JPH0317380Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁気記録再生装置，テレビジヨン受像
機をはじめ、多くの電気製品に用いられる、ハー
トカム機構を備えたプツシユスイツチに関するも
のである。

まず従来のプツシユスイツトについて図面とと
もに説明する。

第１図は従来のプツシユスイツチの部分断面
図、第２図は同分解斜視図である。

図において、１は１列に並ぶ孔１ａに板状の固
定端子２を差し込んだ端子板、３は下面の凹部３
ａに固定端子２の１個または隣り合う２個を挾む
可動接片４を挿入し端子板１上を前後する操作
体、５は操作体３の上面に設けられ、棒状の金属
製ストツパー６の下方に折れ曲つた一端がはめ込
まれたハート形カム構である。７は１側面に設け
られた開口孔７ａの上部に、ストツパー６の上方
に折れ曲つた他端を挿入する透孔８を有する板状
の突出部７ｂを設け、開口部を下にして端子板１
とともに操作体３を覆うフレームである。９は操
作体３の側面に一体に成形され、中央部に溝９ａ
を設けフレーム７２開口孔７ａから外部に突出す
る操作棒、１０はフレーム７の先端の突出部７ｂ
と溝９ａに挿入された止め輪１１とによりいくら
か縮めた状態で設けられた復帰用スプリングであ
る。

上記の構成により、復帰用スプリングに逆つて
操作棒９を押し込むと、操作体３は端子板１上を
摺動し、可動接片４と固定端子１ａとの接触状態
を切換えてスイツチング動作を行うとともに、ス
トツパー６の一端が操作体３のハート形のカム構
５内を摺動することにより、操作軸９がロツクさ
れるように構成されている。

このようなプツシユスイツチの構成では、操作
棒９の前後する距離である操作ストロークと、ス
トツパー６がハート形のカム構５の内を摺動する
前後距離とが一致するため、操作ストロークを短
縮するにはハート形のカム構５を小さくする必要
がある。最近ソフトタツチのプツシユスイツチが
好まれて用いられるだけに操作ストロークの短縮
の必要性は次第に大きくなつてきている。ところ
が上記の構成のプツシユスイツチでは、カム構５
を極端に小さくすると、スイツチング動作が不確
実あるいは不能となつたり、製造上困難をきたす
などの不都合があり、操作ストロークの大幅な短
縮を行うことが困難であるという欠点があつた。

本考案は上記欠点に鑑み、操作棒の操作ストロ
ークの大幅な短縮化が行えるプツシユスイツチを
提供することを目的とするものである。

上記目的を達成するために、本考案は上面にハ
ート形のカム構を有する摺動体と、復帰用スプリ
ングを取付ける操作棒とを、操作棒の端部が摺動
体のカム構の下に位置するように設け、端子板の
上面および摺動体のカム構の下の下面に凹部を設
け、その凹部間の操作棒に孔部を設け、その凹部
および孔部に１個の駆動子を挿入し、操作棒の摺
動により駆動子が端子板の凹部との当接部を支点
として振り子動作を行うことによつて、操作棒の
わずかな摺動で摺動体の大きな摺動が得られる構
成としたものである。

以下本考案の一実施例のプツシユスイツチにつ
いて図面とともに説明する。

第３図は本考案の一実施例のプツシユスイツチ
の部分断面図、第４図は同分解斜視図である。

図において、端子板１２には板状の固定端子１
３が１列に固定されている。摺動体１４は、下面
に固定端子１３を挾む可動接片１５を挿入する凹
部１６を設けた摺動部１４ａと上面にハート形の
カム構１７を有し、摺動部１４ａの１側面上部か
ら突出した突出部１４ｂとからなる。また操作棒
１８は、摺動体１４の摺動部１４ｂの下に位置す
る連結部１８ａと、復帰用スプリング１９を取付
ける軸部１８ｂとからなる。箱状のフレーム２０
の１側面には、操作棒１８が挿入される開口孔２
０ａと、その開口孔２０ａ上部に透孔２１を有す
る突出部２０ｂとが設けてあり、フレーム２０は
端子板１２とともに摺動体１４と操作棒１８とを
覆う。また棒状の金属製ストツパー２２の下方に
折れ曲つた一端はハート形のカム構１７にはめ込
まれ、上方に折れ曲つた他端はフレーム２０の透
孔２１に挿入されている。操作棒１８の軸部１８
ｂには止め輪２３を固定する溝２４が設けてあ
り、復帰用スプリング１９は止め輪２３と、フレ
ーム２０の突出部２０ｂとよりいくらか縮められ
て取付けられる。

