JPH0210410Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、液封直読湿式水道メータの改良に
関する。従来我が国で主流を占めてきた湿式水道
メータの指示表示機構は回転針によるアナログ表
示式であつたが、その後数字で示すデジタル表示
機構を有する液封直読湿式水道メータの開発をみ
るに至り、特に表示方式上の利点から近年急速に
その普及をみつつあることは周知のとおりであ
る。この種の水道メータにおいては流水と隔離さ
れた計量室内に数個の数字車を有するデジタル式
積算計を配置し、その室内に透明液体を封入して
いるが、従来のメータにおいてはこの室内に水が
浸入し、室内の圧力が高くなり駆動の歯車列に損
傷を与える等の障害を生ずる惧があつた。

この考案では上記の隔壁の一部に圧力調整弁を
設け、流水が計量室内に浸入してもその室内の圧
力が高くなることを防ぐようにしたものである。

図は本考案の一実施例を示すものである。

図について説明すれば、第１図は従来の液封直
読湿式水道メータの側断面図、第２図はそのデジ
タル積算計の部分を第１図のＲ方向からみた断面
図であつて、１は下ケースで、水は矢印Ｆの如く
図の左側から流入し、過器１０、流入部１１を
経て羽根車３を回転させ、流出部１２から、例え
ば水道の蛇口の方に流れてゆく。羽根車３は羽根
車軸３１に取りつけられていて、軸３１はピボツ
ト軸受２１を介して固定垂直軸２に回動自在に支
えられている。軸３１の上端には歯３２が切つて
あつて、支持機構室４内の歯車列４１を駆動す
る。４２はパイロツト等の針である。４３は受
板、４４は下台板を夫々示している。５は透明板
からなる隔壁であつて、右方にデジタル計量室８
を形成する。メータ内の水は上昇して、隔壁５の
下方に空間５１まで達している。６は計器の上方
のガラス板であつて、５２，５３は液封のための
Ｏリングである。デジタル計量室８内にはデジタ
ル式積算計８２を駆動する歯車８１があり、歯車
列４１から駆動される駆動歯車８５に取り付けら
れた駆動軸８７によつて、駆動される。この歯車
８１はデジタル積算計８２を構成する数字歯車８
６，…を駆動する。このデジタル計量室８内の空
間５４，８４には透明液体が封入されている。こ
の液体が隔壁内から漏れ出ないように駆動軸８７
が隔壁を貫通する箇所に軸封装置８３が設けられ
ている。これには一般に軸封能力の確実性、構造
上の簡易性等からＯリングによる軸封方式が用い
られている。又封入液体には透明性、無毒性、不
凍性、化学的安定性、非腐食性、水との高い相溶
性等からプロピレングリコールを溶質とした水溶
液が用いられることが多い。

尚７は上ケース、７１は蓋、７２は蓋を取りつ
ける蝶番いピンであつて、計器をみる必要のある
とき、蓋をあければよい。

このような構造において、水道メータの計量特
性を阻害しないように駆動軸８７の回転トルクを
できるだけ減少させる必要があり、このため計量
室８内外の圧力差からＯリングが変形して生ずる
回転トルク増大を防止するための内外圧力均衡作
用も含めて軸封装置８３の軸封能力は本来できる
だけ低い方が望ましいが、水道メータ使用前にお
ける軸封装置８３を通じての空間８４内の液体の
浸出、その水分の蒸発、あるいは水道メータ使用
中の空気の圧入等から計量室８内に気泡を生じ、
指示数字の判読が困難となることがあるため、実
際上軸封能力を低めるには限度がある。

ところで、この種の水道メータを長期間継続使
用すると軸封装置８３と駆動軸８７との軸受間隙
が非常に少ないため一種の半透膜による滲透圧現
象に近いものとなり、流水が液体の濃度をうすめ
ようとして軸受間隙を通じて計量室８内に次第に
浸入し、その結果計量室８の内圧がその外圧より
も増大して軸封装置８３のＯリングに大きな変形
を生ぜしめ、このため駆動軸８７の回転トルク増
大をきたしこれを連動している歯車列に損傷を与
える等の障害を生ずる場合がある。

この考案は従来の水道メータの欠点を除去しよ
うとするもので、第３図はこの考案の液封直読湿
式水道メータを示し、その構成は第１図に示すも
のと殆ど変らず、同じ符号は同じ部分を表わして
いる。図において隔壁５の下方の空間５１まで水
がきており、その上方のガラス板６の間には前述
の如く液体が封入されている。そして隔壁５に水
部分と液体部分との圧力を均衡させる逆止弁式の
圧力調整弁９を設けてある。（図では水部分の空
間５１と液体部分５４との間に設けられている。） 第４図は逆止弁式の圧力調整弁９の拡大断面
図、第５図は分解して示した図、第６図は弁支持
体を、第５図の矢印Ｓで示す如く下方からみた図
である。

第４図において、隔壁５の上方は液体を封入し
た空間５４で、下方は水部分の空間５１となつて
いる。隔壁５の上方に空間５４に連なる孔５５を
うがち、弁体９１をバネ９２で押しつける。バネ
９２は弁支持体９３に支持されている。弁支持体
内の大径孔９４には弁体９１、バネ９２が収めら
れており、外側には外側ネジ９７が切られて隔壁
５にねじこまれている。孔９４の下方に空間５１
と連通する孔９５をうがち、弁支持体の底面には
ねじこむ際にドライバー先端を嵌めるドライバー
溝９６があけられている。

したがつて空間５４の液体の方が高くなれば、
バネ９２に抗して弁体９１が下がり孔５５を通し
て液が漏れる。空間５１の水の方の圧力が高くな
つても、弁体９１は上方に押しつけられ、水が液
の方に入りこむことはない。

この考案ではこのように弁９を設けたことによ
り、水が軸封装置８３から計量室８内の空間８４
ならびに５４中に浸入して圧力が高まつても、弁
９によつてその均衡が保たれ、計量室８内の圧力
が高まることはなく、歯車列等の機導に損傷を与
えることはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の液封直読湿式水道メータの断面
図、第２図はデジタル積算計部分の断面図、第３
図はこの考案の水道メータの断面図、第４図は弁
部分の断面図、第５図はその分解図、第６図は弁
支持体を下方からみた図を夫々示す。 符号の説明、１……下ケース、４４……下台
板、２……固定垂直軸、５……隔壁、２１……ピ
ボツト軸受、５１……空間、３……羽根車、５
２，５３……Ｏリング、３１……羽根車軸、５４
……空間、３２……軸先端歯、６……ガラス板、
４……指示機構室、７……上ケース、４１……歯
車列、７１……蓋、４２……針、７２……蝶番い
ピン、４３……受板、８……デジタル計量室、８
１……歯車、９……圧力調整弁、８２……デジタ
ル積算計、９１……弁体、８３……軸封装置、９
２……バネ、８４……空間、９３……弁支持体、
８５……駆動歯車、９４，９５……孔、８６……
数字車、９６……ドライバー溝、８７……駆動
軸、９７……外側ネジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液封直読湿式水道メータにおいて、流水と隔離
   されたデジタル計量室内にデジタル式積算計を配
   置し、該室内の空間に液体を封入するとともに、
   計量室の隔壁から突出したデジタル式積算計を作
   動させる駆動軸を水密に保持する軸封装置を設
   け、更にデジタル計量室の隔壁の一部にデジタル
   計量室内外の圧力差を一定圧内に制限するための
   逆止弁式の圧力調整弁を装着したことを特徴とす
   る液封直読湿式水道メータ。