JP3033324B2 - 断熱ピストン - Google Patents

断熱ピストン

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JP3033324B2
JP3033324B2 JP4040488A JP4048892A JP3033324B2 JP 3033324 B2 JP3033324 B2 JP 3033324B2 JP 4040488 A JP4040488 A JP 4040488A JP 4048892 A JP4048892 A JP 4048892A JP 3033324 B2 JP3033324 B2 JP 3033324B2
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    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2201/00Metals
    • F05C2201/02Light metals
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F05C2251/04Thermal properties
    • F05C2251/042Expansivity

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  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,セラミック製の
ピストンヘッドとピストンスカートを有する断熱ピスト
ンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来,断熱ピストンとして,ピストンヘ
ッドの頂面をセラミックスで製作し,ピストンスカート
をアルミニウム合金,鋳鉄等で製作し,ピストンヘッド
とピストンスカートとを結合して構造を有しているもの
がある。
【0003】従来,内燃機関用ピストンとして,実開昭
58−98455号公報に開示されたものがある。該内
燃機関用ピストンは,アルミニウム,鋳鉄等の金属より
なるピストン基部に,コバール,42アロイ等の熱膨張
率が3〜9×10- 6 /℃の金属体を介してセラミック
スを結合したものである。
【0004】また,断熱ピストンの構造として,特開昭
63−255552号公報に開示されたものがある。該
断熱ピストンの構造は,燃焼室側にジルコニアコーティ
ング層を施し且つジルコニアコーティング層と線膨張係
数がほぼ等しい金属製薄板をサーメットホルダに被覆し
てピストンヘッドを構成し,該ピストンヘッドがピスト
ンスカートに空気層を形成し且つ断熱シール材を介在し
て取り付けられている。更に,サーメットホルダの中央
突出部をピストンスカートの中央孔に嵌合し,リングに
よって互いに係止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,断熱ピ
ストンでピストンヘッドをセラミックスで且つピストン
スカートを金属で製作したものは,ピストンスカートの
金属として鋳鉄を用いると重量が重く,また,アルミニ
ウム合金を用いると重量は軽くなるが,アルミニウム合
金の熱膨張係数が大きいため,アルミニウム合金とセラ
ミックスとの間に細かく緩衝材を介在させる必要があ
る。更に,アルミニウム合金は耐熱温度が低いために,
高温下でアルミニウム合金のピストンスカートが変形を
起こし,ピストンヘッドとピストンスカートとの境界部
の間のシール性が下がり,ガス抜け等の問題が発生す
る。
【0006】この発明の目的は,上記の課題を解決する
ことであり,シリンダ内を往復運動するピストンヘッド
と該ピストンヘッドに取り付けたピストンスカートを有
する断熱ピストンにおいて,前記ピストンヘッドを緻密
質のセラミックスから構成し,前記ピストンスカートを
アルミニウム合金とセラミックスの複合材料で構成し,
前記ピストンスカートを前記ピストンヘッド側の部分を
低熱膨張のセラミックスで且つ下部になるに従って高熱
膨張のセラミックスになるように熱膨張傾斜組織の構造
を有し,高温下での熱変形や隙間の発生を防止する断熱
ピストンを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は,シリンダ内
を往復運動するピストンスカート及び該ピストンスカー
トに取り付けたピストンヘッドを有する断熱ピストンに
おいて,前記ピストンヘッドを緻密質のセラミックスか
ら構成し,前記ピストンヘッド側に面するピストンスカ
ートをアルミニウム合金と少なくとも2種類以上のセラ
ミックスから成る複合材で構成し,前記セラミックスの
組織が前記ピストンスカートの上部から下部へ熱膨張係
