JPS6342334Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、使用時計量液が充満して通過すべ
き器体中に計量液の流量に比例して回転すべき中
心軸をその一端近辺で回転自在にかつ中心軸に直
角方向の変位を制扼して支持する横軸受と、この
横軸受の近辺において中心軸に固定されて回転す
る永久磁石と、永久磁石の直上のきわめて接近し
た位置にあつてその回転に伴う磁場の変化に応じ
て磁気感応作用をする磁気感応器と、磁気感応器
の磁気感応作用の回数を積算する電子計数器とを
もつ電子積算式液量メータに関する。

従来は、前記永久磁石として軽量でしかも強力
なものが存在しなかつた。そのため、永久磁石を
前記中心軸の一端に直接に固定する構造のもので
は、磁気感応器の駆動に十分な程度に強力な永久
磁石を使用するときは、横軸受と磁気感応器との
間に永久磁石が占めさせる大きな空間が必要であ
り、永久磁石の重量、大きさともに過大となつ
て、慣性のために流量の急変に追従できないうえ
永久磁石の重さ及びその偏心に伴う遠心力に起因
して推力受や横軸受に生ずる機械的摩擦の増大の
ため性能と寿命とを不満足とし、ダイナツクバラ
ンス、即ちみそすり運動をすることなしに安定に
回転する状態をとり難い。中心軸にかかる摩擦ト
ルクを小さくするためには横軸受に支持される部
分の直径を極力小さくし、従つて従来の永久磁石
より小径とせざるを得ないところ、永久磁石を中
心軸の先端に固着する構造のものでは中心軸を横
軸受に組み付け後に永久磁石を固着する必要があ
るため組立作業が甚だ面倒であり、又、永久磁石
が計量液に直接に接触するためにさびを発生し易
い欠点がある。

ところで最近、例えば希土類元素を使用した永
久磁石のように、小形、軽量、しかも強力な永久
磁石が実用可能となつた。

これにかんがみ、この考案は、この種の強力な
永久磁石を利用して前記欠点を解消してしかも構
造簡単かつ性能優秀な電子積算式液量メータを実
現することを目的とするものである。

第１図はこの考案を複箱水道メータに適用した
実施例の断面を示す。計量水は器体１の入口１ａ
と、ストレーナ２とを経由し、流入ノズル３ａか
らほゞ接線方向に内箱３内に流入し、内箱３内を
渦を画いて流れ、流出ノズル３ｂからほゞ接線方
向に流出して出口１ｂに至る。内箱３の底部中心
に上下調整可能に下部軸受４をねじ込み、ロツク
ナツト５で固定し、下部軸受４は内箱３内に突出
した部分の外周に円筒面４ａをもち、上端にピボ
ツト６を固着してある。羽根車７はプラスチツク
製でボス７ａから放射状に数枚の羽根７ｂが突出
し、ボス７ａの下半部の内面にブツシユ８を固着
し、その内面を下部軸受４の円筒面４ａに回転自
在に嵌合し、ボス７ａの上半部の内面に耐摩擦性
プラスチツク製の中心軸９を固着し、中心軸９の
下端に推力受１０を固着し、これをピボツト６の
先端に当て、別に中心軸９を上端近辺で回転自在
にかつ中心軸に直角方向の変位を制扼して支持す
る横軸受１１を設けてある。このようにして、羽
根車７及び中心軸９は流入ノズル３ａからの水流
を受けて回転自在に、下部軸受４、ピボツト６及
び後で述べる横軸受１１からなる軸受装置に支承
される。他方、内箱３の内側底面に放射状に数個
の抵抗板３ｃを設け、かつ羽根７ｂの上方に２個
の調整器１２を羽根車７の中心線を通る放射方向
の面に対する投影面積を調節可能に設けて、流量
に対する羽根車７の回転速度の比を調整可能とし
てある。

以上の点は従来の羽根車形水道メータと同様で
あるが、前記の目的に沿う電子積算式液量メータ
とするために、次のように構成してある。

まず、非磁性材料製である中心軸９の上端近辺
で横軸受１１の軸受穴より小径の部分に埋設穴を
設け、その内部に、希土類元素を使用した小形か
つ強力な永久磁石１３を、中心軸９の中心線に直
交する方向に着磁して、外部と隔絶して埋め込ん
である。この埋め込み構造としてこの実施例で
は、第２図に拡大図を示すように中心軸９の端部
の穴にはめ込んでそのうえに蓋１４をはめて接着
して水密を保たしめてある。

次に器体１の上部開口１ｃを全面的に塞いで、
これに嵌合する円筒部１５ａとその下端に連なり
内箱３の上端開口にはまつた内箱蓋として下方に
これを抑える平板部１５ｂとからなり計量水の水
圧に耐える非磁性材料製の隔板１５を設け、ピン
１６で器体１に対する向きを定め、隔板１５の上
端面は器体１の上端面と同一平面とし両上端面に
共用のガスケツト１７を当てたうえ、抑えねじ１
８を器体１にねじこんで計量水の漏洩を防ぐよう
にしてある。なお前記調整器１２は平板部１５ｂ
の下面にねじ１９を使用して取りつけてある。

