JPH03141850A - 断熱ピストン及びその製造方法 - Google Patents

断熱ピストン及びその製造方法

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JPH03141850A
JPH03141850A JP27845089A JP27845089A JPH03141850A JP H03141850 A JPH03141850 A JP H03141850A JP 27845089 A JP27845089 A JP 27845089A JP 27845089 A JP27845089 A JP 27845089A JP H03141850 A JPH03141850 A JP H03141850A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、セラよツク材から成る断熱ピストン及びそ
の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、セラミック材を断熱材又は耐熱材として利用した
断熱ピストンの構造は、例えば、特開昭63−3021
64号公報に開示されている。該断熱ピストンの構造を
第2図を参照して説明する。
この断熱ピストンは、セラミック材と熱膨張係数がほぼ
等しい材料で作られたピストンヘッド部21をピストン
スカート部22に取付け、該ピストンヘッド部21に断
熱材23を介してセラミック薄板25を取付けたもので
ある。更に、この断熱ピストンにおいて、ピストンヘッ
ド部21に形成した取付ボス部24をピストンスカート
部22に形成した中央取付孔27に嵌合して係止し、セ
ラミック薄板25の周囲部にはセラミックリング26が
接合されている。該セラミックリング26の下面は、該
セラミックリング26の内周面に形成した段部にピスト
ンヘッド部21の周囲部28が押圧することによって、
ピストンスカート部22の上面周囲部29に押圧状態に
配置されている。
更に、ピストンヘッド部21とピストンスカート部22
との間には断熱空気N30が形成されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記断熱ピストンの構造については、断熱性
を確保すると共に、燃焼ガスに晒されて高温になる燃焼
室側に面するピストンへノドの表面部となるセラミック
薄板25の熱容量を可及的に小さく構成して吸入効率を
向上させ、しかも熱ショックを受けても強度上の問題が
生しることなく、耐熱性、耐腐食性、耐変形性を向上さ
せ、安定した取付状態を得ることができ、更に爆発時に
ピストンヘッド部21に作用する圧力を好ましい状態で
受は止めることができ、ピストンヘッドのセラミックリ
ング26とピストンスカート部22との間のシール機能
を向上させることのできるということで有効なものであ
る。
しかしながら、上記断熱ピストンは、ピストンヘッド部
21とピストンスカート部22との外周部には、両者の
取付けのためセラミックリング26が介在している。こ
のセラミックリング26は、圧縮強度を確保するため、
比較的に熱伝導率に高い緻密質のセラミック材で製作さ
れている。そのため、燃焼室内で発生した熱はセラミッ
クリング26を通ってピストンスカート部22へ逃げ、
十゛分な断熱性を確保できないという課題がある。また
、この断熱ピストンを構成するピストンヘッド部21、
ピストンスカート部22、セラミックリング26等の部
品は組み立てのため、高度の精度が要求され、組み立て
工程が多くなるという問題も有している。また、燃焼室
に晒される面を構成するセラミック薄板25の強度を確
保しようとすれば、該セラミック薄板25の肉厚が厚く
なるという課題も有している。更に、部品間での接合に
