JPH03162715A - 熱可塑性フイルム - Google Patents

熱可塑性フイルム

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JPH03162715A
JPH03162715A JP2212492A JP21249290A JPH03162715A JP H03162715 A JPH03162715 A JP H03162715A JP 2212492 A JP2212492 A JP 2212492A JP 21249290 A JP21249290 A JP 21249290A JP H03162715 A JPH03162715 A JP H03162715A
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magnetic
film
layer
magnetic particles
weight
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JP2212492A
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Toshihiko Hiraoka
俊彦 平岡
Kenji Tsunashima
研二 綱島
Seizo Aoki
青木 精三
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、プリペイド、クレジット、キャッシュの各種
カードや自動改札用切符、定期券、各種入場券、磁気テ
ープ、磁気フロッピーディスクといった磁気媒体、更に
は小切手、国債、有価証券、紙幣等の偽造防止用ベース
にも使用可能な熱可塑性フィルムに関する。
ここで、本願においては、特にことわりのない限り、「
フィルム」には、一般にシートと呼ばれる厚物も含むも
のとする。
[従来の技術] 従来、プリペイド、クレジット、キャッシュの各種カー
ドや自動改札用切符、定期券、各種人場券、更には磁気
テープ、磁気フロッピーディスクに用いられる磁気特性
を有するフィルムは、紙や熱可塑性樹脂フィルム或いは
その多層ラミネートフィルムといったベース素材に、磁
性層を塗布したり、磁気ストライプを貼着したもの、あ
るいは、予め薄いフィルムに塗布した磁性体を転写する
ものが用いられてきた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、紙や紙の少なくとも片面に熱可塑性樹脂
フィルムをラミネートしたベース素材を用いたものは、
水に弱く、強度に劣る欠点が有るまた、例えば、塗布方
式の場合、バインダーに分散させた磁性体を塗布し、配
向させ、乾燥、カレンダリングと多くの工程を必要とし
、貼着法や転写法の場合も、予め磁性体を別のフィルム
に塗布しておいて、基体に貼着あるいは転写するためい
ずれも工程が多くなるという欠点がある。
更に、塗布した磁性層や貼着した磁気ストライプに、単
に磁気記録したものでは、記録の読み出し、書き込みが
比較的容易なため機密性に乏しく偽造し易いという欠点
が有る。この各種カードや切符、定期券、入場券の安全
性の問題は、カード使用人口の増加或いは金額の高額化
に伴い、重要視されてきたもので、今後更に重要になる
のは必至である。また、小切手、国債、有価証券、紙幣
類は主として紙が用いられ、すかしによって偽造防止を
狙っているが、磁気的なすかしを導入することによって
基体自身を1枚1枚識別することができれば、偽造を完
全に不可能にすることができる。
本発明の目的は、各種カードや切符、定期券、入場券に
用いるフィルムベース素材自体に、磁気特性を付与した
ものであり、この原反フィルムを用いることによって、
ベース素材の強度を高め、製造工程を大幅に短縮し、加
工性に優れ、カードの偽造を防止し、機密性、安全性を
向上させるところにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、平均粒径が0.05〜10μmの磁性体粒子
を10〜80重量%含有する層(A層)を有することを
特徴とする熱可塑性フィルムに関する。
磁性体粒子は、本発明の熱可塑性フィルム中に均一に分
散し磁気的に配向することによって、磁気記録が可能と
なり、磁気記録媒体として利用することができる。また
、磁性体粒子が、不均一に分散したり、あるいは磁気的
な配向を不均一にすることによって、それぞれのフィル
ムの識別が可能となるため、本発明の熱可塑性フィルム
を使用した製品の偽造を防止することができる。
本発明における熱可塑性フィルムとしては、ポリエステ
ル、ポリフエニレンスルフィド、ポリオレフィン、ポリ
アミド、ポリウレタン、ビニル重合体などの熱可塑性ポ
リマー主体とするフィルムが挙げられるが、表面特性、
物理的特性などの点からポリエステル、ポリオレフィン
、ビニル重合体フィルムが好ましい。
ここでいうポリエステルとは、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンビスフエノキシカルボキシレート、
