JPH0315166Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、伸縮自在な噴霧竿に係り、特に竿
の伸縮を調節する締付金具内に配置するコイルバ
ネが小径側の通液管端部に生じた固定金具取り付
け用のカシメ溝内に落ち込むことがないようにし
た噴霧竿に関するものである。

〔従来技術とその問題点〕

径の異なる複数の通液管を順次大径側の通液管
内に収納してなる伸縮自在な噴霧竿は、各通液管
の継目に当たる部分に、散布液が漏出するのを防
止するためシール部材を取り付けており、このシ
ール部材の取り付けに際しては、各通液管の端部
に螺子を切つてシール部材を装着した固定金具を
螺着しているのが一般的であるが、かかる固定金
具の取り付け方法（手段）は、極めて薄いステン
レス部材にさらに螺子を切つて固定金具を取り付
けるものであるから、その部分の機械的強度が著
しく低下してしまうといつた欠点がある。

そこで、上記欠点を解消する手段として通液管
の端部に対し固定金具をカシメ付ける等の措置が
なされ、上記の欠点である機械的強度の大幅な改
善が図られている。

しかしながら、上記のカシメ付けによる手段は
当然のことながらカシメ付けた部分に溝が生じて
しまい、このカシメ溝に竿の伸長位置を固定する
ために、締付金具の内側に配置してあるコイルバ
ネが落ち込み固定状態が不十分であつたり、また
次の伸縮操作に当たりコイルバネが本来のストツ
パーないしチヤツク機能を発揮しない恐れがあつ
た。

〔問題点を解決するための手段〕

大径側の通液管の外周端部に螺合する鍔部を備
えた締付金具と、この締付金具の鍔部と大径側の
通液管の端部との間で、かつ小径側の通液管の外
周にスライド可能に配置されたコイルバネと、前
記小径側の通液管の端部で、かつ固定金具のカシ
メ溝の外周に設けられた前記コイルバネの落込防
止具とを具備せしめ上記締付金具を締め付けたと
きに、上記コイルバネが上記落込防止具に当接し
て小径側の通液管のカシメ溝に落ち込むことがな
いようにする。

〔実施例〕 以下、この考案の一実施例を第１図、第２図及
び第３図ａ，ｂ，ｃに基づいて具体的に説明す
る。

第１図は噴霧竿の全体を示す図である。同図中
１は噴霧竿であり、この噴霧竿１は径の異なる複
数の通液管２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄを順次大径側
の各通液管２ｂ，２ｃ，２ｄ内に伸縮自在に収納
することによつて構成されている。

ところで、上記通液管のうち最小径の通液管２
ａはその先端側が若干への字状に折り曲げられて
おり、しかもその先端には散布液を霧状にすると
ころの噴霧ノズル３が取り付けられている。

また、上記最小径の通液管２ａを除く、他の通
液管２ｂ，２ｃ，２ｄの各先端にはそれぞれ締付
金具４ａ，４ｂ，４ｃが取り付けられており、こ
れら各締付金具４ａ，４ｂ，４ｃを適宜回わすこ
とによつて小径側の各通液管２ａ，２ｂ，２ｃを
大径側の各通液管２ｂ，２ｃ，２ｄから引き出し
て任意な位置で固定することができるようになつ
ている。

尚、最大径の通液管２ｄには連結金具５が取り
付けられており、握柄を介して噴霧器本体（図示
せず）に連結されるようになつている。

次に、上記締付金具４ａ，４ｂ，４ｃによつて
伸縮自在に任意な位置で固定されるところの各通
液管２ａ，２ｂ，２ｃの構成を第２図によつて詳
細に説明する。

尚、第２図では締付金具４ａにより固定される
通液管２ａ，２ｂについて説明し、締付金具４
ｂ，４ｃについては全たく同様な構成によつてい
るものであるから説明を省略する。

すなわち、大径側の通液管２ｂ内には小径の通
液管２ａの端部が挿通されており、この通液管２
ａの端部にはシール部材６を装着した固定金具７
がカシメ加工によつて取り付けられている。

同図中、８は上記固定金具７に形成されたカシ
メ溝であり、このカシメ溝８内に上記通液管２ａ
の端部はカシメ込まれて両者は一体化されるので
ある。

一方、上記小径の通液管２ａの端部が位置する
外周には大径の通液管２ｂの先端があり、この通
液管２ｂの先端には上記の締付金具４ａが螺着せ
しめられている。

また、上記締付金具４ａの内部には締付金具４
ａの鍔部４a′に当接する側より順次コイルバネ９
とこのコイルバネ９が上記カシメ溝８内に落ち込
むのを防止するところの落込防止具すなわち、本
実施例ではカラーリング（スリーブ）が配置せし
められている。

同図中、１１はＯリング、１２はシール部材６
を固定金具７に装着するための締付ナツト、１３
は通液孔である。

ところで、上記コイルバネ９及びカラーリング
１０は第３図ｂ，ｃに示す構造のものであり、こ
れら両部材の寸法は同図ａに示す如くの条件を備
えたものである。

すなわち、上記のカラーリング１０はカシメ溝
８の幅ｌより広い幅を有するものが用いられ、上
記締付金具４ａを回わして通液管２ａを通液管２
ｂの所定位置で固定するに当たつて、前方に位置
するコイルバネ９がカシメ溝８内に落ち込むこと
がないようになつている。

尚、上記の実施例ではカシメ溝８にコイルバネ
９が落ち込むのを防止する落込防止具（手段）と
してカラーリング（スリーブ）１０を用いたが、
例えばカシメ溝８内に合成樹脂リング等を嵌合し
てコイルバネ９の落下を防止するようにしてもよ
く、特に上記の実施例にのみ限定するものではな
い。

〔考案の効果〕

この考案はカラーリング（スリーブ）等を配置
してコイルバネがカシメ溝内に落下するのを防止
したので通液管を伸縮して任意の位置で固定する
に当たり、コイルバネがカシメ溝内に落ち込むこ
ともなく、そのため締付固定が不良となることも
解消され、極めて良好な締付が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の噴霧竿を示す全体図、第２
図は締付部の要部拡大図、第３図ａ，ｂ，ｃは落
込防止具の形状等の説明図である。 １……噴霧竿、２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ……通
液管、４ａ，４ｂ，４ｃ……締付金具、７……固
定金具、８……カシメ溝、９……コイルバネ、１
０……落込防止具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 径の異なる複数の通液管を順次大径側の通液管
   内に収納してなる伸縮自在な噴霧竿において、大
   径側の通液管の外周端部に螺合する鍔部を備えた
   締付金具と、この締付金具の鍔部と大径側の通液
   管の端部との間で、かつ小径側の通液管の外周に
   スライド可能に配置されたコイルバネと、前記小
   径側の通液管の端部で、かつ固定金具のカシメ溝
   の外周に設けられた前記コイルバネの落込防止具
   とを具備し、上記締付金具を締め付けたときに、
   上記コイルバネが上記落込防止具に当接し、上記
   小径側の通液管のカシメ溝内に落ち込むことがな
   いようにしたことを特徴とする噴霧竿。