JPH0315098B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は電子レンジ等の高周波加熱装置におけ
る開閉自在の扉装置に関するものである。

従来の技術 一般に電子レンジ等の高周波加熱装置における
扉装置の構成は、第４図に示すように加熱室１の
前面に、中央部に被加熱物出入用開口部２を有
し、その周辺に枠状の平面部を有する金属製前面
板３を溶接等の固定手段を用いて取付け、前記前
面板３の外周部を後方に折曲げ、前記折曲げ部の
上面４に上部ヒンジ金具５、ならびに下面５の一
端に下部ヒンジ金具７をねじ等を用いて取付け
る。一方扉の金属製本体８にはその外周壁上にヒ
ンジ穴を有する２コの金具９，１０を溶接等にて
取付ける。前面板３の後方折曲げ部に取付ける上
下ヒンジ金具６，７にはそれぞれヒンジピン６
ａ，７ａを有し、それが扉８の２コの金具９，１
０のそれぞれに設けられた穴に挿入されて支持さ
れる。扉の下方の金具１０には切起し爪もしくは
別途かしめ等により固定されたピン１０ａが下方
に突出しており、扉の開成時に下ヒンジ金具７の
前方突出部７ｂに当接して開き角度を規制してい
る。

また、この例では扉８側のヒンジ金具９，１０
を扉本体枠外周に取付ける場合を示したが、金属
製扉本体の枠外周そのものに穴を設けてヒンジ穴
としても良い。またヒンジピン６ａ，７ａは上下
ヒンジ金具６，７に設ける例を示したが、これを
扉８側のヒンジ金具９，１０側に固定し、上下ヒ
ンジ金具６，７側を穴としても良い。

発明が解決しようとする問題点 ところが、上記のような構成においては本体側
に取付けるヒンジ金具６，７は独立した部品であ
り、ヒンジ軸の上下、左右、前後の平行位置を確
保しにくいため、扉８の前面板２との平行度を維
持できないことになる。このように平行度が確保
できない場合は扉８と加熱室開口周辺から高周波
が漏洩しやすく、またきちんと扉が締まらないこ
とがあり、さらに締めてもガタつく等の問題があ
つた。従つて取付ける際には治具等を用いて狂い
のない固定をする必要があつた。また上下のヒン
ジ金具６，７の扉に対する取付方向が上下逆方向
であり、組立作業として極めてやりにくいという
欠点があつた。

更に扉の開き角度を規制する金具の爪またはピ
ン等１０ａの形状や位置は極めて複雑なもので、
加工精度を出しにくく、従つて角度が変動しやす
いことや、また金具を形成する金属板の一端で係
止しているため、この部分にのみ荷重が加わり摩
耗が早く、開き角度が経時変化しやすい等の問題
があつた。

本発明はこのような従来の問題点を解消するも
のであり、扉のヒンジ位置の平行度が狂うことな
く、漏波やガタつき等の危険性がなく、かつ取付
固定作業が極めて容易で、また扉の開き角度も変
化することのない構成のヒンジを有する扉を提供
するものである。

問題点を解決するための手段 本発明の高周波加熱装置の扉装置は、被加熱物
を収納する加熱室と、この加熱室に高周波を供給
する高周波発生装置ならびにその制御装置と、加
熱室の開口を覆う横開き扉とを備えた高周波加熱
装置において、扉の縦長さにほぼ等しい長さを有
する蝶番構造の開閉ヒンジを扉の縦の辺の一端に
設け、ヒンジの軸が、扉本体をなす金属枠の側辺
外側であつて、かつ金属枠の前面より後方加熱室
側に位置するように配置するとともに、加熱室開
口周辺の前面板と扉本体の金属枠の前表面とヒン
ジ金具の取付固定面を形成し、前面板に取り付け
たヒンジ金具の表面と前面板の他の部分とが同一
平面となるよう構成し、さらに蝶番構造を形成す
る二個の金具の、軸を巻きつけている部分に扉が
一定開き角度で当接する対向端面を複数個設ける
構成としたものである。

作 用 本発明の高周波加熱装置の扉装置は、一本の軸
を芯とする蝶番構造であることとその取付面が扉
枠体表面と、加熱室前面板の表面とを利用するこ
とによりヒンジ軸、即ち扉の開閉中心が扉に対し
常に平行で維持でき、かつその取付作業性も極め
て容易であり、治具等を必要とすることもなく、
またヒンジ軸の位置が扉本体前面より後方に位置
しているため必要以上に前方へ出つ張ることもな
く、また開き角度を規制するストツパーとなる位
置も金具の端面相互の当接により行ない、かつ軸
を巻きつけている金具に複数個設けるのであるか
ら、摩耗も少なく、開き角度が変化することも極
めて少なく、安定したものとなるという効果があ
る。

