JPH0320444A - 軟磁性合金膜 - Google Patents

軟磁性合金膜

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JPH0320444A
JPH0320444A JP1278220A JP27822089A JPH0320444A JP H0320444 A JPH0320444 A JP H0320444A JP 1278220 A JP1278220 A JP 1278220A JP 27822089 A JP27822089 A JP 27822089A JP H0320444 A JPH0320444 A JP H0320444A
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    • H01F10/131Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals containing iron or nickel

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、磁気ヘッド等に適した軟磁性合金膜に関す
る。
[従来の技術] 磁気記録の分野においては、記録密度を高めるために磁
気テープ等の記録媒体の高保磁力化が推進されているが
、それに対応する磁気ヘッドの材料として飽和磁束密度
(B s)の高いものが要求されている。
従来の高飽和磁束密度の軟磁性材料(膜)として、Fe
−Si−A1合金(センダスト)が代表的なものである
が、近年、強磁性金属元素であるCoを主体とする非晶
質の合金膜が開発されている。
また最近の試みとして、Feを主成分とする微細結晶か
らなる合金Ill(Fe−C,Fe−Si等)により、
Feの結晶磁気異方性の影響(軟磁性に対する悪影響)
を結晶の微細化により軽減し、高飽和磁束密度でかつ軟
磁気特性の優れた膜を得た例がある。
[発明が解決しようとする課題] ところで磁気ヘッドを組み込んだ装置は小型化、軽量化
する傾向にあり、移動に伴う振動にさらされたり、悪環
境のもとで使用され゜たりすることが多くなっている。
そこで磁気ヘッドには磁気特性が優秀であって、磁気テ
ープに対する耐摩耗性が優れていることは勿論、温度や
腐食性の雰囲気中での耐用性、すなわち耐環境・性や耐
振動性等が高いことが要求されている。そのためギャッ
プ形威やケースへの組み込み等をガラス溶着で行うこと
が必要となり、磁気ヘッドの素材はヘッドの製造工程に
おけるガラス溶着工程の高瓜に耐え得ろことが必要であ
る。
しかしながら、上記従米の軟磁性合金膜においてセンダ
ストからなるものは、飽和磁束密度が約10000G程
度であり、今後一層の高密度化の要求に対しては不充分
である。またCo系のアモルファス合金膜は13000
G以上の高い飽和磁束密度のものも得られているが、従
来のアモルファス合金の飽和磁束密度を高くしようとす
ると、アモルファス形成元素であるTi,Zr.Hf,
Nb,Ta,Mo.W等の添加量を少なくする必要があ
るが、これらの添加量を少なくすると、アモ・ルファス
構造の安定性が低下し、ガラス溶着に必要な温度(約5
00℃以上)には耐え得ない問題がある。
さらにFeを主成分とする微細結晶からなる上記合金膜
(Fe−C,Fe−Si等)は、高温で結晶成長を起こ
し、軟磁気特性が劣化する(Fe−Cの場合、400℃
が最大)ために、やはりガラス溶着に適したものとは言
い難い。
この発明は上記課題を解決し、保磁力が小さく透磁率が
高く、その特性が熱的に安定であるとともに、高い飽和
磁束密度を有する軟磁性合金膜を提供することを目的と
している。
[課題を解決するための手段] 請求項lに記載した発明は上記課題を解決するために、
組成式がFexMzCwで示され、MはT i.Zr,
Hf,Nb,Ta,Mo,Wのうち1種または2種以上
からなる金属元素またはその混合物であり、組成比X,
Z,IIは原子%で50<x≦96、2≦2≦30、0
.5≦智≦25、x+z+vt= 1 0 0なる関係
を満足させるとともに、その金属組織が基本的に平均粒
径O.OSμm以下の結晶粒からなり、その一部に元素
Mの炭化物の結晶相を含ませたものである。
請求項2に記載した発明は上記課題を解決するために、
請求項1に記載した金属組織を基本的に平均粒径0.0
8μm以下の結晶粒と非晶質組織からなるようにし、そ
の一部に元素Mの炭化物の結品相を含むようにしたもの
である。
請求項3に記載した発明は上記課題を解決するために、
組成式がFeκMzCwで示され、−MはT i,Zr
,Hf,Nb,Ta.Mo,Wのうち1種または2種以
上からなる金属元素またはその混合物であり、組成比x
,z,wは原子%で65≦x≦85、4≦2≦20、6
≦w≦l8、x+z+w= I 0 0なる関係を満足
させるとともに、その金属組織が基本的に平均粒径0.