摺動体１４の突出部１４ｂの下面には凹部２５
が設けられ、凹部２５の真下の操作棒１８の連結
部１８ａには長方形の孔２６が設けてあり、孔２
６の真下の端子板１２の上面には凹部２７が設け
てある。２８は上下両端を丸く削つた駆動子であ
り、その下端は端子板１２の凹部２７に、中央部
は操作棒１８の孔２６に、上端は摺動体１４の凹
部２５に揺動可能に挿入されている。

上記の構成において、操作棒１８を、復帰用ス
プリング１９に逆つて押し込むと、連結部１８ａ
の孔２６に挿入された駆動子２８は、端子板１２
の凹部２７に挿入された下端を支点として、振り
子動作を行う。その結果駆動子２８の上端が凹部
２５に挿入された摺動体１４は、操作棒１８の操
作ストロークより大きなストロークより摺動す
る。

以上のように摺動体１４が、端子板１２の凹部
２７に挿入された下端を支点とした駆動子２８の
振り子動作によつて摺動を行うことにより、摺動
体１４のハート形カム構１７を小さくする必要が
なく、誤動作の心配がない状態で操作棒１８の操
作ストロークを短縮することができ、誤動作のな
いソフトタツチのプツシユスイツチを提供するこ
とができる。

なお、駆動子２８と操作棒１８の端部の孔２６
との当接部を変化させることによつて、摺動体１
４のハート形カム構１７は従来と同一のまま操作
ストロークを調整することが可能である。

また端子板１２の凹部２７と駆動子２８の下端
を第５図に示すようにＶ字形にしたり、第６図に
示すように駆動子２８の両側面下端に丸棒状の支
軸２８ａ，２８ｂを設け、端子板１２の凹部２７
の両端に支軸２８ａ，２８ｂを回動可能に受ける
支持溝２７ａ，２７ｂを設けたりすることによ
り、より確実な駆動子２８の振り子動作が可能と
なり、より確実な状態で操作棒１８の操作ストロ
ークを短縮することができる。

以上のように本考案は、下端を端子板上面の凹
部に挿入し、中央部を操作棒の孔に挿入し、上端
を摺動体の下面の凹部に挿入した駆動子を設ける
ことにより、ハート形カム構を小さくすることな
く、誤動作の心配がない状態で操作棒の操作スト
ロークの短縮化ができ、実用的価値の大なるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のプツシユスイツチの部分断面
図、第２図は同分解斜視図、第３図は本考案の一
実施例のプツシユスイツチの部分断面図、第４図
は同分解斜視図、第５図は本考案の他の実施例の
プツシユスイツチの要部の分解斜視図、第６図は
本考案の他の実施例のプツシユスイツチの要部の
分解斜視図である。 １２……端子板、１３……固定端子、１４……
摺動体、１５……可動接片、１６……凹部、１７
……カム構、１８……操作棒、１９……復帰用ス
プリング、２０……フレーム、２０ａ……開口
孔、２１……透孔、２２……ストツパー、２３…
…止め輪、２４……溝、２５，２７……凹部、２
６……孔、２８……駆動子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定端子が上面に固定され、同上面に凹部を有
   する端子板と、下面に前記固定端子に接触する可
   動接片を保持し上面にハート形のカム構を有し、
   前記端子板の凹部の上方に位置する突出部の下面
   に凹部を有する摺動体と、前記カム構に一端がは
   め込まれ、他端を前記端子板とともに前記摺動体
   を覆うフレームに設けられた透孔に挿入した棒状
   のストツパーと、前記端子板と前記摺動体の突出
   部との間に位置する一端部の、前記両凹部の間に
   孔を有し、他端に固定した止め輪を前記フレーム
   との間に復帰用スプリングを取付けた操作棒と、
   前記端子板と摺動体の両凹部に両端部を係止し、
   前記操作棒の孔に中央部を揺動可能に挿入した駆
   動子とからなり、前記操作棒を押し込むと前記駆
   動子を介して摺動体が摺動されるプツシユスイツ
   チ。