JP2890798B2 - リエントラント型ピストン及びその製造方法 - Google Patents

リエントラント型ピストン及びその製造方法

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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は,ピストンヘッドに形成した燃焼室上面に
半径方向内向きに先細りに伸びて中央開口部を形成した
リップ部を備えたリエントラント型ピストン及びその製
造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来,直接噴射式ディーゼル機関の燃焼室装置として
は,実開昭60−65333号公報に開示されたものがある。
該燃焼室装置は,ピストン頂部に燃焼室を形成し,この
燃焼室の上端部壁面に環状の断熱材を鋳込んだものであ
る。上記燃焼室装置によって,圧縮行程においては断熱
材を燃焼室の他の壁面よりかなりの高温に保持し,混合
気の着火を断熱材の周囲で早期に発生させることにより
着火遅れを短くすると共に,ディーゼルノックを防止
し,しかも,耐久性,量産性のある燃焼室を得るように
したものである。
また,セラミック複合ピストンとして,実開昭62−43
158号公報に開示されたものがある。該公知に開示され
たセラミック複合ピストンは,金属製ピストン本体の頂
部に凹部を設け,該凹部に上部を小径部とし下部を径方
向に突出させた凸形状のセラミックピストンヘッドを嵌
入し,前記セラミックピストンヘッドの外周面及び底面
を耐熱金属板で包み込み,該耐熱金属板の前記セラミッ
クピストンヘッドの小径部に対応する部分の外周面と該
外周面に対向する前記金属製ピストン本体の凹部の側面
との両方にねじ部を設け,前記両ねじ部の間に,両ねじ
部のそれぞれと螺合するねじ部を有する固定リングを前
記両ねじ部に螺合させて装着したものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで,リエントラント型ピストンにおける燃焼室
では,燃焼室入口即ち燃焼室開口部のリップ部の先端を
先細りにシャープに即ち先端の曲率半径を小さく形成す
ることによって,スキッシュ流及び逆スキッシュ流の乱
れを増大させ,燃料と空気との混合が均一化され,燃焼
状態が良好になる。
しかしながら,従来のようなアルミニウム製ピストン
では,燃焼室を構成するリップ部に加わる熱負荷のため
に,リップ部の溶解現象,クラック発生等の問題が生
じ,リップ部の先端を鋭くするとしても,先端の曲率半
径は1.5R程度が限界であった。
また,リエントラント型の燃焼室を有するアルミニウ
ム等の金属製ピストンにおいて,燃焼室の開口部のエッ
ジ部の耐熱性,耐変形性を確保するため,燃焼室の開口
部のリップ部をセラミックスで製作した場合に,アルミ
ニウムとセラミックスとのぬれ性が良くないことによ
り,両者が強固に結合できず,また,熱膨張係数の差に
より繰り返しの熱応力を受けた時に,セラミックスと金
属との間の境界部に割れ,クラック等が発生するという
現象が発生する。
上記のような問題は,例えば,リップ部の先端を構成
する口金としてニレジスト等の耐熱合金で作製した場
合,或いは前掲実開昭60−65333号公報に開示された燃
焼室装置のような断熱材のリップリングをピストンヘッ
ド部に鋳込んだ場合にも,同様な問題があった。上記燃
焼室装置では,ピストンヘッド部にリップリングを鋳込
んでいるため,エンジンの運転時には応力が過大に発生
したり又はピストンヘッド部とリップリングとの間に多
くのがたが発生し,リップ部を強化する上で最大のネッ
クとなっている。更に,リップリングの熱膨張率が大き
いと,燃焼室に発生する温度差によって大きな熱応力が
発生し,燃焼室を破壊する原因にもなる。
