JPH0316517Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はヘツドレスト取付型スピーカーの考案
に係り、適宜のヘツドレストに対して安定且つ的
確でコンパクトな状態にスピーカーを取付けるこ
とができ、常に好ましい聴取関係を形成し得るよ
うにしたものである。

車載用スピーカーを取付ける機構として従来一
般的にはドア埋込み又はリアトレーに据付け若し
くは埋込むことが行われているが、スピーカーが
ドライバーなどから離れることとならざるを得な
いのでアンプ出力を大にしなければならず、又リ
アにスピーカーを置いた場合には殆んどがステレ
オ感は無いに等しい状態になる。そこで最近にお
いてはドライバー又は助手席のヘツドレスト支持
脚にステーを取付け、該ステーの両側にスピーカ
ーを設けるようなことも行われているが、そのヘ
ツドレスト支持脚は丸棒状のものが殆んどで、そ
の取付けは不安定であり、又該取付けに関しては
椅子側に取付けざるを得ないので、やはりスピー
カーが耳部分から離れることとなり、更にはドラ
イバーなどの肩部分等に接触し易いなどの不都合
を有している。なお例えば実公昭47−1052号公報
の如きにヘツドレスト自体にスピーカーを内蔵す
ることが提案されているが、一般市販品とした場
合にヘツドレスト自体から製作し取引しなければ
スピーカーを求め得ないこととなり、コスト的に
相当不利とならざるを得ないと共にスピーカーの
指向方向も一定となり、これを変えることができ
ないなどの不利を有している。

本考案は上記したような実情に鑑み検討を重ね
て考案されたものであつて、スピーカー支持部材
の両側端にヘツドレスト抱持部を対設し、該スピ
ーカー支持部材の略中央には両側端方向に延びて
ヘツドレストの支持脚を挿通する長孔を備え、し
かも前記ヘツドレスト抱持部の外面にスピーカー
を取付けると共に上記支持部材に上記ヘツドレス
トを上下および前後方向より締付ける緊締手段を
設けたことを特徴とするヘツドレスト取付型スピ
ーカーを提案するものである。

即ち本考案によるものの具体的な実施態様を添
附図面に示すものについて説明すると、ヘツドレ
スト１０を両端から抱持するための支持部材は２
枚の支持板１，１を中間部において接合対設した
ものでその一方の支持板１における接合端側には
段部１ｄを介して重合部１ａが形成され、該重合
部１ａは他方の支持板１の接合端側裏面に重合さ
れるもので、又このような重合部１ａには係合長
孔１ｂを各支持板１，１の中央部に穿設された長
孔６の両側において対設し、これらの係合長孔１
ａ，１ｂに対して他方の支持板１の端部側裏面に
突設した係子１ｃが係合していて、それら係合長
孔１ｂの長さ範囲において両支持板１，１が左右
方向に第２図の矢印ａの如くその長さを可変し得
るように成つている。前記した長孔６は上記した
両支持板１，１に股つて形成されていることは図
示の通りで、従つて両支持板１，１の各接合端側
は開口された切込み状のものであるが、このよう
な長孔６にはヘツドレスト１０を座席２０に取付
けるための公知のような支持脚１１，１１が挿通
されてヘツドレスト１０を適正に支持し取付ける
ことは第１図に示す通りであり、然して前記した
ような各支持板１，１の外側部にはそれぞれヘツ
ドレスト抱持部２が形成されて図示のように対設
され、斯うしたヘツドレスト抱持部２，２の間に
ヘツドレスト１０の両端部を挾持した状態で取付
けるように成つている。又上記支持板１の手前側
端部には矢印ｂ方向に優先的に伸縮性をもつたゴ
ム質（適宜に糸条を矢印ｂと直交した方向に配
設）又は布帛による連結片３を取付けて上記のよ
うにヘツドレスト抱持部２，２間に位置せしめら
れたヘツドレスト１０に対しその前面から上面に
かけて覆い、しかも該連結片３の端部にはラチツ
トベルトのような緊締手段４が取付けられ支持板
１の後側端部には該緊締手段４と係止してヘツド
レスト１０を締着するラチエツト式バツクルのよ
うな係止具５が取付けてある。上記したようなヘ
ツドレスト抱持部２にはそれぞれ枢子９と該枢子
９を中心とした円弧孔１８とが形成され、前記枢
子９および円弧孔１８に挿入されたガイド１９は
何れもスピーカー８に螺着され、即ちヘツドレス
ト抱持部２にスピーカー８を取付けている。

上記したような本考案によるものの作用につい
て説明すると、支持板１，１のヘツドレスト抱持
部２，２の採る間隔は前記したような係合長孔１
ｂの範囲において適宜に伸縮され、ヘツドレスト
１０の長さに即応せしめ且つヘツドレスト１０を
挾持状態で抱持し、しかも連結片３と緊締手段４
および係止具５によつて安定状態に締着支持する
ことができる。又斯うして取付けられたヘツドレ
スト１０の支持板１，１にスピーカー８が取付け
られることは前記の通りであるが、このようなス
ピーカー８は何れかの支持板１を引出しヘツドレ
スト抱持部２，２の間隔を大とした状態でガイド
１９を適宜に緩め円弧孔１８によつてその取付角
度を適当に可変し調整することができる。なお本
考案によるものは乗用車などのヘツドレストに適
することは勿論であるが、又航空機における座席
や観客席などのヘツドレストに関しても同様に採
用することができるものである。

以上説明したような本考案によるときは、スピ
ーカー支持部材の両側端にヘツドレスト抱持部を
対設し、この部分においてヘツドレストを抱持す
るようにしたもののヘツドレスト抱持部にスピー
カーを取付けるようにしたものであるからヘツド
レストに密着したコンパクトな状態にスピーカー
を配設することができ、又支持部材の略中央に両
側端方向に延びてヘツドレストの支持脚を挿通す
る長孔を設けたので車種や座席の如何を問わずに
スピーカーを取付けしめ、又上記支持部材にヘツ
ドレストを上下および前後方向から締付ける緊締
手段を設けたのでヘツドレストに対し支持部材お
よびスピーカーを安定に取付け、上記のようにコ
ンパクトであることと相俟つて着席者の耳に近接
してスピーカーを位置せしめ得るのでアンプ出力
などを殊更に大きくする必要なしに適切な聴取を
なすことができ、座席の幅員内におさめ得るので
車内利用上妨害ないし不利となることもないなど
の作用効果を有しており、実用上その効果の大き
い考案である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を示すものであつて、
第１図は本考案によるものの座席に対する取付状
態を示した斜面図、第２図は本考案によるものの
構成部材について分解状態を示す斜面図である。 然してこれらの図面において、１は支持板、１
ａはその重合部、１ｂは係合長孔、１ｃは係子、
１ｄは段部、２はヘツドレスト抱持部、３は連結
片、４は緊締手段、５は係止具、６は長孔、８は
スピーカー、９は枢子、１０はヘツドレスト、１
１は支持脚、１８は円弧孔、１９はガイド、２０
は座席を示すものである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スピーカー支持部材の両側端にヘツドレスト抱
   持部を対設し、該スピーカー支持部材の略中央に
   は両側端方向に延びてヘツドレストの支持脚を挿
   通する長孔を備え、しかも前記ヘツドレスト抱持
   部の外面にスピーカーを取付けると共に上記支持
   部材に上記ヘツドレストを上下および前後方向よ
   り締付ける緊締手段を設けたことを特徴とするヘ
   ツドレスト取付型スピーカー。