08μ麟以下の結晶粒からなり、その一部に元素Mの炭
化物の結晶相を含ませたものである。
請求項4に記載した発明は上記課題を解決するために、
請求項3に記載した金属組織を基本的に平均粒径0.0
8μm以下の結晶校と非晶質組織からなるようにし、そ
の一部に元素Mの炭化物の結晶相を含むようにしたもの
である。
請求項5に記載した発明は上記課題を解決するために、
組成式がPexTyMzCwで示され、TはCo,Ni
のうち1種または2種からなる金属元素またはその混合
物、MはTi,Zr,Hf.Nb,Ta,M o , 
Wのうち1種または2種以上からなる金属元素またはそ
の犀合物であり、組成比x,y,z4は原子%で50≦
x≦96、0.1≦y≦IO、2≦Z≦30、0.5≦
冑≦25、X+y+Z+W= I O Oなる関係を満
足させるとともに、その金属組織が基本的に平均粒径0
.08μm以下の結晶粒からなり、その一部に元素Mの
炭化物の結晶相を含ませたものである。
請求項6に記載した発明は上記課題を解決するために、
請求項5に記載した金属組織を基本的に平均粒径0,0
8μ鵬以下の結晶粒と非晶質組織からなるようにし、そ
の一部に元素Mの炭化物の結晶相を含むようにしたもの
である。
以下にこの発明をさらに詳細に説明する。
上記合金膜の生成方法としては、合金膜をスバッ夕、蒸
着等の薄膜形成装置により作製する。スパッタ装置とし
ては、RF2極スパッタ、DCスバッタ、マグネトロン
スバッタ、3極スバッタ、イオンビームスパッタ、対向
ターゲット式スパッタ等の既存のものを使用することが
できる。またCを膜中に添加する方法としては、ターゲ
ット坂上にグラファイトのベレットを配置して複合ター
ゲットとし、これをスバッタする方法、あるいはCを含
まないターゲット(Fe−T−M系)を用い、Ar等の
不活性ガス中にメタン(CH4)等の炭化水素ガスを混
合したガス雰囲気でスバッタする反応性スバッタ法等を
用いることができ、特に反応性スパッタ法では膜中のC
a度の制御が容易であるので所望のC濃度の優れた膜を
得ることができる。
このようにして作製したままの膜はアモルファス相をか
なりの割合で含んだものであり、不安定であるので40
0〜700℃程度に加熱する熱処理を施すことによって
微細結晶を析出させる。なおこの熱処理を静磁界中ある
いは回転磁界中で行ができる。まtここの熱処理は磁気
ヘッドの製造工程におけるガラス溶着工程と兼ねて行う
ことができる。
なお、上記微細結晶の析出工程は完全に行なわれる必要
はなく、微細結晶が相当数(好ましくは50%以上)析
出していれば良いので、アモルファス成分が特性向上の
障害となることは少ない。
以下、上記のように戊分を限定した理由について述べる
Feは主成分であり、磁性を担う元素であって、少なく
ともフエライト(Bs#5 0 0 0G)以上の飽和
磁束密度を得るためには、X≧50at%が必要である
。また良好な軟磁気特性を得るためにはκ≦96at%
でなければならない。
元素Tは、磁歪の鍔整の目的で添加する元素である。F
e−M−C膜の場合、熱処理温度が低いと磁歪が正にな
り、熱処理温度が高いと磁歪が負になる。高い熱処理温
度(ガラス溶着温度)を必要とする場合、磁歪を正にす
る効果のあるNi,Coことができる。なお熱処理温度
が適当な場合、元素Tの添加は特に必要ないが、Tの添
加は正の磁歪が+to−’台以上まで大きくならないよ
うにy≦lOat%としなくてはならない。
元素Mは軟磁気特性を良好にするために必要であり、ま
たCと結合して炭化物の微細結晶を形成する。良好な軟
磁気特性を維持するためには2≧2at%とする必要が
あるが、多すぎると飽和磁束密度が低下してしまうので
2≦30at%とする必要がある。
Cは軟磁気特性全良好にするため、および耐熱性を向上
させるために必要であり、Cは元素Mと結合して炭化物
の微細結晶を形成する。良好な軟磁気特性、および熱的
安定性を維持するためには、冑≧0.5at%とする必
要があるが、多すぎると飽和磁束密度が低下してしまう
のでW≦25at%とする必要がある。
また特にFe−M−C膜において65≦x≦85、4≦
2≦20、6≦曹≦1 8、x+z+v= 1  0 
0に組成比を限定することにより磁歪定数λSを0±3
 X l O−”の範囲内に抑え、かつ更に良好な軟磁
