JPH0314544Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、開扉時における施錠操作を阻止した
自動車用ドアロツク装置の改良に関する。

（従来技術） 従来の自動車用ドアロツク装置としては、ドア
開扉状態に車室内のロツクノブを施錠操作した後
に、アウトサイドハンドルを開扉操作しながらド
アを閉じるとキーを使用しないで施錠することが
出来る所謂キーレスロツク操作をしうるものと、
ドア開扉状態にてロツクノブの施錠操作を阻止し
てキーレスロツク操作を出来ないようにした所謂
ノブブロツク機構とが存在している。

しかしながら、前者におけるキーレスロツク操
作が出来るものは、施錠操作を簡単に出来る反
面、キーを車室内に忘れてしまい再度開扉するこ
とが出来なくなつてしまうという事故を生じ易い
問題点がある。してみると、車室内へのキー忘れ
を防止する上では、後者におけるキーレスロツク
操作ができないものが有効的であるが、このドア
ロツク装置では開扉状態においてロツクノブに連
続部材を介して連結されるノブレバーをラツチま
たはオープンレバーに係合させることによつて、
ロツクノブの施錠方向への動きを拘束する構造な
ので、開扉状態においてロツクノブを誤つて施錠
操作すると、ロツクノブとロツク装置とを連結す
る連結部材や、ロツク装置内のノブレバーやキー
レバー等に過大な負荷が加わり、連結部材やノブ
レバー等が変形したりする問題点がある。

（考案の目的） 本考案は、このような従来の問題点に着目して
なされたもので、キー忘れ防止に有効的である開
扉時における施錠操作を阻止した構造として、開
扉時におけるるロツクノブの誤操作による過大負
荷を吸収する構造を簡単な構成で実現することに
より上記問題点を解決することを目的としてい
る。

（考案の構成） かかる目的を達成するために、本考案において
は、ラツチを係止するポールと、該ポールと一体
に回動するオープンレバーと、施解錠操作に連動
して施錠位置乃至解錠位置に反転可能なキーレバ
ーとを有する自動車用ドアロツク装置において、
開扉状態で、前記オープンレバーに作用する付勢
力に抗して閉扉状態における停止位置とは異なる
停止位置に前記ポールを付勢保持する舌片状の弾
性部を、前記ラツチ表面に被覆されたコーテイン
グ部材に突設するとともに、開扉状態において前
記キーレバーを前記弾性部の付勢力により解錠位
置に保持すべく、前記キーレバーとオープンレバ
ーとを係合可能に配設したことを特徴とする自動
車用ドアロツク装置とし、開扉状態でのロツクノ
ブの施錠操作に起因するオープンレバーおよびポ
ールの変位はコーテイング部材に突設された弾性
部が弾撥的に変位することにより吸収され、開扉
状態での施錠操作による過負荷がキーレバー等に
加わることなく、開扉時でのロツクノブによる施
錠操作を阻止することができるようにしたもので
ある。

（実施例） 以下、図面に基づき本考案の一実施例を説明す
る。

第１図〜第６図は本考案の一実施例を示してお
り、ドアロツク装置１のボデイー本体１０の一側
にはベースプレート１１が固着されており、内部
にはボデイ本体１０に枢着されたフオーク形状の
ラツチＬ及びポールＰが設けられている。

第４図〜第６図に示すように、ラツチＬには閉
扉状態において、フルラツチ位置でポールＰの先
端係止部Ｐ１により錠止されるフルラツチ用係合
部Ｌ１と、ハーフラツチ位置で先端係止部Ｐ１に
より錠止されるハーフラツチ用係合部Ｌ２と、車
体側に固着されたストライカＳと係脱するＵ字状
係合部Ｌ３とが形成されている。

閉扉音を緩和する為に、弾性を有する材料、例
えば樹脂、ゴム等で成形されたコーテイング部材
２がラツチＬの表面に被覆されている。

開扉状態において、閉扉状態における停止位置
（前記フルラツチ位置及びハーフラツチ位置等の
閉扉位置）とは異なる停止位置（第４図に示す開
扉位置）にポールＰを付勢保持する舌片状の弾性
部２０がコーテイング部材２に突設されている。

かつ、ラツチＬには、ラツチＬをラツチ解除方
向（図において時計方向）に付勢するばね部材１
２が配設されており、該ラツチ解除位置にてフル
ラツチ用係合部Ｌ１がボデイー本体１０に固設さ
れたストツパ１３に当接している。

