JPH0317413Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、電気コネクタであつて、特に接触子
に接続される電線を、コネクタハウジングに係止
せしめることができるようにした電気コネクタに
関するものである。

〔考案の背景〕

従来の電気コネクタとしては、例えば第４図に
示す如き構造のものがある。この電気コネクタ１
は、合成樹脂で形成されたコネクタハウジング２
と、このコネクタハウジング２内に挿入され、か
つこのコネクタハウジング２の内部に突設されて
いるランス４により引き抜き不可能に係止されて
いる電気接触子３を有し、この電気接触子３に接
続される電線５は、その電気コネクタ１から単純
に引出される構造となつている。

従つてこのような従来の電気コネクタにあつて
は、電線５の係止機構がないためにそのコネクタ
１から引き出されている電線５が強く引張られる
と、その張力が電線５と電気接続子３との接続部
に直接作用されるために、その張力により、電線
５が電気接続子３から外れて抜け出てしまうとい
う問題点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、このような従来の問題点に着目して
なされたもので、コネクタハウジング内に、電気
接触子と接続される電線を係止せしめる電線係止
手段を設けることにより、電線に異常な張力が作
用しても、該電線が電気接続子から外れることが
ないようにした電気コネクタを提供することを目
的とするものである。

〔考案の実施例〕

以下に本考案を第１図乃至第３図に示す実施例
に基いて詳細に説明する。

１０はコネクタハウジングであつて、このコネ
クタハウジング１０は、雌型電気接触子１１を収
容する複数個の接触子挿入孔１２が隔壁１３を介
して格子状に形成されており、この隔壁１３の接
触子１１の挿入側の上端縁は桟１４によつて、ま
た下端縁は桟１４′によつて連結されている。こ
の桟１４′は、前記ハウジング１０の電気接触子
１１の挿入端部に設けた開口部２３よりフラツプ
１７側に位置するように設けられていて、ハウジ
ング１０の内側面と桟１４′の下端面とほぼ同一
平面上に位置するようになつている。このため開
口部２３はハウジング１０の挿入端縁に連なつて
おり、これによりハウジング１０を成形するに際
して、スライドコアを使用しなくとも、雄型と雌
型だけで開口部２３を成形できるようになつてい
る。また上記ハウジング１０には薄肉バンド１６
を介してフラツプ１７が起伏可能に取付けられて
いる。

このフラツプ１７の辺縁には、係止爪片１８が
設けられこの係止爪片１８は第１図に示すように
フラツプ１７が倒伏したとき桟１４に係合するよ
うになつている。

またフラツプ１７の内側に設けられた係合肩部
２０は接触子１１の係止部１１′に係合して接触
子１１の抜けを防止する。さらにこのフラツプ１
７の内面に突起２１が設けられており、この突起
２１が電源２２を、第１図に示すように開口部２
３内に押し曲げ、これによつて電線２２二が第１
図の矢印方向に引張られたときにおいても電線２
２が桟１４′に阻止されて、その結果接触子１１
がハウジング１０から引き抜かれることがないよ
うに構成されている。なお２４は接触子１１の抜
け止めを防止するために設けた接触子係止用の肩
部である。

このように、本実施例におけるコネクタハウジ
ング１０において、そのフラツプ１７に、電線２
２を開口部２３内に折り曲げ状態を確保して押し
込むための突起２１を設けていることからこのコ
ネクタハウジング１０内に、電線２２を接続した
接触子１１を挿入し、しかる後フラツプ１７を伏
せることにより、接触子１１がコネクタハウジン
グ１０内に抜け止め状態で係止されると共に、そ
の接触子１１に接続されている電線２２が突起２
１とにより桟１４′の内側で開口部２３内に押し
込まれるために、その電線２２がコネクタハウジ
ング１０の桟１４′に係止され、その結果電線２
２が外力により引張られても、この引張り力が電
線２２と接触子１１との接続部に作用されること
がなく、接続信頼性と耐久性が向上される効果が
ある。

