JP2806297B2 - 湿式ガスメータの軸回転伝達装置 - Google Patents

湿式ガスメータの軸回転伝達装置

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JP2806297B2
JP2806297B2 JP8658595A JP8658595A JP2806297B2 JP 2806297 B2 JP2806297 B2 JP 2806297B2 JP 8658595 A JP8658595 A JP 8658595A JP 8658595 A JP8658595 A JP 8658595A JP 2806297 B2 JP2806297 B2 JP 2806297B2
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駿 小林
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関西ガスメータ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、計量ケーシング内に
おけるドラム軸の回転をカウンターボックス内の出力軸
へ伝達するための湿式ガスメータの軸回転伝達装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来において一般的な湿式ガスメ
ータを示す側断面図である。同図に示すように、この湿
式ガスメータは、計量ケーシング(1)と、ケーシング
(1)の前面側に設けられるカウンターボックス(2)
とを備えている。
【0003】計量ケーシング(1)内は、仕切板(1
c)により前室および後室に分離され、その後室内に
は、内部を周方向に並ぶ複数の計量室(4)に分離され
た円筒形ドラム(5)が収容されている。このドラム
(5)のドラム軸(6)は、その後端が計量ケーシング
(1)の後壁(1b)に後側軸受装置(7)を介して回
転自在に支持されるとともに、前部が前壁(1a)を貫
通した状態で、前壁(1a)に前側軸受装置(8)を介
して回転自在に支持される。さらに前壁(1a)を貫通
してカウンターボックス(2)内に配置されるドラム軸
(6)の前端は、カウンターボックス(2)内に収容さ
れたカウンター機器(2a)に連結される。
【0004】この湿式ガスメータにおいては、計量ケー
シング(1)内に、ドラム軸(6)よりも高い所定位置
まで封液(L)が封入された状態で、ガスの計測が行わ
れる。すなわち、その状態でガス導入口(9a)を介し
て計量ケーシング(1)の前室内に検体ガスが導入され
ると、検体ガスはガス導通パイプ(10)を通ってドラ
ム(5)内に送り込まれる。さらに検体ガスは、ドラム
(5)の回転を伴って各計量室(4)に順次導入される
とともに、ドラム後端側からケーシング(1)の後室に
放出されてガス排出口(9b)を通ってケーシング
(1)外に排出される。そしてこの計測中に、ドラム
(5)の回転状況がドラム軸(6)を介してカウンター
ボックス(2)内のカウンター機器(2a)内に伝達さ
れ、そこで検体ガスの積算流量値が測定されてカウンタ
ーボックス(2)の前面に表示される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
湿式ガスメータの前側軸受装置(8)は、前壁(1a)
に固定された軸受ホルダー(8a)と、そのホルダー
(8a)にドラム軸(6)を回転自在に支持するための
ベアリング(8b)と、ドラム軸(6)とホルダー(8
a)との間をシールするためのオイルシール(8c)と
を備えている。
【0006】しかしながら、オイルシール(8c)は、
通常ニトリルゴム等から形成されており、封液(L)に
より膨潤して液漏れが発生するという問題を有してい
る。さらに長期の使用によりオイルシール(8c)が摩
耗すると、液漏れが発生したり、ドラム軸(6)の回転
抵抗が低下して器差変化を起こし、ガスの測定精度を低
下させるという問題もあった。
【0007】また封液(L)による膨潤を防止するた
