JPH0316006Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は内燃機関制御用回転角検出装置に関す
る。

従来技術 電子制御式内燃機関ではクランクシヤフトの回
転角度位置を何らかの形で電気的に検出し、この
検出信号に基いて点火時期を制御したり、或いは
燃料噴射時期を制御するようにしている。従来よ
りクランクシヤフトの回転角度回転はデイストリ
ビユータのロータ軸の回転角度位置を検出するこ
とにより、或いはクランクシヤフトの回転角度位
置を直接検出することにより検出されている。

これに対して本願考案者は、カムシヤフトの回
転位置により検出を行う提案をした（実願昭第58
−145022）。この検出装置には検出素子として磁
石とホール素子とが含まれている。円弧状突出リ
ブが磁石とホール素子との間を通過する際に、突
出リブは磁石に引寄せられて磁石側にたわみ、磁
石から去るときに反動的に反対側にたわみ、波打
振動が生じる。その結果、突出リブがホール素子
に接触するようになる。この接触により部品の破
損が生じる。このような突出リブの波打振動を防
止するためには突出リブの厚さを増して剛性を強
化すればよいが、そうすると逆に、磁石とホール
素子との間のギヤツプが大きくなり、ホール素子
への磁力が距離の２乗に反比例して小さくなるた
めに検出精度が悪化することになる。

考案の目的及び構成 本考案の目的は上記に鑑みて突出リブの波打を
防止して検出精度を高めることにあり、この目的
達成のために、本考案においては、突出リブの厚
さが根元部において大きく、先端部が相対的に小
さくされたことを特徴とする。

実施例の説明 第１図を参照すると、１はシリンダヘツド、２
はシリンダヘツド１上に固定されたベアリングキ
ヤツプ、３はシリンダヘツド１およびベアリング
キヤツプ２の接合部に形成された軸受孔、４は軸
受孔３内で回転可能に支承されたカムシヤフト、
５はシール部材、６はカムシヤフト４の端部に取
付けられたカムタイミングプーリ、７はカムシヤ
フト４に対してカムタイミングプーリ６を位置決
めするノツクピンを夫々示し、カムタイミングプ
ーリ６はスペーサ８を介してボルト９によりカム
シヤフト４に固締される。カムタイミングプーリ
６は薄肉のデイスク部１０と、デイスク部１０の
外周縁に沿つて延びる環状のフランジ部１１とに
より構成され、フランジ部１１の外周面上には外
歯が形成される。この外歯には鎖線で示すように
タイミングベルト１２が噛合つており、このタイ
ミングベルト１２はクランクシヤフトによつて駆
動される。一方、カムタイミングプーリ６はプー
リカバー１３によつて覆われており、このプーリ
カバー１３はカムタイミングプーリ６の前面を覆
う前方カバー部分１４と、カムタイミングプーリ
６の背面を覆う後方カバー部分１５とにより構成
される。

カムタイミングプーリ６のデイスク部１０の端
面にはカムシヤフト軸線を中心とする円周上に所
定角度毎に円弧状に延びる突出リブ１６が一体形
成されている。これらのリブ間はスリツトになつ
ている。シリンダヘツド１には検出器１７がボル
ト１８により固設される。検出器１７はリード線
１９により制御装置２０に接続される。又、シリ
ンダヘツド１には検出器１７近くまでウオータジ
ヤケツト２１が形成されている。

第２図は検出器１７付近の拡大断面図である。
検出器１７は円弧状リブ１６の一側面に近接配置
された永久磁石２４と、円弧状リブ１６の他側面
に近接配置されたホール素子２５と、一対の弯曲
した継鉄２６，２７から構成され、これらの永久
磁石２４、ホール素子２５、継鉄２６，２７は合
成樹脂材料からなるケーシング２８内に完全に埋
込まれる。ホール素子２５は磁界が加わると電流
が流れる素子である。従つて永久磁石２４とホー
ル素子２５との間にスリツトが位置すると矢印Ａ
に示すような磁気回路が形成され、斯くしてホー
ル素子２５に電流が流れる。一方、永久磁石２４
とホール素子２５との間にスリツトが位置しない
ときには矢印Ｂに示すような磁気回路が形成さ
れ、このときにはホール素子２５に磁界が加わら
ないためにホール素子２５には電流が流れない。
従つて永久磁石２４とホール素子２５間にスリツ
トが位置する毎にホール素子２５には電流が流
れ、斯くしてホール素子２５の出力端子に角度位
置を表すパルス信号が発生する。

