JPH0315190Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は高圧水を噴出してパイプの内部を洗滌
するノズルを回動しながら任意の３次元位置に移
動することができるパイプ洗滌装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、パイプ洗滌を行なうには、化学作用を利
用した洗滌や衝撃作用を利用した洗滌等があつて
必要に応じて使い分けられているが、このうち衝
撃作用を利用するパイプ洗滌装置は高圧水を噴出
するノズルの直近しか洗滌作用がないため奥行き
の深いボイラー等を洗滌するためには長い高圧パ
イプの先端にノズルを取り付けて手持ちなどしな
がら洗滌していた。

又高圧パイプを基端と先端の二点で支持し、し
かも高圧パイプを洗滌するパイプに向かつて進退
させる洗滌装置が実開昭58−6786号公報で知られ
ている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、この従来の長い高圧パイプの先
端にノズルを取り付けて手持ちで洗滌するもので
は、長い高圧パイプにすると重量が増え、その上
高圧パイプの撓みや振動等があつて非常に操作が
困難であるという問題があつた。又、高圧パイプ
を手で回動しながら全周を洗滌していたが、これ
ではパイプ内を残すことなく洗滌することが困難
であつた。

又実開昭58−6786号公報の装置は高圧パイプは
非回転の構造であるが、これを均一な洗滌と高い
洗滌力を得るため回転させれば高圧パイプの二点
支持の中間が膨れるように振れ、又高圧パイプの
先端のノズルも大きく揺れ動き、ノズル、高圧パ
イプが洗滌しようとするパイプ内周面に当たつて
高圧パイプは回転できなくなつたり、高圧パイプ
の挿入が出来ず、洗滌作業がうまくいかなくなる
といつた問題点がある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案はこの従来の問題点を解決するためにな
されたもので、その目的とするところは、長い高
圧パイプを有しながら任意の位置に正確に移動
し、パイプ内を残すことなく洗浄することができ
るパイプ洗滌装置を提供することにあり、そのた
めの技術的手段として本考案では複数の門型機枠
の両脚に設けた昇降手段に取り付けた横ビームに
横行トロリを設け、同横行トロリ同士で支持され
る主ビームにガイドレールを取り付け、同ガイド
レールに多数の走行トロリを取り付け、同走行ト
ロリの下部に設けたガイド穴に高圧パイプを摺動
自在に挿入すると共に同高圧パイプの進退手段と
回動手段とを設け、高圧パイプの先端にノズルを
設けて高圧水を噴出する構成とした。

〔作用〕

従つて、本考案では横ビームを門型機枠に設け
た昇降手段に取り付けて昇降させ、前記横ビーム
に設けた横行トロリで横ビームに設けた横行トロ
リで横ビームに略直交する主ビームを支持して横
行させ、該主ビームにガイドレールを取り付け、
同ガイドレールに多数の走行トロリを取り付けた
ので同走行トロリは上、下、左、右、前、後に移
動することができる。又、前記走行トロリの下部
にガイド穴を設けてこのガイド穴に高圧パイプを
摺動自在に挿入し、かつ同高圧パイプの進退手段
と回動手段とを設けたので高圧パイプは回動しな
がら上下、左右、前後に移動することができる。
しかも走行トロリが前進してガイドレール先端に
留まつても高圧パイプはガイド穴を摺動しながら
前進して被洗滌パイプの中に進入していくことが
できる。従つて、この高圧パイプの先端にノズル
を設けて高圧水を噴出させるとノズルは回動しな
がら進退するのでパイプ内を残すことなく洗滌す
ることができる。又、ガイドレールは最終的に門
型機枠に保持されるので高圧パイプ先端のノズル
は揺れることもなく任意のパイプに簡単に挿入す
ることができる。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を図面に示して説明する。

本実施例のパイプ洗滌装置１は、門型機枠２、
昇降手段３、横ビーム４、横行トロリ５、主ビー
ム６、ガイドレール７、走行トロリ８、高圧パイ
プ９、進退手段１０、回動手段１１を主要な構成
としている。

前記門型機枠２は脚１２と補助脚１３とで自立
し、前後２台で一組とする。又、両脚１２，１２
の同一方向で、かつほぼ全高に亘つてローラチエ
ン１４が張設されている。

前記昇降手段３は昇降台板１５に設けた３個の
ローラ１６で前記脚１２に昇降自在に保持され、
かつ昇降台板１５に軸支したスプロケツトホイル
１７が前記ローラチエン１４に噛合している。
又、昇降台板１５の一方には駆動装置１８が設け
られ、同駆動装置１８の一方の出力軸が同台板１
５のスプロケツトホイル１７と連結され、かつ他
方の出力軸が長軸１９を介して他方の昇降台板１
５のスプロケツトホイル１７と連結されている。
そして前記駆動装置１８はハンドル２０を手で回
動操作する。