またはそれらの変性体などをいう。また、ここでいうポ
リオレフィンとは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リメチルペンテン、またはそれらの変性体などをいう。
また、ここでいうビニル重合体とは、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリスチ
レン、またはそれらの変性体などをいう。
この中でもポリエステルとしては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキ
シレンジメチレンテレフタレートが好ましく、ポリオレ
フィンとしては、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン
が好ましく、ビニル重合体としてはポリ塩化ビニル、ポ
リスチレンが好ましい。これらのポリマーを、単体とし
て用いてもよいが、いずれかのポリマーを主成分として
、他のポリマーとブレンド或いは変性してもよい。
また、寸法安定性、強度などの点から、熱可塑性フィル
ムとしてはポリエチレンテレフタレートを主成分とする
フィルムが特に好ましく用いられる。
ポリマー中の磁性体粒子の分散性が良くなると、フィル
ムの製膜性が向上するだけでなく、磁気特性も向上する
。そのためにポリマーは共重合によってポリマーの結晶
性を下げるとともに、ポリマーの融点も低下させた方が
よい。ポリマーの主成分がポリエチレンテレフタレート
の場合、その共重合性分としては、ジカルボン酸では例
えば、イソフタル酸、フタル酸、ジフエニルスルホンジ
カルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフエ
ノキシエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン
酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、スチルベンジ
カルボン酸、ジフエニルジヵルボン酸、ジフエニルチオ
エーテルジカルボン酸、ジフエニルケトンジカルボン酸
、フエニルインダンジカルボン酸、更にはp−オキシ安
息香酸なとのオキシカルボン酸などを挙げることができ
る。
ジヒドロキシ化合物戊分としては、トリメチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメ
タノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシジフェニル)
プロパン、2.2−ビス(4ーヒドロキシエトキシフエ
ニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフエニル)スル
ホン、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオール、ビス
(4−ヒドロキシエトキシフエニル)スルホンなどを挙
げることができる。以上の中でも好ましいものとしては
、イソフタル酸、ジフエニルスルホンジカルボン酸、フ
エニルインダンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボ
ン酸、ビス(4−ヒドロキシエトキシフエニル)スルホ
ン、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコ
ールなどが挙げられる。
本発明の熱可塑性フィルムは、少なくとも磁性体粒子を
分散させた層(A層)を有することにより、磁気センサ
ーで磁気信号出力を検出するものである。
磁性体粒子を含有する層(A層)における磁性体粒子の
含有量は、10〜80重量%、好ましくは15〜50重
量%である。磁性体粒子の含有量が10重量%未満であ
ると磁力強度が低下し、S/N比が低下するため、出力
信号を検出することができなくなる。また、磁性体粒子
の含有量が80重量%を超えると、フィルムの強度が極
端に低下する。
本発明で使用する磁性体粒子の平均粒径は0.05〜1
0μmであり、好ましくは0.1〜5μmである。磁性
体粒子の粒子径が0.05μm未満の場合は、磁気信号
の検出が困難になり、また10μmより大きい場合は、
フィルムの表面の平面性が低下し、磁気信号検出時のノ
イズ発生の原因となる。
本発明に適用される磁性体粒子は、特に限定されないが
、バリウムフエライト、ストロンチウムフエライト、カ
ルシウムフエライト、亜鉛フエライト、鉛フエライト、
マグネシウムフエライト、γ一酸化鉄、α一酸化鉄、コ
バルトーγ一酸化鉄、炭化鉄、ニッケルジンクフエライ
ト、マンガンジンクフエライト、マグネタイト、二酸化
クロム、酸化ニッケル、酸化コバルトなどの酸化磁性粉
および鉄、ニッケル、クロムなどの単体や合金からなる
金属磁性粉、或いはそれらの混合磁性粉が好ましく用い
られる。特に磁気記録性を有するためには、磁性体粒子
の磁化曲線における残留磁化(残留磁束密度)の大きい
方がよいが、用途に応じて、バリウムフェライト、スト
ロンチウムフエライト、γ一酸化鉄、コバルトーγ一酸
化鉄などの酸化磁性粉および鉄、ニッケル、クロムなど