また,前掲実開昭62−43158号公報に開示されたセラ
ミック複合ピストンについては,固定リングを耐熱金属
板のねじ部と金属製ピストン本体のねじ部に螺合させた
部位については熱膨張差による悪影響は発生しないが,
セラミックピストンヘッドの外周面及び底面を耐熱金属
板で包み込んだ部位では,セラミックピストンヘッドと
耐熱金属板とでは熱膨張率が大きく相違し,両者間で温
度変化で発生する熱膨張差の影響が直接的に作用し,セ
ラミック材の亀裂,破損等の悪影響を受け,しかも,両
者間の境界に隙間等が発生し,両者間の境界での熱流が
妨げられ,その結果,セラミックピストンヘッドの先端
部の温度を大幅に上昇させ,先端部の溶損等は発生して
ピストンの破損になるという問題がある。
この発明の目的は,上記の課題を解決することであ
り,ピストンヘッドのピストン本体をアルミニウム,ア
ルミニウム合金等の金属で作製し,ピストンヘッドに形
成した燃焼室の開口部のリップ部をアルミニウム合金と
ぬれ性の良い熱伝導率が高く且つ耐熱性に富んだ窒化ア
ルミニウム(AlN)とアルミニウム合金との複合材料で
構成し,リップ部の熱をピストン本体,ピストンリン
グ,シリンダライナ等を通じて逃がして冷却効果を向上
させ,それによって,リップ部の先端を先細りにシャー
プに即ち先端の曲率半径を小さく,例えば,0.5R程度に
までシャープに形成することを可能にし,リップ部の先
端が熱で溶損することがなく,リップ部の先端の鋭角状
態を維持し,スキッシュ流及び逆スキッシュ流の乱れを
増大させ,燃料と空気との混合が均一化され,NOX,HC,ス
モーク等の発生を抑制した燃焼状態を良好にするリエン
トラント型ピストン及びその製造方法を提供することで
ある。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は,上記の目的を達成するために,次のよう
に構成されている。即ち,この発明は,ピストンヘッド
に形成した燃焼室上面に半径方向内向きに先細りに伸び
て中央開口部を形成したリップ部を備えたリエントラン
ト型ピストンにおいて,前記リップ部は気孔部を有する
熱伝導率が高い窒化アルミニウムと前記気孔部に充填さ
れたアルミニウム合金とから成る複合材料で形成される
と共に,前記リップ部はアルミニウム,アルミニウム合
金等の金属材楼で形成されたピストン本体に接合されて
いることを特徴とするリエントラント型ピストンに関す
る。
また,前記複合材料は窒化アルミニウムが少なくとも
30体積%以上含んでいる。
或いは,この発明は,ピストンヘッドに形成した燃焼
室の開口部を構成するリップ部の形状に窒化アルミニウ
ム粉末で成形して成形体を製作する工程,前記成形体を
所定温度で窒素ガス雰囲気中で焼成して気孔を備えた多
孔質構造の焼結体を製作する工程,次いで前記焼結体を
型内に設置してAl−Si合金を高温且つ高圧のもとで鋳造
して前記気孔内へアルミニウム合金を侵入させて複合材
料を製作する工程,から成るリエントラント型ピストン
の製造方法に関する。
〔作用〕
この発明によるリエントラント型ピストン及びその製
造方法は,上記のように構成したので,アルミニウム合
金と窒化アルミニウムとはぬれ性が良く,アルミニウム
が多孔質構造の窒化アルミニウムの空隙に侵入し易く,
ポアの少ない複合材料即ちコンポジットをることがで
き,前記リップ部の先端のエッジを0.5R程度にまで鋭く
形成することができる。更に,リップ部に含まれるアル
ミニウム合金がピストン本体を構成する金属と同等であ
るので,リップ部はピストン本体に対して良好な接合状
態となる。
また,窒化アルミニウムは熱伝導率が高いので,局所
的に熱が蓄積し難く,リップ部の先端の熱をピストン本
体,ピストンリング,シリンダライナ等を通じて逃がし
てリップ部の先端を冷却し,それによって,リップ部の
先端の耐熱強度を確保できるので,リップ部の先端を先
