JPH03151601A - 有機正特性サーミスタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、有機高分子材料に導電性粒子を分散させてな
るシートを用いた有機正特性サーミスタに関し、特に、
給電部の電極構造が改良されたものに関する。

〔従来の技術］ ポリエチレン等の高分子材料に、カーボンブラック、グ
ラファイトまたは金属粉等の導電性粒子を混練し分散さ
せたものは、正の抵抗温度特性を示す。この有機正特性
サーミスタ材料は、シート状に成形し、一方主面に電極
を形成することにより、フレキシブルな面状発熱体とし
て多用されている。

上記電極は、シートの一方主面上において所定距離を隔
てて配置された一対の給電部と各給電部から他方側の給
電部方向に延びる複数本の枝状電極部とを有する。各給
電部に接続されている枝状電極部同士は、互いに間挿し
合うように配置されている。

上記のような電極構造としては、従来より種々の形態の
ものが用いられている。

第１に、導電ペーストで上記の給電部及び枝状電極部を
形成した構造がある。しかしながら、導電ペーストの導
電率はさほど低くない。従って、導電ペーストのみで給
電部及び枝状電極部を構成した場合、流れる電流により
、大きなジュール熱を発注する。特に、電源との接続の
ために取り付けられた端子付近の給電部では、枝状電極
部の供給する電流が集中するため、異常に高温となる。

よって、電極の断線や発火のおそれがあり、大面積のヒ
ーターを作製することができず、また突入時の電流も大
幅に制限されるという問題があった。

そこで、給電部に電流容量の大きな金属箔を用いた構造
が提案されている。

第２図の有機正特性サーミスタ１では、正の抵□抗温度
特性を示す材料よりなるシート２の端縁２ａ、２ｂに沿
うように金属箔３ａ、３ｂが貼り付けられている。この
金属箔３ａ、３ｂにより、第１、第２の給電部が構成さ
れている。他方、各給電部に接続される枝状電極部４ａ
、４ｂは、導電ペーストにより構成されている。

さらに、第３図に断面図で示すように、金属箔３ａ、３
ｂに接続されるように導電ペーストよりなる枝状電極部
４ａ、４ｂを形成した後に、上方に外装用の絶縁フィル
ム５が形成される。この絶縁フィルム５により、導電ペ
ーストからなる枝状電極部４ａ、４ｂが金属箔３ａ、３
ｂに圧接され、電気的な接続がより確実なものとされて
いる。

第４図は、従来の有機正特性サーミスタのさらに他の例
を説明するための平面図である。この有機正特性サーミ
スタ１１では、シート１２の上面において、導電ペース
トが、枝状電極部１４ａ。

１４ｂを形成するためだけでなく、第１．第２の給電部
Ｍ域にも塗布されている。すなわち、図示の斜線でハツ
チングを付した領域全体に導電ペーストが塗布されてい
る。そして、第１．第２の給電部領域の導電ペーストの
上方に金属箔１３ａ。

１３ｂが導電性接着剤を用いて貼り付けられている。

すなわち、第４図の構造では、第１．第２の給電部を構
成している部分においてのみ、導電ペーストの上方に金
属箔１３ａ、１３ｂが配置された構造とされている。

第４図の有機正特性サーミスタ１１においても、第２図
の有機正特性サーミスタ１の場合と同様に、上方から外
装用絶縁フィルムを圧接させることにより、金属箔１３
ａ、１３ｂが下方に位置する導電ペーストに圧接されて
いる。

〔発明が解決しようとする技術的課題〕第２図及び第４
図に示した電極構造では、給電部を構成するために、金
属ｆ１３　ａ、　　３　ｂ、　　１３　ａ。

１３ｂを用いることにより給電部の電流容量が高められ
ている。しかしながら、第２図及び第４図の電極構造を
採用した場合においても、なお下記のような問題があっ
た。

金属箔と導電ペーストよりなる電極部材とでは、膨張率
及び可撓性が異なる。従って、第２図の有機正特性サー
ミスタ１では、発熱によりシート２が膨張・収縮したり
、あるいは曲がったりした場合、枝状電極部４ａ、４ｂ
が金属箔３ａ、３ｂとの接続部分で断線しがちであった
。