の単体や合金からなる金属磁性粉を用いることが好まし
い。
本発明のフィルムは、磁性体粒子を含有する層(A層)
のみでもよいが、A層に更に熱可塑性フィルム層を積層
した複合フィルムであってもよい。
その際、磁性体粒子を含有する層は表面層であっても、
中間層であってもよい。磁気信号が検出できる限り、磁
性体粒子を含有する層を中間層とし、表面層には他の特
性、例えば、印刷性や接着性に優れた層を用いることも
好ましい。
さらに、A層以外の熱可塑性フィルム層中においても、
A層の磁気特性に影響を及ぼさない範囲において、磁性
体粒子を添加することができる。
但し、A層に添加した磁性体粒子と同一種の磁性体粒子
の場合、その添加量は、10重量%未満であるのが好ま
しい。また、A層の磁気特性とは異なる磁気特性を有す
る磁性体粒子を多量に添加することにより、多重磁気記
録をさせてもよい。多重磁気記録の場合、A層と他の磁
性体粒子の含有層の磁化方向を異なる方向にすれば、よ
り鮮明な多重磁気記録を行なうことができる。
また、磁性体粒子を含有する層或いは磁性体粒子を含有
しない層のいずれにも、所望に応じて滑り性、磨耗性、
遮光性、着色性などの特性を付与する目的で、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウ
ム、酸化マグネシウム、シリカ、カオリン、タルク、マ
イカ、ゼオライトなどの無機粒子を添加することができ
る。
特にフィルムに偽造防止性を付与する場合、A層はフィ
ルムの外側からは、極力見えない方が良いため、例えば
A層の両側に、印刷層を設けたり、白色層を設けて更に
印刷層を付与したりすることが好ましい。
本発明の熱可塑性フィルムの厚さとしては特に限定しな
いが、延伸フィルムの場合、3〜360μm1無延伸フ
ィルムの場合、50〜2000μmのものが好んで用い
られる。
次に、本発明の熱可塑性フィルムを製造する方法につい
て述べる。しかし、必ずしもこの方法に、限定されるも
のではない。
磁性体粒子は、熱可塑性樹脂の重合時に、反応モノマー
を添加すると同時に添加、或いは重合途中に添加しても
よいが、混合押出機を用いて、熱可塑性樹脂と溶融ブレ
ンドしてもよい。熱可塑性樹脂は、フィルムの機械的強
度を維持するために分子量が高い方が良いため、磁性体
粒子を、高分子量にした熱可塑性樹脂と溶融ブレンドす
る手法が好ましい。このようにして得られた混合物を、
必要に応じて充分乾燥し、常法により溶融させ、複合フ
ィルムとする場合は多層状態で共押出し、キャストする
溶融した熱可塑性樹脂は、そのままキャストしてもよい
が、静電印加キャストしてもよい。その際の印加電圧は
、5〜15kVであり、好ましくは、6〜9kVである
フィルムが良好な磁気記録媒体としての特性を有するた
めには、口金内のランド〜リップ間、あるいは口金リッ
プ〜キャスティングドラム間、更には口金〜キャスティ
ングドラムまわりにおいて磁場配向処理することが好ま
しい。すなわち、磁性体粒子が、磁界を通過することに
より、磁性体粒子の磁化方向が、磁気記録フィルムとし
ての走行方向と平行になるわけである。この磁場配向に
は、溶融ポリマー側が同一の磁極になるように、好まし
くは500〜2000ガウスの永久磁石あるいは直流電
磁石を配置し、磁力線の方向に平行になるように、溶融
ポリマーを通過させて行なうのがよい。口金リップ〜キ
ャスティングドラム間においては、磁石とポリマーとの
距離が20mm以下に配置するのが良い。また、溶融ポ
リマーには、添加した磁性体粒子の保持力以上の磁場を
印加するのが良い。
また、磁性体粒子が、例えば針状といった、形状異方性
を持った粒子の場合、上記磁場配向処理以外に、機械的
に配向させることが望ましい。すなわち、口金リップ〜
キャストドラム間において、溶融した熱可塑性樹脂に高
ドラフトをかけ、形状異方性を持った磁性体粒子を、フ
ィルムの長手方向に配向させるものである。この際の口
金のスリット幅(間隙)と未延伸フィルムの厚さの比(
スリット幅/未延伸フィルム)は、5〜100であり、
好ましくは、20〜80である。
更に、キャスト直後のまだ固化していないフィルムをキ
ャストドラムと付設の冷却ロール間で圧着カレンダリン
グすることにより、フィルム表面を平滑化すると共に、
磁性体粒子を、フィルムの長手方向に配向させても良い
キャストした未延伸フィルムはそのまま使用しても良い
が、一軸あるいは二軸に延伸させても良い。一軸延伸の
場合、長手方向あるいは幅方向のどちらに延伸させても
良い。二輪延伸の場合、逐次二軸延伸法または同時二軸
延伸法を用いることができる。例えば、ポリエステルを
ベースポリマーとして用いる場合、最初に長手方向、次
に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸法が望ましい。更
に、延伸したフィルムに熱処理を施しても良い。
この場合の熱処理条件としては、定長下、弛緩状態、微
延伸状態のいずれでもよく、例えばポリエチレンテレフ
タレートをベースポリマーとして用いる場合、150〜
235℃、好ましくは170〜220℃ノ範囲で0. 
