JPH0317202A - 焼結防振合金の製造方法及び焼結部品の製造方法 - Google Patents

焼結防振合金の製造方法及び焼結部品の製造方法

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JPH0317202A
JPH0317202A JP22786289A JP22786289A JPH0317202A JP H0317202 A JPH0317202 A JP H0317202A JP 22786289 A JP22786289 A JP 22786289A JP 22786289 A JP22786289 A JP 22786289A JP H0317202 A JPH0317202 A JP H0317202A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は焼結防振合金及び少なくとも一部に焼結防振合
金を含む焼結部品に関する。本発明の焼結防振合金は、
一般の防振合金と同様、車両、機械装置等の騒音発生や
振動発生を抑制する機構部品に適した金属材料として使
用することができる。
また、本発明の焼結部品も、車両、機械装置等の騒音発
生や振動発生を抑制する機構部品に適用することができ
る。
[従来の技術] 従来、焼結防振合金として、鋳鉄粉又は鋳鉄粉と純鉄粉
と、グラファイト粉末とを混合したものを成形、焼結し
た片状黒鉛鋳鉄が知られている(特公昭60−2318
4号公報、特公昭55−36259号公報)。また、鉄
又は鉄合金系焼結体とこの焼結体の空孔部に含浸された
Mg、Pb、Sn等の金属とからなる焼結防振合金が知
られている(特公昭59−34761号公報〉。ざらに
、鉄又は鉄合金系焼結体とこの焼結体の空孔部に含浸さ
れた樹脂とからなる焼結防振合金も知られていろく特開
昭59−145764号公報〉。
[発明が解決しようとする課題] 一般に、金属材料の減衰能は強度が増すほど減少する傾
向にある。しかし、振動又は騒音が問題となるような用
途においては、強度の高い材斜を使用する場合が多く、
したがって、防振合金としては強度が高くかつ減衰能の
大きなものが要求される。
上記した従来の焼結防振合金は、複合型の防振機構(母
相と第2相との間の界面での粘性流動又は塑性流動等を
利用するもの)を有し、焼結体母材と黒鉛、MQ,Pb
,3n、合或樹脂等の第2材との振動伝達特性の差によ
って防振効果を得るものである。すなわち、材料そのも
のがもつ振動減衰特性を利用するものである。
しかし、このような材料そのものがもつ振動減衰特性を
利用した従来の焼結防振合金では、防振効果を有するも
のの十分ではなく、また減衰能を大きくするのは強度面
から限界があった。また、鉄系粉末とグラファイト粉末
を予め混合した片状黒鉛鋳鉄では、防振効果を向上させ
るためにはグラファイト粉末を過剰に添加する必要があ
る。したがって、過剰に添加されたグラファイト粉末の
影響により鉄系粉末同士の焼結が十分でなくなり、強度
が低くなるく引張り強さで10kcyf/mm2程度)
という欠点があった。
また、前述したように強度と減衰能とは一般に相反する
性質であるため、自動車部品のような高強度が要求され
る部品に焼結防振合金を適用する際には強度上限界があ
り、使用範囲が限られてしまう。例えば、振動、騒音が
問題となりやすい歯車等に焼結防振合金を適用した場合
、焼結防振合金に歯車の歯自体に要求ざれる強度(歯元
曲げ応力、歯面接触応力等〉をもたせることは困難であ
るため、歯を含めた部品全体に焼結防振合金を適用でき
ない場合が多く、少なくとも強度の必要な部位の強度を
さらに高くする必要がある。
本発明は、振動エネルギーを母材となる焼結体と第2材
との相対的運動エネルギーに変換することによって、強
度を低下させることなく焼結防振合金における防振効果
を向上させること、及び防振効果の向上した焼結防振合
金を一部に含み強度の要求される部位に適用することの
できる焼結部品を提供することを解決すべき技術課題と
する。
[課題を解決するための手段] 本発明の焼結防振合金は、金属粉末を焼結して形成され
た空孔を有する焼結体と、該焼結体の空孔内に保持され
た微粉末とからなることを第1の特徴とする。
本発明の焼結防振合金を構成する焼結体は、金属粉末を
