JPH0318093Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、鋼板等の処理ラインにおいて、鋼
板または鋼帯等の相対する左・右両側端を切削す
る端面切削機に関する。

〈従来の技術〉 従来のこの種の端面切削機は第３図に示すよう
に、被削材４の移送方向における相対する左・右
側端面にそれぞれ対の切削ヘツド１，１を配置
し、切削ヘツド１上にカツター駆動モータ３によ
つてカツプリング減速機（非図示）等を介して回
転するフライスカツター２を取り付けた構造を有
するものである。

この端面切削機によつて被切削材４はピンチロ
ールにより矢印方向に送られ、切削時には図示し
ない幅移動装置により被削材４の相対する側端面
のフライスカツター２間を、予め製品仕上幅W₁
に設定し、クランプし、フライスカツター２直前
に設けられているリニヤセンサー５よりの入力信
号によつて両側端面の切削代ｔを等しくするよう
に中心位置コントロールシリンダー（Center
Position Control Cylinder）６のロツド伸縮に
より切削ヘツド１，１をヘツド上で摺動させて行
い、板幅精度を出すと共に、フライスカツター２
にかかる負荷が等しくなるようにし、一方の刃の
みに無理な力がかからないようにコントロールす
る構造になつていた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 ところが、上述の従来構成の端面切削機は鋼板
または鋼帯の圧延において全長にわたり幅寸法を
誤差なく製造することは困難であり、現実には曲
がり、ふくらみを有している。

第４図に示すように、板幅W₂バラツキがなく
切削代ｔに無理のない範囲であればよいが、第５
図に示すごとく、板幅W₂が変動すると切削代ｔ
が過大となり、ある限度を越えると動力的に過負
荷になつたり、カツターの損傷あるいは寿命面で
も大幅な低下をきたす。

この考案は従来の端面切削機におけるこのよう
な問題点を除去するためになされたものであつ
て、被削材の全長にわたつて幅寸法に誤差のない
切削を行うことができる端面切削機を提供しよう
とするものである。

〈問題点を解決するための手段〉 このため、この考案は端面切削機において被削
材の幅寸法および切削代に対応して、それぞれ切
削材の中心位置コントロール又は端部位置コント
ロールに切換えて切削するようにしたことを特徴
とするものである。

すなわち、この考案では従来の端面切削機にお
いて、被削材の移送方向の相対する左・右側端面
に一体構造に設けられた切削ヘツドを、それぞれ
の側端面の切削ヘツドを分離独立構造とし、各切
削ヘツドに中心位置コントロールシリンダおよび
端部位置コントロールシリンダを取り付けると共
に、被削材の板幅W₂が許容値内であれば中心位
置コントロール切削で板幅W₁を守る切削を行い、
板幅W₂が大きくなり（第２図参照）、切削量ｔが
過大のときは切削量t₂を、ある一定値となる端部
位置コントロールに切替えて切削するようにした
ものである。

〈作用〉 以上のように構成されているから、フライスカ
ツター２直前の被削材の移送方向の相対する両側
に設けられたリニヤセンサー５により、各側の切
削代t₁のズレを検出し、左・右に設けられた中心
位置コントロールシリンダおよび端部位置コント
ロールシリンダ１２がそのずれを修正する動作を
行つて、板幅W₁を一定に保つ切削を行う。

もし、板幅W₂が変動し、リニヤセンサー５で
検出した切削代ｔが過大となり、ある限度を越え
ると、設定された製品仕上幅W₁にこだわらず
左・右の切削ヘツド１１が、中心位置コントロー
ルシリンダおよび端部位置コントロールシリンダ
１２につて個々に移動し、被削材４の両サイド
を、端定された端部位置コントロール切削値で切
削するので、フライスカツター２の損傷を生じな
い。

〈実施例〉 以下、この考案の実施例を図面によつて説明す
ると、第１図は、実施例の端面切削機の要部断面
図、第２図は被削材の形状と切削制御方法の関係
を示す説明図である。

