JPH0313989Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は互いに同心状に配されたチツプ接
片、スリーブ接片及びリング接片を備えると共に
光電変換素子を内蔵する光コネクタプラグと組合
わせ使用されるものであり、特に複数のコンタク
トを有するピンジヤツクに関する。

「従来の技術」 最近、比較的高速のデジタル信号に対し、雑音
の影響を受け難く、また雑音が発生しないなどの
点から光信号として伝送することがしばしばあ
る。このような光信号に対する光コネクタとして
従来においては次のものが提案されている。すな
わちピンプラグの中心コンタクトの中心に光フア
イバを装着し、この光ピンプラグと組合わされる
光ピンジヤツクにはその光ピンプラグが挿入され
ると、その中心光フアイバからの光信号を受光す
る光電気変換素子、または光フアイバに光を入射
する電気光変換素子が光フアイバの端面と対向す
るように設けられていた。このような光コネクタ
においては、各種セツトに取付けられる光ジヤツ
クのすべてに光電気変換素子や電気光変換素子を
必要とし価格を高める原因となる。プラグ側に光
電気変換素子や電気光変換素子を設けることがで
きれば全体としてこれら変換素子の数が少なくて
済む。

「問題点を解決するための手段」 この考案によれば絶縁材の本体に相手ピンプラ
グのピンコンタクトが挿入される挿入孔が形成さ
れ、その挿入孔の前方部は大径部、その後方部は
内径が大径部より小さい小径部とされている。そ
の大径部の内面に周方向に沿つた第１、第２コン
タクト用溝が前後に配列されて形成されている。
これら第１、第２コンタクト用溝にはそれぞれ第
１、第２コンタクトが配されて本体に保持され、
これら第１、第２コンタクトとはそれぞれ大径部
の内周面より突出しているが、小径部の内周面の
延長面より引込んでいる。小径部内に突出して第
３コンタクトが本体に保持されている。更に本体
の外周面に金属カバーが被されている。

このようなピンジヤツクを電気的コネクタとし
て構成し、ピンプラグ側に光電気または電気光変
換素子を設ければよいようにされる。

「実施例」 以下図面を参照してこの考案のピンジヤツクの
実施例を説明しよう。絶縁材の本体１１に、相手
ピンプラグのピンコンタクトが挿入される挿入孔
１２がその前面より後方に向つて形成される。挿
入孔１２の前方部は内径が大きい大径部１３とさ
れ、その大径部１３の後部は内径が大径部１３よ
り小さい小径部１４とされている。

大径部１３の内面にその周方向に沿つた第１、
第２コンタクト用溝１５，１６が前後に配列され
てそれぞれ形成されている。これら第１、第２コ
ンタクト用溝１５，１６内に第１、第２コンタク
ト１７，１８がそれぞれ配されて本体１１に保持
されている。第１、第２コンタクト１７，１８は
大径部１３の内周面より僅か突出しているが、そ
の突出は小径部１４の内周面の延長面に達しない
ようにされている。小径部１４の内周面より突出
して第３コンタクト１９が本体１１に保持されて
いる。本体１１にその外周面を被う金属カバー２
１が被されている。

以下このピンジヤツクを実際に組立てる例を説
明する。第３図及び第４図に示すように本体１１
は主体部１１ａとその前面に対接されたワツシヤ
１１ｂと、そのワツシヤ１１ｂの前面に形成され
たワツシヤ１１ｃとよりなる。主体部１１ａには
小径部１４が形成されると共に大径部１３の一部
も形成されている。主体部１１ａの前面に第１コ
ンタクト用溝１５が形成され、その溝１５の側壁
に前後に貫通孔２３，２４が形成され、貫通孔２
３には第１コンタクト用溝１５に配された第１コ
ンタクト１７の端子２５が挿通される。第１コン
タクト１７は線状導体が開リング状で、かつ周方
向に沿つて波を打つた形状に折曲げられ、大径部
１３の内周面に沿うがその波の複数の凸部が、大
径部１３の中心部に向つて膨出されて、大径部１
３の内周面より突出されている。この第１コンタ
クト１７の第１コンタクト用溝１５への収容状態
を第５図に示す。第１、第２コンタクト１７，１
８は相手プラグのスリーブ接片及びリング接片の
外周面にそれぞれ多点接触するようになつてい
る。第１コンタクト１７の一端はほゞ直角に折曲
げられて貫通孔２３内に延長挿通され、更にその
突出端は、第１図に示すように一側、図では下側
に折曲げ延長されて端子本体とされている。