め、オイルシール(8c)の材質をテフロン系のものと
すると硬質であるため、ドラム軸回転時の負荷抵抗が増
大し、高性能の湿式ガスメータを作製できないという別
の問題が発生する。
【0008】一方近年になって、湿式ガスメータにおけ
るドラム軸の回転をカウンターボックス側に伝達するた
めの軸回転伝達装置として、マグネットカップリングを
利用したものが開発されている。
【0009】その種の軸回転伝達装置(11)は、図4
に示すように計量ケーシング(1)の前壁(1a)に形
成された取付孔(1d)に、取付用リング(11a)を
介して取り付けられる軸受ブラケット(12)と、ドラ
ム軸(5)側に固定されるマグネットホルダー(17)
とを有している。
【0010】軸受ブラケット(12)は、有底筒状のブ
ラケット本体(12a)と、その開口側端部外周に突設
されたフランジ(12b)とを有するものであって、ブ
ラケット本体(12a)がカウンターボックス(2)側
から取付用リング(11a)内に挿入されて、フランジ
(12b)がパッキン(13)を介して上記取付用リン
グ(11a)にねじ止めにより固定される。
【0011】また軸受ブラケット(12)には、出力軸
(14)がその後端がブラケット(12)内に配置され
るとともに、前端がブラケット(12)外部に配置され
るようにして、ベアリング(15)を介して回転自在に
支持される。さらに軸受けブラケット(12)内におい
て出力軸(14)の後端外周には、内マグネットシリン
ダー(16a)が固定されるとともに、軸受ブラケット
(12)の外部において出力軸(14)の前端がカウン
ター機器(2a)に連結されている。
【0012】マグネットホルダー(17)は、有底筒状
のものであって、その内部に前記軸受ブラケット本体
(12a)を収容した状態で、底壁にドラム軸(6)の
一端が貫通状態に固定され、そのドラム軸(6)の一端
が前記軸受ブラケット(12)の底壁にベアリング(1
8)を介して回転自在に支持される。さらにマグネット
ホルダー(17)の内周面には、前記内マグネットシリ
ンダー(16a)の外側に対応して、外マグネットシリ
ンダー(16b)が固定されている。
【0013】この構成の軸回転伝達装置(11)におい
ては、磁気吸着により内マグネットシリンダー(16
a)が外マグネットシリンダー(16b)に追従して回
転することを利用し、ドラム軸(6)の回転を出力軸
(14)に伝達させるようにしている。
【0014】しかしながら、この軸回転伝達装置(1
1)は、カウンターボックス(2)側の内マグネットシ
リンダー(16a)を計量ケーシング(1)側の外マグ
ネットシリンダー(16b)内に配置するものであるた
め、内マグネットシリンダー(16b)を計量ケーシン
グ(1)側に突出させるよう配置する必要があり、さら
にこの突出部(軸受ブラケット12)に、ドラム軸
(5)や出力軸(14)を軸支する必要がある等、構造
が複雑になり、製造コストの増大を招くという問題があ
った。
【0015】またこの装置(11)は、マグネットシリ
ンダー(16a)(16b)の軸線方向の重なり量を多
くして、両者間の伝達力を十分に確保する必要があるた
め、軸線方向のサイズが大きくなり、計量ケーシング
(1)、ひいてはガスメータの大型化を来すという問題
が発生する。しかも、外マグネットシリンダー(16
b)の内部に配置される内マグネットシリンダー(16
a)は、回転半径が小さくなってしまい、十分な回転ト
ルクが得られず、軸回転の伝達をスムーズに行えないこ
ともあった。
【0016】また従来の軸回転装置(11)では、マグ
ネットシリンダー(16a)(16b)として異方性磁
石を用いようとすると、高価なラジアル方向異方性のシ
リンダー型磁石を使用する必要があるが、コスト面を考
えると、異方性磁石を使用できず、等方性磁石を使用す
るのが一般的である。このため両シリンダー(16a)
(16b)間の伝達力が小さくなり、十分な伝達力を確
保するのに両者間の寸法を小さくする必要がある。加え