細りにシャープに即ち先端の曲率半径を小さく,例え
ば,0.5R程度にまでシャープに形成することを可能に
し,リップ部の先端が熱で溶損することなく,リップ部
の先端の鋭角状態を維持し,スキッシュ流及び逆スキッ
シュ流の乱れを増大させ,燃料と空気との混合が均一化
され,NOX,HC,スモーク等の発生を抑制した燃焼状態を良
好にする。
〔実施例〕
以下,図面を参照して,この発明によるリエントラン
ト型ピストン及びその製造方法の実施例を説明する。
第1図はこの発明によるリエントラント型ピストンの
材料と従来のリエントラント型ピストンの材料との温度
と曲げ強度の比較を示すグラフ,及び第2図はこの発明
によるリエントラント型ピストンの一実施例を示す概略
断面図である。
このリエントラント型ピストンは,第2図に示すよう
に,ピストンヘッド2に形成した燃焼室1の上面に半径
方向内向きに先細りに伸びて中央開口部4を形成したリ
ップ部3を備えたものであり,特に,リップ部3を窒化
アルミニウムとアルミニウム合金との複合材料で形成す
ると共に,リップ部3をアルミニウム,アルミニウム合
金等の金属材料から成るピストン本体であるピストンヘ
ッド2に接合したものである。
窒化アルミニウム(AlN)は,熱伝導率が高いため,
該窒化アルミニウムを含有する複合材料で製作したリッ
プ部3は,局所的に熱が溜まり難い構造に構成でき,リ
ップ部3が燃焼ガスから受けた熱は直ちに外部へ熱流と
なって移動してリップ部3が冷却され,リップ部3の耐
熱強度を維持でき,耐熱強度に優れたリップ部にするこ
とができる。
また,リップ部3を構成する複合材料は,気孔部を有
する窒化アルミニウムと前記気孔部に充填したアルミニ
ウム合金から構成されている。窒化アルミニウムはアル
ミニウム合金とぬれ性が良好であるので,窒化アルミニ
ウムで形成された焼結体の空隙へアルミニウムが良好に
侵入できる。しかも,リップ部3を構成する窒化アルミ
ニウムの多孔質構造の表面積が大きいため,複合材料の
熱伝導率はアルミニウム合金の熱伝導率に近い程度のも
のを確保することができる。
しかも,複合材料は窒化アルミニウムが少なくとも30
体積%以上含んでいるものである。リップ部3を上記の
30体積%を含む複合材料で構成することによって,従来
の材料に比較して熱伝導率が高くなり良好になることが
確認された。
この発明によるリエントラント型ピストンは,上記の
ように構成されているが,このリエントラント型ピスト
ンを製造するには次のようにして製作することができ
る。
窒化アルミニウムとアルミニウム合金とから成る複合
材料を製造する工程として,平均粒径5μm程度の窒化
アルミニウム粉末をリップ部3の形状にプレス成形して
成形体を形成する。その後,該成形体を所定温度で窒素
ガス雰囲気中で焼成し,気孔率38%程度の焼結体を製作
した。焼結体に形成されている気孔の大部分は開気孔状
態であった。
窒化アルミニウムの焼結体に気孔率Vf38〜40%程度の
気孔を形成するには,まず,窒化アルミニウム粉末をプ
レス成形して成形体を形成すると,該成形体の気孔率Vf
は50%程度になる。成形体を1700℃で焼成して焼結体を
形成すると,該焼結体の気孔率Vfは38〜40%程度にな
る。また,窒化アルミニウム粉末の成形体を1800〜1900
℃で焼成すると,窒化アルミニウム粉末は完全に溶解
し,気孔率Vfは0%になる。
このリエントラント型ピストンの製造方法において,
窒化アルミニウム焼結体の気孔率は,窒化アルミニウム
粉末のプレス成形で加える圧力,及び窒化アルミニウム
粉末の成形体の焼成温度をコントロールすることによっ
て,所望の気孔率Vfに調節することができる。
このリエントラント型ピストンでは,窒化アルミニウ
ム焼結体の気孔率Vfが70%程度までは,熱伝導率及び耐
熱強度は十分であった。その時,複合材料では,窒化ア