数が傾斜変化した構造を有し,前記セラミックスの組織
に存在する間隙がアルミニウム合金で置換され,前記セ
ラミックスのうち,一方のセラミックスがチタン酸アル
ミニウムであり,他方のセラミックスがジルコニア,酸
化マグネシウム,酸化アルミニウムの中の何れか1つ或
いはそれらの複合物であることを特徴とする断熱ピスト
ンに関する。また,この断熱ピストンは,前記セラミッ
クスの熱膨張係数の傾斜変化が熱膨張係数差で4×10
- 6 以上であるように構成されている。
【0008】また,この発明は,シリンダ内を往復運動
するピストンスカート及び該ピストンスカートに取り付
けたピストンヘッドを有する断熱ピストンにおいて,前
記ピストンヘッドを緻密質のセラミックスから構成し,
前記ピストンヘッド側に面するピストンスカートをアル
ミニウム合金と少なくとも2種類以上のセラミックスか
ら成る複合材で構成し,前記セラミックスの組織が前記
ピストンスカートの上部から下部へ熱膨張係数が傾斜変
化した構造を有し,前記セラミックスの組織に存在する
間隙がアルミニウム合金で置換され,前記ピストンスカ
ートを前記ピストンヘッド側に面する上部をチタン酸ア
ルミニウムとアルミニウムとの複合材で構成し,前記ピ
ストンスカートの下部をアルミニウム合金で構成し,前
記上部と前記下部との中間部を,上部側がチタン酸アル
ミニウムとジルコニアから成り且つ下部側がジルコニア
から成るようにセラミックスの組織が傾斜変化した構造
を有することを特徴とする断熱ピストンに関する。
【0009】更に,この発明は,シリンダ内を往復運動
するピストンスカート及び該ピストンスカートに取り付
けたピストンヘッドを有する断熱ピストンにおいて,前
記ピストンヘッドを緻密質のセラミックスから構成し,
前記ピストンヘッド側に面するピストンスカートをアル
ミニウム合金と少なくとも2種類以上のセラミックスか
ら成る複合材で構成し,前記セラミックスの組織が前記
ピストンスカートの上部から下部へ熱膨張係数が傾斜変
化した構造を有し,前記セラミックスの組織に存在する
間隙がアルミニウム合金で置換され,前記ピストンヘッ
ドの燃焼室側上面とピストンスカート側下面に多孔質セ
ラミックスを結合した構造を有することを特徴とする断
熱ピストンに関する。また,この断熱ピストンは,前記
多孔質セラミックスの表面に緻密なセラミックス薄膜が
形成されている。更に,この断熱ピストンでは,前記多
孔質セラミックスが反応焼結材をベースに酸化物を含む
複合材である。
【0010】この断熱ピストンは,以上のように構成さ
れているので,セラミックスがアルミニウム合金の内部
に編み目状に内包され,特に,高温下においてアルミニ
ウム合金中の転位の動きが阻害され,従来発生していた
ような変形等は起こらず,ピストンヘッドのセラミック
スとの近傍の熱膨張係数差を小さくすることができる。
また,この断熱ピストンは,前記ピストンヘッドの燃焼
室側上面とピストンスカート側下面に多孔質セラミック
スを結合したので,ピストンヘッドが断熱性に優れた構
造となり,燃焼室が高温になっても熱がピストンスカー
トに伝導し難くなり,ピストンスカートの変形等が起こ
り難いものとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
による断熱ピストンの実施例を説明する。図1はこの発
明による断熱ピストンの一実施例を示す断面図である。
【0012】図1に示すように,この発明による断熱ピ
ストンは,主として,シリンダ内を往復運動するピスト
ンヘッド1とピストンヘッド1に固定したピストンスカ
ート2を有している。ピストンヘッド1は窒化ケイ素,
炭化ケイ素等の耐熱性に優れたセラミック材料で構成さ
れ,また,ピストンスカート2はアルミニウム合金等の
金属材料と少なくとも2種類以上のセラミックスから成
る複合材料で構成されている。
【0013】ピストンヘッド1は,燃焼室10を備えた
クラウン部18及びクラウン部18の中央付近から下方
に環状に伸びる取付部3を有している。ピストンスカー
ト2は,中央に取付孔部19を形成した上部9を有して
いる。また,ピストンヘッド1の取付部3の外周には,
メタルフロー金属が嵌入するための僅かな凹部22が形
成されている。ピストンヘッド1とピストンスカート2
とは,セラミックスから成る断熱部材13,14を介在
してメタルフローによって凹部22に嵌入される結合リ
ング12によって固定されている。また,ピストンヘッ
ド1のクラウン部18の下面7とピストンスカート2の
上部9の上面8との間には断熱空気層11が形成されて
いる。ピストンスカート2に形成された燃焼室側に形成
されたピストンリング溝は,ニレジスト等の耐摩環20
がピストンスカート2の上部9に埋め込まれて構成され
ている。
【0014】ピストンヘッド1とピストンスカート2と