ついて、異種同士の接合個所が存在し、接合部の強度に
課題が残されている。
この発明の目的は、上記の課題を解決することであり、
反応焼結セラミック材が通常のセラミック材と比較して
焼結時の寸法変化率が零に等しいことに着眼し、該反応
焼結セラミック材を用いて多孔質セラミック製断熱材か
ら成るピストンヘッド部と緻密質セラミック材から威る
ピストンスカート部とを強固に固定し、境界面での隙間
の発生を防止し、ピストンヘッド部の上面全域にわたっ
て配置した多孔質セラミック材及び結合部材として反応
焼結セラ砧フク材によって極めて高度の断熱性を得ると
共に、燃焼室に晒される面に耐熱性に冨んだセラミック
製薄膜部材を配置し、燃焼ガスに晒されて高温になる燃
焼室側に面するピストンヘッドの表面部の熱容量を可及
的に小さく構威し、吸入効率を向上させ、しかも熱ショ
ックを受けても強度上の問題が生しることなく、耐熱性
、耐腐食性、耐変形性を向上させた断熱ピストンを提供
することである。
この発明の別の目的は、反応焼結セラミック材が通常の
セラミック材と比較して焼結時の寸法変化率が零に等し
いことに着眼し、該反応焼結セラミック材を用いて多孔
質セラミック製断熱材から成るピストンヘッド部と緻密
質セラミック材から成るピストンスカート部とを簡単な
工程によって強固に固定し、更に燃焼室に晒される面に
耐熱性に富んだセラミック製薄膜部材を簡単な工程で配
置し、極めて高度の断軌性を得ると共に、燃焼ガスに晒
されて高温になる燃焼室側に面するピストンヘッドの表
面部の熱容量を可及的に小さく構成し、吸入効率を向上
させ、しかも熱ショックを受けても強度上の問題が生じ
ることなく、耐熱性、耐腐食性、耐変形性を向上させた
断熱ピストンの製造方法を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、上記の目的を達成するために、次のように
構成されている。即ち、この発明は、緻密質セラミック
製のピストンスカート部、該ピストンスカート部の上面
に位置する板部と内部に位置するボス部とを備えた多孔
質セラ藁ツク製の断熱材から成るピストンヘッド部、前
記ピストンスカート部と前記ピストンヘッド部を固定す
る反応焼結セラミック製の断熱固定部材、及び前記ピス
トンヘッド部の上面に接合したセラミック製の薄膜部材
を有する断熱ピストンに関する。
また、この断熱ピストンにおいて、前記断熱固定部材を
前記ピストンスカート部の内面に形成した凹部と前記ピ
ストンヘッド部の前記ボス部の外面に形成した凹部との
間の空隙部に配置したものである。
この発明は、多孔質セラミック製の断熱材から戊るピス
トンヘッド部のボス部外周に緻密質セラミック製のピス
トンスカート部を配置し、前記ボス部と前記ピストンス
カート部との間の空隙部にセラミック粉末を含んだスラ
リーを流し込み、該スラリーの水分を吸収して焼威し、
前記スラリーを反応焼結セラミック製の断熱固定部材に
生成し、更に前記ピストンヘッド部の板部の上面にセラ
ミック製の薄膜部材を接合した断熱ピストンの製造方法
に関する。
或いは、この発明は、多孔質セラミック製の断熱材から
戒るピストンヘッド部のボス部外周に緻密質セラミック
製のピストンスカート部を配置し、前記ボス部と前記ピ
ストンスカート部との間の空隙部にセラミック粉末を含
み且つ塑性を有するセラミック組成物を充填し、該セラ
ミック組成物を焼成して反応焼結セラミック製の断熱固
定部材に生成し、更に前記ピストンへンド部の板部の上
面にセラ藁ツタ製の薄膜部材を接合した断熱ピストンの
製造方法に関する。
〔作用〕
この発明による断熱ピストンは、以上のように構成され
ており、次のように作用する。即ち、この発明は、緻密
