JPH03143978A - 粉末状接着剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、粉末状接着剤に関し、さらに詳しくは水を加
えて撹拌することにより、容易に糊液が得られ、例えば
壁装用施工糊として好適に使用できる粉末状接着剤に関
する。

（従来の技術） 従来、例えば、壁装用に使用される接着剤としては、水
に糊剤を混合してなる糊液が、一般に使用されている。

（発明が解決しようとする課題） ところが、このような液体の糊液を使用する場合には、
壁材等の被着体に対して比較的良好な接着性を有してい
るものの、糊液の施工現場への搬入に手間がかかり、ま
た広い保管スペースを必要とするという欠点がある。特
に、高層建築において、液体の糊液を施工箇所へ移動す
るには多大の労力を必要とする。

そこで、接着剤を粉末化して、粉末状の接着剤とし、こ
の粉末状接着剤を施工現場で水と撹拌することにより糊
液とすることも考えられる。しかし、従来の接着剤をそ
のまま粉末化した場合には、水と混合して糊液を作成す
る場合に、水との分散性が悪いためにゲルを生じること
があり、また接着性にばらつきを生じ易く、良好な接着
性を有する糊液が得られないという欠点があった。

また、例えば、壁装材を壁面に貼付ける際には、糊液に
は所定以上の初期タック力を必要とするが、従来の粉末
状接着剤に初期タック力を付与するために水溶性合成糊
料や水溶性合成樹脂を加えた場合には、水と混合する際
に多量の泡が生じ、施工性に劣るという欠点もあった。

本発明は上記欠点を解決するものであり、その目的とす
るところは、接着剤を粉末化することにより、物流コス
トを低減し、現場搬入への省力化及び保管スペースを低
減することができる上に、水との分散性が良く、また接
着性にも優れた糊液を得ることができる粉末状接着剤を
提供することにある。本発明の他の目的は充分な初期タ
ック力を有する糊液が得られ、また水との混合時に泡の
発生の少ない粉末状接着剤を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 本発明の粉末状接着剤は、エステル化澱粉を含む加工澱
粉を６５〜９９．７重量％と、水溶性合成糊料を２〜１
０重量％又は水溶性合成樹脂を５〜２５重量％と、防腐
・防黴剤を０．１〜２．０重量％と、消泡剤を０．０５
〜１．０重量％と、を含有しており、そのことにより上
記目的が達成される。

以下本発明の詳細な説明する。

本発明で使用される上記加工澱粉としては、例えば、エ
ーテル化澱粉、エステル化澱粉、酸化澱粉等が挙げられ
、またこれらを２種以上混合して用いても良い。加工澱
粉のうち、エステル化澱粉は必ず含まれていることが必
要であり、このエステル化澱粉としては、白色乃至黄白
を帯びたフレーク状の外観を呈している澱粉二塩基性カ
ルボン酸モノエステルが好ましい。この澱粉二塩基性カ
ルボン酸モノエステルのｐＨは９〜１０．含水率は約７
％であり、冷水に溶解するという性質を有している。澱
粉二塩基性カルボン酸モノエステルの製法の一例を示す
と、馬鈴薯澱粉に水を加えてスラリーとし、アルカリを
触媒して二価のカルボン酸無水物を反応せしめて中和、
水洗後、多少の無機塩類を加えてドラムドライ−でフィ
ルム状にα−化乾燥し、次いで、適度に解砕して、フレ
ーク状として得られる。

加工澱粉は６５〜９９．７重量％配合するものであり、
加工澱粉の配合量が６５重量％より少ない場合及び９９
．７重量％より多い場合には、接着性や他の物性が低下
する。本発明では上記エステル化澱粉を８０〜９９．７
重量％配合するのが好ましく、９０〜９７重量％がさら
に好ましい。

上記水溶性合成糊料は、主に初期タック力を付与するた
めに添加されるもので、例えば、カルボキシメチルセル
ロース　（ＣＭＣ）、メチルセルロース（ＭＣ）、ヒド
ロキシエチルセルロース（ＨＥＣ）等が挙げられ、また
これらを２種以上混合して用いても良い。水溶性合成糊
料は２〜１０重景％置部するものであり、水溶性合成糊
料の配合量が上記範囲より少ない場合には、初期タック
力が低下し、また水への分散性が低下するおそれがある
。水溶性合成糊料の配合量が上記範囲より多いと、得ら
れる粉末状接着剤を水と混合分散する際に泡が多量に発
生する。

上記水溶性合成樹脂は、主に接着力を増大するために使
用される。この水溶性合成樹脂としては、例えば、ポリ
ビニ１アルコール（ＰＶＡ）、ポリアクリル酸塩、ポリ
アクリルアマイド等が挙げられ、またこれらを２種以上
混合して用いても良い。この水溶性合成樹脂は５〜２５
重量％配合するものであり、水溶性合成樹脂の配合量が
上記範囲を外れる場合には、接着性が低下する傾向にあ
る。