て上記したように装置の大型化を阻止するために、両シ
リンダー(16a)(16b)の軸線方向の重なり量を
多くできないので、この点からも、両シリンダー(16
a)(16b)間の寸法を小さくして十分な伝達力を確
保する必要がある。その結果当然のことながら、外マグ
ネットシリンダー(16b)と軸受ブラケット(12)
との隙間も小さくなり、その隙間に封液中に含有する不
純物や塵埃等が詰まって、シリンダー(16b)の回転
がスムーズに行われなくなり、軸回転の伝達を正確に行
えないという問題もあった。
【0017】また検体ガスとして腐食性の高いガスを使
用するような場合には特に、外マグネットシリンダー
(16b)が腐食し易く、長期に亘って安定した軸回転
の伝達を図れないという問題も発生する。
【0018】一方、湿式ガスメータは、ケーシング
(1)が板金製のものが主流であるため、上記のように
両マグネットシリンダー(16a)(16b)が軸線方
向に重なり合っていると、両シリンダー(16a)(1
6b)を一枚の板で仕切ることは実際には不可能であ
る。このため上記の構成のように、ケーシング前壁(1
a)に取付孔(1d)等の貫通孔を形成し、その孔に取
り付けたブラケット(12)により2つのシリンダー
(16a)(16b)を分離する必要がある。ところが
ケーシング前壁(1a)に一旦貫通孔(1d)を形成し
てしまうと、後にブラケット(12)等で閉塞しようと
も、万全なシール性を確保するのが困難であるという問
題も有している。
【0019】この発明は、上記従来技術の問題を解消
し、液漏れや器差変化等、オイルシールの摩耗や膨潤に
よる不具合を防止できるとともに、回転負荷抵抗の増大
等、オイルシールとの摩擦による不具合を防止できるマ
グネットカップリング方式を利用した湿式ガスメータの
軸回転伝達装置であって、簡素な構造でコストの削減お
よび装置の小型化を図り得るとともに、軸回転の伝達を
正確かつスムーズに行え、しかも計量ケーシングとカウ
ンターボックス間に万全なシール性を確保できるものを
提供すること、さらには封液中の塵埃によるマグネット
への悪影響やマグネットの腐食等による不具合も有効に
防止できるものを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、計量ケーシング内に収容される計量ド
ラムのドラム軸両端が前記計量ケーシングの前後壁内側
に回転自在に支持されるとともに、前記計量ケーシング
の前壁前面側に設けられたカウンターボックス内に、前
記ドラム軸と同軸線上に出力軸が回転自在に設けられた
湿式ガスメータにおいて前記ドラム軸の回転を前記出力
軸へ伝達するための湿式ガスメータの軸回転伝達装置で
あって、前記ドラム軸のケーシング前壁近傍に、軸方向
異方性の主動マグネットディスクが前記ドラム軸と軸線
を一致させた状態で固定され、前記出力軸のケーシング
前壁近傍に、前記主動マグネットディスクとケーシング
前壁を挟んで対向する態様に、磁気吸着により前記主動
マグネットディスクに追従して回転する軸方向異方性の
従動マグネットディスクが前記出力軸と軸線を一致させ
た状態で固定されてなるものを要旨とする。
【0021】本発明においては、前記主動マグネットデ
ィスクが、マグネットホルダーを介して前記ドラム軸に
固定されており、そのマグネットホルダーに、前記主動
マグネットディスクの露出領域を被覆するためのマグネ
ットカバーが取り付けられてなる構成を採用するのが好
ましい。
【0022】
【作用】この発明における湿式ガスメータの軸回転伝達
装置は、計量ケーシング内のドラム軸端部に主動マグネ
ットディスクを固定し、カウンターボックス内の出力軸
端部に、主動マグネットディスクに対向させて従動マグ
ネットディスクを固定して、両ディスクの磁気吸着によ
り非接触で、ドラム軸の回転を出力軸に伝達するもので
あるため、例えばケーシング前壁にドラム軸が貫通され
る軸貫通タイプのものと比較した場合、液漏れや器差変
化等、オイルシールの摩耗や膨潤による不具合を確実に
防止できるとともに、回転負荷抵抗の増大等、オイルシ