又、横ビーム４は両端を前記昇降台板１５に固
定され、かつ全長に亘つてガイド溝２１が形成さ
れている。又、このガイド溝２１には横行トロリ
５が横行自在に保持されている。

前記主ビーム６は長いスパンを有し両端を前記
横行トロリ５に吊設されている。又主ビーム６に
は前記ガイドレール７が取り付け固定されてい
る。そしてこのガイドレール７には多数の走行ト
ロリ８を取り付けたので同走行トロリ８は上下、
左右、前後に移動することができる。又、前記ガ
イドレール７の後端に進退手段１０を設け、同進
退手段１０で駆動されるローラチエン２２をガイ
ドレール先端まで掛け渡してエンドレス状に張設
している。又、ガイドレール７には走行トロリ８
の最後端に高圧パイプ９の回動手段１１を取り付
けたエンドトロリ２３を設けると共に前記ローラ
チエン２２に固定され、ローラチエン２２の回動
と共にガイドレール７を前後に移動する。

前記走行トロリの下部にはガイド穴２４が設け
られ、このガイド穴２４に高圧パイプ９を摺動自
在に挿入し、かつ後端を前記回動手段１１の中空
出力軸２５に接続されている。

前記進退手段１０と回動手段１１とは油圧モー
タで駆動することによりスムースな動作を得てい
る。又、前記エンドトロリ２３と多数の走行トロ
リ８とは、ロープ２６でそれぞれ等間隔で保持さ
れている。又、高圧パイプの先端にはノズル２７
が設けられ、図示しない水圧発生装置と前記中空
出力軸２５とを連通して使用する。

本実施例のパイプ洗滌装置１は前述のように構
成され、昇降手段３と横行トロリ５とを手動で調
整してノズル２７を被洗滌パイプの位置に合わせ
る。次にノズル２７から高圧水を噴出しながら進
退手段１０と回動手段１１とを油圧で駆動すると
ノズル２７はパイプ内を自動的に洗滌する。又、
高圧パイプ９が前進するにつれ、走行トロリ８は
ガイドレール７の先端で次々と止まる。そして洗
滌が完了して高圧パイプ９を引き出すときはエン
ドトロリ２３がその直前の走行トロリ８をロープ
２６で引張り、又その直前の走行トロリ８を引張
ることから高圧パイプは等間隔で走行トロリ８で
支持されていく。従つて長くて細い高圧パイプで
も撓むことなく支持され、又上下、左右に調整さ
れることから位置決めがスムースに行なえる。
又、高圧パイプ９は回動しながら進退させ、又特
に油圧で駆動するようにしたので動きが緻密であ
り又軽量に仕上り感電などの危険もない。

以上本考案の実施例を図面に示して説明した
が、本考案の具体的な構成はこの実施例に限定さ
れるものではなく、考案の要旨を逸脱しない範囲
の設計変更等があつても本考案の技術的範囲に含
まれる。

例えば昇降手段３と進退手段１０とはローラチ
エンで行なうとしたが、これに限らずラツクとピ
ニオン、ねじ軸等を利用してもよく任意に選定で
きるものである。

〔考案の効果〕 以上説明したように本考案によれば門型機枠を
設けて高圧パイプをトロリで適宜位置で支持し、
かつ上下、左右に位置調整するようにしたので高
圧パイプの撓みもなく、かつ狭い範囲の位置決め
も簡単にできるようになつた。又、高圧パイプを
回動しながら進退できるようにしたのでパイプ内
部を残すことなくきれいに洗滌することができ
る。又、高圧パイプは複数のトロリーのガイド穴
に挿入されて支持されるので高圧パイプが500〜
1000RPM程度で回転しても高圧パイプが振れる
ことがなく先端のノズル及び先端部の高圧パイプ
の揺れをなくし、円滑に洗滌するパイプに挿入で
き、又回転させることができる。よつて強力な洗
滌と均一な洗滌を得ることができるものとした。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す斜視図、第２図
は同要部を示す説明図、第３図は同昇降手段の要
部を示す説明図、第４図は同使用状態を示す説明
図である。 １：パイプ洗滌装置、２：門型機枠、３：昇降
手段、４：横ビーム、５：横行トロリ、６：主ビ
ーム、７：ガイドレール、８：走行トロリ、９：
高圧パイプ、１０：進退手段、１１：回動手段、
２４：ガイド穴、２７：ノズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の門型機枠の両脚に設けた昇降手段に取り
   付けた横ビームに横行トロリを設け、同横行トロ
   リ同士で支持される主ビームにガイドレールを取
   り付け、同ガイドレールに多数の走行トロリを取
   り付け、同走行トロリの下部に設けたガイド穴に
   高圧パイプを摺動自在に挿入すると共に同高圧パ
   イプの進退手段と回動手段とを設け、高圧パイプ
   の先端にノズルを設けて高圧水を噴出することを
   特徴とするパイプ洗滌装置。