質セラミック製のピストンスカート部、該ピストンスカ
ート部の上面に位置する板部と内部に位置するボス部と
を備えた多孔質セラミック製の断熱材から成るピストン
ヘッド部、前記ピストンスカート部と前記ピストンヘッ
ド部を固定する反応焼結セラミック製の断熱固定部材、
及び前記ピストンヘッド部の上面に接合したセラミック
製の薄膜部材を有するので、前記ピストンヘッド部と前
記ピストンスカート部とは前記反応焼結セラξ7り材に
よって強固に固定することができ、更に燃焼ガスに晒さ
れて高温になるピストンヘッドの表面部である前記′i
it膜部材の厚さを薄く構成でき、その熱容量を可及的
に小さく構成して、吸入効率を向上させることができる
。しかも、トンスカート部から断熱材の前記ピストンヘ
ッド部で完全に隔置されているの・で、高度の断熱性を
確保することができ、しかも耐熱性、耐変形性、耐腐食
性を確保することができる。
また、この断熱ピストンの製造方法は、多孔質セラミッ
ク製の断熱材から成るピストンヘッド部ノホス部外周に
緻密質セラくツク製のピストンスカート部を配置し、前
記ボス部と前記ピストンスカート部との間の空隙部にセ
ラミック粉末を含んだスラリーを流し込み、或いはセラ
ミック粉末を含み且つ塑性を有するセラミック組成物を
充填し、該スラリー或いはセラミック組成物を焼成して
反応焼結セラミック製の断熱固定部材に生成し、更に前
記ピストンヘッド部の板部の上面にセラミック製の薄膜
部材を接合したので、断熱ピストン自体の製造工程が極
めて簡単であり、しかも前記ピストンヘッド部と前記ピ
ストンスカート部とはプレストレスを与えることなく、
簡単な工程によって強固に固定することができる。
以下、図面を参照して、この発明による断熱ピストンの
実施例を詳述する。
第1図において、この発明の一実施例である断熱ピスト
ンが示されている。この断熱ピストンは、主として、緻
密質セラミック製のピストンスカート部2、該ピストン
スカート部2の上面に位置する板部3と内部に位置する
ボス部4とを備えた多孔質セラミック製の断熱材から成
るピストンヘッド部1、ピストンスカート部2とピスト
ンヘッド部lを固定する反応焼結セラミック製の断熱固
定部材9、及びピストンヘッド部1の上面11に接合し
たセラミック製の薄膜部材5を有するものである。また
、断熱固定部材9は、ピストンスカート部2の内面に形
成した凹部6とピストンヘッド部1のボス部4の外面に
形成した凹部7との間の空隙部8に配置されている。
この断熱ピストンにおいて、ピストンヘッド部1は、チ
タン酸アルミニウム、チタン酸カリウム、ムライト等の
断熱粒子、ウィスカー等の断熱材を含む窒化珪素、炭化
珪素、複合材料等の多孔質のセラミック材から製作され
ている。このピストンヘッド部lについては、約10重
量%以上の気孔を有する多孔質セラ旦ツタ材である。こ
の場合、ピストンヘッド部1のボス部4と板部3とを構
成するセラミック材の種類、組成及び気孔率を、同−或
いは異なった状態に製作することができる。
或いは、例えば、ピストンヘッド部1を反応焼結窒化珪
素(SiJt)及びその複合材料等のセラミ・7り材で
製作することもできるつ また、この断熱ピストンにおいて、ピストンヘッド部1
の外周部に位置する外筒部材から成るピストンスカート
部2は、窒化珪素、炭化珪素、複合材料等の緻密質のセ
ラ短ツク材から製作されている。更に、ピストンヘッド
部2は、ピストンスカート全体を同一材料で製作しても
よいが、ピストンスカート部2の上端部即ちピストンへ
・7ド部付近の組成、気孔率を異なる状態に製作するこ
ともできる。また、断熱固定部材9は、窒化珪素、炭化
珪素、複合材料等の反応焼結セラミック材から製作され
ている。ピストンヘッド部1の燃焼ガスに晒される面に