上記水溶性合成糊料と水溶性合成樹脂は、それぞれ単独
で使用されてもよく、あるいは併用されてもよい。

上記防腐・防黴剤としては、従来から公知の防腐・防黴
を使用することができ、０．１〜２．０重量％配合され
ている。

上記消泡剤は、粉末状接着剤を水と混合、分散して糊液
を作る際に、泡が発生するのを抑えるために添加される
。消泡剤は粉末状のものを用いるのがよく、粉末状消泡
剤の市販品としては、例えばノプコ■ｐｏ−１（サンノ
プコ■）がある。消泡剤の配合量は、０．０５〜１．０
重量％とするものであり、０．１〜０．４重量％がさら
に好ましい。配合量が０．０５重量％より少ないと消泡
効果が得られない。

また、本発明の粉末状接着剤には、乾燥調整剤を配合す
ることができる。この乾燥調整剤としては、例えば、グ
リセリン、尿素、エチレングリコール等が挙げられ、Ｏ
〜５．０重量％配合することができ、好ましくは０．１
〜４．０重量％である。さらに、粉末状接着剤には着色
剤や他の充填剤が配合されていても良い。

上記各成分を配合して本発明の粉末状接着剤が得られる
。この粉末状接着剤は、例えば、ポリエチレン等の気密
性を有する袋に包装されて保管される。この粉末状接着
剤は水に投入して混合することにより糊液が得られる。

粉末状接着剤は、水に対して１０〜３０重量％の割合で
配合するのが好ましく、通常は２０重量％程度配合する
ものである。

この粉末状接着剤の水に対する割合は、使用する被着体
の種類によって適宜変更することができる。

混合する水は冷水でも温水でも良く、通常は常温の水道
水が用いられる。加工澱粉として、上記したフレーク状
の加工澱粉、特にフレーク状のエステル化澱粉を用いる
ことにより、粉末状接着剤を冷水に対しても極めて容易
に溶解させることができる。粉末状接着剤と水との撹拌
は、市販されているミキサーを用いて行うことができ、
容器に入れた水をミキサーにて撹拌しながら粉末状接着
剤を少量づつ塊ができないように投入するのが良く、旦
キサ−による撹拌は空気を巻き込まないように、しかも
一定の所に止まらず均一な混合ができるように、ミキサ
ーを容器内で縦横に動かしながら行うのが良い。このよ
うにして粉末状接着剤の未溶解の塊がなくなり、均一な
粘りのある状態になれば、糊液が得られる。上記ミキサ
ーによる撹拌時間は、ミキサーの撹拌能力及び水及び粉
末状接着剤の使用量により異なり限定するものではない
が、例えば、３〜５分程度行うのが好ましい。

上記のようにして得られた糊液は、均一に分散されてお
り、また所定時間放置した場合でも分離、あるいはゲル
化を生しることがない。従って、施工現場において粉末
状接着剤を水と混合することにより、分散性及び接着性
に優れた糊液が得られ、施工現場へは粉末状の接着剤を
搬入すれば良く、従来のように液状の糊液を搬入する必
要はない。

また、高所で糊液を使用する場合には粉末状接着剤を高
所へ運び、そこで配管された水道水と混合して糊液を作
ることができるので、運搬を省力化して施工性を向上す
ることができると共に、粉末状接着剤と水とを任意の割
合、例えば、粉末状接着剤を５〜７倍の水と混合して多
量の糊液を得ることができ、各種被着体に対して最適な
糊液を作成することができる。また、粉末状接着剤には
、上記したように防腐・防黴剤が配合されているので、
糊液を長期間放置しても、糊液が腐敗したり黴が発生す
ることはなく、しかも壁装材に対しても防黴性及び防腐
性を発揮することができる。さらに、本発明の粉末状接
着剤には、初期タック力を付与するための水溶性合成糊
料又は水溶性合成樹脂と、消泡剤が所定量配合されてい
るので、得られた糊液を用いて壁装材を壁面に容易に貼
付けることができる上に、粉末状接着剤を水と混合する
際に泡が多量に発生することもない。

このようにして得られた糊液は、例えば、建築用の壁装
用施工糊として好適に用いられ、特に木材、紙、合成樹
脂等に対して良好な接着性を示す。

また、上記糊液は、壁装材に限らず、床材、天井材をは
しめ、建具、家具用等の糊としても好適に使用すること
ができる。さらに、建築用の施工糊以外に、例えば、自
動車用、船舶用、航空機、列車等の内装材用の糊液とし
ても使用することもできる。

（実施例） 以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。

実ＩＬＬ エステル化澱粉（澱粉二塩基性カルボン酸モノエステル
、以下同じ）　９４．８重量部、メチルセルロース４重
量部、防腐・防黴剤１重量部、消泡剤（ノプコＰＤ−１
）　０．２重量部を配合して粉末状接着剤を得た。得ら
れた粉末状接着剤１００重量部を、旦キサ−で撹拌しな
がら４００重量部の水に少量ずつ投入して均一に溶解さ
せて糊液を得た。攪拌の際に泡の発生はほとんど見られ
なかった。