気特性を得ることができる。熱処理時の結晶核の均一な
生成による、より良好な微細結晶組織を得るためには、
成膜時にアモルファス相を主体とした膜にするためにX
≦85at%とする必要がある。
またXの量が少なすぎると飽和磁束密度が低下してしま
うばかりでなく、MおよびCの濃度が多くなりすぎる。
MおよびCの濃度が多くなりすぎるとMの炭化物(非磁
性相)が膜中で占める体積比が高くなりすぎ、Feの結
晶粒間での交換結合を切断し、軟磁気特性が低下してし
まうので、より良い特性を得るためにX≧65at%と
する必要がある。
元素Mの炭化物の微細結晶は磁壁のピンニングサイトと
して働き、透磁率の高周波特性を向上させる働きがある
とともに、膜中に均一に分散させることでFeの微細結
晶が熱処理により成長して軟磁性を損なうことを防止す
る働きがある。つまりFeの結晶粒が成長して大きくな
ると結晶磁気異方性の悪影響が大きくなり、軟緻気特性
が悪化するが、元素Mの炭化物の微細結晶がFeの粒成
長の障壁として働くことにより軟磁気特性の悪化が防止
される。
そして金属組織が基本的に0.08μm以下の微細結晶
からなっているので、非晶質に比べて熱的安定性に優れ
ており、添加元素を少なくすることができ、また非晶質
の比べFe原子1個あたりの磁気モーメントが大きくな
り、その結果、飽和磁束密度を高くすることができる。
[作用] 上記軟磁性合金膜においては、その組成がFeを主体と
して、飽和磁束密度を低下させる成分の添加が制限され
、また非晶質に比べFe原子1個あたりの磁気モーメン
トが大きくなっているので、最高約18000Gという
高い飽和磁束密度が得られる。また元素MおよびCが含
まれているとともに、金属組織が微細な結晶粒からなっ
ており、結晶磁気異方性による軟磁性への悪影響が軽減
されるので、良好な軟磁気特性が得られる。さらに元素
Mの炭化物が析出してFeを主成゛分とする結晶粒の成
長を抑えるので、ガラス溶着工程において600℃以上
に加熱されても、結晶粒が泪大化することがない。
[実施例] (実施例l) RF2極スバッタ装置を用いて、以下の2通りの方法に
よって各種組成のFe−Zr−C膜およびFe−Hf−
C膜をそれぞれ5〜6μmの膜厚で形成した。
第1の方法はFeターゲット上にZrまたはHfのペレ
ットを適宜配置して構成した複合ターゲットを用い、A
rガスと0144ガスの混合ガス雰囲気中で反応性スバ
ッタする方法とした。第2の方法はFeターゲット上に
ZrまたはHfのペレットとグラファイトのペレットと
を適宜配置して構成した複合ターゲットをAr中でスパ
ッタする方法とした。膜中のZrおよびHra度の調整
は、いずれの方法においてもZrおよびH『のペレブト
の枚数を変えることにより変化させt=..,cm度の
調整は第lの方法ではCH4ガスの濃度を変化させるこ
とにより、また第2の方法ではグラファイトベレットの
枚数を変えることにより行った。
このようにして得られた各合金膜に種々の熱処理を施し
て、合金膜の組成が軟磁性合金膜の磁歪定散λS、飽和
磁束密度Bs,磁化困難軸方向の透磁率μ(lMHz)
に及ぼす影響を調べた。この結果を第1図ないし第4図
に示した。
第1図ないし第3図はいずれもFe−Zr−C膜の測定
結果である。
第1図は550℃で20分の熱処理を施した後の合金膜
の磁歪定数と飽和磁束密度との等値線を併せて示したグ
ラフである。第1図中、実線は磁歪定数(λS)の等値
線を示し、破線は飽和磁束密度(B s)の等値線を示
すものである。
第2図は静磁場中、550℃で20分の熱処理を施した
後の合金膜のIMHでの磁化困難軸方向の透磁率の等値
線を示したグラフである。
第3図は650℃で20分の熱処理を施した後の合金膜
の磁歪定数と飽和磁束密度との等値線を併せて示したグ
ラフである。第3図中、実線は磁歪定数の等値線を示し
、破線は飽和磁束密度の等値線を示すものである。
また第4図はFe−Hr−C膜の測定結果であって、静
磁場中、550℃で20分の熱処理を施した後の合金膜
のI M H zでの磁化困難軸方向の透磁率の等値線
を示したグラフである。
なお第l図ないし第4図中、○印はいずれも成膜伏態(
as deposited)でアモルファス化し1たも
の、●印はアモルファス化しなかったものを示すもので