配置された薄膜部材5は、窒化珪素、炭化珪素、複合材
料等の耐熱性に冨んだ緻密質のセラミック材を化学気相
蒸着法、物理蒸着法等によってピストンヘッド部1の上
面11に接合されている。或いは、薄膜部材5は、St
を含む有機ポリマー溶液中に浸された後に、焼成して形
成することもできる。
次に、この発明による断熱ピストンの製造方法の実施例
について説明する。
この断熱ピストンの製造方法の最初の工程において、多
孔質セラ旦フタ製の断熱材から成るピストンヘッド部1
のボス部4外周に形成した溝部即ち凹部7に対して、緻
密質セラミック製のピストンスカート部2を配置する。
この工程を行うため、ピストンヘッド部1を円板状の板
部3及び該板部3の中央部位に一体構造に構成したボス
部4を備えた形状に成形すると共に、該ボス部4の外面
に溝部即ち凹部7を形成する。このピストンヘッド部1
は、例えば、窒化珪素(SiJ4) 、炭化珪素(S末
、焼結助剤及びムライト粉末を混合した後、板部3及び
ボス部4から威る上記形状に成形し、次いで、該成形体
を焼成し、最後に加工したものであり、気孔率が約38
%の多孔質の焼結体である。
また、ピストンスカート部2をピストンヘッド部の側面
を構成する円筒体の形状に成形すると共に、内面に溝部
即ち凹部6を形成する。図示のように、ピストンスカー
ト全体を円筒体に成形してもよく、また、図示していな
いが、ピストンヘッド部位のみを円筒体に構成し、ピス
トンスカートの下部を別の部材で製作してもよいもので
ある。このピストンスカート部2は、例えば、平均粒径
約1μmの窒化珪素(St、N4) 、炭化珪素(Si
C)等のセラ旦ツク粉末及び焼結助剤から成る成形体を
100気圧の下でガス圧焼結させて製造したものであり
、その相対密度は99.9%の緻密質の焼結体である。
上記のようにして製造したピストンヘッド部1を、その
板部3を下に向けて石膏ブロック上に載置する0次いで
、板部3の周囲部10上にビストて当接部を接合し、ピ
ストンスカート部2の円筒体がボス部4を囲むように設
定して、ボス部4の外周に形成した凹部7とピストンス
カート部2の内面に形成した凹部6との間の空隙部8を
形成する。
次の工程において、ボス部4の外周に形成した凹部7と
ピストンスカート部2の内面に形成した凹部6との間の
空隙部8に、窒化珪素(SisN4)、炭化珪素(Si
C)等のセラミック粉末を含んだスラリーを注入する0
次いで、スラリーに含まれている水分はピストンへソド
部1を構成する多孔質セラ〔ツタ材及び石膏ブロックに
吸収され、該スラリーは固化する。該スラリーを固化し
た後に、窒素ガスの加圧雰囲気とした炉内にピストンヘ
ッド部1とピストンスカート部2との組立体を入れ、焼
結する。この焼結工程によって固化したスラリーは、反
応焼結して反応焼結セラミック材に変化し、空隙部8に
配置された断熱固定部材9となる。
炉の冷却後に、該組立体を炉から取り出す。
更に、次の工程において、ピストンヘッド部1、ピスト
ンスカート部2及び断熱固定部材9から成る組立体を炉
から取り出した後に、ピストンヘッド部1の板部3の燃
焼ガスに晒される上面11に、窒化珪素(Si3N4)
、炭化珪素(SiC)等の緻密質セラミック材を化学蒸
着法(CVD) 、物理蒸着法等によって接合して薄膜
部材5を形成する。例えば、5iC1nとNFl、を原
料ガスとして、化学気相蒸着法によって緻密質の窒化珪
素(SiJs)のセラ逅ツク膜を形成する。或いは、薄
膜部材5は、Siを含む有機ポリマー溶液中に浸された
後に、焼成して形成することもできる。
この断熱ピストンを上記の製造方法で製作し、該断熱ピ
ストンをディーゼルエンジンに組み込み、約200Or
pmで約2000時間の耐久テストを行ったが、破損等
の異常は全く発生せず、また、熱効率は従来タイプのピ
