の製造に使用されるビニ
ル単量体としては、通常のラジカル重合し得るビニル単
量体はいずれも適用でき、具体例としては、例えば、メ
タクリル酸メチル、アクリル酸ブチルなどの(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル類、スチレン、α−メチルス
チレンなどの芳香族ビニル単量体類、アクリロニトリル
、メククリロニトリルなどのシアン化ビニル単量体類や
、後述するように、本発明におけるエチレン性ビニル単
量体混合物(B)として使用される単量体などが挙げら
れ、目的に応じて任意に選択することができる。
有機質複合充填剤(A)を得る際のスルボン酸系モノマ
ーの濃度は、無機化合物とビニル単量体との総重量に基
づき約0.05〜100重量%、好ましくは01〜50
重量%、特に好ましくは0.5〜30重量%の量で使用
される。大抵の場合、ビニル単量体成分の増加に応じて
スルホン酸系モノマーの量を増加させるのが好ましい。
使用する無機化合物に対するビニル単量体もしくはそれ
らの混合物の重量比は広範囲に変えることができ、約5
00 : 1乃至1:5.好ましくは約50=1乃至]
・1である。また、水媒体中で重合する場合、水の量は
無機化合物とビニル単量体との総重量に基づき約1%乃
至数百倍、好ましくは約10%〜10倍である。反応は
好ましくは、例えば窒素などの不活性ガスの雰囲気下に
おいて温度約10〜100℃、好ましくは20〜80℃
で行われるが、無機化合物によっては含酸素の雰囲気下
において行われる場合もある。ここで具体的な反応温度
は用いるビニル単量体によって適宜選択されるが、熱重
合か無視できる程度の抑制される温度で実施されること
が重要であり、極端に熱重合が起こるような高温で実施
する場合、生成複合充填剤の合−性および均一性は阻害
される。反応時間は30分乃至約200時間である。生
成有機質複合充填剤(A)は約10〜300℃、好まし
くは約50〜200℃の温度範囲で乾燥することができ
る。なお、無機化合物の表面と本発明方法によって施さ
れる重合体との間の相互作用は、簡単な吸着ないしはフ
ァンデアワールス力などによる物理的な意味における接
着を超えたものであり、この事実はビニルポリマーの良
溶媒で抽出処理しても多量の未抽出ポリマーが認められ
ることから明白である。
上述した有機質複合充填剤(A)は、各種無機化合物と
有機重合体とが強固に合一していることから、コンポジ
ットレジン中の無機化合物や有機重合体との相溶性が高
く、したがって目的に応じて歯科用組成物に必要な無機
化合物を任意に選択することにより本発明の目的とする
歯科用組成物を得ることが可能となる。
本発明に用いられるエチレン性ビニル単量体混合物(B
)には、Bis−MEPPおよび3官能以上の(メタ)
アクリル酸エステル化合物の少なくとも一種を含有する
ことが必要である。
上記2種の単量体を組合わせることにより、驚くべきこ
とに、本発明の組成物を硬化させた場合、架橋密度が高
く機械的強度に優れ、かつ耐水性の良好なコンポジット
レジンとすることができる。
3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル化合物として
は、どのような構造であってもよく、例えば、下記一般
式[ml、[TV]、[V]、[VI]、[■]、[■
]で示されるものが用いられる。
CH2ORI RI   0CH2CR2・・・・ [III]CH2
0R+ 〔式中、RI、R+°、RI”ば 中、mは1〜10の整数であり、nはO〜2の整数であ
り、R3はHまたはメチル基を示す)。で示される基で
あり同一であっても異なってもよく、R2はH1炭素数
1〜3のアルキル基またはヒドロキシメチル基を示す。
〕 1 x      Cx \ / \ / N 1         ・・・・ [TV]CC 00R3 中x、y、は1〜10の整数であり、ZはOまたはlで
あり、R3はHまたはメチル基を示す。)で示される基
を示す。] CH20−R。
R,0CH2−C−CH20−R1・ ・ [V]CH
20−R,°”′ c式中R+、R+° R,R,°°′は−((CH2)