ルミニウムの割合が体積率で30体積%であり且つアルミ
ニウム合金の割合が体積率で70体積%である。
次に,鋳造するための型内に該焼結体を設置し,Al−S
i合金を800℃以上の高温且つ高圧の下で鋳造し,焼結体
の気孔内へアルミニウム合金を侵入させて充填し,焼結
体の気孔を閉塞させて窒化アルミニウムとアルミニウム
合金の複合材料から成る構造体を製作した。従って,複
合材料の組成は,窒化アルミニウムが60〜62体積%とな
り,アルミニウム合金が40〜38体積%となる。
この複合材料の熱伝導率を測定したところ,105W(m,
k)を示した。即ち,該複合材料の熱伝導率は,Al−Si合
金の熱伝導率よりも優れた熱伝導率を有していることが
分かった。
また,複合材料の曲げ強度を測定するため,各温度に
おける三点曲げ強度を測定した。その結果を,第1図に
示す。第1図では,符号Aが本発明のリップ部を示し,
符号BがSiCウィスカーを配した材料で作製した比較例
のリップ部を示している。本発明のリップ部3の耐熱強
度は,比較例と対比して十分な強度を確保していること
が分かる。
このリエントラント型ピストンの製造方法は,ピスト
ンヘッドに形成した燃焼室の開口部を構成するリップ部
の形成に窒化アルミニウム粉末で成形して成形体を製作
する工程,該成形体を所定温度で窒素ガス雰囲気中で焼
成して気孔を備えた多孔質構造の焼結体を製作する工
程,次いで,前記焼結体を型内に設置してAl−Si合金を
高温且つ高圧の下で鋳造して前記気孔内へアルミニウム
合金を侵入させた複合材料を製作する工程から成るもの
である。
このリエントラント型ピストンの製造方法の別の実施
例について,複合材料の製造工程としてリエントラント
型ピストンのリップ部を製作するため,平均粒径5μm
程度の窒化アルミニウム粉末をリップ部3の形状にプレ
ス成形してリップ部成形体を形成する。その後,該リッ
プ部成形体を所定温度で窒素ガス雰囲気中で焼成し,気
孔率38%程度のリップ部焼結体を製作した。このリップ
部焼結体の内周面先端。即ちリップ部3の先端5の曲率
半径がほぼ0.5Rとなるように機械加工して成形リップ部
焼結体を作製した。この成形リップ部焼結体を,リエン
トラント型ピストンのピストン本体の鋳造機内のリップ
部配設位置に設置し,該成形リップ部焼結体を,ピスト
ン本体を鋳造するための型内に設置し,Al−Si合金を800
℃以上の高温且つ高圧の下で鋳造し,成形リップ部焼結
体の気孔内へアルミニウム合金を侵入させて充填し,気
孔を閉塞させて窒化アルミニウムとアルミニウム合金の
複合材料から成るリエントラント型ピストンを製作し
た。このリエントラント型ピストンをエンジンに組み込
み,作動したところ,従来のリエントラント型ピストン
に比較して燃焼状態が改善され,NOX,HC,スモーク等の発
生が著しく低減されたことを測定した。
〔発明の効果〕
この発明によるリエントラント型ピストン及びその製
造方法は,以上のように構成したので,リップ部を構成
した材料について,アルミニウム合金と窒化アルミニウ
ムとはぬれ性が良く,アルミニウムが多孔質構造の窒化
アルミニウムの空隙に侵入し易く,気孔即ちポアの少な
いコンポジットを得ることができ,リップ部の先端のエ
ッジを0.5R程度にまで鋭く形成することができる。更
に,リップ部にはピストン本体と同一の金属材料が存在
するので,ピストン本体とリップ部とを良好に接合させ
ることができる。
また,窒化アルミニウムは熱伝導率が高いので,局所
的に熱が蓄積し難く,リップ部の先端の熱をピストン本
体,ピストンリング,シリンダライナ等を通じて逃が
し,それによって耐熱強度を確保でき,リップ部の先端
を先細りにシャープに即ち先端の曲率半径を小さく,例
えば,0.5R程度にまでシャープに形成することができ,
リップ部の先端を熱で溶損することなく,鋭角状態を維
