JPH03169888A - 精製ラクチュロースの製造法 - Google Patents

精製ラクチュロースの製造法

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JPH03169888A
JPH03169888A JP30867089A JP30867089A JPH03169888A JP H03169888 A JPH03169888 A JP H03169888A JP 30867089 A JP30867089 A JP 30867089A JP 30867089 A JP30867089 A JP 30867089A JP H03169888 A JPH03169888 A JP H03169888A
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守 冨田
Yoshitaka Tamura
吉隆 田村
Teruhiko Mizota
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、着色促進物質を除去した精製ラクチュロース
の製造法に関し、更に詳しくは乳糖をアルカリ異性化し
て得られるラクチュロース水溶液をアルカリ金属形強酸
性陽イオン交換樹脂又はアルカリ土類金属形強酸性陽イ
オン交換樹脂充填層に接触させ、該ラクチュロース水溶
液に存在するラクチュロース以外の二糖類、単糖類及び
その他の不純物の一郎又は全部を除去し、ラクチュロー
ス含有画分を採取することを特徴とする精製ラクチュロ
ースの製造法に関する。
[技術の背景及び従来技術の説明] ラクチュロースはガラクトースとフラクトースとがβ−
1,4結合した二糖類であり、ビフィズス菌増殖因子と
しての効果が多くの研究により証明され、また肝性脳症
、肝性昏睡の症状を軽減する明らかな薬効が見出された
ことにより、その生理学的また栄養学的役割に強い関心
が持たれるとともに、最近では医薬品、乳児用調製粉乳
、食品等への利用が積極的に行われている。
ラクチュロースは、例えば特公昭52−2984号公報
に開示されているように、通常乳糖を原料としてアルカ
リ異性化により製造され、反応精製液中には糖としてラ
クチュロースの他に、未反応の乳糖、乳糖のエピマーで
あるエビラクトースの二糖類、分解生成物であるガラク
トース、ガラクトースの異性化糖であるタガトース及び
その他の低分子量の物質が含有されている。これらの糖
類は類似する物性を示すため相互の分離は困難であり、
従来これらのラクチュロース以外の不純物を相当量含有
する製品が市販されていた。
しかしながら、従来のラクチュロース製品は保存中、特
に高温及び酸素の存在下では褐変化し易い欠点を有して
おり、長期間保存する場合酸素遮断性の高い容器を用い
るか、または冷温下で保存する等の特別な手段を必要と
した。
本発明者らは、特別な手段を講じることなく、常温で長
期間保存した場合でも褐変化しないラクチュロース製品
を製造するための研究を行い、本発明を完成した。
[発明の目的及び発明の要約1 本発明の目的は常温で長期間保存した場合でも褐変化し
ないラクチュロース製品の製造法を提供することにある
本発明の他の目的は高度に精製されたラクチュロース製
品を提供することにある。
本発明は、乳糖をアルカリ異性化して得られる水溶液を
精製したラクチュロース水溶液を、アルカリ金属形強酸
性陽イオン交換樹脂又はアルカリ土類金属形強酸性陽イ
オン交換樹脂充填層に接触させ、該ラクチュロース水溶
液に存在するラクチュロース以外の二糖類、単糖類及び
その他の不純物の一部又は全部を除去し、ラクチュロー
ス含有画分を採取することを特徴とする精製ラクチュロ
ースの製造法である。
[発明の具体的な説明] 本発明の出発物質であるラクチュロース水溶液は、常法
により乳糖からアルカリ異性化して得られる粗製ラクチ
ュロース水溶液を、常法により脱イオンした精製ラクチ
ュロース水溶液又はこの精製ラクチュロース水溶液を濃