ワツシヤ１１ｂ，１１ｃの内周面は大径部１３
の内周面をそれぞれ構成し、ワツシヤ１１ｂの前
面に第２コンタクト用溝１６が形成され、その側
壁に前後に延長した貫通孔２６が形成され、貫通
孔２４，２６は同一線上にある。第２コンタクト
１８も、第１コンタクト１７とほゞ同様に構成さ
れ、その端子２７は貫通孔２６，２４に順次挿通
された後、第１図に示すように端子２５の端子本
体と同一方向に折曲げ延長され端子本体２７とさ
れている。

第３図に示すように小径部１４にその後方端面
より、互に対向した一対の案内溝２８が形成さ
れ、その一対の案内溝２８に、第４図に示すよう
なフオーク状の第３コンタクト１９の両側部が後
方より挿入案内され、その第３コンタクト１９の
後方端は直角に折曲げ延長されて端子２９とされ
る。第３コンタクト１９は、一対の腕片を備える
と共にＵ字状に形成され、それら腕片がプラグ挿
抜方向に沿つて小径部内に突出して一対の案内溝
２８に保持され、上記Ｕ字の作る開口側より挿入
される相手プラグのチツプ接片の対向する外周面
を一対の腕片で弾性的に挟持できる。

このようにして主体部１１ａに第１、第３コン
タクト１７，１９が保持され、その状態で第２コ
ンタクト１８が保持されたワツシヤ１１ｂが主体
部１１ａの前面に対接され、かつその端子２７が
挿通され、そのワツシヤ１１ｂの前面にワツシヤ
１１ｃが対接される。その状態で金属カバー２１
が本体１１の前面より被される。主体部１１ａに
一対の凹部３１が両側面に形成され、また凸部３
２が上面に突出形成され、更に底面に基部３３が
一体に突出されている。金属カバー２１には凸部
３２基部３３と対向して切欠きが形成され、凹部
３１と対向して爪３４が切起され、金属カバー２
１を本体１１に被せると前記切欠きが凸部３２、
基部３３と嵌合し、かつ爪３４が凹部３１と係合
して固定され、これにより主体部１１ａ、ワツシ
ヤ１１ｂ，１１ｃが一体化される。なお本体１１
の背面に金属の遮蔽板３５が対接され、金属カバ
ー２１の突出部３７で遮蔽板３５に加締付けられ
る。金属カバー２１から端子３６が一体に導出さ
れている。

第６図に上述したピンジヤツクに対し組合わせ
使用されるピンプラグの一例を示す。絶縁材の基
体４１の中心孔にピンコンタクト４２が挿通保持
されている。この例ではピンコンタクト４２は中
心コンタクト（チツプ接片とも言う）４３が先端
部に設けられ、これはピンジヤツクの小径部１４
内に挿入されて第３コンタクト１９と接触される
ものである。中心コンタクト４３の後部の径は小
とされ、その小径部上に絶縁管４４が挿通され、
絶縁管４４上にリング状コンタクト４５（リング
接片とも言う）、及びリング状コンタクト４６
（スリーブ接片とも言う）が挿通固定されている。
リング状コンタクト４６，４５はピンジヤツクの
第１、第２コンタクト１７，１８とそれぞれ接触
されるものである。リング状コンタクト４５，４
６の端子４７，４８はそれぞれ後方に延長されて
いる。更に金属カバー２１上に嵌合される金属カ
バー４９が基体４１に固定されている。ケーブル
５１と基体４１との間に変換素子装着部５２が介
在される。

変換素子装着部５２の各種例を第７図乃至第９
図に簡略に示す。第７図は中心コンタクト４３が
送信回路５３の信号入力端子に接続され、リング
状コンタクト４５が送信回路５３の電源端子にカ
バー４９が接地端子にそれぞれ接続され、送信回
路５３の出力は発光素子５４により光信号に変換
されてケーブル５１中の光フアイバ５５に入射さ
れる。送信回路５３が受信回路であり、発光素子
５４が受光素子であつてもよい。