第１図〜第３図に示すように、ベースプレート
１１側には、ポールＰと一体にボデイー本体１０
に回動可能に枢支され、バネ３１によりストツパ
ー用係合部３２がベースプレート１１に形成され
たストツパ１４に当接する方向（図において反時
計方向）に付勢されたオープンレバー３が設けら
れている。

前記弾性部２０の付勢力はバネ３１の付勢力よ
り大きく設定されている。したがつて、開扉状態
において、ポールＰの先端係止部Ｐ１が弾性部２
０に係合して、ポールＰが弾性部２０により付勢
保持されている時には、オープンレバー３は、ス
トツパ用係合部３２がストツパ１４から離間した
開扉位置（第１図に示す位置）にバネ３１の付勢
力に抗して保持されている。

また、オープンレバー３は、ポールＰの先端係
止部Ｐ１がハーフラツチ用係合部Ｌ２及びフルラ
ツチ用係合部Ｌ１を錠止した閉扉状態において
は、ストツパ用係合部３２がストツパ１４に当接
した閉扉位置（第３図に示す位置）にある。

前記ベースプレート１１には、ドアの外側面に
設けれれたアウトサイドハンドル（図示省略）の
開扉操作によつて時計方向に回動可能なアウトサ
イドレバー４が枢支されており、該アウトサイド
レバー４には、ベースプレート１１上をアウトサ
イドレバー４の回動に連動して上下方向に摺動可
能なサブレバー５が連結されている。該サブレバ
ー５は、アウトサイドレバー４の時計方向への回
動により、フルラツチ位置（第６図に示す位置）
で錠止しているポールＰの先端係止部Ｐ１をラツ
チＬのフルラツチ用係合部Ｌ１から退避させるよ
うに作動突起部５１がオープンレバー３の折曲げ
部３３に係合可能な解錠位置（第１図に示す位
置）と、折曲げ部３３と係合不能となる施錠位置
（第３図に示す位置）とに変位可能である。

さらに、サブレバー５は、アウトサイドレバー
４を反時計方向に付勢するバネ４１によつて係止
部５２がベースプレート１１に形成されたストツ
パー１５に当接した位置（第１図に示した位置）
に付勢されている。

さらに、ベースプレート１１には、キー操作に
よつて解錠位置と施錠位置との間で摺動可能なキ
ーレバー６が枢支されており、該キーレバー６
は、先端部に植設されたピン６１がサブレバー５
に形成された長孔５３に嵌込まれることによつて
サブレバー５に連結されており、それによつてキ
ーレバー６はキー操作によりサブレバー５を前記
施錠位置及び解錠位置に変位させるように構成さ
れている。

また、キーレバー６は、車室内に設けられたロ
ツクノブ（図示省略）の施錠操作によつてもベー
スプレート１１の側壁面１１ａに枢支されたノブ
レバー７を介して前記施錠位置と解錠位置とに反
転可能である。

前記キーレバー６にはターンオーバースプリン
グ６２が設けられており、該スプリング６２はキ
ーレバー６を、死点を中心に解錠位置側および施
錠位置側にそれぞれ付勢して、反転保持するよう
にキーレバー６とベースプレート１１とに架設さ
れている。

前記弾性部２０の付勢力は、オープンレバー３
に作用するバネ３１の付勢力と、ターンオーバー
スプリング６２の付勢力との和より大きく設定さ
れている。

また、オープンレバー３には係合突起３４が形
成されているとともに、キーレバー６には係合突
起３４と係合可能な被係合突起６３が形成されて
いる。

係合突起３４と被係合突起６３との位置関係
は、第１図に示す開扉状態において解錠位置にあ
るキーレバー６が施錠位置側へ回動された際に
は、前記両突起３４，６３が係合して、開扉位置
にあるオープンレバー３が第３図に示す閉扉位置
側へ弾性部２０の付勢力に抗して回動されるとと
もに、閉扉状態において解錠位置にあるキーレバ
ー６が施錠位置側へ回動された際には、キーレバ
ー６が施錠位置に完全に反転するまでの間、前記
両突起３４，６３が係合しないように定められて
いる。