主原料として、或形、焼結する粉末圧縮焼結法の一般粉
末冶金技術により製造される。この金属粉末としては、
特に限定ざれず、例えば純鉄系、鉄一銅系、鉄一炭素系
、鉄一炭素一銅系、鉄一ニッケル系等の鉄系合金粉末、
銅系合金粉末、アルミ系合金粉末等各種の金属粉末を使
用することができる。また、いわゆる強磁性型(磁区壁
の非可逆移動に伴う磁気、機械的静履歴を利用するもの
〉の減衰能を有する鉄一クロム系等の合金粉末とするこ
ともできる。ざらにグラフ7イト粉末等のそれ自身減衰
能を有する粉末を添加することもできる。
本発明では、焼結体の空孔内に保持ざれる後述する微粉
末と空孔内壁面との接触面積との関係上、原料となる金
属粉末の粒径、空孔の空孔率及び空孔の平均孔径等を以
下のように特定することが好ましい。
すなわち、本発明では防振効果の点のみを考慮した場合
、焼結体の空孔の内壁面とこの空孔内壁面に保持される
微粉末との接触面積が大きいほど防振効果が高まり好ま
しい。したがって、焼結体の強度、微粉末の粒径の大き
さ等との関係上許される限り、空孔率が大きくかつ空孔
の平均孔径が小さいはど空孔内壁面と微粉末との接触面
積が大きくなり好ましい。具体的には、空孔の空孔率が
10〜40%であり、空孔の平均孔径が20〜150μ
mである.,特に、空孔率を15〜25%とし平均孔径
を40〜80μmとするのが好ましい。
空孔の空孔率が10%より少ないと空孔内に保持ざれ得
る微粉末の絶対量が少なくなり、所望の防振性を得るこ
とができない。また、空孔率が40%より多いと焼結体
の強度が低下するので好ましくない。また、空孔の平均
孔径が20μmより小さいと空孔内壁面上に微粉末を保
持させるのが困難となり、150μmより大きいと焼結
体の強度が低下するので好ましくない。
なお空孔の空孔率及び平均孔径は、主に、原料となる金
属粉末の平均粒径及び金属粉末を或形する際の或形密度
を変えることによって特定することができる。したがっ
て、空孔の空孔率及び平均孔径を上記した好ましい範囲
に特定するためには、原料となる金属粉末の平均粒径の
大きさを、60〜350メッシュとし、また、金属粉末
を成形する際の或形密度を鉄系粉末の場合5.8〜6.
8g/cm3とすればよい。ざらに、焼結条件としては
、焼結温度1120〜1250’C,焼結時間30〜1
20分とし、真空又は窒素雰囲気中で行うのが好ましい
本発明の焼結防振合金を構成する微粉末は、上記焼結体
の空孔内に保持ざれる。この微粉末としては、上記焼結
体の空孔の孔径よりはるかに小さい粒径を有し、焼結体
の空孔の内壁面に保持され得るものであれば特に限定ざ
れないが、軟質でそれ自身減衰能の大きい材料が好まし
い。例えば、グラファイト微粉末、Pb,Mg等の金属
微粉末、又はセラミックス微粉末等とすることができる
この微粉末の上記焼結体空孔内に保持ざれる量が多いほ
ど防振効果が高まり好ましい。空孔の空孔率及び平均孔
径との関係上、微粉末を焼結体空孔体積の10〜95%
の体積を占めるように保持させるのがよい。また、微粉
末の平均粒径は0.01〜10μmとすることができ、
特に0.1〜2μmとすることが好ましい。
この微粉末を上記焼結体の空孔内に保持させる方法は特
に限定されないが、微粉末が空孔内でなるべく均一とな
るように保持させることが好ましく、微粉末の種類に応
じて最適な方法をとることができる。例えば、微粉末と
してグラフ7イト粉末を使用した場合には、水又は有機
溶剤にグラフ7イト粉末を混合した混合溶剤を焼結体の
空孔に浸透させた後、加熱又は減圧状態にして水又は有
機溶剤を蒸発させることにより、グラフ7イト粉末のみ
を空孔内に残存させればよい。
ざらに、本発明の他の焼結防振合金は、金属粉末を焼結
しその後圧縮されて圧密化された、該金属粉末間に形成
されかつ押しつぶされた空孔を有する焼結体と、該焼結
体の押しつぶされた空孔内に保持され押しつぶされた空
孔の内壁面で部分的に挟持された微粉末とからなる。
この焼結防振合金は、前記した金属粉末を焼結して形成
された焼結体の空孔内に微粉末を保持させた焼結防振合
金を、さらに再圧縮加工又は圧延加工することにより形
成することができる。この再圧縮加工は4〜1 2 t
 O n/cm2の圧力で、また圧延加工は15〜50
%の圧縮率で行い、再圧縮又は圧延加工後の密度を6.