縮し、結晶させて乳糖を除去した精製ラクチュロース水
溶液である。
この精製ラクチュロース水溶液には、後記する試験例か
ら明らかなように通常ラクチュロースの他、未反応の乳
糖、エビラクトース、分解生成物であるガラクトース、
タガトース及び低分子量物質が存在している。そして一
般にラクチュロースの含有量は全糖質に対して15〜8
5%(重量。
以下同じ)であり、いずれのラクチュロース濃度でも本
発明を実施できるが、50〜85%の濃度が経済的に有
利である。
又イオン交換クロマトグラフにより精製処理する場合、
効果的に処理を行うための全固形分濃度は30〜80%
、望ましくは50〜70%である。
次いで精製ラクチュロース水溶液をイオン交換クロマト
グラフにより更に精製する。使用する装置としては、ア
ルカリ金属形強酸性陽イオン交換樹脂又はアルカリ土類
金属形強酸性陽イオン交換樹脂を充填した分離塔を用い
、常法に従い回分式又は疑似移動床方式により実施でき
る。
充填するイオン交換樹脂は、通常の強酸性陽イオン交換
樹脂(例えば、母体:スチレンージビニルベンゼン共重
合体、官能基:スルホン酸基、粒径: 4 0 〜4 
0 011111,架橋度:3〜10%、総イオン交換
容量:4〜51N11/x乾燥樹脂)のアルカリ金属形
又はアルカリ土類金属形である。
アルカリ金属形強酸性陽イオン交換樹脂はナトリウム形
、カリウム形又はリチウム形等であり、通常ナトリウム
形が使用される。アルカリ土類金属形強酸性陽イオン交
換樹脂は、カルシウム形、マグネシウム形又はバリウム
形等であり、通常カルシウム形が使用される。
強酸性陽イオン交換樹脂充填層高は用いる樹脂、通液速
度、通液温度、濃度及びクロマトグラフの方式に合わせ
て適切な分離が得られるよう決定される。
溶離工程においては溶離剤として水を用い、常法に従っ
て実施し得る。即ち、液粘度を低減して分離性を高める
とともに圧力損失を小さくするために、精製したラクチ
ュロース水溶液及び溶離水を40〜90℃、好ましくは
50〜80℃に加温して通液し、充填層は通液中にこの
温度に維持される。通液速度は適切な分離かえられるよ
うカラム内線速度を0.05〜20+a/h,特に望ま
しくは0.1〜1 0+/bに設定される。
精製したラクチュロース水溶液を上記のイオン交換クロ
マトグラフ処理することにより、各威分を分離すること
ができ、より精製されたラクチュロース水溶液が得られ
る。
ラクチュロース水溶液の精製は、試験2に示すように、
低分子量物質を分離、除去するか又は更に単糖類まで分
離、除去するかは、必要とされる製品の品質のレベル及
び経済性の観点から決定される。即ち、低分子量物質を
分離、除去することは、その分離性がよいため装置が小
型でよく、コストが低く有利であるが、着色に対する安
定性の点からは改善の余地が少ない。一方単糖類まで分
離、除去することは、着色に対する安定性の点では改善
の余地が大きいが、長いカラムを要し、装置及び製造コ
ストが高くなる。
次に試験例を示して本発明を詳述する。
まずラクチュロース水溶液の保存による褐変化について
試験を行った。
[試験 1] 実施例1と同一の方法で製造した通常の精製したラクチ
ュロース水溶液(固形分含量68%、ラクチュロース5
3.6%、乳糖3.6%、エビラクトース3.3%、ガ
ラクトース6.4%、タガトースロ,4 %、その他低
分子量物質0.7%)、市販のラクチュロース(メルク
社製)、乳糖(ナカライテスク社製)、エビラクトース
(シグマ社製)、ガラクトース(ナカライテスク社製)
及びタガトース(シグマ社製)を用いて、表1第1欄に
示すように6種類の試料を調製した。尚、各試料の糖質
濃度は精製したラクチュロース水溶液と同一とした。
各試料5 mlをガラス管に密封し、100℃で5時間
加熱し、のち4’20mmにおける吸光度測定して褐変
化の程度を試験した。
その結果を表1に示す。
以  下  余  白 表1から明らかなように、ラクチュロースに乳糖及びエ
ビラクトースを添加した試料(3) (4)では特に大