は,次のようにして固定することができる。ピストンヘ
ッド1のクラウン部18の下面7とピストンスカート2
の上部9の上面8との間に断熱材15と断熱シール部材
16を介在させる。次いで,ピストンヘッド1の取付部
3をピストンスカート2の上部9に形成した取付孔部1
9に嵌合する。この状態で,ピストンヘッド1とピスト
ンスカート2とを,メタルフローによって互いに固定す
る。即ち,ピストンヘッド1の取付部3の外周とピスト
ンスカート2の上部9に形成した大径の取付孔部21と
の間に形成された穴部に,断熱材で且つ緩衝材となる部
分安定化ジルコニア等のセラミックスから成る断熱部材
13,14を介在させ,次いで,メタルフロー金属即ち
結合リング12を高周波コイル等で加熱し,結合リング
12を塑性変形させて穴部に嵌入すると共に,取付部3
の凹部22に結合リング12を塑性流動で進入させて硬
化させ,ピストンヘッド1とピストンスカート2とを固
定する。このメタルフロー時に,ピストンヘッド1の取
付部3をピストンスカート2の上部9に形成した取付孔
部19に嵌入してメタルフロー荷重即ち押圧荷重がかか
るが,ピストンスカート2の上部9の取付孔部19近傍
が若干塑性変形を起こし,加工精度上の問題を吸収する
ことができる。
【0015】この発明による断熱ピストンは,特に,ピ
ストンスカート2の構成に特徴を有するものである。即
ち,この断熱ピストンは,特に,ピストンヘッド1を緻
密質のセラミックスから構成し,ピストンヘッド1側に
面するピストンスカート2をアルミニウム合金と少なく
とも2種類以上のセラミックスから成る複合材で構成
し,セラミックスの組織がピストンスカート2の上部9
から下部4へ熱膨張係数が傾斜変化の構造を有してお
り,セラミックスの組織に存在する間隙がアルミニウム
で置換されていることを特徴とするものである。
【0016】この断熱ピストンは,言い換えれば,ピス
トンスカート2のうち,セラミックスのピストンヘッド
1との結合部材近傍即ち上部9を低熱膨張のチタン酸ア
ルミニウムとアルミニウム合金との複合材で構成し,ピ
ストンスカート2の中間部6,5を下部4になるに従っ
て傾斜状にセラミック成分を変化させた熱膨張係数傾斜
機能材で構成し,特に,低熱膨張のチタン酸アルミニウ
ムから高熱膨張のジルコニアに変化させ,中間部をジル
コニアとアルミニウム合金との複合材に構成し,該複合
材が下部のアルミニウム合金に連続して結合されるよう
に構成したものである。
【0017】ピストンスカート2は,ピストンヘッド1
に接する上部9,上方中間部6,下方中間部5及び下部
4を連続して接合されており,上部9をチタン酸アルミ
ニウムAl2 TiO5 とアルミニウム合金との複合材で
構成し,上部9に接合した上方中間部6をチタン酸アル
ミニウムとジルコニアZrO2 との傾斜組成のセラミッ
クスとアルミニウム合金との複合材で構成し,上方中間
部6に接合した下方中間部5をジルコニアZrO2 とア
ルミニウム合金との複合材で構成し,更に,下方中間部
5に接合した下部4をアルミニウム合金で構成したもの
である。即ち,このピストンスカート2については,上
部9と下部4との中間部6,5について,上部側がチタ
ン酸アルミニウムとジルコニアから構成し,下部側がジ
ルコニアから構成するようにセラミックスの組織が傾斜
変化しているものである。
【0018】ピストンスカート2は,セラミックスの熱
膨張係数の傾斜変化が熱膨張係数差で4×10- 6 以上
にコントロールされており,また,セラミックスのう
ち,一方のセラミックスがチタン酸アルミニウムであり
且つ他方のセラミックスがジルコニア,酸化マグネシウ
ム,酸化アルミニウムの中の何れか1つ或いはそれらの
複合物で構成することができる。
【0019】この断熱ピストンは,上記のような構造を
有しており,ピストンスカート2を次のようにして製作
できる。この断熱ピストンの製造方法において,まず,
平均粒径40μmのチタン酸アルミニウムAl2 TiO
5 の粉末と2μmのジルコニアZrO2 の粉末との混合
粉末に蒸留水を加え,ボールミルにて約24時間混合
し,スラリーを作製した。この時,チタン酸アルミニウ
ムとジルコニアとの混合比を0〜100%の範囲で異な
る混合粉末を10種類作製し,10種類のスラリーを作
製した。得られたスラリーを,チタン酸アルミニウムの
濃度の高いものから順に,径90mmのキャビティを有
する石膏型内に注入し,スラリーを石膏型に吸水固化さ
せた。
【0020】次いで,吸水固化したセラミック成形体を
石膏型から取り出して乾燥し,セラミック成形体の乾燥
後,乾燥セラミック成形体を所定の温度で焼成してセラ
ミック焼成体を得た。セラミック焼成体の気孔率は約5
0%であり,外形85mmの多孔体を得ることができ