9〜7.70/Cm1とすることが好ましい。
また、本発明の焼結部材は、金属粉末を焼結して形成ざ
れた空孔を有する焼結体と、該焼結体の空孔内に保持ざ
れた微粉末とからなる焼結防振合金よりなる防振部と、
該防振部と一体的に形成ざれ、該防振部を形成する焼結
体より高い密度をもつ高密度金属焼結体で構成ざれた強
度部とからなることを特徴とする。
上記防振部と上記強度部とは一体的に形成されている。
防振部の密度は6.9〜7.7g/cm1、強度部の密
度は7.0 〜7.8g/cml (!:することが好
ましい。この防振部と強度部は、例えば前述した本発明
の焼結防振合金を部分的に再圧縮して他の部分よりも密
度を高くした部分を強度部とし、上記他の部分を防振部
とすることにより形成することができる。しかし、強度
部は、再圧縮後さらに再焼結されて、再圧縮により形成
された焼結体の圧着面が金属結合されていることが好ま
しい。これにより、強度がさらに高まるからである。ま
た、強度部は微粉末を保持していない方が好ましく、高
密度金属焼結体で構成された強度部を形成してから、強
度部以外の防振部に微粉末を保持させることが好ましい
。金属焼結体同士が直接接触した方が強度がより高まる
からである。
上記防振部と微粉末を保持しない上記強度部を形成する
には、金属粉末を粉末成形する際、強度部に相当する部
分と防振部に相当する部分との圧縮比を予め変えて粉末
或形し、焼結後、防振部に相当する部分の焼結体空孔内
に微粉末を保持させればよい。また、部品全体を一様の
密度で粉末成形し焼結した後、強度部に相当する部分の
みを再圧縮し再び焼結した後、防振部に相当する部分の
焼結体空孔内に微粉末を保持させることにより、上記防
振部と微粉末を保持しない上記強度部を形成することも
できる。さらに、上記したように強度部と防振部との圧
縮比を変えて粉末或形し焼結した後、強度部に相当する
部分のみをさ,らに再圧縮し再び焼結した後、防振部に
相当する部分の焼結体空孔内に微粉末を保持させること
により、上記防振部と微粉末を保持しない上記強度部を
形成することもできる。
さらに本発明の他の焼結部品は、金属粉末を焼結しその
後圧縮されて圧密化された、該金属粉末間に形成ざれか
つ押しつぶされた空孔を有する焼結体と、該焼結体の押
しつぶされた空孔内に保持ざれ押しつぶされた空孔の内
壁面で部分的に挟持された微粉末とからなる焼結防振合
金よりなる防振部と、該防振部と一体的に形成され、該
防振部を形成する焼結体より高い密度をもつ高密度金属
焼結体で構成された強度部とからなることを特徴とする
この本発明の他の焼結部品は、前述したように、防振部
と微粉末を保持しない強度部を形成した後、防振部のみ
をさらに再圧縮加工又は圧延加工することにより形成す
ることができる。
[発明の作用] 本発明の焼結防振合金では、金属粉末を焼結して形成ざ
れた焼結体の空孔内に微粉末が保持されている。したが
って、本発明の焼結防振合金に振動エネルギーが加われ
ば、焼結体の空孔内に存在する微粉末が振動エネルギー
によって運動する。
すなわち、本発明の焼結防振合金に加わった振動エネル
ギーは、焼結体の空孔内壁面と微粉末との接触面を介し
て空孔内壁面から微粉末に伝わり、微粉末の運動エネル
ギーに変換されて焼結防振合金に吸収ざれる。
また、焼結後に圧縮されて圧密化ざれた本発明の焼結防
振合金では、焼結体の空孔が押しつぶされており、微粉
末がこの押しつぶされた空孔内に保持ざれ押しつぶされ
た空孔の内壁面で部分的に挟持されている。したがって
、この圧密化された焼結防振合金は、圧密化されていな
いものと比較して、空孔の内壁面と微粉末との接触面積
が太きく、このため焼結防振合金に加わった振動エネル
ギーが微粉末の運動エネルギーに変換される割合が大き
くなる。また、圧密化されて密度が高まっているので、
強度も高まる。
さらに、本発明の焼結部品は、上記した防振作用を有す
る焼結防振合金よりなる防振部と、高密度金属焼結体で