 m−0) n−C−C=CH,(式%式% 中、mは1〜10の整数であり、nはO〜2の整数であ
り、R3はHまたはメチル基を示す。)で示される基で
あり同一であっても異なってもよい。〕 4 〔式中、 CH2 4 一〇 4 4 R,、R4″゛″は C=CH2,(式中、R3 3 [VI3 はH またはメチル基を示す。
) で示される基を示し同  5 −であっても異なってもよく、R5は炭素数1〜20の
アルキレン基、フェニレン基または置換フェニレン基を
示す。〕 [式中、 4 4 4 6 6    R3 RoはHまたはメチル基を示す。)で示される基を示し
同一であっても異なってもよいが、R8はヒドロキシエ
チル基であってもよい。]1 CY \ / \ /   Rs 1 CH,よ0−C−C=CH2 / HOCL−0−C−C−CH2 1 R3 (式中、Sは1〜10の整数てあり、R3R3はHまた
はメチル基を示す。)で示される基を示す〕 本発明では、硬化性および機械的強度を考慮すると、一
般式[11で示される単量体としては、トリメチロール
メタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタ
ントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールブタントリ
 (メタ)アクリレート、トリ[(ヒドロキシメトキシ
)メヂル]メタントリ(メタ)アクリレート、トリ[(
ヒドロキシエトキシ)メチルコメクントリ(メタ)アク
リレート、トす[(ヒドロキシプロポキシ)メチルコメ
タントリ(メタ)アクリレート、トリ([(ヒドロキシ
エトキシ)エトキシコメチル)メタントリ(メタ)アク
リレート、トリ([(ヒドロキシプロポキシ)プロポキ
シコメチル)メタントリ (メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げ
られ、中でもトリメチロールメタントリ(メタ)アクリ
レト、トリメチロールエタントリ (メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
、ペンタエリスリトールトリ (メタ)アクリレートな
どがより好ましい。
同様の理由から、一般式[IV ]で示される単量体と
しては、イソシアヌル酸エチルトリ(メタ)アクリレー
ト、イソシアヌル酸プロピルトリ(メタ)アクリレート
、インシアヌル酸ブチルトリ(メタ)アクリレート、イ
ソシアヌル酸ペンチルトリ(メタ)アクリレート、イソ
シアヌル酸へキシルトリ(メタ)アクリレート、イソシ
アヌル酸(ヘキシルケト)エチルトリ(メタ)アクリレ
ートなどが挙げられ、中でもイソシアヌル酸エチルトリ
 (メタ)アクリレートなどがより好ましく、一般式[
V]で示される単量体としてはペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレートなどがより好ましい。
また、同様の理由から、一般式[VI]で示される単量
体としては、R6がメチレン基、エチレン基、プロピレ
ン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメ
チレン基、1.4−トリレン基、−CH2C(CH3)
  CH,CH(CH3)CH2−CH2−で示される
基、−φCH2−φ−(式中、φはフェニレン基を示す
。)で示される基である4官能ウレタン系(メタ)アク
リレートなどが挙げられ、中でもR5がへキサメチレン
基、または−CH2−C(CH3) 2CH2CH(C
H,) CH2CH2−で示される基である4官能ウレ
タン系(メタ)アクリレートなどがより好ましく、一般
式〔■1で示される単量体としては、ジペンタエリスリ
トールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレートなどがよ 9 り好ましく、一般式[■]で示される単量体としてはS
が6である6官能ウレタン系(メタ)アクリレートなど
がより好ましい。
本発明において、ビニル単量体混合物(B)に用いられ