ールとの摩擦による不具合を確実に防止できる。
【0023】また本発明は、両ディスクをケーシング前
壁を挟んで対向配置するという簡素な構造であり、さら
に薄いマグネットディスクをケーシング前壁に沿って配
置するものであるため、ドラム軸線方向のサイズを小さ
くできる。また従動マグネットディスクは、主動マグネ
ットディスクと同様、回転半径が大きいので、十分な回
転トルクが得られ、軸回転の伝達をスムーズに行える。
しかもマグネットディスクとして、異方性のものを使用
しているため、軸線方向サイズの増大等の弊害を生じさ
せずに、両ディスク間に十分な伝達力を得ることがで
き、両者間の隙間、換言すれば主動マグネットディスク
と前壁との隙間を多少余裕をもって形成でき、その隙間
に封液中の不純物等が詰まるのを防止できる。
【0024】さらに本発明の構成は、ケーシング前壁に
貫通孔等を一切形成せずに実現することができ、その場
合、一枚板のケーシング前壁により計量ケーシングとカ
ウンターボックスとを分離することが可能となる。
【0025】本発明において、マグネットホルダーに、
主動マグネットディスクの露出領域を被覆するためのマ
グネットカバーを取り付けた構成を採用すれば、主動マ
グネットディスクを周囲の雰囲気から遮断でき、特に腐
食性の高い検体ガスを計測する場合に、マグネットディ
スクの腐食を防止できるとともに、封液中の塵埃等によ
るマグネットへの悪影響も防止することができる。
【0026】
【実施例】図1はこの発明の一実施例が適用された湿式
ガスメータの軸回転伝達装置周辺を示す側断面図、図2
はその軸回転伝達装置を分解して示す側断面図である。
【0027】両図に示すように、この湿式ガスメータ
は、軸回転伝達装置(30)を除いて、上記従来例と同
様に構成されるものであって、円筒形計量ドラム(5)
が所定位置まで封液(L)に浸漬された状態で収容され
る計量ケーシング(1)と、その計量ケーシング(1)
の前壁(1a)前面に設けられたカウンターボックス
(2)とを備えている。さらに計量ケーシング(1)の
前壁(1a)には、ドラム軸(6)の配置位置に対応し
て、取付孔(1d)が形成されており、この取付孔(1
d)の周縁部に沿って、取付用リング(21)が溶接に
より固定されている。
【0028】本実施例のポイントとなる軸回転伝達装置
(30)は、計量ケーシング(1)側に配置される主動
マグネットホルダー(40)と、カウンターボックス
(2)側に配置される従動マグネットホルダー(50)
と、両マグネットホルダー(40)(50)間に配置さ
れる軸受ブラケット(60)とを有している。
【0029】まず軸受ブラケット(60)は、概略円板
形のものであって、外周縁部に沿ってフランジ(61)
が設けられるとともに、中心位置に軸線に沿ってそれぞ
れ両側に突出する軸支用ピン(62)(63)が設けら
れている。
【0030】そして、この軸受ブラケット(60)がケ
ーシング前壁(1a)の取付孔(1d)をカウンターボ
ックス(2)側から塞ぐようにして、フランジ(61)
が取付用リング(21)にパッキン(22)を介して重
ね合わされ、その状態で、フランジ(61)がねじ(6
2)により取付用リング(21)に固定される。
【0031】主動マグネットホルダー(40)は、前面
側中央に軸支用凹部(41)が形成されるとともに、前
面側の外周縁部に沿ってドーナッツ状のマグネット取付
凹部(42)が形成されている。さらに後面側中央に
は、軸固定用凹部(43)が形成されている。
【0032】このマグネットホルダー(40)のマグネ
ット取付凹部(42)内には、周方向に沿って4極配置
された軸方向異方性のディスク型(ドーナッツ型)フェ
ライト磁石からなる主動マグネットディスク(71)
が、ホルダー(40)と軸線を一致させた状態で固定さ
れる。さらにディスク(71)の前面露出部を覆うよう
にして、ステンレスや塩化ビニル等の耐腐食性に優れた
材質からなるドーナッツ状のマグネットカバー(70)
が取り付けられる。この場合、主動マグネットディスク