隔板１５の平板部１５ｂの下面に中心軸９の上
端近辺の部分より十分に大径で上面との間に薄肉
部分２０を残して上向きの不貫通穴２１を設け、
その上端に非磁性材料製の上向推力受２２を嵌
め、その下面外周近辺に当てて中心軸９の上端近
辺の部分より大きい内径をもつ抑えプツシユ２３
を圧入して上向推力受２２を固定し、更に抑えプ
ツシユ２３の下端に当てて前記横軸受１１を圧入
し、その内周によつて中心軸９の上端近辺を回転
自在かつ横変位を制扼して支持してある。

隔板１５を器体１に耐圧的に固着した状態で隔
板１５に着脱自在に、円筒部１５ａの内面に嵌合
して平板部１５ｂに接して、積算装置２４を設け
てある。積算装置２４は、非磁性の密閉容器２５
の内部に、永久磁石１３の回転に伴う磁場の変化
に応じて磁気感応作用をするように密閉容器２５
の下面を介して永久磁石１３に真上で接近した位
置に、例えば磁気を受けて閉路または開路するリ
ードスイツチや磁気を受けて抵抗値が変る素子な
どのような磁場の変化に感応する磁気感応器２６
を設けるとともに、磁気感応器２６の磁気感応作
用の回数を積算する電子計数器２７（図示しな
い）を設け、更に、外部から電力を受け外部に積
算値情報を伝えるための電線２８を設けたもの
で、密閉容器２５の上部外周に張り出した鍔２５
ａをパツキン２９を介して抑え環３０で抑え、こ
れをボルト３１で抑えねじ１８に固定してある。

このように、中心軸９を非磁性材料製として、
横軸受１１で支持する側の先端にきわめて近く、
かつ横軸受穴より小径の部分の内部に永久磁石１
３を中心軸９の中心線に直交する方向に着磁して
外部と隔絶して埋め込んだから、積算装置２４の
磁気感応器２６は永久磁石１３の回転に伴う磁場
の変化に応じて磁気感応作用をする。この考案に
よると、永久磁石１３のための余分の空間は不要
であり、組立過程に中心軸９の組付後に永久磁石
１３を取り付ける面倒さはなく修理作業での分解
組立が簡単であり、中心軸９に伴う可動部分の全
重量及び慣性モーメントが小さいためにダイナミ
ツクバランスをとり易く機械的摩擦が小さく寿命
を高め流量の急変にも追従可能であり、しかもメ
ータの感度が良くなる。又、中心軸９に伴うもの
のほかには可動部分がなくて構造がきわめて簡単
であり、又、永久磁石１３は直接には計量液に接
しないからさびを発生するおそれはなく、これに
より、従来のものの先記の欠点は凡て解消した。
以上に述べた実施例では、隔板１５は計量水の水
圧に耐えるために例えば青銅などの高価な金属を
使用する必要があるが、第４図に示す実施例で
は、密閉容器２５自体に耐圧性をもたせ、その鍔
２５ａをガスケツト１７を挾んで器体１の上縁に
抑えねじ１８でしめつけ、他方において、隔板１
５に替えて、内箱３の上部開口に嵌合して塞ぐプ
ラスチツク製の内箱蓋１５′を設け、密閉容器２
５の下面で抑えて固定し、内箱蓋１５′に、横軸
受１１及び調整器１２をとりつけてある。そして
内箱蓋１５′の中央部上面と密閉容器２５との間
に非磁性材料製の上向推力受２２を挾み、密閉容
器２５の内部において上向推力受２２に近接した
個所に磁気感応器としてのリードスイツチ２６を
設けてある。

この実施例によると、第１〜３図の実施例と同
様に永久磁石１３の磁力が上向推力受２２及び密
閉容器２５の壁を通して磁気感応器２６に及び満
足に作動するほか、隔板１５と内箱蓋１５′との
材質形状の差により、より安価に生産できる利点
がある。

この考案は水道メータに限ることなく、一般の
液量メータに適用することができ、同様の効果を
期待することができる。とくに水道メータの場合
には、器体１、内箱３などの主要な部分に設計変
更を加えることなく、又、組立作業の容易さを維
持したまま、電子積算式のものを実現することが
できるから、一般水道供給事業に大きな負担をか
けることなく実施することができ、実用上の効果
は絶大である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１実施例の断面図、第２図
はその部の拡大図、第３図は別の実施例の断面
図である。 １……器体、９……中心軸、１１……横軸受、
１３……永久磁石、１４……蓋、２６……磁気感
応器、２７……電子計数器（図示しない）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 使用時計量液が充満して通過すべき器体１中に
   計量液の流量に比例して回転すべき中心軸９をそ
   の一端近辺で回転自在にかつ中心軸９に直角方向
   の変位を制扼して支持する横軸受１１と、この横
   軸受１１の近辺にあつて、中心軸９に固定されて
   回転する永久磁石１３と永久磁石１３の真上の接
   近した位置にあつてその回転に伴う磁場の変化に
   応じて磁気感応作用をする磁気感応器２６と、磁
   気感応器２６の磁気感応作用の回数を積算する電
   子計数器２７とをもつ電子積算式液量メータにお
   いて、前記中心軸９を非磁性材料製とし、該中心
   軸９の一端近辺で横軸受１１の軸受穴より小径の
   部分に埋設穴を設け、該埋設穴内に前記永久磁石
   １３を挿入し、挿入開口端に着蓋して永久磁石１
   ３を外部と隔絶し、このようにして永久磁石を埋
   設した中心軸９の一端の径を横軸受１１の軸受穴
   より小さく定め、前記永久磁石１３を中心軸９の
   中心線に直交する方向に着磁したことを特徴とす
   る電子積算式液量メータ。