ストンに比較して約15%程度向上させることができた
また、上記の製造方法で得た断熱ピストンを切断して断
面を検査したところ、ピストンヘッド部lと薄膜部材5
との結合界面について、ピストンヘッド部1の板部3の
上面11即ち表面に存在する気孔は、薄膜部材5によっ
て閉塞状態になっていた。また、ピストンヘッド部1と
断熱固定部材9との結合界面、及び断熱固定部材9とピ
ストンスカート部2との結合界面付近について、局所的
には空隙が存在したが、異相界面の大部分に空隙の存在
は見られなかった。これは、固化したセラミック材のス
ラリーの反応焼結が、寸法変化が殆ど零であることに加
えて、焼成時にガス化したSiのうちの一部は系外に出
て行き、N原子と反応して窒化珪素(SiJm)となっ
た後、ピストンヘッド部1とピストンスカート部2の表
面において核を生成し、成長するという過程をたどりな
がら、空隙を窒化珪素(SiJa)が埋めたものである
この発明による断熱ピストンの製造方法について、反応
焼結セラミックは、通常のセラミック材と比較して焼結
時の寸法変化率がほとんど零に等しいものである。反応
焼結セラミックの特性を利用して、ボス部4の凹部7と
ピストンスカート部2の凹部6との間の空隙部8にセラ
ミック材スラリーを注入すれば、焼結後も該スラリーの
充填状態が保持されて変化がなく、ボス部4とピストン
スカート部2の外筒部材とは強固に結合されることにな
る。更に、ピストンヘッド部1を構成する多孔質セラミ
ック材から威る板部3がピストンヘッド部1の高温の燃
焼ガスに晒される上面11の全領域に延在しており、し
かも該板部3の高温の燃焼ガスに晒される全面は、窒化
珪素等の緻密質セラミック材が化学蒸着法(CVD)等
で接合されて薄膜部材5を構成しているので、該薄膜部
材5で耐熱性及び燃焼ガスに対するシール性を確保でき
、しかもこの薄膜部材5は緻密質セラミック材であるが
、厚さが数μmであり、薄膜部材5自体の熱容量は小さ
いので、断熱性を損なうようなことはない、また、多孔
質セラ’Z−/り材のピストンヘッド部1の上面11の
気孔は、薄膜部材5によって閉塞され、シール性及び耐
熱性を確保することができる。高温の燃焼ガスに晒され
る面から緻密質セラミック材から成るピストンスカート
部2へは全く熱流となるルートが存在しないので、チタ
ン酸アルくニウム、チタン酸カリウム、ムライト等の断
熱粒子、ウィスカー等の断熱材を含む多孔質セラ逅ツタ
材から成る板部3で高度の断熱性を確保できる。
次に、この発明による断熱ピストンの製造方法の別の実
施例を説明する。上記実施例において、ピストンヘッド
部1を製作する多孔質セラ主ツク材として、Siとチタ
ン酸アルミニウム粉末との体積比が、6:4になるよう
に混合して成形し、N2雰囲気中で反応焼成し、気孔率
が約35%のものを製作した。この多孔質セラミック材
から成るピストンヘッド部lを用いて、他は同一の製造
方法によって断熱ピストンを製造した。上記と同様の耐
久テストを行ったが、異常は発生しなかった。
或いは、この発明による断熱ピストンの製造方法の更に
別の実施例を説明する。この実施例は、上記1番目の製
造方法の実施例において、セラミックスラリ−の代わり
にセラミック粉末から戒るセラミック組成物を使用した
ものである。即ち、この実施例による製造方法は、主と
して、多孔質セラミック製の断熱材から成るピストンヘ
ッド部1のボス部4外周に緻密質セラミック製のピスト
ンスカート部2を配置し、ボス14とピストンスカート
部2との間の空隙部8にセラミック粉末を含み且つ塑性
を有するセラξ・ツク組成物を充填し、該セラミック組
成物を焼成して反応焼結セラミック製の断熱固定部材9
に生成し、更に、ピストンヘッド部1の板部3の上面1