ある。なお磁歪定数の測定には光テコ法、透磁率の測定
には8の字コイル型パーミアンス計、飽和磁束密度の測
定には振動試料型磁力計を用いた。
第1図ないし第4図からFe−M−C(M=Zr}{f
)膜の合金組成が軟磁気特性に及ぼす影響を調べた。
第1図より550℃での熱処理を行った場合、Zr:C
がほぼ1:lの組成で磁歪定数がほぼ0となることがわ
かる。また、第3図より650℃での熱処理を行った場
合、第1図よりわずかにCa度の高い組成で磁歪定数が
ほぼ0となり、550℃もしくは650℃の熱処理によ
ってもλs=0となる組成が存在することが確認できた
さらに第2図および第4図より、高い透磁率が得られた
合金膜は、Mの種類に係わりなく、いずれも成膜状態で
アモルファスであったことがわかる。すなわちアモルフ
ァスからの結晶化でないと、均一な結晶核の生成が起こ
らず、均一かつ良好な微細結晶組織を有するものとなり
にくいことが確認できた。特にλSが2000以上の値
が得られろ組成はM(M=Zr,HF):Cが1:2 
〜5:6程度の組成領域に分布していることが判明した
さらに第1図および第3図に示した飽和磁束密度Bsの
等値線からわかるように、このような膜のBsの上限は
約17〜18kGであることが確認できた。
よって第1図ないし第4図から磁歪定敗が低く、かつ透
磁率が高い磁気特性を示す組成が存在することが確認で
きた。
次に反応性スパッタにより、製造したFe7s.7Z 
r s . s C l @ . O膜およびF es
t.*H rs.ac 13.6膜を各温度で20分ず
つの熱処理を施し、熱処理温度の変化による磁歪定数の
変化を調べた。この結果を第5図に示した。第5図中、
●はF e?8.7z r5.*C +a.o膜、また
○はF e,l.sH fs.+C I3.5膜の測定
結果を示したものであり、括弧を付してあるデータはl
000eの印加磁場で飽和しなかったものである。
第5図より、磁歪定数は熱処理温度の上昇と共に正から
負に変化し、いずれも580〜630゜Cの熱処理で0
となることが確認できた。
よって、上記第I図ないし第5図のデータに基づき、微
結晶が析出するための最低限の温度(約400〜500
℃)以上の任意の熱処理条件において、合金膜の磁歪定
数λSが0±3X10−’の範囲内となるようにするに
は、この発明の請求項3または請求項4で記載された合
金組成とすれば良いことが確認できた。
なお、磁歪定数λSを特に0±3XlO−’に限定しな
い場合には、請求項Iまたは請求項2に記載された合金
組成とすれば良い。
(実施例2) RF2極スバッタ装置を用いて第1表に示した組成の合
金膜を膜厚5〜6μmで形成した。
これにはFeターゲット上にZr,Ta,H『,Coの
ベレットを適宜配置して構成した複合ターゲットを用い
、ArガスとCH4ガスの混合ガス雰囲気中でスバッタ
する方法を用いた。
成膜後、静磁場中において550℃に20分間保持、あ
るいは無磁場中において550℃に20分保持、あるい
は無磁場中において650℃に20分保持した。
上記のようにして製造された合金膜とスパッタにより成
模したセンダスト合金a<比較例)について、熱処理後
における飽和磁束密度(B s)と透磁率(μ)および
保磁力(Hc)の測定を磁歪の測定を行った。
以上の結果を第1表に併せて示した。
(以下、余白) 第1表のサンプルAは、センダスト膜より極めて高い飽
和磁束密度(17300G)を示した。ここで一般に1
3000G以上の飽和磁束密度を示す従来のアモルファ
ス合金において、飽和磁束密度がこのように高い値を示
すものは同等の条件の熱処理(550℃、2時間加熱)
において結晶化し、透磁率が1004以下まで低下して
しまう。
すなわちアモルファス合金膜ではガラス溶着後の磁気特
性が劣化し、磁気ヘッドとしての満足な特性が得られな
いことになる。したがってこの発明のサンプルAが高温
の熱処理を受けても高い透磁率を示す優秀な合金膜であ
ることが明らかである。
さらにサンプルAの膜は550℃における静磁場中熱処
理により磁化困難軸方向の透磁率(5MHZ)が362
0、保磁力が0,350eと極めて優れた軟磁気特性を
示した。またサンプル81Cはそれぞれ飽和磁束密度が
15600G1 14900Gと高く、センダスト膜の
サンプルEよりも高い透磁率を示している。これらの膜