た。この多孔体を機械加工し,真空炉内で800℃に加
熱されて溶湯になっているAl−Si合金溶湯に多孔体
を加圧浸漬し,多孔体の気孔内部へAl−Si合金溶湯
を含浸させた後,炉冷して多孔体を炉から取り出し,チ
タン酸アルミニウム,ジルコニア及びアルミニウム合金
から成る複合体を得ることができた。
【0021】更に,上記複合体を機械加工して所望の形
状のピストンスカート2に成形した後,ピストンスカー
ト2を窒化ケイ素Si3 4 から成るピストンヘッド1
に,高周波加熱によって結合リング12をメタルフロー
して嵌合結合し,図1に示すような断熱ピストンを得る
ことができた。
【0022】上記のようにして製作した断熱ピストン
を,ベンチ試験で試験したところ,約1000サイクル
後にも,各部に亀裂等は見られず,安定していることが
確認された。即ち,この発明による断熱ピストンは,安
定した軽量で断熱性に優れたピストンを提供できるもの
であった。
【0023】次に,この発明による断熱ピストンの別の
実施例を図2を参照して説明する。図2はこの発明によ
る断熱ピストンの別の実施例を示す断面図である。この
実施例の断熱ピストンは,上記実施例の断熱ピストンと
比較してピストンヘッドの構造が相違する以外は,同一
の構成及び機能を有するので,同一の部品には同一の符
号を付して重複する説明は省略する。
【0024】図2に示すように,この断熱ピストンにお
けるピストンヘッド1には,燃焼室側上面25に多孔質
セラミックス17とピストンスカート側下面26に多孔
質セラミックス23とが結合されている。また,多孔質
セラミックス17の表面には,緻密なセラミックス薄膜
24が形成されている。多孔質セラミックス17,23
は,反応焼結材をベースに酸化物を含む複合材で構成さ
れているものである。従って,この断熱ピストンは,多
孔質セラミックス17,23を備えた構成により,断熱
性に優れた構造になり,従来のものよりも燃焼室が高温
になってもピストンスカート2へは熱が伝導し難くなっ
ている。
【0025】この断熱ピストンは,上記のような構造を
有しており,ピストンヘッド1を次のようにして製作で
きる。この断熱ピストンの製造方法において,まず,平
均粒径0.3μmのケイ素Siの粉末,チタン酸アルミ
ニウムAl2 TiO5 の粉末及び酸化ランタンLa2
3 の粉末をそれぞれ重量比で65:30:5の割合で配
合し,これにメタノール,解膠剤,有機バインダを加
え,ボールミルにて約24時間混合した。これをスプレ
ードライヤにて造粒粉に作製し,更にこれを成形原料と
して,CIP(冷間等方加工プレス)により,直径約8
0mm厚さ,10mmの円板状の成形体を得た。
【0026】この成形体を最高500℃まで加熱するこ
とにより,脱脂後,窒素ガス中で最高1400℃まで加
熱して多孔質セラミックスであるセラミック焼結体即ち
反応焼結材を得た。更に,この焼結体を1000℃の大
気中での熱処理をした後,機械加工を施して所望の形状
に形成した。加工した焼結体の表面に,ポリシラザンを
塗布して所定の熱処理を行い,焼結体の表面のポリシラ
ザンを緻密な酸化物複合材即ちセラミックス薄膜24に
転化させた。上記の工程で製作したセラミック焼結体1
7,23を試験したところ,低熱伝導で,低熱膨張で且
つ高強度を有することが確認された。
【0027】更に,上記工程で製作したセラミック焼結
体17,23を,相対密度99%以上の窒化ケイ素から
成るピストンヘッド1の凹部27を形成した上面25と
凹部28を形成した下面26に,酸化物ソルダー剤を塗
布し,上記の凹部27と凹部28とに嵌め込み,これを
加熱してセラミック焼結体17,23とピストンヘッド
1とを接合して一体化し,図2に示すようなピストンヘ
ッド1を得た。なお,ピストンスカート2の製造方法及
びピストンヘッド1とピストンスカート2との結合方法
は,図1に示す断熱ピストンと同様である。
【0028】上記のようにして製作した断熱ピストンを
ベンチ試験で試験したところ,上記断熱ピストンと同様
に,約1000サイクル後にも,各部に亀裂等は見られ
ず,安定しており,しかも,断熱性に極めて優れている
ことが確認された。即ち,この発明による断熱ピストン
は,安定した軽量で且つ断熱性に優れたピストンを提供
できるものであった。
【0029】
【発明の効果】この発明による断熱ピストンは,以上の
ように構成したので,セラミックスがアルミニウム合金
の内部に編み目状に内包され,特に,高温下においてア
ルミニウム合金中の転位の挙動が阻害され,従来発生し
ていたような変形等は起こらず,ピストンスカートの複
合材とピストンヘッドのセラミックスとの近傍の熱膨張
係数差も小さく緩和され,両者間に隙間等も発生し難
く,ガス抜け等の現象は発生しないものである。
【0030】また,この断熱ピストンは,ピストンヘッ