 5〜60秒間が好適である。更には、延伸したフィル
ムを高温でカレンダリングしても良い。すなわち、ロー
ルをガラス転移温度〜融点まで加熱し、線圧0.5〜1
00kg/Cm,好ましくは5 〜3 0 k g /
 c mでカレンダー処理することによって、フィルム
表面を平滑化し、延伸によって発生したフィルム中のボ
イドを圧縮して、磁性体粒子の充填度を上げるのが望ま
しい。
本発明のフィルムは、所望に応じて滑り性、磨耗性、印
刷性、接着性を付与する目的で、各種コーティングを施
しても良い。また、更に磁性層を塗布しても良い。また
、他のシート状物と貼り併せても良い。
フィルムに磁気的な不均一パターンを付与することは、
磁気的なパターンそのものが「すかし」の役割を果たす
ため、フィルムの偽造を防止することができる。磁気的
な不均一さは、フィルムに、周波数50〜1000Hz
の矩形波や正弦波といった一定の信号波を記録し、磁気
センサーによってその記録を読み取った時に、フィルム
における各波の振幅の最大値に対して、最小値が70%
以下、好ましくは50%以下、更に好ましくは20%以
下であることによって、それぞれの製品フィルムの磁気
的な不均一さを認識することができる。
この磁気的な不均一さを付与する手法としては、上述の
磁場配向時に磁石の磁力を変動することによって、各磁
性体粒子の配向を不均一化して得る方法がある。例えば
、直流電磁石を用いて電流値を変動させる方法がある。
電流値はあるパターンで変動させることにより、フィル
ムに特定の信号を入力することもできる。また、キャス
ト直後のまだ固化していないフィルムをキャストドラム
と付設の冷却ロール間で圧着する際に、冷却ロール内に
永久磁石や直流電磁石を取り付け、ロールの回転を利用
して不均一な磁場を印加しても磁気的な不均一さを発現
させることができる。更には、キャストドラム表面を磁
化し、その磁力の不均一さを前述の方法で付与すること
によっても同様の効果が得られる。
磁気的な不均一さを付与する別の手法としては、磁性体
粒子との親和性の異なる2種以上のポリマーをブレンド
することにより、磁性体粒子の分散をポリマー中で変化
させる方法がある。原則として異なるポリマーは相溶し
ないため、ブレンドしてもボリマーは多層構造をとる。
そこに磁性体粒子を添加すると磁性体粒子は、親和性の
高いポリマー層に密に分散し、親和性の低いポリマー層
にはそれほど分散しない。従って、磁性体粒子には分散
にむらが生じる。例えばポリエチレンテレフタレート系
のポリマーがベースの場合、ポリエチレンテレフタレー
ト100重量部に対して、液晶性のポリエステルや、ポ
リプロピレン、ポリメチルペンテンといったポリオレフ
ィンやナイロン、あるいは各種エラストマーを10−1
00重量部添加したポリマーブレンド系に、所定量の磁
性体粒子を添加することによって、磁性体粒子の分散状
態を変化させることができる。さらに、このブレンドフ
ィルムは延伸することによって、各ポリマー層間にボイ
ドが生成するため、不均一さを更に増大させることがで
きる。
この磁気的な不均一さを利用するには、例えば本フィル
ムをプリペイドカードに利用する場合、A層の更に外側
に磁気記録層を塗布しておき、A層の磁性体粒子の不均
一なパターンを別の情報と共に本来の磁気記録塗布層に
記録しておく。プリペイドカードを使用する場合、読取
機では磁気記録層の情報を読み取るとともに、フィルム
中のA層の磁性体のパターンを照合する。したがって、
この磁気記録塗布層の記録を読み取って、別のカードに
写しとっても、A層の磁気パターンが異なるためその偽
造が判明してしまう訳である。
また、小切手、有価証券等の磁気的なすかしとして利用
する場合、A層の不均一なパターンを通し番号と共に予
め登録する方法や、A層の不均一なパターンを新たに別
の記録層を設けて記録させたり、A層の磁気パターン自
身をフィルム製膜時に予め特定のパターンにしておく方
法などがある。
本発明のフィルムは、印刷を施して、プリペイド、クレ
ジット、キャッシュの各種磁気カードや、自動改札用切
符、定期券として利用できる他、ストライプ状にスリッ
トして基体に貼着したり、必要なパターン状にビク抜き
して、磁気ラベルとして基体に貼着して利用できる。更
には、フィルム中に分散させた磁性体を磁気的なすかし
として利用することにより、偽造防止カード、小切手・
国債・有価証券・紙幣等の偽造防止としても利用できる
。また、テープ状にすることにより、オーディオテープ
、ビデオテープとして、また磁気フロッピーディスクそ
