JPH0319460B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は空気調和装置の風量変化に関するもの
である。

従来例の構成とその問題点 従来のこの種の空気調和装置は、吹出風量が時
間的に一定のものがほとんどであるが、この場合
には居住者が沈滞感を生じて不快を呈する問題点
を有していた。この問題点に対して第１図に示す
ように吹出風量を周期的ａ、さらには周波数に反
比例するパワー・スペクトルを持つ変動ｂ（以下
Ｉ／ｆゆらぎと呼ぶ）等で時間的に変化させて沈
滞感を防いでいる例が見られる。また風量を変動
させる効果として、特に冷房時、間欠的に人体に
風を当てることによる冷却効果が冷房にプラス側
に作用し、室温が比較的高くても清涼感を得られ
ることが挙げられる。しかしこのとき、風量変動
の周期（周波数帯域）が室温との関係を考慮され
ていなかつたため、運転開始直後等、室温が高い
ときも、設定値に達した後も同じ周期（周波数帯
域）の変動で、もの足りなさを感じたり、冷風感
を生じたりするという問題点があつた。

発明の目的 本発明はかかる従来の問題を解消するもので、
空気調和における快適性を向上させることを目的
とする。

発明の構成 この目的を達成するために本発明は、室内温度
検知手段と、吹出風量可変手段と、パワー・スペ
クトルが周波数に反比例する信号を発生する信号
発生回路と、前記室内温度検知手段による検知温
度が高いときには信号発生回路の周波数帯域を高
く、検知温度の低いときには同周波数帯域を低く
変化させて変換する周波数変換回路と、前記変換
回路により変換された信号に基づいて、前記吹出
風量可変手段を制御する制御装置を設けたもので
ある。

この構成により、室内温度の高低にしたがつて
吹出風量の変動の周期（周波数帯域）を変化させ
るという作用を有する。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例を第２図〜第７図を用
いて説明する。

第２図において１は本発明の一実施例である空
気調和装置本体で、内部に熱交換器２、送風機３
等を有する。吸込口４には室内温度検知手段とし
てサーミスタ５が設けられている。さらに室内温
度により吹出風量の制御を行なう回路及び装置を
内蔵した制御器６を設けている。

第３図は制御器６内の回路及び装置のブロツク
図を示す。ランダム雑音発生回路１１と−3db／
out.の特性を持つローパスフイルタ１２で構成さ
れ、周波数に反比例するパワースペクトルを持つ
信号、すなわち１／ｆゆらぎ信号を発生する信号
発生回路７と、この信号の周波数帯域をサーミス
タ５の出力に応じて変化させるために、Ａ／Ｄ変
換回路１３、バツフアメモリー１４、Ｄ／Ａ変換
回路１５、平滑回路１６からなる周波数変換回路
８と、前記周波数変換回路８により変換された信
号に比例して吹出風量可変手段としてのフアンモ
ータ９の回転数を制御する制御装置１０とで構成
される。

第４図は信号発生回路７の信号ｃと周波数変換
回路８により変換された信号ｄ，ｅの関係を示
す。

上記構成において冷房運転を開始すると、室温
は第５図に示すように変化する。この室温をサー
ミスタ５で検知し、この出力に基づき信号発生回
路７による１／ｆゆらぎ信号の周波数帯域を周波
数変換回路８により変換する。その手段は、信号
発生回路７による１／ｆゆらぎ信号をＡ／Ｄ変換
回路１３により周期Tsでサンプリングし、いつ
たんバツフアメモリー１４に記憶した後、そのデ
ータをサンプリングされた順にＤ／Ａ変簡回路１
５にて周期Toで出力する。この周期Toをサーミ
スタ５の出力に応じて変えることにより、信号の
周波数を変えることができる。さらに、Ｄ／Ａ変
換回路１５からの信号をなめらかにする平滑回路
１６をして制御装置１０に信号が送られる。制御
装置１０は変換された信号を受け、これに比例し
てフアンモータ９を回転させる電圧に変換し、吹
出風量の変動制御が行なわれる。

第６図は風量変動の周波数帯域の時間変化を示
したものであり、室温が高いほど周波数帯域が大
きく、小刻みな風量変動となる。

このときの体感温度の変化を第７図に示す。
Trは室温であるが、これに対して本実施例の本
感温度（）、従来例を（）、（）で表わして
いる。また斜線部分は快適範囲である。本実施例
は室温が高いほど周波数帯域が高く、小刻みな風
量変動となるため、立上り時等、室温が高いとき
には人体に作用する気流が冷却力を持続し、体感
温度（）と室温Trの差が大きく、快適範囲に
近づける。室温Trの低下に伴い、周波数帯域が
低くなり、ゆるやかな風量変動に移るため、常に
冷却力が作用することはなく、図のように室温
Trと体感温度の差が小さくなつて快適範囲に制
御される。

（）は一定風量の従来例の体感温度変化を示
すが、変化のない吹出気流を直接人体に当てるこ
とは、慣れによる沈滞感と過大の冷却力と与える
という理由で一般には行なわれないため、快適範
囲に到達するのが遅い。

（）は風量変動を与えた例であり、沈滞感は
解消されるが、変動が一定であるため、冷却効果
に変化がなく、体感温度の変動が大きい。

発明の効果 本発明の空気調和装置によれば次の効果が得ら
れる。

室内温度が高いときには１／ｆゆらぎ信号の周
波数帯域を高くして風量の変動を小刻みにし、気
流による冷却力を持続した運転をおこない、室内
温度が低いときには周波数帯域の低い大きな風量
変動で間欠的な冷却効果を得る運転をおこなうた
め、とくに冷房時、この冷却効果の調節により温
度感覚が運転立上りから安定状態に至るまで快適
な状態に維持できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の空気調和装置の吹出風量の時間
変化を示した図、第２図は本発明の空気調和装置
の一実施例を示す断面図、第３図は同装置におけ
る制御器内部のブロツク図、第４図は同装置にお
ける周波数変換回路による信号の特性図、第５図
は同装置における室温の時間化を示した図、第６
図は同装置における風量変動の周波数帯域の時間
変化を示した図、第７図は同装置及び従来例の体
感温度変化を示した特性比較図である。 １……空気調和装置本体、５……室内温度検知
手段としてのサーミスタ、７……信号発生回路、
８……周波数変換回路、９……吹出風量可変手段
としてのフアンモータ、１０……吹出風量可変手
段の制御装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 室内温度検知手段と、吹出風量可変手段と、
   パワー・スペクトルが周波数に反比例する信号を
   発生する信号発生回路と、前記室内温度検知手段
   による検知温度が高いときには信号発生回路の周
   波数帯域を高く、検知温度の低いときには同周波
   数帯域を低く変化させて変換する周波数変換回路
   と、前記変換回路により変換された信号に基づい
   て、前記吹出風量可変手段を制御する制御装置と
   を設けた空気調和装置。