きな変化はなく安定であるが、単糖類を添加した試料(
5)及び(6)では褐変化し易くなり、更にその他の低
分子量物質を添加した試料(1)においては、より一層
褐変化し易いことが判明した。
従って、精製したラクチュロース水溶液に通常含有され
ている低分子量物質及び/又は単糖類を除去することが
できるならば、保存中の着色に対してより安定な精製ラ
クチュロース水溶液を得ることができる。
本発明者らは褐変化を促進する物質を除去するため、次
の試験を行った。
[試験 2] 直径2an,長さ1mのカラムにナトリウム形又はカル
シウム形の強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーライト(
登録商標。以下同じ)CG−60,ロームアンドハース
社製) 310 mlを充填し、実施例1に記載のラク
チュロース液を希釈して全糖度50.0%に調製した液
12mlを通液し、次いで溶離水を60℃の温度に加熱
して線速度0.51++/h+で通液した。そして溶出
液を6 mlずつフラクションコレクターにて分画、回
収し、その組成を高速液体クロマトグラフで分析し、そ
の溶出曲線を第1図(ナトリウム形樹脂使用)及び第2
図(カルシウム形樹脂使用)に示した。第1図及び第2
図において縦軸及び横軸は、それぞれ濃度比及び溶離液
量を示す。
各成分の溶出順序は、ナトリウム形樹脂を用いた第1図
では乳糖、エビラクトース、ラクチュロース、タガトー
ス、ガラクトース及びその他の低分子量物質の順であり
、カルシウム形樹脂を用いた第2図では乳糖、エビラク
トース、ラクチュロース、ガラクトース、その他の低分
子量物質及びタガトースの順であった。いずれの樹脂に
おいてもラクチュロースを含む二糖類は前半に、又単糖
類及びその他の低分子量物質は後半に溶出することが明
らかであり、特に低分子量物質とラクチュロースとを効
率よく分離できることが判明した。
尚、他のアルカリ金属形に調製した強酸性陽イオン交換
樹脂は、ナトリウム形と同様の分離状態を示し、又他の
アルカリ土類金属形に調製した強酸性陽イオン交換樹脂
は、カルシウム形と同様の分離状態を示すことが認めら
れた。
次に実施例を記載し、本発明を説明する。
実施例 1 市販乳糖(オランダC. C. F.社製)の30%水
溶液50kgに水酸化ナトリウム53gを添加し、70
℃で30分間加熱した。その後冷却し、イオン交換樹脂
で脱イオンして精製し、濃縮し、冷却●結晶化して未反
応の乳糖を除去し、固形分含量68%の精製したラクチ
ュロース水溶液約4.2kg(固形分中ラクチュロース
78.8%、乳糖5.3%、エビラクトース4.9%、
ガラクトース9.4%、タガトース0.9%、その他の
低分子量物質1.0%)を得た。
次いで内径111an,高さ3IIlのカラムにナトリ
ウム形強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーライトCG−
60.ロームアンドハース社製)23.51を充填し、
60℃に保持し、上記精製したラクチュロース水溶液0
.9kgを供給し、水の流量41!/hで溶離し、ラク
チュロースを含む両分を採取した。得られた画分を減圧
濃縮し、固形分含量を68%に調整し、精製したラクチ
ュロース水溶液約0.7kgを得た。
ラクチュロースを含む画分とその他の低分子量物質を含
む画分の組成は表2に示すとおりであった。尚、精製し
たラクチュロース水溶液は実質的に低分子量物質を含ま
ず、ラクチュロースの回収率は95%であった。
以  下  余  白 得られたラクチュロースを含む画分の着色に対する安定
性を試験するために、上記精製ラクチュロース水溶液を
イオン交換樹脂で脱色し、減圧濃縮してラクチュロース
濃度を53.6%(固形分含量62.8%)に調整した
。この水溶液の4 2 0+++aにおける収光度は0
.030であった。次いで試験1と同一の方法で加熱に
よる着色の試験を行った。100℃,5時間加熱後の吸
光度は0.20であり、その加熱による増加率は、6.