構成された強度部とかー・体的に形成されたものである
から、防振部が上記した本発明の焼結防振合金の防振作
用を有し、かつ強度部は高密度化ざれた分の強度を有し
ている。また、微粉末を保持していない強度部は、金属
焼結体同士が直接接触しているので、より強度が高まっ
ている。
[実施例] 以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1〉 第1図は、本実施例1の焼結防振合金の一部拡大断面図
を模式的に示した図である。
本実施例1の焼結防振合金は、焼結体1と焼結体1の空
孔2内に保持ざれたグラフ7イ1〜微粉末3とからなる
。本実施例1の焼結防振合金は以下のように製造した。
全体を100重量%としたとき、・0.8重量%の天然
黒鉛のグラファイト粉末、0.8重量%のステアリン酸
亜鉛、及び残部が粒度100〜350メッシュのアトマ
イズ鉄粉末からなる原料粉末をV型混合機により20分
混合した。そして、通常の金型により、2.4ton/
crlの圧力で圧縮或形して或形密度を6.0g/Cm
)とした後、メッシュベルト式連続焼結炉で1130℃
、40分、N2雰囲気の焼結条件で焼結を行った。
この結果、空孔の空孔率が約23%、空孔の平均孔径が
40umの焼結体を得た。そして、平均粒径が1μmの
グラフ7イト微粉末25重量%及び残部の75重量%の
水からなる混合溶剤中に、上記焼結体を大気中にて2時
間浸漬して、焼結体の空孔内にグラファイト混合液を浸
透させた。そして、電気炉を使用して80℃で2時間加
熱して水を蒸発させ、焼結体の空孔内にグラファイト微
粉末のみを残存させて本実施例1の焼結防振合金を得た
。これにより焼結体100CIに対し1.1gのグラフ
ァイトが空孔内に残存した。
(実施例2) 全体を100重量%としたとき、0.8重量%のアクラ
ワックス、及び残部が強磁性型の減衰機構を有するFe
−10Cr−3Mo系合金粉末(平均粒径80μm)か
らなる原料粉末を用い、6 t O n/Cffl”の
圧力で圧縮成形して成形密度を6.6g/cmiとし、
かつバッジ式焼結炉で1250℃、60分、真空雰囲気
の焼結条件で焼結を行うこと以外は上記実施例1と同様
にして本実施例2の焼結防振合金を製造した。この焼結
防振合金は焼結体100gに対しグラフ7イト0.7g
が空孔に残存したものであった。
(実施例3) 上記実施例1で得た焼結防振合金を、ざらに8.Q t
 O n/Crrl2の圧力で再圧縮加工して再圧縮密
度を7.5q/cmiとし、本実施例3の焼結防振合金
を得た。第2図に本実施例3の焼結防振合金の一部拡大
断面図を模式的に示す。第2図からもわかるように、本
実施例3の焼結防振合金における空孔2−は押しつぶさ
れており、この押しつぶされた空孔2−の内壁面にグラ
フ7イト微粉末3が挟持されている。なお、本実施例3
の焼結防振合金の空孔の空孔率は約4%、空孔の平均孔
径は20μmであった。
(実施例4) 全体を100重量%としたとき、0.8重量%のステア
リン酸亜鉛、及び残部が粒度100〜350メッシュの
7トマイズ鉄粉末からなる原料粉末を用い、かつ1 0
 t O n/cm2の圧力で再圧縮加工を行い再圧縮
密度を7.8q/crt+3とすること以外は上記実施
例3と同様にして本実施例4の焼結防振合金を得た。空
孔内に存在するグラフ7イトは焼結体100CIに対し
1.10であった。
(評価1〉 上記実施例1〜4の焼結防振合金について減衰能を測定
した結果を第1表に示す。また、上記実施例1及び2の
焼結防振合金について強度を測定した結果を併せて第1
表に示す。なお、減衰能測定はインパルス加振による自
由振動減衰法により、また強度測定は引張り試験により
行った。また、比較例として、市販の片状黒鉛鋳鉄(商
品名二FC23)の減衰能及び強度についても同様に測
定し、その結果も併せて第1表に示した。
第1表から明らかなように、実施例1〜4の焼結防振合