る希釈用エチレン性ビニル単量体としては、歯科用コン
ポジットレジンに用いられる従来公知の単量体を使用す
ることができ、具体例としては、例えば、プロピレング
リコールジメタクリレート、1.6−へキサメチレング
リコールジメタクリレートなどのアルカンジオールジ(
メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジメタク
リレート(以下3Gと略す)、テトラエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリ
レートおよびメチルメタクリレート、ブヂルアクリレー
トなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレ
ン、αメヂルスチレンなどの芳香族炭化水素、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化 0 ビニル化合物などが挙げられる。
なお、本発明においては、有機質複合充填剤(A)に用
いられるラジカル重合可能なビニル単量体と単量体混合
物(B)とは同一であってもよい。
本発明においては、単量体混合物(B)におけるBis
−MEPP、3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル
化合物および希釈用エチレン性単量体の配合比は特に限
定されるものではないが、得られる本発明の組成物の作
業性の点から、本発明の組成物粘度が1000〜50万
ボイズ(25℃)になるように配合するのが好ましい。
通常、単量体混合物(B)の中のBis−MEPP、3
官能以上の(メタ)アクリル酸エステル化合物の配合量
は、3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル化合物の
種類によって粘度が大きく異なるため一概に言えないが
、それぞれ20〜90重量%、5〜70重量%程度であ
る。また、耐水性および機械的強度の点からは、Bis
−MEPPと3官能以上の(メタ)アクリル酸工ステル
化合物との配合比側1比)としては、好ましくは1:0
.1〜1コ1程度で通常用いられる。
有機質複合重点剤(A)と単量体混合物(B)の配合量
は、充填剤(A)に用いられる無機化合物および単量体
混合物(B)の種類および使用目的などに応じて任意に
選択すればよいが、通常、有機質複合充填剤(A)20
〜90重量部、単量体混合物(B)10〜80重量部の
範囲で使用される。
本発明に用いられる光重合開始剤(C)は、歯科用であ
ることから口腔内為害性を考慮して近紫外線領域を除い
て、波長400〜800nmの可視光によって重合する
ものが用いら、fl、また、臨床上、30秒程度以内で
硬化することが望まれる。以上の点から好ましい光重合
開始剤(C)としては、カンファーキノン、ベンジル、
ジアセチルなどのα−ジケトン化合物またはそれらの混
合物に、ジメチルアミノエチルメタクリレート、4− 
(N、N−ジメチルアミノ)安息香酸アルキルエステル
、p−メトキシベンズアルデヒドなどの還元剤を用い、
さらに500 n、 m以下の光エネルギーを活用する
ことにより重合硬化を促進し、特に耐摩耗性を発現する
ために前記一般式[II]で示されるケタール化合物を
併用することが特徴である。
本発明の組成物においては、特に還元剤として、4− 
(N、N−ジメチルアミノ)安息香酸の炭素数5〜10
のアルキルエステル、例えば4−(N、N−ジメチルア
ミノ)安息香酸イソアミル(以下DABAと略す)を用
い、上記一般式[III]で示されるケタール化合物と
して、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケ
タール、ベンジルジ(2−メトキシエチル)ケタール、
4,4゛−ジメチルベンジルジメチルケタールの中のい
ずれかをα−ジケトン化合物と組合わせた光重合開始剤
が高硬化性の点で好ましい。
光重合開始剤の添加量は組成物の硬化性および貯蔵安定
性を考慮して、任意に選択すればよいが、通常、単量体