の他の磁気記録媒体としても利用できる。
[作用] 熱可塑性フィルム基体中に磁性体粒子を分散させること
により、ポリマーが磁気特性を有するようになり、発明
の効果が得られた。
[物性の測定方法] (1)引張り弾性係数 東洋測器(株)製“テンシロン”により25℃、65%
RT{における歪・応力曲線の伸度2%の位置における
接線の勾配から求めた。サンプルは幅1 0mm,長さ
(クランプ間隔)50mmとし、引張速度は20mm/
分で行なった。
(2)磁気特性 理研電子(株)製、試料振動型磁力計を用いて、10k
Oeの外部磁界を試料フィルムの長手方向に平行になる
ように印加し、得られるヒステリシスループから、フィ
ルムの磁気特性(保持力、残留磁化、角形比)を求めた
(3)耐湿性 常温において、水中に30分浸漬した時の変形性で評価
し、変形しなかったものを○、やや変形したものを△、
完全に変形したものを×とした。
(4)磁気記録性、磁性の不均一性 オーディオ用ヘッド(ソニー(株)製マスターカードレ
コーダーCP−2100)を用いて、上記のフィルムを
長手方向に走行させ音声あるいは矩形波(周波数50〜
1000Hz)の一定信号を録音した後、再生させ、そ
のオーディオ再生出力電圧を測定した。また、再生の鮮
明度は、雑音の有無で判断し、雑音のないものを01や
や雑音の多いものを△、雑音の多いものを×とした。
(5)磁性体粒子の平均粒径 磁性体粒子をエタノール中に分散させ、遠心沈降式粒度
分布測定装置(堀場製作所製CAPA500)を用いて
測定し、体積平均径を算出し、平均粒径とした。
[実施例] 以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例l〜3 固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレートの粒状
体70重量部と平均粒径0.5μmのバリウムフエライ
ト30重量部とを、押出機を用いて溶融混合し、粒状体
の混合物Aを得た。
固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレートの粒状
体90重量部と平均粒径0.  3μmの酸化チタン1
0重量部とを、押出機を用いて溶融混合し、粒状体の混
合物Bを得た。
2基の押出機と2層溶融共押出が可能な口金を備えた二
軸延伸製膜機を用い、一方の押出機に混合物Aを、他方
の押出機に混合物Bを供して、2層の共押出を行なった
実施例1においては、キャスト時、印加電圧7kVの静
電印加キャストを行なった。実施例2、3においては、
口金のリップ〜キャストドラムにおいて、磁力線が反発
して、磁力線の方向がフィルムの長手方向に平行になる
ように、800ガウスの磁力を持つ磁石を、溶融したフ
ィルムの両側において、フィルムとの間隔が3mmにな
るように配置し、磁場配向させて、キャストした。
キャストしたフィルムは、それぞれ長手方向に36 0
倍、横方向に3.0倍延伸し、2 1 0’C10秒の
定長熱処理を施した。実施例3については、更に、13
0℃線圧10kg/cmでカレンダリングを行なった。
これによって、磁性体粒子を含有した層が30μm1酸
化チタンを含有した層が150μmの2層積層した2軸
延伸フィルムを得た。
比較例1 固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレートの粒状
体98重量部と平均粒径0.  5μmのバリウムフエ
ライト2重量部とを、押出機を用いて溶融混合し、粒状
体の混合物Aを得た。
固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレートの粒状
体90重量部と平均粒径0.  3μmの酸化チタン1
0重量部とを、押出機を用いて溶融混合し、粒状体の混
合物Bを得た。
こうして得られた混合物AおよびBを、実施例2と同様
に磁場配向キャストし、磁性体粒子を含有した層が30
μm1酸化チタンを含有した層が150μmの2層積層
した2軸延伸フィルムを得た。
実施例4、5 固有粘度0.75のポリエチレン−2.6−ナフタレー
トの粒状体70重量部と長袖方向平均0.7μm1短軸
方向平均0.  1μmのγ一酸化鉄30重量部とを、
押出機を用いて溶融混合し、粒状体の混合物Aを得た。
固有粘度0.75のポリエチレン−2,6−ナフタレー
トの粒状体90重量部と平均粒径0.  3μmの酸化
チタン10重量部とを、押出機を用いて溶融混合し、粒
状体の混合物Bを得た。