上記構成を有する自動車用ドアロツク装置１で
は、開扉状態においては、第１図および第４図に
示すようにラツチＬの弾性部２０がポールＰの先
端係止部Ｐ１を係止しているので、オープンレバ
ー３は、ストツパ用係合部３２がストツパ１４か
ら離間した開扉位置にバネ３１の付勢力に抗して
保持されている。

このような開扉状態において、開扉位置にある
オープンレバー３の係合突起３４と、解錠位置に
あるキーレバー６の被係合突起６３とが係合可能
な位置にある。

したがつて、前記開扉状態において、ロツクノ
ブを誤つて施錠操作した際には、キーレバー６が
第１図に示す解錠位置から時計方向へ回動するの
で、被係合突起６３が係合突起３４を押すことに
より、第１図に示す開扉位置にあるオープンレバ
ー３およびポールＰが弾性部２０の付勢力に抗し
て第３図に示す閉扉位置側に回動される。ここで
ロツクノブを離せば、弾性部２０の付勢力がバネ
３１の付勢力とターンオーバースプリング６２の
付勢力との和より大きいので、弾性部２０の付勢
力によりオープンレバー３が開扉位置に復帰する
とともに、係合突起３４が被係合突起６３を押す
ことによりキーレバー６も解錠位置に復帰する。

すなわち、開扉状態においてロツクノブを誤つ
て施錠操作しても、舌片状の弾性部２０が第５図
に示すように変形するだけで、ロツクノブを離せ
ば弾性部２０の付勢力によつてオープンレバー３
が開扉位置に、キーレバー６が解錠位置にそれぞ
れ戻されるので、開扉状態における施錠操作が阻
止されている。

次に、閉扉状態においては、第６図に示すよう
にポールＰは、先端係止部Ｐ１がフルラツチ用係
合部Ｌ１を錠止した位置まで、第４図に示す開扉
状態における停止位置から変位しているので、オ
ープンレバー３は、ストツパ用係合部３２がスト
ツパ１４に係合した閉扉位置にある。

このような閉扉状態においては、オープンレバ
ー３の係合突起３４とキーレバー６の被係合突起
６３とは、キーレバー６が施錠位置に完全に反転
するまでの間係合しないような離れた位置にある
ので、ロツクノブを施錠操作した時には、キーレ
バー６は第１図に示す解錠位置から第３図に示す
施錠位置側に反転し、ターンオーバースプリング
６２の付勢力によつて施錠位置に保持される。

（考案の効果） 本考案に係る自動車用ドアロツク装置によれ
ば、開扉状態において誤つてロツクノブを施錠操
作しても舌片状の弾性部が弾性変形するだけで、
ロツクノブを離せば変形した弾性部の付勢力によ
つてポール及びオープンレバーを介してキーレバ
ーが解錠位置側に戻されるので、ロツクノブとロ
ツク装置とを連結する連結部材や、ロツク装置内
のキーレバー、ノブレバー等にはロツクノブの誤
操作に帰因する過負荷が加わることがなく、開扉
状態におけるロツクノブによる施錠操作を阻止し
てキー忘れを防止することができる。

前記舌片状の弾性部はコーテイング部材の被覆
時に一体成形することができ、関係部材の構造上
の対応はほとんど要さず、過負荷防止のための構
造をきわめて容易に構成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第６図は本考案の一実施例を示してお
り、第１図は平面図、第２図は第１図の矢視
図、第３図〜第６図は動作説明図である。 １…自動車用ドアロツク装置、２…コーテイン
グ部材、３…オープンレバー、６…キーレバー、
２０…弾性部、Ｌ…ラツチ、Ｐ…ポール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ラツチを係止するポールと、該ポールと一体に
   回動するオープンレバーと、施解錠操作に連動し
   て施錠位置乃至解錠位置に反転可能なキーレバー
   とを有する自動車用ドアロツク装置において、開
   扉状態で、前記オープンレバーに作用する付勢力
   に抗して閉扉状態における停止位置とは異なる停
   止位置に前記ポールを付勢保持する舌片状の弾性
   部を、前記ラツチ表面に被覆されたコーテイング
   部材に突設するとともに、開扉状態において前記
   キーレバーを前記弾性部の付勢力により解錠位置
   に保持すべく、前記キーレバーとオープンレバー
   とを係合可能に配設したことを特徴とする自動車
   用ドアロツク装置。