混合物(B)に対してα−ジケ 3 トン化合物が0.01〜15重量%、好ましくは0.0
5〜5重量%、より好ましくは0.1〜2重量%であり
、還元剤が0.05〜10重量%、ケタール化合物が0
.02〜15重量%の範囲で使用される。
本発明の組成物においては、粘度調整、透明性、隠蔽性
などをコントロールするために必要に応じてさらにフィ
ラーが上述の成分を加えることができる。該フィラー成
分としては、周期律第1、II、III、IV族、遷移
金属およびそれらの酸化物、水酸化物、塩化物、硫酸塩
、亜硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩およびこれら
の混合物、複合塩などが挙げられるが、中でも二酸化ケ
イ素、石英粉末、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸
化チタン、タルク、ガラス粉末、ガラスピーズ、ガラス
繊維、バリウム塩、鉛塩を含有するガラスフィラー、シ
リカゲル、コロイダルシリカ、炭素繊維、ジルコニウム
酸化物、スズ酸化物、その他のセラミックス粉末などが
好ましい。
なお、上記フィラーは未処理フィラー、シラン 4 カップリング剤などによる表面処理フィラーおよびポリ
マーで被覆したフィラーのいずれであっても適用できる
上記フィラーの配合量は、光重合性歯科用組成物の使用
目的に応じて適宜変えられるが、通常、前述の単量体混
合物(B)に対して、0.1〜103重景%、好ましく
は0.5〜102重量%、特に好ましくは1〜102重
量%の範囲で配合されて、ペースト状の組成物として用
いられる。
さらに、本発明の組成物には、必要に応じて着色剤、重
合禁止剤(例えば、ハイドロキノン、メトキシベンゾフ
ェノン、メチルフェノール、ハイドロキノン千ツメチル
エーテルなど)、酸化安定剤、紫外線吸収剤(例えば、
ベンゾフェノンなど)、顔料(例えば、酸化鉄、酸化チ
タンなど)染料などを配合することもできる。
〔実 施 例〕
次に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明
は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施
例中、部は重量部を示す。
また、本実施例中の物性評価は下記の方法に従い行った
O巳阻鬼渡 配合組成で調製した各種光重合性歯科用組成物を、内径
4mm、高さ6mmのステンレス製金型に充填し、上下
両面に厚さ約0.1mmのカバーグラスを密着させた後
、可視光照射器(スリーエム社製、”0ptilux 
” )を用いてカバーグラスと、照射器との距離を1m
mに設定して、上下両面より30秒ずつ照射した後、評
価した。強度測定はテンシロン(高滓製作所lS−50
0)を用い、クロスヘツドスピード1.0mm/min
で実施した。
0肚水鬼ユ 同様の硬化物を37℃で1か用水中保存した後の圧縮強
度を耐水強度として先の圧縮強度と比較して評価した。
○吸水岸 内径20mm、高さ1mmのステンレス製金型を用いて
、同様の方法で得られた硬化物を、37℃で1週間水中
保存した後、硬化物単位表面積当りの重量増加分を測定
し、吸水率の評価を実施した。
Q度耗1 摩耗面1010mmX30.厚さ3mmのステンレス製
金型を用いて、同様の方法で得られた硬化物を、歯ブラ
シにより5,000回滑走摩耗したときの硬化物単位表
面積当りの重量減少分を測定し、摩耗量の評価を実施し
た。
実施例1 下に示す製造方法により得られた混合有機質複合充填剤
90gに、疎水化アモルファスシリカ(デグッサ社製、
アエロジルR−972)10gを混合した充填剤成分7
0部に対し、単量体混合物(B)として2.2−ビス[
4−(メタクリロイルオキシエトキシ)フェニルコプロ
パン(以下、Bis−MEPPと略す)18部、前記構
造式[■1のs=6.R3,R3°がHであるイソシア
ヌル酸骨格の6官能ウレタン系アクリレート 7 (新中村化学■製、以下、U −6HAと略す)6部、
トリエチレングリコールジメタクリレート(以下、3G
と略す)6部とさらに光重合性開始剤(C)としてカン