(71)は、その外周面全域が、マグネットホルダー
(40)およびマグネットカバー(70)により被覆さ
れるよう構成されている。
【0033】またマグネットホルダー(40)の軸固定
用凹部(43)には、ドラム(5)の軸線に沿って固定
されるドラム軸(6)の前端が挿入された状態でねじ止
めにより固定される。このとき、マグネットディスク
(71)の軸線がドラム軸(6)の軸線に一致するよう
構成されている。
【0034】そして、このマグネットホルダー(40)
の軸支用凹部(41)の内側が、ベアリング(44)を
介して上記軸受ブラケット(60)の軸支用ピン(6
2)に回転自在に支持される。なお、ドラム軸(6)の
後端側は、上記従来と同様に計量ケーシング(1)の後
壁に軸受装置を介して回転自在に支持されている。
【0035】従動マグネットホルダー(50)は、後面
側中央に軸支用凹部(51)が形成されるとともに、後
面側の外周縁部に沿ってドーナッツ状のマグネット取付
部(52)が形成されている。さらに他面側中央には、
軸線に沿って出力軸(53)が突設されている。
【0036】またこのホルダー(50)のマグネット取
付部(52)内には、周方向に沿って4極配置された軸
方向異方性のディスク型(ドーナッツ型)フェライト磁
石からなり、上記主動マグネットディスク(71)と同
じサイズの従動マグネットディスク(72)が、ホルダ
ー(50)の軸線と一致させた状態で固定される。
【0037】そして、このマグネットホルダー(50)
の軸支用凹部(51)の内側が、ベアリング(54)を
介して上記軸受ブラケット(60)の軸支用ピン(6
3)に回転自在に支持され、これにより従動マグネット
ディスク(72)が、軸受ブラケット(60)を挟んで
上記主動マグネットディスク(71)と同軸線上で対向
した状態に配置される。
【0038】なお、カウンターボックス(2)内には、
出力軸(53)に連結するように、カウンター機器(2
a)が設けられ、出力軸(53)の回転に基づき、ガス
流量を計測できるよう構成されている。
【0039】さらに主動マグネットホルダー(40)の
軸支用凹部(41)内には、ベアリング(44)側に封
液(L)が侵入するのを防止するためのオイルシール
(45)が装着されている。
【0040】この湿式ガスメータにおいて、検体ガスの
導入により、ドラム(5)が回転してドラム軸(6)が
回転すると、その回転に伴い主動マグネットディスク
(71)が回転する。さらに磁気吸着により従動マグネ
ットディスク(72)が主動ディスク(71)に追従し
て回転し、出力軸(53)が回転する。こうして出力軸
(53)がドラム(5)に対応して回転する一方、出力
軸(53)の回転状況からカウンター機器(2a)によ
り検体ガスの積算流量値が測定されてカウンターボック
ス前面に表示される。
【0041】この湿式ガスメータによれば、軸回転伝達
装置(30)として、計量ケーシング(1)内のドラム
軸(5)の回転をカウンターボックス(2)内の出力軸
(53)に磁気吸着により非接触で伝達するマグネット
カップリング方式のものを使用しているため、前壁(2
a)にドラム軸が貫通される軸貫通タイプ(図3参照)
のものと比較した場合、オイルシールの摩耗や膨潤によ
る不具合、例えば液漏れや器差変化等を確実に防止でき
るとともに、オイルシールとの摩擦による不具合、例え
ば回転負荷抵抗の増大等を確実に防止でき、高度な測定
精度を維持できる。
【0042】また、この軸回転伝達装置(30)は、2
つのマグネットディスク(71)(72)を略円板状の
軸受ブラケット(60)を挟んで対向配置するディスク
タイプのマグネットカップリングを利用したものである
ため、例えばシリンダータイプのマグネットカップリン
グを利用した軸回転伝達装置(図4参照)と比較した場
合、構造が簡素になり、製造コストの削減および組立作
業の容易化を図ることができる。しかも従動マグネット
ディスク(72)は、主動マグネットディスク(71)
と同様、回転半径が大きいので、十分な回転トルクが得