は無磁場中の熱処理であっても、高い透磁率を得ること
ができ、従来の高飽和磁束密度のアモルファス膜では実
現することのできない特徴を有している。
すなわちアモルファス膜は磁性原子の方向性規則配列等
により誘導磁気異方性がつき易いがために、キュリー点
以下での無磁場中熱処理では磁区の固着化により、軟磁
性が大きく劣化する欠点がある。したがってこの発明の
合金を用いることで磁気ヘッドの製造工程におけるガラ
ス溶着等を無磁場中で行うことができ、工程を簡略化で
きるという特徴を有するようになる。
またサンプルBとサンプルCの膜は550°Cの熱処理
後ではそれぞれ+2.8Xl(I  +2.1x t 
o−”と正の磁歪定数であるが、熱処理温度を650℃
まで高くすることにより、それぞれ一〇.3xlO−、
+0.4xlO−’となり、ほぼ0に近い磁歪を得るこ
とができるようになる。すなわち磁気ヘッドの製造工程
では加工歪、ガラス溶着工程でかかる熱歪により逆磁歪
効果が作用するが、上記のように磁歪が小さいと上記逆
磁歪効果により膜が軟磁気特性を損なうことがない。さ
らに従来のFe基のアモルファス合金(液体急冷法で作
製されたもの)の磁歪定数が約+2 X l O−’と
大きいのに対し、上記サンプルA ,B ,C ,Dの
膜では低磁歪を実現できる。
また第I表においてサンプルDはサンプルAの合金にC
oを添加することにより磁歪の調整を行い、650℃の
熱処理後で低磁歪にした膜である。
Coは磁歪を調整する作用以外に飽和磁束密度を高める
働きがあり、サンプルDの膜は飽和磁束密度が1760
0Gと高くなっている。
第6図と第7図は、それぞれ第l表のサンプルAとサン
プルCの膜の透磁率の周波数特性を示したグラフである
。いずれのサンプルも極めて高い透磁率を示し、lOM
Hz付近の高周波領域においても1 100〜2300
程度の透磁率が得られる。なお第6図に示したように静
磁場中で熱処理を行った場合でも、第7図に示したよう
に高い透磁率を維持しつつ600℃といら高い温度の熱
処理が可能であることが判明した。
次に上記合金膜の金属組織を同定するために、X線回折
の測定を行った。サンプルCの膜において、成膜したま
まの状態の膜のX線回折パターン■と550℃で20分
間熱処理後の膜の回折パターン■と650℃で20分間
熱処理後の膜の回折パターン■を第8図に示した。
第8図の■のパターンでは、ほぼアモルファスに近いハ
ローパターンを示している。この状態では充分な飽和磁
束密度が得られず、軟磁性ら不充分である。第8図の■
のパターンではアモルファスのハローパターンも若干残
存しているかbcc(体心立方構造)のFeの(100
)回折ピークと、微弱ながらTaCの回折ピークが現れ
ており、アモルファス相と結晶相とが混在した組織とな
っていることを示している。■のパターンの結晶相の回
折ピークはいずれもブロードしており、結晶粒が微細で
あることを示している。回折ピークの半値幅から計算し
たbcc−Feの結晶粒径は約60〜70人である。こ
゛の膜は更に高い温度で熱処理することにより■の回折
パターンに示されるような膜全体が微結晶から構成され
た組織を示すようになる。
■と■のいずれの場合も高い飽和磁束密度を優れた軟磁
気特性を示すことが確認された。
[発明の効果J 以上説明したようにこの発明は、Feを主成分とする平
均粒径0.08μm以下の微細な結晶粒からなる軟磁性
合金膜であり、飽和磁束密度を低下させる成分の添加が
制限され、また非晶質に比べFe原子あたりの磁気モー
メントが大きくなっているので、センダスト合金膜より
も高い飽和磁束密度であって、最高約18000Gとい
う高い飽和磁束密度が得られる。さらに従来のアモルフ
ァス合金膜とは異なり、無磁場中で熱処理を施してら高
い飽和磁束密度と透磁率を発揮する膜を得ることができ
る。
また元素M(Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,W
)およびCという軟磁性を良好とする成分が添加される
とともに、金属組織が微細な結晶粒からなり、結晶磁気
異方性による軟磁性への悪影響が軽減されるので、良好
な軟磁性特性が得られる。さらに微細な結晶粒からなる
とともに、添加された元索MがCと炭化物を形成するの
で、ガラス溶着工程において600℃以上に加熱されて
