JPH0317217Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は流体流量、とりわけ瞬間湯沸器の通流
量を検出して電気信号を送ることにより、関連機
器の自動制御を行わせるための流量検出器に関す
るものである。

（従来の技術） 従来流体の流量を検出するのに、流体の流路内
に磁石を取り付けた回転羽根車を配し、この磁石
の回転数をホール素子等の磁気センサで検出する
ようにしたものがあり、かかる流量検出器の構成
の一例を第２図に基づいて説明する。

１は下部に流入口２、上部側方に流出口３を開
口した略円筒状の流量検出器本体で、本体１内に
形成した作動室４内には羽根車５を回転自在に支
承して収納してある。羽根車５には多数の羽根６
を流入口２の軸心に対し斜交させて設け、かつ回
転軸７を羽根車５より上下方向に突出せしめて羽
根車５に取付けてある。８は作動室４の下部に係
止リング２５で固定配設した樹脂製等の整流板
で、周囲に通水孔９を分割形成してあり、中央部
には上記回転軸７の尖状下端を支持する軸受１０
を設けてある。又回転軸７の上部は本体１内に装
着するケース１１を貫通して、上端を円頭状に尖
らせて、その周囲に永久磁石１２を取り付けてあ
る。１３はホール素子等の磁気センサであり、磁
石１２の回転による磁界の変化を受けて、回転数
に応じたパルスを発する。

かかる流量検出器本体１は瞬間湯沸器の熱交換
器への入水路中に介設されるが、その場合の取付
け構成は次のようである。即ち、１４は上端に流
量検出器本体１の流入口２内部に水密を保つて挿
入される挿入部１５と、途中に器具外装１６に固
定されるフランジ１７と、下端に給水管１８が螺
着される螺子部１９とを有した入水金具であり、
フランジ１７を外装１６にビス２０で固定するこ
とにより取付けられ、挿入部１５に本体１の下端
が嵌合されビス２１によつて該金具１４と本体１
との連結がなされる。また流出口３側は、熱交換
器から伸びている入水管２２が袋ナツト２３で連
結されることによつて固定される。なお２４は排
水栓である。

かかる構成において、通水流が生じると羽根車
５が水流によつて回転し、磁石１２が回転して磁
気センサ１３が回転数に応じたパルスを発する。

ところで上記構成では羽根車５の下方に整流板
８を設けてある。これは本体１に接続される給水
管が屈曲して配管される場合の不均一な流れを整
流する為であり、かかる整流効果により羽根車の
安定した回転が行なえ流量検出器の検出精度は一
段の向上するのであるが、この整流板８はその外
周面８ａに入水金具１４の挿入部内面１５ａが殆
ど密着して嵌合（ラツプ）しているため次のよう
な問題があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 即ち、第２図示の状態でいま凍結が始まると、
氷は器外に面している給水管１８から先ず生成さ
れ、次第に図中上方へと成長して整流板８付近に
達する。このとき水路内の圧力は氷結時の水の体
積膨張により極めて高くなり、遂にはビス２１を
せん断する力となり、本体１は上方に押し上げら
れようとするのであるが、このとき流出口３側は
入水管２２に固定されているためフリーな側が持
ち上がり易く、図の矢印ａのような方向にこぜる
ような形で押し上げられる。従つて入水金具１４
に密着嵌合している整流板８には矢印ｂ方向の回
転モーメントが働き、係止リング２５で取められ
ている付け根付近に割れ（クラツク）が生じ、保
守完了後再使用する際に、整流板８が正規の状態
に取付けられず、軸７に対して軸受１０が斜めに
なり、軸７の正常な回転が阻害されて正しい流出
検出が行えなくなる問題があつた。

（考案の目的） 本考案はかかる従来の問題を解消することを目
的としてなされたものである。

（実施例） 以下第１図にその要部を示す本考案の実施例に
ついて説明する。尚第２図従来例と同一構成のも
のはその説明を省略する。

整流板８は流量検出器本体１に対して第２図従
来例の場合と同様に取付けられているが、入水金
具１４とラツプする部分は入水金具１４の挿入部
内面１５ａとの間に間隙２６が設けられている。
即ち図例では入水金具１４の整流板８とのラツプ
部分の内径を拡げてこの間隙２６を確保するので
ある。

かかる構成によれば、使用停止時滞留水が凍結
して流量検出器本体１が矢印ａのように斜めにな
りながら押し出されたとしても、整流板８と入水
金具１４の挿入部内面１５ａとの間に間隙２６が
設けられているから、整流板８が挿入部内面１５
ａに当たつて応力を受けることがなくなり、該整
流板８を取り替えなくても正常な状態で再使用が
可能となるものである。

（考案の効果） このように本考案によれば、流量検出器本体の
固定の仕方によつて該本体が氷結時の体積膨張圧
力で回転方向の応力を受けても、その心臓部の一
つである軸受けを兼ねた整流板に応力が及ぶこと
がなくなるため、整流板の損傷を防ぐことがで
き、部品交換をすることなく再使用が可能となる
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す要部の縦断面
図、第２図は従来例を示す全体縦断面図である。 １……本体、２……流入口、３……流出口、５
……羽根車、７……回転軸、８……整流板、８ａ
……整流板外周面、９……通水孔、１０……軸
受、１４……入水金具、１５……挿入部、１５ａ
……挿入部内面、２６……間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下部に流入口、上部側方に流出口を開口した本
   体内に回転自在な羽根車を収納し、該羽根車下方
   に、周囲に通水孔を分割形成すると共に中央部に
   前記羽根車の回転軸の下端を支持する軸受を設け
   た整流板を配設し、該整流板の外周面に上端挿入
   部を嵌合して前記本体に連結される入水金具を有
   するものにおいて、前記整流板の外周面とこれに
   嵌合される前記入水金具の挿入部内面との間に間
   隙を設けたことを特徴とする流量検出器。