られ、軸回転の伝達をスムーズに行える。
【0043】さらに本実施例では、マグネットディスク
(71)(72)として異方性のものを使用しているた
め、強い磁気吸着力が得られ、軸回転の伝達をより正確
に行える。なお本実施例において、ディスク(71)
(72)として、異方性磁石を用いているが、コストの
増大は回避できる。すなわち、図4に示す従来のシリン
ダー型マグネットカップリング方式の軸回転伝達装置に
おいて、マグネットシリンダーとして異方性磁石を用い
ようとすると、高価なラジアル方向異方性のシリンダー
型磁石を使用する必要がある。これに対し、本実施例に
おいては、ディスク(71)(72)として、比較的安
価な軸方向異方性のディスク型磁石を使用でき、コスト
の増大を回避できる。
【0044】また本実施例において、計量ケーシング
(1)内には、軸線方向に薄いマグネットディスク(7
2)をケーシング前壁(1a)に沿って配置するだけの
ものであるから、計量ケーシング(1)内のスペースが
制約されず、ドラム(5)やガス導通パイプ等のケーシ
ング内装部品の取付スペースを十分に確保しながら、装
置の小型化を図ることができる。
【0045】一方、計量ケーシング(1)側の主動マグ
ネットディスク(71)は、マグネットホルダー(4
0)およびマグネットカバー(70)により外周面全域
が被覆されているため、主動マグネットディスク(7
1)を周囲雰囲気から確実に遮断でき、たとえ腐食性の
高い検体ガスを計測するような場合でも、マグネットデ
ィスクの腐食を確実に防止でき、また封液中の塵埃等に
よるマグネットディスク(71)への悪影響も確実に防
止でき、長期に亘って安定した軸回転の伝達を図ること
ができる。
【0046】さらに軸線方向サイズの増大等の弊害を生
じさせずに、両ディスク(71)(72)間の伝達力を
十分に確保できるので、両者間の隙間、換言すれば主動
マグネットディスク(71)と軸受ブラケット(60)
との隙間を余裕をもって広く形成できる。したがって、
その隙間に封液中に含有する不純物や塵埃等が詰まるよ
うなことがなく、より一層、長期に亘ってスムーズな軸
回転の伝達を行える。
【0047】また、主動マグネットホルダー(40)の
軸支用凹部(41)には、ベアリング(44)をシール
するためのオイルシール(45)が装着されているた
め、主動マグネットディスク(71)と軸受ブラケット
(60)との隙間を通って侵入する封液(L)によっ
て、ベアリング(44)が劣化することはない。
【0048】なお、本発明は、両マグネットディスク
(71)(72)が、軸線方向に離隔しているため、両
ディスク(71)(72)を一枚の板(ケーシング前
壁)で分離することが可能であり、計量ケーシング
(1)の前壁(1a)に取付孔(1d)等の貫通孔を一
切形成することなく、本発明の構成を実現できる。例え
ばマグネットディスク(71)(72)が固定されたド
ラム軸(6)および出力軸(53)を、軸受ブラケット
(60)等を使用せずに、直接前壁(1a)に軸支する
ことにより、ケーシング前壁(1a)に貫通孔等を一切
形成せずに本発明の構成を実現できる。この構成を採用
した場合、一枚板のケーシング前壁によりケーシング
(1)とカウンターボックス(2)とを分離でき、両者
(1)(2)間に万全なシール性を確保することができ
る。
【0049】
【発明の効果】以上のように、この発明における湿式ガ
スメータの軸回転伝達装置は、計量ケーシング内のドラ
ム軸端部に主動マグネットディスクを固定し、カウンタ
ーボックス内の出力軸に主動マグネットディスクに対向
させて従動マグネットディスクを固定して、両ディスク
の磁気吸着により非接触で、ドラム軸の回転を出力軸に
伝達するものであるため、例えばケーシング前壁にドラ
ム軸が貫通される軸貫通タイプのものと比較した場合、
液漏れや器差変化等、オイルシールの摩耗や膨潤による
不具合を確実に防止できるとともに、回転負荷抵抗の増
大等、オイルシールとの摩擦による不具合を確実に防止
できる。また両ディスクをケーシング前壁を挟んで対向