こうして得られた混合物AおよびBを、キャストする際
、実施例4においては、口金のスリット幅(間隙)と未
延伸フィルムの厚さの比(スリット幅/未延伸フィルム
厚さ)を5とし、実施例5においては50とし、更にキ
ャストドラムと付設の冷却ロール間で圧着カレンダリン
グすることにより、キャストフィルムを得、実施例1と
同様に2層積層した2軸延伸フィルムを得た。
実施例6 固有粘度0.80のポリシクロヘキシレンジメチレンテ
レフタレート/イソフタレート(80モル/20モル)
共重合体の粒状体50重量部と長袖方向平均0.7μm
1短軸方向平均0.  1μmのγ一酸化鉄50重量部
とを、押出機を用いて溶融混合し、粒状体の混合物Aを
得た。
固有粘度0.80のポリシクロヘキシレンジメチレンテ
レフタレート/イソフタレート(80モル/20モル)
共重合体の粒状体90重量部と平均粒径0.3μmの酸
化チタン10重量部とを、押出機を用いて溶融混合し、
粒状体の混合物Bを得た。
こうして得られた混合物AおよびBを、キャストする際
、口金のスリット幅(間隙)と未延伸フィルムの厚さの
比(スリット幅/未延伸フィルム厚さ)を50とし、さ
らにキャストドラムと付設の冷却ロール間で圧着カレン
ダリングすることにより、キャストフィルムを得、実施
例1と同様に2層積層した2軸延伸フィルムを得た。
実施例1〜6においては、耐湿性、機械的強度、更には
、成形加工性の優れたフィルムが得られた。
実施例1〜6、比較例1のフィルムの物性について、以
下の表に示す。
実施例3、5、6においてはオーディオ信号レベルの記
録が可能であり、実施例1、2、4においても、比較例
lに比べ十分な出力が得られており、記録媒体としての
利用が可能である。
実施例7 固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレートの粒状
体70重量部と平均粒径0.  5μmのバリウムフエ
ライト30重量部とを、押出機を用いて溶融混合し、粒
状体の混合物Aを得た。
固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレートの粒状
体90重量部と平均粒径0.3μmの酸化チタン10重
量部とを、押出機を用いて溶融混合し、粒状体の混合物
Bを得た。
3基の押出機と3層溶融共押出が可能な口金を備えた二
輪延伸製膜機を用い、1台の押出機に混合物Aを、残り
2台の押出機に混合物Bを供して、混合物Aの層の両側
に混合物Bの層がくるように、B/A/Bの3層の共押
出を行なった。
フィルムは、実施例2と同様に磁場配向キャストさせ、
さらに、それぞれ長手方向に3.0倍、横方向に3.0
倍延伸し、2 1 0’C1 0秒の定長熱処理を施し
、130℃線圧10kg/cmでカレンダリングを行な
った。
これによって、磁性体粒子を含有した層が20μm1そ
の両側に酸化チタンを含有した層が10μmおよび15
0μmの3層積層した2軸延伸フィルムを得た。
上記のフィルムの長手方向に、音声を録音した後、再生
させたところ、十分判別できる音声出力が得られた。従
って、このフィルムをカード化した時に、予め、フィル
ム内の磁性体分散層のある特定部位において、1つ1つ
のカードを識別できる信号(例えば、本人の音声や指紋
のデータ、暗証番号など)を記録することによって、第
三者がそのカードを使用しようとしても、フィルムに記
録された信号によって、本人を識別できるため、不正使
用を防止できる。また、通常、カード使用者および第三
者には、フィルム内に磁性体分散層が存在することや識
別信号が記録されていることは知らされておらず、また
、磁性体分散層のどの部位に記録されているかもわから
ないため、力一ドの偽造も防止できる。
実施例8 固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレートの粒状
体70重量部と平均粒径0.5μmのバリウムフエライ
ト20重量部とポリメチルペンテンIO重量部とを、押
出機を用いて溶融混合し、粒状体の混合物Aを得た。
固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレートの粒状
体90重量部と酸化チタン10重量部とを、押出機を用
いて溶融混合し、粒状体の混合物Bを得た。
こうして得られた混合物AおよびBを、実施例2と同様
に磁場配向キャストし、磁性体粒子を含有した層が30
μm、酸化チタンを含有した層が150μmの2層積層
した2軸延伸フィルムを得た。
