JPH0230616Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は扉取付枠に固定されるマウンテイング
プレートと扉の凹穴に埋めこまれて固定されるソ
ケツトとが複数本のアームおよびリンクを介して
連結された蝶番に関する。

「従来の技術」 一般に、扉取付枠に固定されるマウンテイング
プレートと、扉の凹穴に埋めこまれて固定される
ソケツトとが、複数本のアームおよびリンクを介
して相対回転自在かつ相対屈伸自在に連結された
蝶番の場合、マウンテイングプレート側に取付調
整手段を備えたものと、ソケツト側に取付調整手
段を備えたものとに大別される。

これらのタイプを比較するとき、マウンテイン
グプレート側に備えられる取付調整手段は、扉取
付枠を彫りこむ必要がないのに対し、ソケツト側
に備えられる取付調整手段は、扉の凹穴をソケツ
トよりも大きく彫りこんで、ソケツト、凹穴相互
の調整間隙を確保せざるを得ず、その上、扉取付
時に有用な当該調整間隙が、扉取付後においてガ
タツキの原因になるほか、外観の体裁も損なわれ
てしまう。

したがつて、特別の事情がないかぎり、マウン
テイングプレート側に取付調整手段を備えた蝶番
が利用される。

「考案が解決しようとする課題」 しかし、家具、キヤビネツトなどの態様如何で
は、ソケツト側に取付調整手段を備えねばならい
ケースもあり、このような場合、ソケツト側取付
調整手段の改善が望まれる。

ちなみに、ソケツト側に取付調整手段を備えた
た蝶番として、実開昭57−1257号公報に開示され
た技術を検討した場合、この公知技術では、スラ
イド溝を嵌めこむための溝をそのスライド部材よ
りも大きく（長く）して扉本体に形成しなければ
ならず、しかも、スライド部材の固定後におい
て、その溝が見苦しく露見する不具合を生じ、溝
の余剰部分がガタツキの原因となるので、既述の
問題がそのまま残される。

本考案はこのような技術的課題に鑑み、扉とソ
ケツトとの相対固定が正確簡易に行なえ、かつ、
扉とソケツトとのガタツキ、外観の不体裁をも解
決することのできる蝶番を提供しようとするもの
である。

「課題を解決するための手段」 本考案は所期の目的を達成するため、扉取付枠
に固定されるマウンテイングプレートと、扉の凹
穴内に嵌めこまれて固定されるソケツトとが、相
対回転自在かつ相対屈伸自在に連結されている蝶
番において、上記ソケツトは、ビス孔が形成され
ていて、上記凹穴の開口縁を覆うための支持鍔
と、支持鍔に一体形成された嵌合部とを有してな
り、上記ソケツトと別体である嵌合体は、上記扉
の凹穴と密に相対嵌合する外形と、上記ソケツト
の嵌合部と相対嵌合する内形とを有してなり、当
該嵌合体が嵌合部の外周に嵌合されて上記ソケツ
トに組み合わされ、かつ、嵌合部、嵌合体相互に
は、扉の幅方向へのみ相対スライドするための間
隙が設けられており、相対嵌合された上記ソケツ
トの嵌合部、嵌合体のうち、嵌合部にはガイド杆
が設けられ、嵌合体にはガイド横長孔が設けら
れ、これらガイド杆、ガイド横長孔が互いに係合
されていることを特徴とする。

「作用」 本考案に係る蝶番の場合、マウンテイングプレ
ートを扉取付枠を固定し、ソケツトを扉に固定し
て、扉を扉取付枠に開閉自在に取りつけるが、こ
の際、ソケツトには、扉の幅方向へのみ相対スラ
イド自在なるよう、嵌合体が組み合わされている
ので、嵌合体を扉裏面の凹穴に嵌めこむととも
に、ソケツトを嵌合体に対し所定方向へスライド
させて、扉取付枠に対する扉の位置を調整し、か
かる調整後、ソケツトを扉に固定する。

「実施例」 本考案に係る蝶番の実施例につき、図面を参照
して説明する。

第１図、第２図に例示するように、マウンテイ
ングプレート１１とソケツト２１とは、マウンテ
イングプレート１１の先端に一体形成されたアー
ム１２と複数のリンク３１，３２とを介して、相
対回転自在かつ相対屈伸自在に連結されている。

以下、ソケツト２１と、これに組み合わされる
嵌合体４１について、第１図〜第５図を参照して
詳述する。

ソケツト２１は、扉５１に形成された凹穴５４
の開口縁を覆うための支持鍔２２と、支持鍔２２
に一体形成された嵌合部２３とを有してなる。

支持鍔２２は、凹穴５４の開口縁を覆うことの
できる大きさをもち、この支持鍔２２にビス孔２
４が形成されている。

嵌合部２３は底付きの筒形であり、嵌合部２３
の上下両側には切欠円部２５が形成され、これら
切欠円部２５にガイド杆２６がそれぞれ設けられ
ている。

嵌合体４１は、扉の凹穴５４と密に相対嵌合す
る外形とソケツト２１の嵌合部２３と相対嵌合す
る内形とを有してなる。

すなわち、第５図に示す嵌合体４１の直径Ｌ
は、第４図に示す嵌合部２３の直径ｌよりも大き
く、この直径Ｌにおいて、嵌合体４１は扉の凹穴
５４と密に相対嵌合することができる。