他方、第４図の構造では、導電ペーストを塗布すること
により、給電部と枝状電極部１４ａ、１４ｂが一体的に
形成されており、給電部において、さらに金属箔１３ａ
、１３ｂが重ねられている。

従って、第２図の構造のような断線は生じ難い。

しかしながら、該金属箔１３ａ、１３ｂは、下方に位置
する導電ペーストに対し、絶縁フィルムにより上方から
圧接されているに過ぎず、導電ペーストと金属箔１３ａ
、１３ｂとの間の電気的な接触が不安定になりがちであ
った。

その結果、導電ペーストと金属箔１３ａ、１３ｂとの接
触が、金属箔１３ａ、１３ｂの下面全面において確保さ
れ難く、部分的なものとなることもあった。よって、給
電部に金属箔１３ａ、１３ｂを付加したにも関わらず、
該金属箔１３ａ、１３ｂと下方の導電ペーストとの間の
部分的な電気的接触部に電流が集中するため、異常発熱
や発火あるいは断線が生しることさえあった。

本発明の目的は、給電部に金属箔を用いた電極構造を有
した有機正特性サーミスタであって、上記のような異常
発熱や断線等が生じ難く、金属箔の高電流容量を活かし
た抵抗安定性に優れた有機正特性サーミスタを提供する
ことにある。

〔技術的課題を解決するための手段］ 本発明の有機正特性サーミスタは、有機高分子材料に導
電性粒子を分散させた正の抵抗温度特性を示す材料より
なるシートと、このシート上において所定距離を隔てて
対向配置されるように構成された第１．第２の給電部と
、この第１または第２の給電部に接続されており、対向
配置された他方側の給電部方向に延びる複数本の枝状電
極とを備え、一方の給電部に接続された枝状電極が、他
方の給電部に接続された枝状電極と互いに間挿し合うよ
うに配置された有機正特性サーミスタにおいて、下記の
構成を備えることを特徴とする。

すなわち、枝状電極が導電ペーストにより構成されてお
り、第１．第２の給電部が、枝状電極の一方端近傍に重
ねられた金属箔を少なくとも有し１、この金属箔が糸状
物によりシートに縫い付けられて固定されていることを
特徴とする。

上記第１．第２の給電部は、枝状電極に一体に塗布され
た導電ペースト部と、該導電ペースト部上に重ねられた
金属箔とにより構成しζもよい。

［作用］ 第１．第２の給電部が、少なくとも金属箔を有し、該金
属箔が導電ペーストよりなる枝状電極の一方端近傍に重
ねられており、該金属箔が糸状物によりシートに縫い付
けられている。従って、糸状物の縫い付けにより、金属
箔が該金属箔の下方に位置する枝状電極に密着されるた
め、金属箔と下方の枝状電極との間の電気的な接触が十
分にかつ安定に保たれる。

よって、金属箔の高電流容量特性を活かした電流容量の
高い給電部を構成することが可能とされている。

また、金属箔が糸状物の縫い付は力によりシートに固定
されているため、発熱時や加工時のアニール等によるシ
ートの変形に際し、金属箔が該変形に追随して変形する
ため、導電ペーストからなる枝状電極と金属箔との間の
断線が生じ難い。

さらに、使用状態等においても、シートの変形に金属箔
が追随して変形し得るため、下方の導電ペースト部と金
属箔との接触が安定に保たれる。

〔実施例の説明〕

第１図及び第５図は、本発明の一実施例の有機正特性サ
ーミスタの平面図及び第１図の■−■線に沿う部分に相
当する部分の断面図である。この有機正特性サーミスタ
２１の製造方法をまず説明する。

まず、第６図に示すように、正の抵抗温度特性を示す材
料を成形することにより矩形のシート２２を得る。正の
抵抗温度特性を示す材料は、ポリエチレンやポリプロピ
レン等の合成樹脂に、カーボンブラック、グラファイト
または金属粉等の導電性粒子を分散させることにより構
成し得る。

次に、シート２２の上面に導電ペーストを塗布し硬化さ
せることにより、複数本の枝状電極２４ａ、２４ｂと、
共通電極部２５ａ、２５ｂとを形成する。共通電極部２
５ａ、２５ｂは、端縁２２ａ、２２ｂに沿うように形成
されており、各共通電極部２５ａ、２５ｂから、それぞ
れ他方側の共通電極部２５　ｂ、　　２５　ａ方向に、
枝状電極２４ａ。