金は、いずれも2.9X10″″2以上の対数減衰率を
示し、比較例の片状黒鉛鋳鉄の減衰能の約3倍以上の減
衰能を有することがわかる。
本実施例1〜4の焼結防振合金では、焼結体の空孔内に
それ自身が減衰能を有するグラファイト微粉末を保持さ
せている。したがって、焼結防振合金に加わった振動エ
ネルギーがグラファイト微粉末の運動エネルギーに変換
ざれることにより防振効果を得ると同時に、焼結体とグ
ラファイト微粉末との振動伝達特性の差による複合型の
減衰機構をも利用して防振効果を得ている。
また、Fe−Cr−MO系の合金粉末を用いて焼結体を
形成した実施例2の焼結防振合金は、4.6X10−2
の対数減衰率を示し、片状黒鉛鋳鉄の減衰能の4倍以上
の減衰能を有する。これは実施例2の焼結防振合金は、
焼結体の原料粉末にそれ自身が強磁性型の減衰機構を有
する「e−Qr−MO系の合金粉末を使用しているため
、上記実施例1の効果に併せてさらに強磁性型の減衰機
構による防振効果をも得ているためと考えられる。
また、実施例1の焼結防振合金をさらに再圧縮加工した
実施例3の焼結防振合金は、実施例1の対数減衰率より
さらに向上している。これは、再圧縮加工することによ
り焼結体の空孔が押しつぶされ、空孔内に保持されてい
たグラフ7イト微粉末が空孔の内壁面で扶持されること
となり、これによりグラファイト微粉末と焼結体との接
触面積が大きくなったためと考えられる。すなわち、グ
ラファイト微粉末と焼結体との接触面積が大きくなるこ
とにより、焼結防振合金に加わった振動エネルギーが微
粉末の運動エネルギーに変換される割合が大きくなり、
これにより減衰能が向上したのである。
さらに、焼結体の原料粉末にグラフ7イトを含有してい
ない実施例4の焼結防振合金は、グラファイトを含有し
ている実施例3の焼結防振合金に比べてさらに減衰能が
向上している。これは、再圧縮加工後の密度が、グラフ
7イトを含有していない方が大きくなり、これにより焼
結体と焼結体空孔内のグラファイト微粉末との接触面積
が大きくなったためと考えられる。
また、焼結防振合金の強度については、比較例である片
状黒鉛鋳鉄の引張り強さが23kgf/mm2であるの
に対して、本実施例1及び2の焼結防振合金の引張り強
さは42、31kgf/mm2であり、本実施例1及び
2の焼結防振合金の強度は片状黒鉛鋳鉄の強度に比べて
かなり高いことがわかる。これは、本実施例1及び2の
焼結防振合金では、焼結体の粉末戒形時に過剰のグラフ
ァイトを添加する必要がないため、金属粉末同士の焼結
が強まったためと考えられる。
(実施例5〉 全体を100重量%とじたとき、2.0重量%の銅粉末
、0.2重量%の炭素粉末、0.8重量%のステアリン
酸亜鉛、及び残部鉄からなる原料粉末を使用し、或形密
度5.5g/cm)として上記実施例1と同様の方法に
より焼結防振合金を製造した後、7ton/cm2の圧
力で再圧縮加工して再圧縮後の密度を7.0g/cm3
として、本実施例5の焼結防振合金を得た。
(評価2) 上記実施例5の焼結防振合金を300℃で焼なまし、そ
のときの焼なまし保持時間と対数減衰率との関係を調べ
た。また、比較のため、焼結体の空孔にグラファイトを
保持させないこと以外は上記実施例5と同様にして焼結
防振合金を製造し、同様の試験を行った。これらの結果
を第3図に示す。なお、第3図中、実線が本実施例5の
焼結防振合金の試験結果であり、点線が比較に係る焼結
防振合金の試験結果である。
第3図からも明らかなように、本実施例5の焼結防振合
金は高温状況下でも高い減衰能を保つことがわかる。こ
れは、空孔の内壁面で部分的に挟持されたグラファイト
の効果によるものと思われる。
(実施例6) 原料粉末として実施例5の原料粉末と同様のものを使用
し、成形密度を5.5g/Crlとして上記実施例1と
同様の方法により本実施例6の焼結防振合金を得た。
(評価3) 上記実施例6の焼結防振合金を再加圧面圧を種々変更し