ファーキノンと4−(N。
N−ジメチルアミノ)安息香酸イソアミル(以下、DA
BAと略す)とベンジルジメチルケクール(以下、BD
Kと略す)をそれぞれ単量体混合物(B)に対し0.4
重量%、2.0重量%、0.5重量%配合し光重合性組
成物を調製後硬化し、得られた硬化物を評価し第1表の
結果を得た。
[有機質複合充填剤の製造方法] 冷却管、窒素導入管、撹拌棒、および内温検知用熱電対
をセットした500mρの4つロセパラブルフラスコに
、無機化合物として石英微粉(龍森■製A−2を平均粒
径l〜2μmに粉砕)50gとバリウムガラス(コーニ
ング社製#7724を平均粒径l〜2μmに粉砕)50
gを脱イオン水300mj2中に懸濁分散せしめ、30
分間窒素置換を行った、次いでビニル単量体 8 としてメタクリル酸メチル3、Ogを窒素雰囲気下に激
しく攪拌しながら加えた。次に温水浴中、該懸濁液を7
0℃まで昇温せしめ、該添加モノマーの均一なる分散状
態を確認した後スルホン酸系単量体として2−メタクリ
ロイルオキシエタンスルホン酸ナトリウム0.5gを脱
イオン水10m℃に溶解した溶液を徐々に加え、同温に
て8時間重合反応を行った。
反応終了後、生成物を減圧濾過し、脱イオン水にて十分
に洗浄した後、100℃の熱風乾燥により、水分を除去
して有機質複合充填剤的100gを得た。かかる有機質
複合充填剤は、焼成法により測定したポリマー含有率が
2.0%であり、熱ベンゼンを抽出溶媒として50時間
のソックスレー抽出試験を実施したところ、抽出処理後
のポリマー含有率が1.8%であることから、石英微粉
おj;びバリウムガラスの表面と該方法によって複合化
された重合体の大部分がきわめて強固に合一化している
ことが判った。なお、別途石英微粉とバリウムガラスと
を100gずつ単独で同処方にて重合してもそれぞれ混
合系とほぼ同等のポリマー含有率を示した、ことから上
記混合系中の2種の無機フィラーはその表面をいずれも
均一にポリマーで複合化されていると考えられる。
比較例1〜2 比較のために本発明による有機質複合充填剤のかわりに
、石英微粉50gとバリウムガラス50gの混合フィラ
ーをシランカップリング剤(信越シリコーン■製KBM
−#503 : 3−メタクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシラン)3%で処理したシラン処理充填剤9
0gにアエロジルR−972の10gを混合、調製して
得られたシラン処理充填剤を使用した場合(比較例1)
、未処理の石英微粉およびバリウムガラスをそれぞれ4
5gずつ、さらにアエロジルR972のLogを混合、
調製した未処理充填剤を使用した場合(比較例2)につ
いても、実施例1と同様の配合組成で光重合性組成物を
調製して、同様の評価を行った。
第1表から明らかなように、本発明の有機質複合充填剤
(A)を用いた歯科材料(実施例1)は、いずれも従来
から使用されているシラン処理充填剤(比較例1)また
は未処理充填剤(比較例2)を配合したものに比べて、
優れた機械的強度および耐水性を有する硬化物を与える
ことが判る。
また、本発明に用いられる有機質複合充填剤(A)は単
量体混合物(B)との濡れが極めてよいために複合しや
すく、しかも作成した硬化物の外観は比較例よりも著し
く優れていた。
第 ■ 表 実施例2 無機化合物として酸化アルミニウム粉末(試薬特級)1
00gを用いる以外は実施例1と同様にして水系不均一
重合反応を行い、有機質複合充填剤を得た。かかる有機
質複合充填剤は、ポリマー含有率が1.6%であり、抽
出処理後のポリマー含有率は1.5%であった。か(し
て得られた酸化アルミニウム粉末の有機質複合充填剤3
0部に対し、単量体混合物(B)としてBisMEPP
42部、U−6HA14部、3G14部、さらに光重合
性開始剤(C)としてカンファーキノンとDABAとB
DKをそれぞれ単量体混合物(B)に対し、0.4重量
%、2.0重量%、0.5重量%配合し光重合性組成物
を調製後硬化し、得られた硬化物の物性を評価したとこ
ろ第2表の結果を得た。