〔考案の概要〕

以上のように本考案は、電気接触子１１を受け
入れ、かつ保持するようになつている電気絶縁材
料からなるハウジング１０を有し、前記電気接触
子１１が前記ハウジング１０の肩部２４によつて
一方の軸線方向への連動を阻止されるとともに、
前記ハウジング１０に丁番接続されたフラツプ１
７によつて他方の軸線方向への運動を阻止するよ
うになつており、前記フラツプ１７は前記電気接
触子１１が前記ハウジング１０に対して挿入され
又は引抜かれうる開位置と該フラツプ１７の一部
が前記電気接触子１１に係合して該電気接触子１
１を関連肩部２４に向つて押圧する閉位置との間
で薄肉バンド１６を介して運動可能である電気コ
ネクタであつて、前記フラツプ１７の内側に突起
２１を設け、前記ハウジング１０の前記電気接触
子１１の挿入端部にその挿入端縁に連なる開口部
２３を設け、さらにこの開口部２３より前記フラ
ツプ１７側に位置する桟１４′を前記挿入端縁に
設け、前記フラツプ１７を前記閉位置に位置させ
たとき、前記突起２１が前記電気接触子１１に接
続する電線２２を前記桟１４′より内側で折り曲
げてその折り曲げ部を前記開口部２３内に貫入さ
せるようにしたことを特徴とする電気コネクタで
ある。

〔考案の効果〕

従つてこの電気コネクタによれば、コネクタハ
ウジングから引き出される電線２２がそのハウジ
ング１０の開口部２３内に突起２１によつてくわ
えられた状態で係止されることから、この電線２
２に外力により引張り力が作用されても、電線２
２と接触子１１との接続部に外力が作用されるこ
とがなく、従つて電線の接続信頼性の高い電気コ
ネクタが提供できる他、ハウジング１０の電気接
触子１１の挿入端部にその挿入端縁に連なる開口
部２３を設けるとともに、この開口部２３よりフ
ラツプ１７側に桟１４′を設けたので、ハウジン
グ１０の成形、とりわけ開口部２３の成形をスラ
イドコアを使用せず、単に雄型と雌型とで成形で
き、ひいては、経済的な電気コネクタを提供でき
るという優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案よりなる電気コネクタの実施例
を示した断面図、第２図はその電気コネクタの展
開状態を示した斜視図、第３図はその要部拡大斜
視図、第４図は従来の電気コネクタを示した断面
図である。 １０……ハウジング、１１……電気接触子、１
２……端子挿入孔、１３……隔壁、１４，１４′
……桟、１６……薄肉バンド、１７……フラツ
プ、１８……係止爪片、２０……係合肩部、２１
……突起、２２……電線、２３……開口部、２４
……肩部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電気接触子１１を受入れ、かつ保持するように
   なつている電気絶縁材料からなるハウジング１０
   を有し、前記電気接触子１１が前記ハウジング１
   ０の肩部２４によつて一方の軸線方向への連動を
   阻止されるとともに、前記ハウジング１０に丁番
   接続されたフラツプ１７によつて他方の軸線方向
   への運動を阻止するようになつており、前記フラ
   ツプ１７は前記電気接触子１１が前記ハウジング
   １０に対して挿入され又は引き抜かれうる開位置
   と該フラツプ１７の一部が前記電気接触子１１に
   係合して該電気接触子１１を関連肩部２４に向つ
   て押圧する位置との間で薄肉バンド１６を介して
   運動可能である電気コネクタであつて、前記フラ
   ツプ１７の内側に突起２１を設け、前記ハウジン
   グ１０の前記電気接触子１１の挿入端部にその挿
   入端縁に連なる開口部２３を設け、さらにこの開
   口部２３より前記フラツプ１７側に位置する桟１
   ４′を前記挿入端縁に設け、前記フラツプ１７を
   前記閉位置に位置させたとき、前記突起２１が前
   記電気接触子１１に接続する電線２２を前記桟１
   ４′より内側で折り曲げてその折り曲げ部を前記
   開口部２３内に貫入させるようにしたことを特徴
   とする電気コネクタ。