持し,スキッシュ流及び逆スキッシュ流の乱れを増大さ
せ,燃料と空気との混合が均一化され,NOX,HC,スモーク
等の発生を抑制した燃焼状態を良好にする。
前記リップ部を構成する複合材料は気孔部を有する窒
化アルミニウムと該気孔部に充填したアルミニウム合金
から成るので,熱伝導率は高くなり,見掛けの耐熱強度
は上げることでき,セラミックスから成るリップ部を強
化できる。また,外周側のピストン本体とはアルミニウ
ム合金同士であり,極めて強固に接合させることができ
る。
また,前記複合材料は窒化アルミニウムが少なくとも
30体積%以上含んでいる組成に構成すれば,従来の材料
に比較して熱伝導率が高くなり,冷却効果が良好にな
る。
このリエントラント型ピストンの製造方法は,ピスト
ンヘッドに形成した燃焼室の開口部を構成するリップ部
の形状に窒化アルミニウム粉末で成形して成形体を製作
する工程,該成形体を所定温度で窒素ガス雰囲気中で焼
成して気孔を備えた多孔質構造の焼結体を製作する工
程,次いで該焼結体を型内に設置してAl−Si合金を高温
且つ高圧の下で鋳造して前記気孔内へアルミニウム合金
を侵入させて複合材料を製作するアルミニウム合金を侵
入させて複合材料を製作する工程から成るので,窒化ア
ルミニウムはアルミニウム合金とぬれ性が良いから窒化
アルミニウムの焼結体の多孔質構造の気孔にスムースに
侵入して良好に充填され,ポアの少ない良好なコンポジ
ット即ち複合材料が得られる。従って,この複合材料の
熱伝導率は高く,局所的な熱の溜まりを作ることがな
く,リップ部の先端の曲率半径を小さく形成しても,溶
損が発生せず,鋭角状態を維持できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明によるリエントラント型ピストンの材
料と従来のリエントラント型ピストンの材料との温度と
曲げ強度の比較を示すグラフ,及び第2図はこの発明に
よるリエントラント型ピストンの一実施例を示す概略断
面図である。 1……燃焼室,2……ピストンヘッド,3……リップ部,4…
…開口部,5……リップ部の先端。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02F 3/00 F02F 3/00 301 F02F 3/00 302 F02F 3/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンヘッドに形成した燃焼室上面に半
    径方向内向きに先細りに伸びて中央開口部を形成したリ
    ップ部を備えたリエントラント型ピストンにおいて,前
    記リップ部は気孔部を有する熱伝導率が高い窒化アルミ
    ニウムと前記気孔部に充填されたアルミニウム合金とか
    ら成る複合材料で形成されると共に,前記リップ部はア
    ルミニウム,アルミニウム合金等の金属材料で形成され
    たピストン本体に接合されていることを特徴とするリエ
    ントラント型ピストン。
  2. 【請求項2】前記複合材料は窒化アルミニウムが少なく
    とも30体積%以上含んでいることを特徴とする請求項1
    に記載のリエントラント型ピストン。
  3. 【請求項3】ピストンヘッドに形成した燃焼室の開口部
    を構成するリップ部の形状に窒化アルミニウム粉末で成
    形して成形体を製作する工程,前記成形体を所定温度で
    窒素ガス雰囲気中で焼成して気孔を備えた多孔質構造の
    焼結体を製作する工程,次いで前記焼結体を型内に設置
    してAl−Si合金を高温且つ高圧のもとで鋳造して前記気
    孔内へアルミニウム合金を侵入させて複合材料を製作す
    る工程,から成るリエントラント型ピストンの製造方
    法。
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