２４ｂが延ばされている。そして、複数本の枝状電極２
４ａ、２４ｂは、互いに先端が間挿し合うように配置さ
れている。

次に、上記共通電極部２５ａ、２５ｂ上に、第７図に示
すように、金属箔２６ａ、２６ｂを重ねることにより、
上記共通電極部２５ａ、２５ｂと金属箔２６ａ、２６ｂ
とにより、第１．第２の給電部２３’ａ、２３ｂを構成
する。

さらに、上記金属箔２６ａ、２６ｂを重ね併セた後、第
８図に示すように、上方から外装用樹脂フィルム２７を
被せ圧接させる。

次に、第１図に示すように、外装樹脂フィルム２７の圧
接後、糸状物２８を縫い付ける。この糸状物２８の縫い
付けにより、第５図に断面図で示すように、樹脂フィル
ム２７及び金属箔２６ａ。

２６ｂがシート２２に縫い付けられて固定されることに
なる。第１図から明らかなように、糸状物２８は給電部
の全長に渡って縫い付けられるため、この糸状物２８の
縫い付けにより、金属箔２６ａ。

２６ｂは、下方に位置する導電ペーストよりなる共通電
極部２５ａ、２５ｂに該金属箔の全領域に渡って確実に
接触されることになる。

従って、本実施例の有機正特性サーミスタ２１では、第
１．第２の給電部において、金属箔が下方に位置する導
電ペーストよりなる共通電極部に確実に接触されるため
、異常発熱や断線等を効果的に防止することができる。

さらに、金属箔２６ａ、２６ｂが、糸状物２８によりシ
ート２２に縫い付けられているため、シートの変形に際
して金属箔２６ａ、２６ｂが追随して変形する。従って
、シートの発熱や加工時のアニールにおける変形に際し
ζ導電ペーストよりなる共通電極部と金属箔との間の断
線も生じ難い。

第９図及び第１０図を参照して、本発明の他の実施例に
よる有機正特性サーミスタを説明する。

本実施例では、第９図に示すように、シート２２の上面
に、複数本の枝状電極２４ａ、２４ｂが、導電ペースト
を塗布・硬化させることにより形成されている。第９図
から明らかなように、各枝状電極２４ａ、２４ｂは、シ
ート２２の一方端縁近傍から他方端縁側に向かって延ば
されている。

本実施例の有機正特性サーミスタ３１では、枝状電極２
４ａ、２４ｂの一方端、すなわち基端側に、金属箔２６
ａ、２６ｂが重ねられる。そして、該金属箔２６ａ、２
６ｂが糸状物２８によりシート２２に縫い付けられてい
る。

すなわち、有機正特性サーミスタ３１では、金属箔２６
ａ、２６ｂのみにより第１．第２の給電部が構成されて
いる。また、第１０図に示す構成では、合成樹脂よりな
る外装樹脂フィルム２７が１ 省略されているが、第１図実施例のように、外装樹脂フ
ィルム２７を被せることにより金属箔２６ａ、２６ｂを
枝状電極２４ａ、２４ｂ側に圧接させた状態で、糸状物
２８．２８を縫い付けてもよい。

次に、具体的な実験結果につき説明する。

亥１勇 第１図に示した実施例の有機正特性サーミスタ２１を作
製した。シート２２としては、エチレン酢酸ビニル共重
合体にカーボンブラックを混練した有機正特性サーミス
タ材料からなり、５０×Ｘ１００Ｘ０．５閣の大きさの
ものを用いた。導電ペーストとしては、Ａｇペーストを
用い、また金属箔２６ａ、２６ｂとして５−幅の銅箔を
用いた。この銅箔を導電ペーストからなる共通電極部上
に重ねた後、ポリエチレンテレフタレートをベース部材
とする粘着テープを貼り付け、しかる後ミシンにより、
ポリエステルからなる糸を縫い付けることによりシート
に固着した。

比較例１ ２− 上記実施例で用意゛したシート上に、Ａｇペーストのみ
により同一平面形状の枝状電極及び給電部を形成し、そ
の上にポリエチレンテレフタレートからなる粘着テープ
を貼り付けた。