ながら再圧縮したものについて、密度と対数減衰率との
関係、上記再加圧面圧と菅度との関係、上記再加圧面圧
と対数減衰率との関係、及び上記再加圧面圧と引張り強
度との関係を調べた。
これらの結果を第4図、第5図、第6図、及び第7図に
それぞれ示す。
この結果から、焼結防振合金を再圧縮することにより高
密度化させると、対数減衰率及び引張り強度がともに上
昇することがわかる。
(実施例7〉 本実施例7は本発明の焼結部品を自動車用歯車に適用し
たものである。
全体を100重量%としたとき、2.01量%の銅粉末
、0.2重量%の炭素粉末、0.8重量%のステアリン
酸亜鉛、及び残部が粒度60〜350メッシュの純鉄粉
末からなる原料粉末を■型混合機により混合し、歯車の
形状に圧縮或形した。
このとき、第8図に模式的に示すように、強度部10と
しての歯形部分と防振部20としての中心部分との圧縮
比を変え、強度部10の密度を7.0(7/cml 、
防振部20の密度を5.8(;l/Cm1とした。これ
をメッシュベルト式連続焼結炉で1130℃、60分、
N2雰囲気の焼結条件で焼結を行った。そして、平均粒
径が1μmのグラファイト微粉末25重量%及び残部の
75重量%の水からなる混合溶剤中に、上記焼結体を大
気中にて2時間浸漬して、焼結体の空孔内にグラフ7イ
ト混合液を浸透させた。そして、電気炉を使用して80
℃で2時間加熱して水を蒸発させ、焼結体の空孔内にグ
ラフ7イト微粉末のみを残存させた。これにより防振部
20に相当する焼結体100gに対し1.1gのグラフ
7イトが空孔内に残存した。なお強度部10に相当する
焼結体の空孔内には、平均空孔径が小さいためグラフ7
イトは残存しなかった。第8図にこの強度部10の一部
拡大断面図を模式的に示す。そして、さらに防振部をi
 o t o n/Crn”の圧力で再圧縮加工して再
圧縮密度を7.0g/Crlとして本実施例7の焼結部
品を製造した。
(実施例8) 本実施例8では、上記実施例7と同様の原料粉末を5.
8q/cmiの均一の密度で歯車形状に圧縮成形し、こ
れを上記実施例7と同様の条件で焼結後、強度部10の
みを10tOn/Cm2 の圧力で再圧縮して密度を7
.4g/Cm”とした。
そして、上記と同様の条件で再焼結して強度部10の再
圧縮による圧着面を金属結合させた。そして、さらに上
記実施例7と同様に、グラファイト微粉末を焼結体の空
孔内に残存させた後、防振部20のみを再圧縮して本実
施例8の焼結部品を製造した。
(実施例9) 本実施例9は、上記実施例7と同様に、原料粉末を強度
部10と防振部20との圧縮比を変えて歯車形状に圧縮
成形した後焼結し、ざらに強度部10のみを再圧縮して
強度部10の密度を7.6g/Cm)とした。そして1
130℃、60分、窒素雰囲気中にて再焼結して強度部
10の再圧縮による圧看面を金属結合させた。そして、
ざらに上記実施例7と同様に、グラファイト微粉末を焼
結体の空孔内に残存させた後、防振部20のみを再圧縮
して本実施例9の焼結部品を製造した。
(評価4) 上記実施例7〜9の焼結部品について、防振部20及び
強度部10のそれぞれの対数減衰率及び引張り強度を測
定した。その結果を第2表に示す。
この結果から、強度部10の密度を高くする程引張り強
度が高くなることがわかる。なお、実施例7の焼結部品
のように強度部10を粉末或形時に高密度化するには限
界があり、7.0〜7.2Ill/Cm)の密度までし
か上げることはできない。
第2表 一方、実施例8及び実施例9のように再圧縮によれば7
.4〜7.6g/Cm1とざらに高密度化することが可
能である。
[発明の効果] 上述したように、本発明の焼結防振合金にhOわった振
動エネルギーは微粉末の運動エネルギーに変換されるた
め、これにより大きな防振効果を得ることができる。ま
た、焼結後に圧縮されて圧密化された本発明の焼結防振
合金では、焼結体の空孔内壁面と微粉末との接触面積が