配置するという簡素な構造であるため、製造コストの削
減および組立作業の容易化を図ることができる。さらに
計量ケーシング内には薄いマグネットディスクをケーシ
ング前壁に沿って配置するだけのものであるから、ドラ
ム軸線方向のサイズを小さくでき、装置の小型化を図る
ことができる。また従動マグネットディスクは、主動マ
グネットディスクと同様、回転半径が大きいので、十分
な回転トルクが得られ、軸回転の伝達を正確かつスムー
ズに行える。しかもマグネットディスクとして異方性の
ものを用いているため、両ディスク間の伝達力を十分に
確保でき、両者間の隙間、換言すれば主動マグネットデ
ィスクとケーシング前壁との隙間を余裕をもって形成で
きる。したがって、その隙間に封液中の不純物等が詰ま
るのを防止でき、軸回転の伝達を、より一層、正確かつ
確実に行える。なお本発明において、マグネットディス
クとして、異方性磁石を用いているが、この磁石は、比
較的安価な軸方向異方性のディスク型磁石であるため、
コストの増大は回避できる。
【0050】さらに本発明の構成は、ケーシング前壁に
貫通孔等を一切形成せずに、実現することも可能であ
り、その場合、一枚板のケーシング前壁により計量ケー
シングとカウンターボックスとを分離でき、両者間に万
全なシール性を確保できるという効果が得られる。
【0051】本発明において、マグネットホルダーに、
主動マグネットディスクの露出領域を被覆するためのマ
グネットカバーを取り付ける場合には、主動マグネット
ディスクを周囲雰囲気から確実に遮断でき、マグネット
ディスクの腐食や、封液中の塵埃等によるマグネットへ
の悪影響を防止できて、長期に亘って安定した軸回転の
伝達を行えるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例が適用された湿式ガスメー
タの軸回転伝達装置周辺を示す側断面図である。
【図2】実施例の軸回転伝達装置を分解して示す側断面
図である。
【図3】従来の湿式ガスメータを概略的に示す側断面図
である。
【図4】他の従来の湿式ガスメータにおける軸回転伝達
装置周辺を示す一部切欠側面図である。
【符号の説明】
1…計量ケーシング 1a…前壁 2…カウンターボックス 30…軸回転伝達装置 40…主動マグネットホルダー 53…出力軸 70…マグネットカバー 71…主動マグネットディスク 72…従動マグネットディスク

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計量ケーシング内に収容される計量ドラ
    ムのドラム軸両端が前記計量ケーシングの前後壁内側に
    回転自在に支持されるとともに、前記計量ケーシングの
    前壁前面側に設けられたカウンターボックス内に、前記
    ドラム軸と同軸線上に出力軸が回転自在に設けられた湿
    式ガスメータにおいて前記ドラム軸の回転を前記出力軸
    へ伝達するための湿式ガスメータの軸回転伝達装置であ
    って、 前記ドラム軸のケーシング前壁近傍に、軸方向異方性の
    主動マグネットディスクが前記ドラム軸と軸線を一致さ
    せた状態で固定され、 前記出力軸のケーシング前壁近傍に、前記主動マグネッ
    トディスクとケーシング前壁を挟んで対向する態様に、
    磁気吸着により前記主動マグネットディスクに追従して
    回転する軸方向異方性の従動マグネットディスクが、前
    記出力軸と軸線を一致させた状態で固定されてなること
    を特徴とする湿式ガスメータの軸回転伝達装置。
  2. 【請求項2】 前記主動マグネットディスクが、マグネ
    ットホルダーを介して前記ドラム軸に固定されており、
    そのマグネットホルダーに、前記主動マグネットディス
    クの露出領域を被覆するためのマグネットカバーが取り
    付けられてなる請求項1記載の湿式ガスメータの軸回転
    伝達装置。
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