第２図には突出リブ１６の断面形状がさらに詳
細に示されている。突出リブ１６の第２図の横方
向に見た全高の約1/3に当る根元部１６ａは一定
の厚さａで全円周上に環状に形成されている。該
環状根元部の先に円弧状部分１６ｂが形成され、
相隣接する円弧状部分１６ｂの間にスリツトが形
成される（第２図はスリツトの位置にある）。全
高の約1/3に当る先端部１６ｃの厚さｃは根元部
１６ａの厚さａより相対的に小さく、この実施例
では約１：２である。残りの約1/3の中間部分は
磁石２４に面する側で根元部１６ａから先端部１
６ｃへ滑らかに連続するスロープとなつている。
検出器１７のケーシング２８の内面形状も突出リ
ブ１６形状に応じて段付きとなつており、突出リ
ブ１６の先端部１６ｃに協働する磁石２４とホー
ル素子との間のギヤツプが小さくできるようにな
つている。

第３図は他の実施例を示し、突出リブの環状根
元部１６ａの厚さがほぼケーシング２８の寸法近
くあり、従つて磁気回路Ａ，Ｂが根元部１６ａの
端面から形成されるようになつている。円弧状部
分１６ｂは根元部１６ａの厚さよりかなり小さ
い。このような構成により検出器１７自体を小型
化することも可能である。尚、根元部１６ａはこ
の例並びに前例においても必ずしも環状とされる
必要はなく、スリツトを画成する円弧状部分が先
端部の厚さを小さくするように形成されれば十分
である。しかしながら、根元部を厚さの大きい環
状となし、その先に厚さの小さい円弧部を連続さ
せれば、剛性及び検出精度のさらに優れた検出装
置が得られる。

考案の効果 以上説明したように、本考案によれば突出リブ
の剛性が増すことによつてたわみが防止されると
ともに検出素子間のギヤツプを小さくすることが
でき検出精度が向上する。又、ギヤツプを小さく
することによりホール素子にかかる磁力が大きく
なるため、温度によつてスレツシヨルドレベルが
変化しても安定した角度検出ができるようにな
る。さらに、磁力のかかりと切れがシヤープにな
り角度検出の精度が向上する。又、突出リブの先
端部が薄くなつて重心が根元部に移るため、遠心
力によるたわみも防止される。さらに、突出リブ
の先端部が薄くなつているために、該リブとタイ
ミングプーリとの焼結による一体形成が容易にな
り、機械的追加工が低減されて大幅なコストダウ
ンを図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はカムタイミングプーリ周りの断面図、
第２図は第１図の要部拡大断面図、第３図は他の
実施例の第２図同様の図である。 ４……カムシヤフト、６……カムタイミングプ
ーリ、１６……突出リブ、１７……検出器、２４
……永久磁石、２５……ホール素子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸気弁或いは排気弁を駆動するカムシヤフトの
   端部にカムタイミングプーリを取付け、該カムタ
   イミングプーリの端面にカムシヤフト軸線を中心
   とする円周上にスリツトを形成して延びる突出リ
   ブを形成し、該突出リブを挟むように検出素子を
   固設し、該検出素子には磁石が含まれてなる内燃
   機関制御用回転角検出装置において、上記突出リ
   ブの厚さが根元部において大きく、先端部が相対
   的に小さくされたことを特徴とする内燃機関制御
   用回転角検出装置。