大きくなり、焼結防振合金に加わった振動エネルギーが
微粉末の運動エネルギーに変換される割合が大きくなる
ため、これによりさらに大きな防振効果を得ることがで
きる。
また、本発明の焼結防振合金では、上記したような振動
エネルギーを運動エネルギーに変換することによる防振
効果のみならず、複合型又は強磁性型の減衰機構を利用
した防振効果をも得ることができる。
すなわち、本発明の焼結防振合金を構成する微粉末に軟
質でそれ自身減衰能の大きい材料、例えばグラファイト
微粉末等を用いた場合には、グラファイト微粉末自身も
振動減衰特性を有するため、焼結体とグラファイト微粉
末との振動伝達特性の差による、複合型の減衰機構を利
用した防振効果も得ることができる。
また、本発明の焼結防振合金を構成する焼結体を強磁性
型の減衰機構を有する金属粉末、例えばFe−Cr系等
の合金粉末を用いて形成した場合には、強磁性型の減衰
機構を利用した防振効果も得ることができる。
さらに、本発明の焼結防振合金では、焼結体の粉末成形
時に、片状黒鉛鋳鉄のように過剰のグラファイト粉末を
添加する必要がないため、金属粉末同士の焼結が弱まる
ことによる焼結体の強度の低下が誘発ざれることはない
さらにまた、本発明の焼結部品は、上記した防振効果を
有する本発明の焼結防振合金から防振部を構成し、この
防振部と一体的に防振部より強度の高い強度部を形成し
たものであるから、優れた減衰能をもちつつ部分的に強
度が要求される防振部品に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本実施例1の焼結防振合金の一部拡大断面図を
模式的に示した図、第2図は本実施例3の焼結防振合金
の一部拡大断面図を模式的に示した図、第3図は焼結防
振合金の焼なまし保持時間と対数減衰率との関係を示す
グラフ、第4図は密度と対数減衰率との関係を示すグラ
フ、第5図は再加圧面圧と密度との関係を示すグラフ、
第6図は再加圧面圧と対数減衰率との関係を示すグラフ
、第7図は再加圧面圧と引張り強度との関係を示すグラ
フ、第8図は本実施例6の焼結部品の正面図を模式的に
示した図、第9図は強度部の一部拡大断面図を模式的に
示した図である。 1・・・焼結体      2、2″・・・空孔3・・
・(グラフ7イト)微粉末

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)金属粉末を焼結して形成された空孔を有する焼結
    体と、該焼結体の空孔内に保持された微粉末とからなる
    ことを特徴とする焼結防振合金。
  2. (2)金属粉末を焼結しその後圧縮されて圧密化された
    、該金属粉末間に形成されかつ押しつぶされた空孔を有
    する焼結体と、該焼結体の押しつぶされた空孔内に保持
    され押しつぶされた空孔の内壁面で部分的に挟持された
    微粉末とからなることを特徴とする焼結防振合金。
  3. (3)金属粉末を焼結して形成された空孔を有する焼結
    体と、該焼結体の空孔内に保持された微粉末とからなる
    焼結防振合金よりなる防振部と、該防振部と一体的に形
    成され、該防振部を形成する焼結体より高い密度をもつ
    高密度金属焼結体で構成された強度部とからなることを
    特徴とする焼結部品。
  4. (4)金属粉末を焼結しその後圧縮されて圧密化された
    、該金属粉末間に形成されかつ押しつぶされた空孔を有
    する焼結体と、該焼結体の押しつぶされた空孔内に保持
    され押しつぶされた空孔の内壁面で部分的に挟持された
    微粉末とからなる焼結防振合金よりなる防振部と、 該防振部と一体的に形成され、該防振部を形成する焼結
    体より高い密度をもつ高密度金属焼結体で構成された強
    度部とからなることを特徴とする焼結部品。
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