■にセラミック製の薄膜部材5を接合して断熱ピストン
を製造したものである。即ち、断熱固定部材9を形成す
るため、St粉末とムライト粉末を体積比にして、6;
4の割合で配合し、スラリー化した後、該セラ3 ツク
組成物を、ピストンヘッド部1とピストンスカート部2
との間の空隙部8にスリップキャスティング法によって
充填成形する。次いで、Nt加圧雰囲気中の炉内で反応
焼成し、Si部を窒化珪素(SisN*)に変化させる
。炉の冷却後、組立体を炉から取り出し、ピストンヘッ
ド部1の板部3の上面11に化学気相蒸着法によって厚
さ約1.5μmの窒化珪素(StJn)の薄膜部材5を
形成した。ピストンヘッド部1の板部3の表面に対して
薄膜部材5を化学気相蒸着法で形成した。或いは、薄膜
部材5は、Stを含む有機ポリマー溶液中に浸された後
に、焼成して形成することもできる。薄膜部材5を配置
することによってピストンヘッド部lの板部3の強度を
確保することができると共に、燃焼ガスに対するシール
性を向上でき、且つ耐熱性に富んだ断熱ピストンを提供
できる。
〔発明の効果〕
この発明による断熱ピストンは、以上のように構成され
ているので、次のような効果を有する。
即ち、この断熱ピストンは、緻密質セラミックスのピス
トンスカート部、該ピストンスカート部の上面に位置す
る板部と内部に位置するボス部とを備えた多孔質セラミ
ック製の断熱材から戊るピストンへノド部、前記ピスト
ンスカート部と前記ピストンヘッド部を固定する反応焼
結セラミック製の断熱固定部材、及び前記ピストンへノ
ド部の上面グ培仝j7ナーセラミ・・、り別の蒲譚部杖
を有するので、前記ピストンヘッド部と前記ピストンス
カート部とは前記反応焼結セラミック材によって強固に
固定することができ、特に、材料間の相違がほとんどな
く、熱膨張係数はほぼ同一であるので、部品材料間に熱
膨張差が発生せず、熱に対する良好な強度を確保できる
。また、前記ピストンヘッド部と前記断熱固定部材とに
よって燃焼室の高度の断熱性を確保でき、しかも、前記
ピストンスカート部に対しては前記ピストンスカート部
で熟的に断熱されているので、周囲から熱が逃げること
がなく、−層良好な断熱性を確保できる。
更に、燃焼ガスに晒されて高温になるピストンヘッドの
表面部である前記薄膜部材の厚さを薄く構成でき、その
熱容量を可及的に小さく構成して、吸入効率を向上させ
ることができるつしかも、前記燃焼ガスに晒される前記
薄膜部材は前記ピストンスカート部から断熱材の前記ピ
ストンへノド部で完全に隔置されているので、高度の断
熱性を確保することができ、しかもi’jt熱性、耐変
形性、耐庶合神番石官徨すみご入邦ア去A−字六−1伊
博ガスに晒される表面部には前記薄膜部材が存在するの
で、燃焼室内の燃焼ガスがピストンを通じて漏洩するよ
うなことはない。
また、この断熱ピストンにおいて、前記断熱固定部材を
前記ピストンスカート部の内面に形成した凹部と前記ピ
ストンヘッド部の前記ボス部の外面に形成した凹部との
間の空隙部に配置したので、前記断熱固定部材が一旦焼
結されると、前記ピストンヘッド部と前記ピストンスカ
ート部とは強固に固定され、しかも十分な強度を確保す
ることができる。
或いは、この発明による断熱ピストンの製造方法は、多
孔質セラミック製の断熱材から成るピストンヘッド部の
ボス部外周に緻密質セラミック製のピストンスカート部
を配置し、前記ボス部と前記ピストンスカート部との間
の空隙部にセラミック粉末を含んだスラリーを流し込み
、該スラリーの水分を吸収して焼威し、前記スラリーを
反応焼結セラミック製の断熱固定部材に生成し、更に前
記ピストンヘッド部の板部の上面にセラミック製の薄膜
部材を接合したので、反応焼結セラミック製の前記断熱
固定部材には寸法変化率がなく、境界面の隙間は発生せ