比較例3〜4 実施例2の有機質複合充填剤のかわりに酸化アルミニウ
ム粉末をシランカップリング剤3%で処理したシラン処
理充填剤を使用した場合(比較例3)、未処理の酸化ア
ルミニウム粉末を使用した場合(比較例4)についても
、実施例3と同様の配合組成で光重合性組成物を調製し
て、それぞれ同様の評価を行った。
第2表から明らかなように、第1表の結果と同様、本発
明の歯科用組成物を用いたものは、従来のシラン処理充
填剤および未処理充填剤を用いる場合に比べて、優れた
特性を有していることが判る。
第 表 実施例3〜9、比較例5〜11 第3表に示す単量体混合物(B)の組成にする以外は実
施例1と同様にして、歯科用組成物を調製し、実施例1
と同様に、得られた硬化物の各種物性を評価した。得ら
れた結果を第3表に示した。第3表から明らかなように
、単量体混合物(B)として特定の単量体を用いること
により、機械的強度、耐摩耗性および耐水性に優れた歯
科材料用硬化物を与えることが判る。
5 実施例10〜16、比較例12〜15 第4表に示す光重合開始剤(C)の組成にし、単量体混
合物(B)をBis−MEPP18部、U−6HA  
6部、3G  6部にする以外は実施例1、または比較
例1と同様にして歯科用組成物を調製し、硬化物の物性
を評価した。得られた結果を第4表に示した。
従来のカンファーキノンとアミンのみの開始剤系に比較
して、BDKを添加することによって耐摩耗性が飛躍的
に向上することが判る。
 7 〔発明の効果〕 以上詳述したように、本発明の組成物は機械的強度およ
び耐水性に優れているのは勿論のこと、耐摩耗性につい
ても従来にない性能を有していることから、コンポジッ
トレジンなとの歯冠修復材料ばかりでなく、コンポジッ
トレジンインレー硬質歯冠用レジンなどの歯科用組成物
として用いた場合に、優れた効果を発揮することができ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)(A)一般式〔 I 〕 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・・〔 I 〕 〔式中、R_1はH、ハロゲン原子、炭素数1〜20の
    アルキル基、またはフェニル基、あるいはその誘導体、
    R_2は−CONH−、 ▲数式、化学式、表等があります▼、 −COO−(CH_2)_m−、または −(CH_2)_n−(式中、R_3、R_4はHまた
    は炭素数1〜15のアルキル基、R_5は炭素数1〜1
    5のアルキレン基、mは1〜20の整数、nは0〜20
    の整数を示す。)で表わされる基、XはH、NH_4ま
    たはアルカリ金属原子を示す。〕で表される少なくとも
    1種のスルホン酸系モノマーと、少なくとも1種のラジ
    カル重合し得るビニル単量体とを、無機化合物を分散さ
    せた重合系中で重合せしめることにより得られる有機質
    複合充填剤、 (B)2,2−ビス[4−(メタクリロイルオキシエト
    キシ)フェニル]プロパンおよび3官能以上の(メタ)
    アクリル酸エステル化合物の少なくとも1種、ならびに
    希釈用エチレン性ビニル単量体からなる単量体混合物、
    および (C)α−ジケトン化合物と還元剤および一般式〔II〕 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・・〔II〕 〔式中、R_6はH、ハロゲン原子、炭素数1〜5のア
    ルキル基または炭素数1〜5のアルコキシ基、R_7は
    フェニレン基、R_8は炭素数1〜10のアルキル基、
    炭素数7〜9のアラルキル基、または式−((CH_2
    )_xO)_y−R_9(式中、x、yはおのおの1〜
    5の整数を、R_9は炭素数1〜5のアルキル基を示す
    )で示される基を示す。〕で示されるケタール化合物と
    の混合物である光重合開始剤からなる光重合性歯科用組
    成物。
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