このようにして得られた糊液を合板に刷毛塗りし、その
合板の表面に壁装材（ビニールクロス）を貼付けて１週
間放置した。その後、壁装材を手で剥離したところ、壁
装材は良好な接着性を示していた。また、上記糊液を約
２０°Ｃで１日間放置したところ、分離やゲル化は見ら
れなかった。

夫嵐班主 エステル（ｌ粉９０．６重ｆｆｉ部、メチルセルロース
６重量部、グリセリン２重量部及び防腐・防黴剤１重量
部、消泡剤（ノプコＰＤ−１）　０．４重量部を配合し
て粉末状接着剤を得た。得られた粉末状接着剤１００重
量部を、ミキサーで撹拌しながら５００重量部の水に少
量ずつ投入して均一に溶解させて糊液を得た。攪拌の際
に泡の発生はほとんど見られなかった。

このようにして得られた糊液を合板に刷毛塗りし、その
合板の表面に壁装材（織布）を貼付けて１週間放置した
。その後、壁装材を手で剥離したところ、壁装材は良好
な接着性を示していた。また、上記糊液を約２０″Ｃで
１日間放置したところ、分離やゲル化は見られなかった
。

実對む引よ エステル化澱粉９０．９重量部、酸化澱粉１重量部、ポ
リアクリルアマイド５重量部、エチレングリコール２重
量部及び防腐・防黴剤１重量部、消泡剤（ノブコＰＤ−
１）　０．１重量部を配合して粉末状接着剤を研た。得
られた粉末状接着剤１００重量部を、ミキサーで撹拌し
ながら４００重量部の水に少量ずつ投入して均一に溶解
させて糊液を得た。攪拌の際に泡の発生はほとんど見ら
れなかった。

このようにして得られた糊液を合板に刷毛塗りし、その
合板の表面に壁装材（ビニールクロス）を貼付けて１週
間放置した。その後、壁装材を手で剥離したところ、壁
装材は良好な接着性を示していた。また、上記糊液を約
２０゛Ｃで１日間放置したところ、分離やゲル化は見ら
れなかった。

止較明土 エステル（ｌ粉９４．８重量部、メチルセルロース４．
２重量部、防腐・防黴剤１重量部を配合して粉末状接着
剤を得た。得られた粉末状接着剤１００重量部を、ミキ
サーで撹拌しながら４００重量部の水に少量ずつ投入し
て均一に溶解させて糊液を得た。

攪拌の際に多量の泡が発生した。

このようにして得られた糊液を合板に刷毛塗りし、その
合板の表面に壁装材（ビニールクロス）を貼付けて１週
間放置した。その後、壁装材を手で剥離したところ、壁
装材は良好な接着性を示していた。また、上記糊液を約
２０″Ｃで１日間放置したところ、分離やゲル化は見ら
れなかった。

比較奥主 エステル化澱粉９７．８重量部、メチルセルロース１重
量部、防腐・防黴剤１重量部、消泡剤（ノプコＰＤ−１
）　０．２重量部を配合して粉末状接着剤を得た。得ら
れた粉末状接着剤１００重量部を、ミキサーで撹拌しな
がら４００重量部の水に少量ずつ投入して均一に溶解さ
せて糊液を得た。攪拌の際に泡の発生はほとんど見られ
なかった。

このようにして得られた糊液を合板に刷毛塗りし、その
合板の表面に壁装材（ビニールクロス）を貼り合わせた
ところ、初期タック力が弱いために壁装材を貼付けるこ
とはできず、手でしばらく押さえ付けていなければなら
なかった。

（発明の効果） このように、本発明の粉末状接着剤は、水と混合して接
着性に優れた糊液が得られるので、従来の壁装用の糊液
に比べて物流コストが低減でき、現場搬入を省力化する
ことができ、また保管スペースを低減することができる
。また、水の配合量を変えることによって接着剤の濃度
を自由に調整することができるので、壁装材の種類に応
して最適な接着強度を有する糊液を作成することができ
る。また、粉末状接着剤は水に均一に分散することが可
能であり、現場において上記性能を有する糊液を容易に
作成することができ、また水に分散する際に多量の泡を
発生することがない。さら乙こ、防黴、防腐処理が施し
であるので、糊液の腐敗や黴が発生することがなく、壁
装材に対しても防黴、防腐性を発揮することができ、ま
た得られた糊液の初期タック力は充分高い。

以上

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、エステル化澱粉を含む加工澱粉を６５〜９９．７重
   量％と、水溶性合成糊料を２〜１０重量％又は水溶性合
   成樹脂を５〜２５重量％と、防腐・防黴剤を０．１〜２
   ．０重量％と、消泡剤を０．０５〜１．０重量％と、を
   含有する粉末状接着剤。 ２、前記加工澱粉が澱粉二塩基性カルボン酸モノエステ
   ルである請求項１記載の粉末状接着剤。 ３、前記加工澱粉がフレーク状である請求項１又は２記
   載の粉末状接着剤。