実施例の端面切削機は第１図に示すように、切
削ヘツド１１は、左・右分離、独立構造となつて
おり、左・右一対でガイドフレーム１３の上面に
摺動可能に載設されている。切削ヘツド１１に
は、フライスカツター２があり、モータ１４によ
り減速機１５等を介し、回転矢印方向に同速で回
転され、また左・右のフライスカツター２の内側
近傍には複数個のサポートローラー１６がライン
方向に連設され、被削材４の両端部をクランプ
し、切削時のびびり、振動を防止するようになつ
ている。ガイドフレーム１３も、左・右一対をな
しており、内側にはサポートローラー１７が、サ
ポートローラー１６に近接して設けられ中心位置
コントロール、端部位置コントロールシリンダ１
２により同調して作動する左・右のフライスカツ
ター２、サポートローラー１６と関係なく、その
側近で被削材４の両側を被削材４に対し略、セン
ター振り分けで上・下よりクランプし、中心位置
コントロール動作、あるいは端部位置コントロー
ル動作による横方向移動力を防止するようになつ
ている。ガイドフレーム１３の下段には、ベツド
１８があり、モーター１９ネジ機構２０により、
切削ヘツド１１、ガイドフレーム１３が一体で、
摺動移動する幅移動装置２１が、内設されてお
り、被削材４の切削時には、左・右のフライスカ
ツター２間を製品仕上幅W₁に設定し、複数のク
ランプシリンダー２２でガイドフレーム１３とベ
ツド１８をクランプするようになつている。

上記構成の装置において、被削材４は両側近傍
にて、一体で同じ移動をするフライスカツター
２、サポートローラー１６とは関係なく、別の動
作をするサポートローラー１７により、被削材４
に対し略センター振り分けにサポートされる。被
削材４がピンチロール（図示せず）により、第２
図に図示の矢印方に繰り出されると、フライスカ
ツター２の直前に設置されている。リニヤセンサ
ー５（第３図に図示あり）は、切削代ｔを検知す
る。左・右のフライスカツター２間は製品仕上幅
W₁に設定されており、制御器はリニヤセンサー
５の入力信号を瞬時に演算し、被削材４の板幅
W₂が許容値内であれば、中心位置コントロール
により、左・右の切削代ｔの平均値による移動量
信号を左・右の中心位置コントロール、端部位置
コントロールシリンダ１２に送り、同調させて切
削ヘツド１を横移動させ仕上幅W₁に切削する。
第２図に示すように被削材４の形状によつて板幅
W₂が、大きくなり切削代ｔが過大になり限度を
越えると動力的に過負荷となり、またフライスカ
ツター２その他に損傷が発生するので、端部位置
コントロールに切替わり、リニヤセンサー５の入
力信号により、制御器は設定された切削代t₂だ
け、中心位置コントロールおよび端部位置コント
ロールシリンダ１２に信号を送り、左・右の切削
ヘツド１１を、個々に移動させ、被削材４の形状
に従つて、限られた切削代t₂だけを、板幅とは関
係せずに切削する。

このようにして、被削材４の板幅W₂が許容値
内に入れば、中心位置コントロール方式に切替え
られ、１台の端面切削機において、中心位置コン
トロール（以下、CPC）、端部位置コントロール
（以下、EPC）ができるようになつている。ま
た、中心位置コントロール、端部位置コントロー
ルシリンダ１２は共用される。

なお、この考案は上記実施例にのみ限定される
ものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内
において、種々変更を加え得ることは言うまでも
ない。

〈考案の効果〉 以上、説明した如くこの考案に係る端面切削機
によれば、被削材の切削を、板、形状に対応して
CPC、またEPCとにより切削されるので、切削
代が過大になることがなく機械に無理が掛らず、
刃の損傷も発生しない。また、刃の寿命が長くな
ると共に、不測の過負荷が、かからないので刃の
寿命管理を、正確に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、実施例の端面切削機の要部断面図、
第２図は、被削材形状と切削制御の関係を示す説
明図、第３図は、従来の端面切削機の要部斜視
図、第４図および第５図は被削材の形状図であ
る。 図面中、２……フライスカツター、３……カツ
ター、駆動用モータ、４……被削材、５……リニ
ヤセンサー、１１……切削ヘツド、１２……中心
位置コントロールシリンダ／端部位置コントロー
ルシリンダ、１３……ガイドフレーム、１４……
モータ、１５……減速機、１６、１７……サポー
トローラー、１８……ベツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被削材の幅寸法および切削代に応じてそれぞれ
   中心位置コントロール又は端部位置コントロール
   に切換えて切削するようにしたことを特徴とする
   端面切削機。