JPH0320467Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案は間仕切ドアを構成するパネル等を移
動可能に吊下支持するハンガーレールに関するも
のである。

（従来の技術） 間仕切ドアは第５図〜第７図に示すように多数
のパネルＰがランナー１にてハンガーレール２に
対し移動可能に吊下支持されている。すなわち、
第７図に示すように、ハンガーレール２の下面に
はその長手方向に沿つて開口溝３が設けられ、そ
の開口溝３を通してハンガーレール２内のランナ
ー１がパネルＰを吊下支持し、そのランナー１を
ハンガーレール２に沿つて走行させて同パネルＰ
を移動させるようになつている。そして、各パネ
ルＰを収納するには、例えば第５図及び第６図に
示すように主ハンガーレール４の一端側において
その主ハンガーレール４から二又状に収納ハンガ
ーレール５を分岐させ、その二又部に順次パネル
Ｐを移動し重ね合せて収納する構成が採用されて
いる。この収納ハンガーレール５の湾曲部６の製
作に当たつては、パイプベンダー等の成型機によ
りハンガーレールを水平方向へ機械的に湾曲形成
していた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来の収納ハンガーレール５は、ハンガー
レールに成型機で機械的な曲げ力を加えたときハ
ンガーレールの曲げ方向に対する外側は引き伸ば
されるとともに内側は圧縮されるため、ハンガー
レールの断面形状では第８図に示すように内側辺
５ａは同レール５の内方へ湾曲されるとともに、
外側辺５ｂは外側へ湾曲されて歪みが生じ、この
状態では同ハンガーレール５内でランナー１を円
滑に移動させることができなかつた。そこで、そ
の歪みをハンマー等で手作業により修正していた
が、湾曲部６内側において圧縮されて生じた歪み
をハンマーで修正することはほとんど不可能であ
つた。一方、上記のような歪みの発生を防止する
ために、予めハンガーレールをその長手方向に二
分割し、それぞれを個別に湾曲形成した後両者を
溶接し繋ぎ合わせれば、歪みを小さくすることが
できるが、二分割して湾曲形成したハンガーレー
ルを溶接等によりあらためて一体に固着すること
は甚だ煩雑であるとともに、同ハンガーレールを
正確な形状に溶接することは熟練した技術を必要
とした。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） この考案は上記問題点を解決するために、ハン
ガーレール１８長手方向上面１８ａに切り溝１
４，１５を設け、その切り溝１４，１５部分で水
平方向に湾曲形成するとともに、その切り溝１
４，１５を溶接固着したハンガーレールを採用し
たものである。

（作用） 上記手段により、ハンガーレール１８をその切
り溝１４，１５部分で湾曲形成すると、その曲げ
方向に対する外側部と内側部とは独立した状態で
折曲げされる。

（実施例） 以下、この考案を具体化した一実施例のハンガ
ーレールから第６図に示すパネルの収納部を製作
する場合について第１図〜第４図に従つて説明す
る。

第２図に示すように主ハンガーレール１０に連
結固定された収納ハンガーレール１１は２箇所に
亘つて互いに反対方向に湾曲された湾曲部１２，
１３が形成されるとともに同湾曲部１２，１３に
おいて同収納ハンガーレール１１の上面には同ハ
ンガーレール１１の中心線Ｃから曲げ方向外側へ
ずれた位置に後記切り溝１４，１５を固着するた
めの第一及び第二の溶接部１６，１７がそれぞれ
形成されている。

このような収納ハンガーレール１１を製作する
にはまず第３図に示すような直線状のハンガーレ
ール材１８の上面１８ａにその両端から第一及び
第二の切り溝１４，１５を設ける。そして、その
両切り溝１４，１５はハンガーレール材１８の中
心線Ｃを挟んで中心線Ｃから一定の間隔を隔てた
位置に設けられる。

次に、上記のように第一及び第二の切り溝１
４，１５が設けられたハンガーレール材１８を両
切り溝部で、成型機で湾曲形成する。すなわち、
第１図に示すように両切り溝１４，１５がその曲
げ方向に対し中心線Ｃより外側となるように湾曲
形成して第一の湾曲部１２及び第二の湾曲部１３
を形成する。このとき、両切り溝１４，１５を設
けたことにより両湾曲部１２，１３において切り
溝１４，１５により区分されるハンガーレール材
１８の外側部と内側部とは独立した状態で湾曲形
成される。その結果、各切り溝１４，１５に対す
る外側部と内側部の曲げによる歪みはハンガーレ
ール材１８両端において長手方向への伸縮量の差
となつて現れ、ハンガーレール材１８の断面形状
での歪みがない。

その後、両切り溝１４，１５を溶接固着してそ
の切り溝１４，１５を塞ぐと前記第一及び第二の
溶接部１６，１７が形成される。さらに、ハンガ
ーレール材１８の一端部を第１図中破線Ｘで切断
するとともに同じくハンガーレール材１８の他端
部を第１図中破線Ｙで切断する。そして、破線Ｘ
での切断部を第２図に示すように主ハンガーレー
ル１０の側面に溶接するとパネルＰの収納部が完
成する。なお、このとき収納ハンガーレール１１
と溶接される主ハンガーレール１０の側面はラン
ナーが自在に出入りできるように開口されてい
る。

このように、本実施例の収納ハンガーレール１
１は同ハンガーレール１１上面の両端からそれぞ
れ切り溝１４，１５を設けたので同切り溝１４，
１５により区分されたハンガーレール１１の内側
部と外側部とは独立して曲げられて長手方向への
伸縮の差が許容されるので、ハンガーレール１１
の断面形状への歪みは防止される。従つて、その
断面形状において、歪みのない湾曲部を持つハン
ガーレールを作ることができ、ランナーを円滑に
走行させてパネルの収納及び取り出しを容易に行
うことができる。又、同時に歪みが長手方向に逃
げやすいために切り溝１４，１５を設けない場合
に比べハンガーレールを弱い曲げ力で湾曲形成さ
せることができる。又、その切り溝１４，１５は
ハンガーレール１１の中心線Ｃから外れた位置に
設けられているので同ハンガーレール１１を天井
面等に固定するためのネジ孔を中心線Ｃ上に支障
なく設けることができ両溶接部１６，１７と一致
するのを防止している。

なお、切り溝１４，１５は湾曲部１２，１３を
越える範囲あるいは湾曲部の一部に設けることも
可能である。

考案の効果 以上のようにこの考案のハンガーレール１８
は、その湾曲部における断面形状での歪みの発生
を防止してランナーを円滑に移動させることがで
きる優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を具体化したハンガーレールを
示す平面図、第２図はパネル収納部を示す平面
図、第３図は同じくハンガーレール材を示す平面
図、第４図はハンガーレール材を示す正面図、第
５図はこの考案に関する間仕切ドアを示す斜視
図、第６図は同じく間仕切ドアを示す平面図、第
７図は間仕切ドアの要部断面図、第８図は従来の
ハンガーレールの正面図である。 ハンガーレール材１８、ハンガーレール材上面
１８ａ、第一の切り溝１４、第二の切り溝１５。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハンガーレール１８長手方向上面１８ａに切り
   溝１４，１５を設け、その切り溝１４，１５部分
   で水平方向に湾曲形成するとともに、その切り溝
   １４，１５を溶接固着したハンガーレール。