実施例 以下、本発明の一実施例の高周波加熱装置の扉
装置を図面を参照して説明する。第１図に示すよ
うに、加熱室本体１１の前面板１２の中央には被
加熱物出入用開口部１３を有し、ヒンジ金具を取
付ける部分がその前面板１２の縦辺の一端に設け
られている。扉はその金属製本体１４の中央部分
に前記開口部１３と対向して多数の細孔からなる
覗き部１５を有し、周囲枠部１６には高周波の減
衰装置が装備されている。ヒンジ金具は、２つの
金具１７，１８ならびにその軸１９とから構成さ
れ、縦長で、扉１４の縦辺とほぼ同等の長さを有
し、蝶番構造となつている。本体側金具１７は前
面板１２の一端に、前記金具１７の板厚分だけ沈
めた部分１２ａにねじ２０等によつて固定され、
扉側の金具１８は扉１４の表面にやはりねじ２１
等によつて固定される。ねじ２０はサラネジのよ
うに頭部がフラツトなものを用いる。第１図のよ
うに加熱室１３の外部が高周波加熱装置本体の外
表面を兼ねる一重構造の場合においても、またそ
のコーナ部が意匠あるいは加工技術上の必要性か
ら大きなＲを有する場合においても外部に突出部
を設けることなく取付けることができる。第２図
はヒンジ部の断面を示すもので、ヒンジの中心軸
１９は扉１４の外周枠の外側にかつその前表面よ
りやや後方、加熱室側に位置するようにして設け
られている。

第３図はヒンジ金具の一部拡大図で、金具１８
と金具１７とが軸１９の廻りに交互に巻きつけら
れ、その巻付部の境界部２２の一部もしくは複数
の部分において、相互の金具より互に軸方向に垂
直に伸びる部分１７ａ，１８ａを有し、通常はあ
る一定角度だけ離れていて扉を開いたとき、相対
的に各金具が回転してこの端部が当接してストツ
パーとなる。

発明の効果 以上のように本発明の扉装置は、一体構成で縦
長の蝶番構造を採用することにより、扉の開閉支
点を加熱室前面板に対して平行に維持することが
でき、漏波やがたつき等の防止が可能で、またヒ
ンジ金具の取付け作業も、２個の金具の取付け面
がいずれも加熱室前面板、ならびに扉の金属製本
体前面というように作業が極めて容易で、治具等
を用いる必要もない。ヒンジ金具の支点が扉の金
属枠外側にあるということは、枠部分に設けた高
周波減衰装置に構造上の制約等なんら支障をきた
さないものとすることができ、かつ前後方向の位
置が扉本体前面より後方にあるため、扉外周に化
粧枠等を備える際にも突出部がなくなり、外観、
デザイン上の障害をなくすことができる。また扉
の開閉角度のストツパを加工が容易で、かつ一個
所のみでなく複数箇設けることにより受ける荷重
が分散されるため摩耗が少なく、開き角度の変化
も少ない等極めて優れたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における高周波加熱
装置の分解斜視図、第２図は同要部断面図、第３
図はヒンジ金具の要部外観斜視図、第４図は従来
の高周波加熱装置の外観斜視図である。 １１……加熱室、１２……前面板、１４……扉
本体、１７，１８……ヒンジ金具、１９……ヒン
ジ軸。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被加熱物を収納する加熱室と、この加熱室に
   高周波を供給する高周波発生装置ならびにその制
   御装置と、前記加熱室の開口を覆う横開き扉とを
   備え、前記扉の縦長さにほぼ等しい長さを有する
   蝶番構造の開閉ヒンジを前記扉の縦の辺の一端に
   設け、前記ヒンジの軸が、扉本体をなす金属枠の
   側辺外側であつて、かつ前記金属枠の前面より後
   方加熱室側に位置するように構成した扉装置を有
   する高周波加熱装置。 ２ 加熱室開口周辺の前面板と扉本体の金属枠の
   前表面とにヒンジ金具の取付固定面を形成し、前
   記前面板に取り付けたヒンジ金具の表面と前面板
   の他の部分とが同一平面となるよう構成した特許
   請求の範囲第１項記載の高周波加熱装置。 ３ 蝶番構造を形成する二個の金具の、軸を巻き
   つけている部分に扉が一定開き角度で当接する対
   向端面を複数個設ける構成とした扉装置を有する
   特許請求の範囲第１項記載の高周波加熱装置。