実施例9 固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレートの粒状
体50重量部と平均粒径0.5μmのバリウムフエライ
ト30重量部とポリメチルペンテン20重量部とを、押
出機を用いて溶融混合し、粒状体の混合物Aを得た。
固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレ−トの粒状
体90重量部と酸化チタン10重量部とを、押出機を用
いて溶融混合し、粒状体の混合物Bを得た。
ポリエチレンテレフタレートの重合時にポリマ−100
重量部に対して0.05重量部になるように平均粒径2
μmのシリカを添加し、固有粘度0.70のポリエチレ
ンテレフタレートの粒状体Cを得た。
こうして得られた混合物A,BおよびCを、C/A/B
となるように3層共押出し、実施例1と同様にキャスト
し、延伸、熱処理を行なって、C/A/Bが、5μm/
20μm/175μmの積層厚みの2軸延伸フィルムを
得た。
実施例8、9で得られたフィルムを長平方向に走行させ
、5 0 0 H zの矩形波信号を記録し、再生させ
たところ、その出カ波の振幅の最小値/最大値が、実施
例8では50%、実施例9では20%となり、強度が不
均一となった。さらに、このフィルムを用いてカード化
したところ、カード1枚1枚において、磁性体の分散状
態が異なるため、磁性体から得られる磁気信号出力のパ
ターンがそれぞれ異なっていることを確認した。従って
、この不均一パターンを磁気的なすかしとして利用し、
そのデータを予め別の磁気記録層に記録しておくと、カ
ード使用時にフィルム中の磁性体の分散状態を照合する
ことにより、カードが偽造されたものかどうか判別する
ことができる。
実施例10 冷却能力を有するフッ素コーティングしたロールにおい
て、ロール表面で0〜800ガウスの磁場が発生するよ
うに、ロール内部に直流電磁石を取り付け、カードや紙
幣の長さ分の走行距離間で数回電流を反転させられるよ
うにしておく。ここで、実施例7と同様の構成を有する
フィルムの製膜において、キャスト直後のまだポリマー
が固化していないフィルムをキャストドラム上でこのロ
ールと接触させ、磁性体粒子に不均一な磁場配向をさせ
た。実施例8、9と同様に記録を行ない、再生させたと
ころ出力波の振幅の最小値/最大値が20%となり、不
均一性が得られた。
[発明の効果コ 本発明は、少なくとも磁性体粒子を含有した層を有する
ことを特徴とする熱可塑性フィルムとしたことにより、
ベース素材としての機械的強度、耐湿性に優れ、磁気特
性としては、十分な磁気記録特性を維持し、また、偽造
を防止し、機密性、安全性を向上させることも可能な熱
可塑性フィルムが得られるものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)平均粒径が0.05〜10μmの磁性体粒子を1
    0〜80重量%含有する層(A層)を有することを特徴
    とする熱可塑性フィルム。
  2. (2)磁性体粒子を含有するA層に磁気記録を行ない、
    磁気記録媒体として使用することを特徴とする特許請求
    の範囲第1項に記載の熱可塑性フィルム。
  3. (3)磁性体粒子を含有するA層に一定の磁気的な信号
    を記録した後、磁気センサーによってその磁気信号を出
    力したとき、フィルムの1枚1枚の磁気信号出力が不均
    一となり、それぞれのフィルムを識別できることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項に記載の熱可塑性フィルム
JP2212492A 1989-08-10 1990-08-09 熱可塑性フイルム Pending JPH03162715A (ja)

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JP20900989 1989-08-10
JP1-209009 1989-08-10

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010208333A (ja) * 2002-05-10 2010-09-24 Tetra Laval Holdings & Finance Sa 包装積層体、折り目付けローラー、並びに包装積層体に使用するための層

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