7倍であった。
実施例2 カルシウム形に調製した強酸性陽イオン交換樹脂(アン
バーライトCG−40。ロームアンドハース社製)を用
いたこと及び溶離水の流量を61/hとしたことを除き
、実施例1と同一の方法により精製したラクチュロース
水溶液約Q.75kg(固形分含量68%)を得た。
ラクチュロースを含む画分とその他の低分子量物質を含
む画分の組成は表3に示すとおりであった。尚、精製し
たラクチュロース水溶液は実質的に低分子量物質を含ま
ず、ラクチュロースの回収率は96%であった。
以 下 余 白 得られたラクチュロースを含む両分の着色に対する安定
性を試験するために、上記精製ラクチュロース水溶液を
イオン交換樹脂で脱色し、減圧濃縮してラクチュロース
濃度を53。6%(固形分含量66.7%)に調整した
。この水溶液の4 2 0++mにおける吸光度は(1
.027であった。次いで試験1と同一の方法で加熱に
よる着色の試験を行った。100℃,5時間後の吸光度
は0.17であり、その加熱による増加率は、6.3倍
であった。
実施例3 実施例1と同一の方法により製造したラクチュロース水
溶液を次のようにして精製した。
内径ioam,高さ8mのカラムにナトリウム形強酸性
陽イオン交換樹脂(アンバーライトCG− 60.ロー
ムアンドハース社製)63.81を充填し、60℃に保
持し、上記精製したラクチュロース水溶液4.2−を供
給し、水の流量4 1lbで溶離し、ラクチュロースを
含む両分を採取した。得られた両分を減圧濃縮し、固形
分含量を68%に調整し、精製した6クチュロース水溶
液約2.6kgを得た。
ラクチュロースを含む画分とその他の低分子量物質を含
む画分の組成は表3に示すとおりであった。尚、精製し
たラクチュロース水溶液は実質的に単糖類及び低分子量
物質を含まず、ラクチュロースの回収率は81%であっ
た。
以  下  余  白 得られたラクチュロースを含む画分の着色に対する安定
性を試験するために、上記精製ラクチュロース水溶液を
イオン交換樹脂で脱色し、減圧濃縮してラクチュロース
濃度を53.6%(固形分含量61.6%)に調整した
。この水溶液の4 2 haにおける収光度は0.01
5であった。次いで試験1と同一の方法で加熱による着
色の試験を行った。100℃,5時間加熱後の吸光度は
0.024であり、その加熱による増加率は、1、6倍
であり、安定であった。
[発明の効果] 本発明によって奏せられる効果は次のとおりである。
(1)  単純な工程により、保存中又は加熱による着
色を生じない、安定な精製ラクチュロース水溶液を製造
することができる。
(2)  品質を何ら損なうことなく、出発物質からラ
クチュロースを高収率で回収し、品質のすぐれた精製し
たラクチュロース水溶液を製造することができる。
(3)特殊な試薬を用いないので、分離・回収コストの
安い精製したラクチュロース水溶液を製造することがで
きる。
(4)  連続的、かつ大規模に精製したラクチュロー
ス水溶液を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はラクチュロース水溶液をナトリウム形強酸性陽
イオン交換樹脂層に通液し、得られた溶出曲線であり、
第2図はラクチュロース水溶液をカルシウム形強酸性陽
イオン交換樹脂層に通液し、得られた溶出曲線である。 濃度比 濃度比

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)乳糖をアルカリ異性化して得られる水溶液を精製
    したラクチュロース水溶液を、アルカリ金属形強酸性陽
    イオン交換樹脂又はアルカリ土類金属形強酸性陽イオン
    交換樹脂充填層に接触させ、該ラクチュロース水溶液に
    存在するラクチュロース以外の二糖類、単糖類及びその
    他の不純物の一部又は全部を除去し、ラクチュロース含
    有画分を採取することを特徴とする精製ラクチュロース
    の製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019160024A1 (ja) 2018-02-16 2019-08-22 森永乳業株式会社 血圧降下用及び/又は中性脂肪低減用の組成物
WO2019180965A1 (ja) 2018-03-23 2019-09-26 森永乳業株式会社 学童期以降の高血糖に起因する疾患の予防のための乳幼児用組成物
WO2019180964A1 (ja) 2018-03-23 2019-09-26 森永乳業株式会社 Fgf21分泌促進用組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019160024A1 (ja) 2018-02-16 2019-08-22 森永乳業株式会社 血圧降下用及び/又は中性脂肪低減用の組成物
WO2019180965A1 (ja) 2018-03-23 2019-09-26 森永乳業株式会社 学童期以降の高血糖に起因する疾患の予防のための乳幼児用組成物
WO2019180964A1 (ja) 2018-03-23 2019-09-26 森永乳業株式会社 Fgf21分泌促進用組成物

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