ドの燃焼室側上面とピストンスカート側下面に多孔質セ
ラミックスを結合したので,ピストンヘッドの断熱性が
極めて優れた構造となり,燃焼室が高温になっても熱が
ピストンヘッドからピストンスカートに伝導し難くな
り,ピストンスカートの変形等が起こり難く,両者間に
隙間等も発生し難く,ガス抜け等の現象は発生しないも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による断熱ピストンの一実施例を示す
断面図である。
【図2】この発明による断熱ピストンの別の実施例を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 ピストンヘッド 2 ピストンスカート 3 取付部 4 下部 5,6 中間部 9 上部 17,23 セラミック焼結体(多孔質セラミックス) 24 セラミックス薄膜 25 燃焼室側の上面 26 ピストンスカート側の下面
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02F 3/00 301 F02F 3/00 302

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内を往復運動するピストンスカ
    ート及び該ピストンスカートに取り付けたピストンヘッ
    ドを有する断熱ピストンにおいて,前記ピストンヘッド
    を緻密質のセラミックスから構成し,前記ピストンヘッ
    ド側に面するピストンスカートをアルミニウム合金と少
    なくとも2種類以上のセラミックスから成る複合材で
    し,前記セラミックスの組織が前記ピストンスカート
    の上部から下部へ熱膨張係数が傾斜変化した構造を有
    ,前記セラミックスの組織に存在する間隙がアルミニ
    ウム合金で置換され,前記セラミックスのうち,一方の
    セラミックスがチタン酸アルミニウムであり,他方のセ
    ラミックスがジルコニア,酸化マグネシウム,酸化アル
    ミニウムの中の何れか1つ或いはそれらの複合物である
    ことを特徴とする断熱ピストン。
  2. 【請求項2】 前記セラミックスの熱膨張係数の傾斜変
    化が熱膨張係数差で4×10- 6 以上であることを特徴
    とする請求項1に記載の断熱ピストン。
  3. 【請求項3】 シリンダ内を往復運動するピストンスカ
    ート及び該ピストンスカートに取り付けたピストンヘッ
    ドを有する断熱ピストンにおいて,前記ピストンヘッド
    を緻密質のセラミックスから構成し,前記ピストンヘッ
    ド側に面するピストンスカートをアルミニウム合金と少
    なくとも2種類以上のセラミックスから成る複合材で構
    成し,前記セラミックスの組織が前記ピストンスカート
    の上部から下部へ熱膨張係数が傾斜変化した構造を有
    し,前記セラミックスの組織に存在する間隙がアルミニ
    ウム合金で置換され,前記ピストンスカートを前記ピス
    トンヘッド側に面する上部をチタン酸アルミニウムとア
    ルミニウムとの複合材で構成し,前記ピストンスカート
    の下部をアルミニウム合金で構成し,前記上部と前記下
    部との中間部を,上部側がチタン酸アルミニウムとジル
    コニアから成り且つ下部側がジルコニアから成るように
    セラミックスの組織が傾斜変化した構造を有することを
    特徴とする断熱ピストン。
  4. 【請求項4】 シリンダ内を往復運動するピストンスカ
    ート及び該ピストンスカートに取り付けたピストンヘッ
    ドを有する断熱ピストンにおいて,前記ピス トンヘッド
    を緻密質のセラミックスから構成し,前記ピストンヘッ
    ド側に面するピストンスカートをアルミニウム合金と少
    なくとも2種類以上のセラミックスから成る複合材で構
    成し,前記セラミックスの組織が前記ピストンスカート
    の上部から下部へ熱膨張係数が傾斜変化した構造を有
    し,前記セラミックスの組織に存在する間隙がアルミニ
    ウム合金で置換され,前記ピストンヘッドの燃焼室側上
    面とピストンスカート側下面に多孔質セラミックスを結
    合した構造を有することを特徴とする断熱ピストン。
  5. 【請求項5】 前記多孔質セラミックスの表面に緻密な
    セラミックス薄膜が形成されていることを特徴とする請
    求項に記載の断熱ピストン。
  6. 【請求項6】 前記多孔質セラミックスは反応焼結材を
    ベースに酸化物を含む複合材であることを特徴とする請
    求項に記載の断熱ピストン。
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