も結晶粒が祖大化することがなく、上記特性を維持する
ので、高密度記録に要求される高い性能を有する磁気ヘ
ッドの素材として好適である。
さらに上記組成を特定範囲に限定すること、また上記組
成に加えて元素T(Go.Ni)を添加することにより
、磁歪を調整してさらに上記の効果を高め、また磁気ヘ
ッド製造時に生じる加工歪や溶着ガラスにより生じる熱
歪による逆磁歪効果で膜の磁気特性が劣化しないように
することができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は550℃で熱処理を施した場合のこの発明のP
e−Zr−C合金膜の磁歪定数と飽和磁束密度の組成依
存性を示したグラフ、第2図は550℃で熱処理を施し
た場合のこの発明のFe−ZrC合金膜の透磁率の組成
依存性を示したグラフ、第3図は650℃で熱処理を施
した場合のFeZr−C合金膜の磁歪定数と飽和磁束密
度の組成依存性を示したグラフ、第4図は550℃で熱
処I1pを施した場合のFe−1{f−C合金膜の透磁
率の・11成依存性を示したグラフ、第5図は熱処理温
度を5化させた場合のFe−Zr−C合金膜とFe11
f−C合金膜の磁歪定数の変化を示したグラフ、第6図
はこの発明の一実施例の透磁率に対する周波敗特性を示
すグラフ、第7図はこの発明の他のM’M例の透磁率に
対する周波数特性を示すグラフ、i8図はこの発明の実
施例の膜の金属組織を同定ケるために行ったX線回折パ
ターンを示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)組成式がFe_xM_zC_wで示され、MはT
    i,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,Wのうち1種また
    は2種以上からなる金属元素またはその混合物であり、
    組成比x,z,wは原子%で 50≦x≦96 2≦z≦30 0.5≦w≦25 x+z+w=100 なる関係を満足させるとともに、その金属組織が基本的
    に平均粒径0.08μm以下の結晶粒からなり、その一
    部に元素Mの炭化物の結晶相を含むことを特徴とする軟
    磁性合金膜 (2)金属組織が基本的に平均粒径0.08μm以下の
    結晶粒と非晶質組織からなり、その一部に元素Mの炭化
    物の結晶相を含むことを特徴とする請求項1記載の軟磁
    性合金膜 (3)組成式がFe_xM_zC_wで示され、MはT
    i,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,Wのうち1種また
    は2種以上からなる金属元素またはその混合物であり、
    組成比x,z,wは原子%で 65≦x≦85 4≦z≦20 6≦w≦18 x+z+w=100 なる関係を満足させるとともに、その金属組織が基本的
    に平均粒径0.08μm以下の結晶粒からなり、その一
    部に元素Mの炭化物の結晶相を含むことを特徴とする軟
    磁性合金膜 (4)金属組織が基本的に平均粒径0.08μm以下の
    結晶粒と非晶質組織からなり、その一部に元素Mの炭化
    物の結晶相を含むことを特徴とする請求項3記載の軟磁
    性合金膜 (5)組成式がFe_xT_yM_zC_wで示され、
    TはCo,Niのうち1種または2種からなる金属元素
    またはその混合物、MはTi,Zr,Hf,Nb,Ta
    ,Mo,Wのうち1種または2種以上からなる金属元素
    またはその混合物であり、組成比x,y,z,wは原子
    %で 50≦x≦96 0.1≦y≦10 2≦z≦30 0.5≦w≦25 x+y+z+w=100 なる関係を満足させるとともに、その金属組織が基本的
    に平均粒径0.08μm以下の結晶粒からなり、その一
    部に元素Mの炭化物の結晶相を含むことを特徴とする軟
    磁性合金膜 (6)金属組織が基本的に平均粒径0.08μm以下の
    結晶粒と非晶質組織からなり、その一部に元素Mの炭化
    物の結晶相を含むことを特徴とする請求項5記載の軟磁
    性合金膜
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