JPS6236094Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、電子回路部を密封した容器の取付け
手段を改良した電子式水道メータに関する。

〔考案の技術的背景〕 第１図は、従来の電子式水道メータの構成を示
す図である。同図において下ケース１は、水道管
（図示せず）と接続される流入口２と流出口３と
の間に上部を開口した円筒状の流水路部４が設け
られ、この流水路部４の内部には羽根車５が配置
されている。この羽根車５は流入口２から流入さ
れた水の容器に比例して回転する。この羽根車５
には同羽根車５を軸受６を介して回転自在に支承
する羽根車軸７が一体的に形成され、さらにこの
羽根車軸７の先端部には永久磁石８が固着され、
羽根車５と一体的に回転する構造となつている。
そして、円筒状をなす流水路部４内にあつて羽根
車５の上側には電子回路部９を気密度高く収納し
た容器１０が配置される。この電子回路部９は、
羽根車５の回転を、永久磁石８の回転によつて生
ずる磁界の変化から検出してパルス化し、更にこ
のパルスを演算して流量を表示する機能をもつて
いる。この電子回路部９の流量表示手段は、容器
１０上側外周のフランジ１１と、透明部材１２下
側外周のフランジ１３とを圧接又は溶接などの方
法で気密度高く接合し、同透明部材１２を介して
流量表示値を外側から見えるようにしている。そ
して、容器１０は、フランジ１１と流水路部４の
側板４ａ上端部との間にＯリング１４を介して上
ケース１５によつて下ケース１に螺着され、液密
性を保持している。図中、１６はろ過機能を持つ
たストレナー、１７は羽根車５が流量に比例して
回転するように機能させる抵抗板である。

〔背景技術の問題点〕

しかし、以上のような電子式水道メータは、容
器１０の外周にあるフランジ１１と流水路部４の
側板４ａ上端との間にＯリング１４を介在させて
液密性を保持する構造であるが、下ケース１と容
器１０とがともに鋳造によつて製作しているため
に両者とも肉厚にバラツキが大きい。このため、
鋳造によつて製作後、下ケース１の流水路部４側
板４ａおよび容器１０の側壁をそれぞれ切削加工
などにより二次的に精密加工する必要がある。し
かし、この二次的な精密加工は加工寸法が長いた
めにその加工作業が非常に困難であり、更に下ケ
ース１と容器１０との加工コストが価格に上積み
されてメータが高価となる欠点がある。

〔考案の目的〕

本考案は上記実情にかんがみてなされたもの
で、二次的な精密加工を廃止して量産性に適しか
つコスト的に安価な電子式水道メータを提供する
ものである。

〔考案の概要〕

本考案は、各フランジで気密形成され電子回路
部を収納した容器を下ケースの流水路部の側板上
端に封止部材を介して配置するとともにこの容器
を上ケースの流水路部側板外側に螺合させること
によつて流水路部に対して押圧して液密に取着す
る構成として上記目的を達成しようとする電子式
水道メータである。

〔考案の実施例〕

第２図は、本考案の一実施例を示す構成図であ
つて、第１図と同一部分には同一符号を付して詳
しい説明を省略する。第２図に示す電子式水道メ
ータは、下ケース２１の流水路部２２内に羽根車
５を配置すること、および羽根車５と一体的に構
成される永久磁石８の上側に電子回路部９を収納
してなる容器１０を液密に配置する点は第１図の
電子式水道メータとほぼ同じ構成である。

本実施例において特に第１図と比較して異なる
点について述べると、下ケース２１の流入口２３
と流出口２４との間に存ずる流水路部２２の側板
２２ａの高さを比較的低くするとともにその流水
路部２２の側板２２ａの肉厚を厚く形成して同流
水路部２２の側板２２ａ上面にＯリング１４を埋
設してなる構造としたこと。例えば流水路部２２
の側板２２ａの高さは一例として永久磁石８の下
部とほぼ同じ高さ位置とする。次に、電子回路部
９を収納してなる容器１０は流水路部２２の側板
２２ａ上面に直接すえ置く構成とする。このと
き、容器１０の底板端部が、Ｏリング１４上に位
置するように載置する。次に、上ケース３０は、
その側板側を容器１０の高さより高く形成し、か
つ容器１０を外側より押圧するようにして側板２
２ａ外側のねじ溝２５に螺着し、容器１０を液密
にした構造である。

従つて、以上のような電子式水道メータによれ
ば、流水路部２２の側板２２ａ上に流量表示機能
をもつた電子回路部９を収納した容器１０を載置
した後、上ケース３０を被せて側板２２ａ外側の
ねじ溝に螺着すれば、容器１０はＯリング１４を
介して液密に保持される。そして、この状態にお
いて流入口２３から流入した水が流水路部２２を
通つて流出口２４に流れると、この水の流量に比
例する回転数で羽根車５が回転し、同羽根車５と
一体的に構成される永久磁石８も回転し磁界の変
化を電子回路部９に与える。電子回路部９は、磁
界の変化を検出してパルス化し適宜演算して流量
値を求めて表示する。この流量値は透明部材１２
を介して外部より目視できるようになつている。

〔考案の効果〕

以上詳記したように本考案によれば、容器を下
ケースの流水路部の側板上端に載せる構造である
ので、流水路部の側板内側や容器外周の二次的な
精密加工が不必要となるばかりでなく、容器の外
径がそれほど高精度でなくてもよい。又、容器を
気密状態としさらにこの容器を上ケースで液密に
形成するという２重構造となつているので、たと
え上ケース側に直接水圧が加わつても水が容器内
に浸入することはない。以上のことから下ケース
および容器の精密加工が必要でなくなるため作業
性ひいては量産性に好適なもので、さらに防水性
に優れたものとなり、また製品を安価に実現でき
る電子式水道メータを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電子式水道メータの断面図、第
２図は本考案に係る電子式水道メータの一実施例
を示す断面図である。 ５……羽根車、８……永久磁石、９……電子回
路部、１０……容器、１１，１３……フランジ、
１２……透明部材、１４……Ｏリング、２１……
下ケース、２２……流水路部、２３……流入口、
２４……流出口、２５……ねじ溝、３０……上ケ
ース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体の流入口と流出口との間に上部を開口した
   流水路部を設けた下ケースと、この流水路部内に
   設けて前記液体の流量に比例した回転数で回転す
   る羽根車およびこの羽根車の上部に装着された前
   記羽根車と同回転を行う永久磁石と、この永久磁
   石の回転で生じる磁界の変化を検出してパルス化
   し、更に演算を行つて流量値を表示する電子回路
   部と、上端開口部にフランジを取着するとともに
   このフランジに圧接又は溶接等で接合され中央部
   に透明部材を有するフランジにより気密高く形成
   し前記電子回路部を収納する容器と、この容器底
   部と前記流水路部の側板上端との間に配置された
   封止部材と、前記透明部材を有するフランジの外
   径より小さく径を形成した上部開口部を有し前記
   容器の高さよりも高くかつ大径に形成され前記流
   水路部側板外側に形成されたねじ溝と螺着する上
   ケースとを具備し、この上ケースを前記流水路部
   側板外側のねじ溝に螺合することによつて前記容
   器を前記封止部材を挟着して前記流水路部に対し
   て押圧して前記容器を前記流水路部上に液密に取
   着することを特徴とする電子式水道メータ。