ず、がた等が発生することがなく、前記ピストンヘッド
部と前記ピストンスカート部との固定工程において、両
者に無用な圧縮応力及び引張応力等を加えることが無く
、組み付は時に損傷等を与えることがなく、極めて容易
に組立を達成できる。しかも、ピストンヘッド部とピス
トンスカート部との間の空隙部には、前記スラリーを流
し込む或いは充填するだけであるので、両者の組立のた
めの加工精度を上げる必要が無く、製造コストを低減で
きる。
又は、この発明による断熱ピストンの製造方法は、多孔
質セラミック製の断熱材から成るピストンへンド部のボ
ス部外周に緻密質セラくツク製のピストンスカート部を
配置し、前記ボス部と前記ピストンスカート部との間の
空隙部にセラミック粉末を含み且つ塑性を有するセラミ
ック組戒物を充填し、該セラミック組放物を焼成して反
応焼結セラミック製の断熱固定部材に生成し、更に前記
ピストンへンド部の板部の上面にセラQ−/り製の薄膜
部材を接合したので、上記と同様に、極めて容易に組立
を達成でき、組立のための強度を必要としない、上記と
同様に、両者の組立のための加工精度を上げる必要がな
い。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による断熱ピストンの一実施例を示す
断面図、及び第2図は従来の断熱ピストンの構造の一例
を示す断面図である。 1−・・・−ヒストンヘッド部、2−−−−−ピストン
スカート部、3・−・−板部、4−−−−−一取付ボス
部、5−・・・・薄膜部材、6,7−・−・・−凹部、
8−・・・−・・空隙部、9−・−・・−断熱固定部材
、10・−・・−周囲部、11−・−・・・上面。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)緻密質セラミック製のピストンスカート部、該ピ
    ストンスカート部の上面に位置する板部と内部に位置す
    るボス部とを備えた多孔質セラミック製の断熱材から成
    るピストンヘッド部、前記ピストンスカート部と前記ピ
    ストンヘッド部を固定する反応焼結セラミック製の断熱
    固定部材、及び前記ピストンヘッド部の上面に接合した
    セラミック製の薄膜部材を有する断熱ピストン。
  2. (2)前記断熱固定部材を前記ピストンスカート部の内
    面に形成した凹部と前記ピストンヘッド部の前記ボス部
    の外面に形成した凹部との間の空隙部に配置した請求項
    1に記載の断熱ピストン。
  3. (3)多孔質セラミック製の断熱材から成るピストンヘ
    ッド部のボス部外周に緻密質セラミック製のピストンス
    カート部を配置し、前記ボス部と前記ピストンスカート
    部との間の空隙部にセラミック粉末を含んだスラリーを
    流し込み、該スラリーの水分を吸収して焼成し、前記ス
    ラリーを反応焼結セラミック製の断熱固定部材に生成し
    、更に前記ピストンヘッド部の板部の上面にセラミック
    製の薄膜部材を接合した断熱ピストンの製造方法。
  4. (4)多孔質セラミック製の断熱材から成るピストンヘ
    ッド部のボス部外周に緻密質セラミック製のピストンス
    カート部を配置し、前記ボス部と前記ピストンスカート
    部との間の空隙部にセラミック粉末を含み且つ塑性を有
    するセラミック組成物を充填し、該セラミック組成物を
    焼成して反応焼結セラミック製の断熱固定部材に生成し
    、更に前記ピストンヘッド部の板部の上面にセラミック
    製の薄膜部材を接合した断熱ピストンの製造方法。
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