第８図の例ではリング状コンタクト４６が送信
回路５３の信号入力端子に接続され、中心コンタ
クト４３は受信回路５６の出力端子に接続され、
ケーブル５１中の光フアイバ５７の光が受光素子
５８に入射され、その出力が受信回路５６へ供給
される。その他は第７図の場合と同様である。

第９図は送信回路５３の入力端子と、受信回路
５６の出力端子とを混合分離回路５９を介してリ
ング状コンタクト４６に接続する。また中心コン
タクト４３は電線６１と接続し、アナログ信号の
送信または受信を行う。なお光信号による伝送は
一般にはデジタル信号による。

「考案の効果」 以上述べたようにこの考案によれば中心コンタ
クト（チツプ接片）４３、リング状コンタクト
（リング接片）４５、リング状コンタクト（スリ
ーブ接片）４６を有するピンプラグと結合して第
３コンタクト１９、第２コンタクト１８、第１コ
ンタクト１７とそれぞれ接触結合させることがで
きる。しかもRCAピンプラグのように中心コン
タクトのみしか有しないピンプラグに対しても、
第３コンタクト１９が接触して結合させることが
でき、その場合、中心コンタクトが小径部１４に
案内保持され、第１、第２コンタクト１７，１８
とは接触せず、誤動作を起すおそれはない。また
第７図乃至第９図に示したように変換素子装着部
５２を有するピンプラグを用いれば光コネクタと
して動作し、しかも、この場合の変換素子はピン
プラグ側に設ければよく、ピンジヤツク側に変換
素子を設ける場合よりも全体として変換素子の数
が少なくて済む。

第１、第２コンタクト１７，１８は大径部の周
方向に沿つて波を打つた形状とされ相手プラグの
スリーブ接片４６又はリング接片４５との多点接
触によつて、安定した接触が得られ、接続の信頼
性が向上する。また第３コンタクトはＵ字状に形
成され、その一対の対向する腕片が相手プラグの
チツプ接片４３をその両側端より案内するガイド
レールの役目をはたすことができ、相手プラグを
ガタなく所定の位置に容易に嵌合させることがで
き、しかもプラグによりジヤツクをこじり、部材
を変形させ、ジヤツクの寿命を短くするなどの恐
れを無くしている。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のピンジヤツクの一例を示す
正面図、第２図は第１図の右側面図、第３図は第
１図のAA線断面図、第４図は第１図の分解斜視
図、第５図は第２図のBB線断面図、第６図はこ
のピンジヤツクの相手となるピンプラグの一例を
示す断面図、第７図乃至第９図はそれぞれピンプ
ラグの変換素子装着部５２の各種例を示す略線図
である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 互いに同心状に配されたピン状のチツプ接片と
   環状のスリーブ接片及びリング接片を備えると共
   に光電変換素子を内蔵する相手光コネクタプラグ
   と接続するためのピンジヤツクであつて、 相手ピンコンタクトが挿入される挿入孔が形成
   され、その挿入孔の前方部は内径が大とされた大
   径部とされ、その後方部は小径部とされ、上記大
   径部内面に周方向に沿つた第１、第２コンタクト
   用溝が前後に配列して形成されている絶縁材の本
   体と、 上記第１、第２コンタクト用溝内にそれぞれ配
   され、上記大径部の周方向に沿つて波を打つた形
   状とされ、その波の複数の凸部が上記大径部内に
   突出しているが、上記小径部の内周面延長上には
   達しないように上記本体にそれぞれ保持され、上
   記スリーブ接片及びリング接片の外周面にそれぞ
   れ多点接触する、弾性金属ワイヤより成る第１、
   第２コンタクトと、 一対の腕片を備えると共にＵ字状に形成され、
   それら腕片がプラグ挿抜方向に沿つて上記小径部
   内に突出して上記本体に保持され、上記Ｕ字の作
   る開口側より挿入される上記チツプ接片の対向す
   る外周面を上記一対の腕片で弾性的に挟持する第
   ３コンタクトと、 上記本体の外周に被された金属カバーとを具備
   するピンジヤツク。