ル較■茎 実施例で用意したものと同一のシート上に、第２図に示
した従来の電極構造を形成した。すなわち、幅５１１Ｉ
ｌの銅箔に貼り付けて給電部を構成すると共に、該銅箔
に接続される枝状電極４ａ、４ｂをＡｇペーストで形成
した。

北較量主 ミシンで糸を縫い付けること以外は、実施例の場合と同
一手順により有機正特性サーミスタを構成した。

椿果 上記の実施例及び比較例１〜３として作製した各有機正
特性サーミスタの給電部にハトメ付けし、端子の取出し
を行い、ＤＣ１６Ｖの電圧を印加した。

その結果、比較例１では、端子取付は部及び周辺の電極
が異常発熱した。これは、給電部の電流容量が小さいた
めであり、最悪の場合には断線・発火の原因となるもの
である。

比較例２では、初期には、はぼ問題なく発熱するが、曲
率半径Ｒ１５０ｍｍの曲げ試験を１０ザイクル行った後
、再度通電を行うと、発熱しない部分が生じていた。そ
こで、発熱していない部分の枝状電極と給電部との接続
部分を調べたところ、断線を生じていることがわかった
。

比較例３では、共通電極が部分的に高温となるものがあ
った。これは、銅箔が共通電極に粘着テープで圧接され
ているだけなので、銅箔の浮き上がりが起こり、銅箔と
共通電極との接触が部分的なものとなって電流集中が生
じたからである。最悪の場合、発火する危険がある。

これに対して実施例では、上記のような断線や異常発熱
は全く見られなかった。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明では、導電ペーストよりなる枝状
電極に重ねられた金属箔が糸でシートに縫い付けられて
いるため、金属箔と導電ペーストよりなる枝状電極の一
方端部分との間の電気的接触性が高められる。従って、
金属箔と導電ベースト部との間の接触部分における異常
発熱等を防止することができると共に、金属箔の高電流
容量特性を活かした有機正特性サーミスタを得ることが
できる。

また、金属箔が糸状物によりシートに縫い付けられてい
るため、シートの変形に際し、金属箔が追随して変形し
易くされているので、シートの発熱時や取扱時の変形に
拘わらず、断線等が生じ難い信顛性の高い有機正特性サ
ーミスタを得ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の有機正特性サーミスタの平
面図、第２図は従来の有機正特性サーミスタの平面図、
第３図は第２図の■−■線に沿う部分に相当する部分断
面図、第４図は従来の有機正特性サーミスタの他の例を
示す平面図、第５図は第１図のＶ−Ｖ線に沿う部分に相
当する部分の５ 断面図、第６図は第１図実施例を得るのに用いられるシ
ート及びその上に形成される導電ペーストよりなる電極
を説明するための平面図、第７図は金属箔を重ねた状態
を示す平面図、第８図は絶縁フィルムを被せた状態を示
す平面図、第９図は本発明の他の実施例を得るのに用い
られるシート及び枝状電極を示す平面図、第１０図は本
発明の他の実施例による有機正特性サーミスタを示す図
である。 図において、２１は有機正特性サーミスタ、２２はシー
ト、２３ａ、２３ｂは第１．第２の給電部、２４ａ、２
４ｂは枝状電極部、２５ａ　　２５ｂは共通電極部、２
６ａ、２６ｂは金属箔、２８は糸状物を示す。 ６

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）有機高分子材料に導電性粒子を分散させた正の抵
   抗温度特性を示す材料よりなるシートと、前記シート上
   において所定距離を隔てて対向配置された第１，第２の
   給電部と、 前記第１または第２の給電部に接続されており、対向配
   置された他方側の給電部方向に延びる複数本の枝状電極
   とを備え、一方の給電部に接続された枝状電極が、他方
   の給電部に接続された枝状電極と互いに間挿し合うよう
   に配置された有機正特性サーミスタにおいて、 前記枝状電極が導電ペーストにより構成されており、 前記第１，第２の給電部が、枝状電極の一方端近傍部分
   に重ねられた金属箔を少なくとも有し、かつ 前記金属箔が糸状物により前記シートに縫い付けられて
   いることを特徴とする、有機正特性サーミスタ。
2. （２）前記第１，第２の給電部が、枝状電極に一体に塗
   布された導電ペースト部と、該導電ペースト部上に重ね
   られた金属箔とからなる、請求項１に記載の有機正特性
   サーミスタ。