さらに、嵌合体４１の上下両側壁４２は、これ
らの内面が嵌合部２３の切欠円部２５と対接する
係合面４３となつており、かつ、当該両側壁４２
には、ガイド杆２６と相対係合するガイド横長孔
４４が設けられている。

これらソケツト２１、嵌合体４１において、切
欠円部２５と係合面４３とが対接するように、か
つ、ガイド杆２６とガイド横長孔４４とが互いに
係合するように、嵌合体４１が嵌合部２３の外周
に嵌合されて、ソケツト２１と嵌合体４１とが互
いに組み合わされたとき、嵌合部２３、嵌合体４
１相互には、扉の幅方向へのみ相対スライドする
ための間隙が形成され、嵌合体４１は嵌合部２３
から脱落しないようにソケツト２１に保持され
る。

本考案に係る蝶番を介して、第１図、第２図の
ごとく、扉５１を扉取付枠５２に取りつけると
き、はじめ、ビス４３を介してマウンテイングプ
レート１１を扉取付枠５２に固定し、つぎに、ソ
ケツト２１に組み合わされた嵌合体４１を、扉５
１の裏面に設けられた凹穴５４に嵌めこみ、か
つ、ビス５５を介してソケツト２１を扉５１に仮
止めし、その後、ソケツト２１を嵌合体４１に対
し所定方向へスライド調整して、扉取付枠５２に
対する扉５１の位置調整を行ない、当該調整を終
えてから、ビス５５を介してソケツト２１を扉５
１に完全に固定する。

「考案の効果」 本考案に係る蝶番は、上述した技術内容を特徴
としているので、つぎのような効果が得られる。

その一つは、扉に対して嵌合体を動かさず、そ
の嵌合体内に嵌めこまれたソケツトの嵌合部を、
扉に対して直接移動させ、かつ、当該ソケツトを
扉へ直接固定することができる。

すなわち、扉の凹穴に嵌合体を嵌めこみ、その
嵌合体とソケツトの嵌合部とを相対嵌合させた
後、嵌合体に対して嵌合部を扉の幅方向へスライ
ドさせることにより、所要の調整が精度よく行な
え、以下、ソケツトの支持鍔を扉へ直接ビス止め
するだけで、当該調整後のソケツトを扉に堅固に
固定することができる。

他の一つは、嵌合体が扉の凹穴と密に嵌合する
ので、扉の凹穴を不必要に大きく掘穿することが
なく、蝶番の取付後、凹穴が見苦しく露見するこ
とがない。

さらに他の一つは、嵌合部のガイド杆と嵌合体
のガイド横長孔とが互いに係合されているから、
嵌合部と嵌合体との組合状態が不本意に分離しな
い取り扱い上の利便性があり、これらガイド杆、
ガイド横長孔の係合により調整方向、調整範囲を
規制しながら所要の調整を容易に行なうことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案蝶番の一実施例をこれ
の使用状態とともに示した開扉状態、閉扉状態の
各縦断側面図、第３図は本考案蝶番におけるソケ
ツトと嵌合体との組に合わせ状態を示した底面
図、第４図は本考案蝶番におけるソケツトの底面
図、第５図は本考案蝶番における嵌合体の平面図
である。 １１……マウンテングプレート、１２……アー
ム、２１……ソケツト、２２……支持鍔、２３…
…嵌合部、２４……ビス孔、２６……ガイド杆、
３１……リンク、３２……リンク、４１……嵌合
体、４２……ガイド横長孔、５１……扉、５２…
…扉取付枠、５４……凹穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扉取付枠に固定されるマウンテイングプレート
   と、扉の凹穴内に嵌めこまれて固定されるソケツ
   トとが、相対回転自在かつ相対屈伸自在に連結さ
   れている蝶番において、上記ソケツトは、ビス孔
   が形成されていて、上記凹穴の開口縁を覆うため
   の支持鍔と、支持鍔に一体形成された嵌合部とを
   有してなり、上記ソケツトと別体である嵌合体
   は、上記扉の凹穴と密に相対嵌合する外形と、上
   記ソケツトの嵌合部と相対嵌合する内形とを有し
   てなり、当該嵌合体が嵌合部の外周に嵌合されて
   上記ソケツトに組み合わされ、かつ、嵌合部、嵌
   合体相互には、扉の幅方向へのみ相対スライドす
   るための間隙が設けられており、相対嵌合された
   上記ソケツトの嵌合部、嵌合体のうち、嵌合部に
   はガイド杆が設けられ、嵌合体にはガイド横長孔
   が設けられ、これらガイド杆、ガイド横長孔が互
   いに係合されていることを特徴とする蝶番。