JPH031392Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔本考案の技術分野〕 本考案は折畳み式柱パレツトに関するもので、
コンベヤライン上にのせて連続的に移行するパレ
ツトから、荷下ししたり又は荷積みをする際に行
う支柱の起倒を、従来通り手で直接持つて行うこ
とができるほか、手の届きにくい離れた個所の支
柱を手近のレバーによる遠隔操作で起倒できるよ
うにしたものである。

〔従来の技術〕

一般にこの種の柱パレツトに自動車のミツシヨ
ンユニツトのような比較的小型でも相当に重量の
ある物品が積込まれ、これを組立工場において荷
下しをする場合は、ライン化されたコンベヤの上
に載置して、上方に設備された移動式ホイストで
パレツト内に収納されている複数の物品を順次に
吊上げて取出すことが行われている。そして、荷
下しの終了後は、空荷パレツトの回収及びトラツ
クへの積込等運搬上の関係から起立している支柱
を倒して折畳んだ状態にする必要がある。この場
合、人手の省略及び作業の手順上荷下し終了後と
同時に支柱を倒すことが要求される。ところが、
自動化されたコンベヤライン上にのせたパレツト
は、手前側の左右の支柱は手で持つて倒置又は起
立操作ができるが、向い側の支柱には手が届きに
くい。そこでコンベヤの向い側に移動すれば手が
届くが、連続的に可動するコンベヤラインをその
都度中断して横切る方法をとると、作業能率が低
下する。また、コンベヤラインの始端又は終端位
置から回わると、コンベヤの可動は止めなくても
済むが、作業者の移動に要する時間の損失が大き
い。さらにコンベヤが、その向い側に人が立てな
い配置になつていることもある。そのため、従来
はコンベヤ上で荷下し終了後のパレツトを支柱が
起立したままの状態でコンベヤ終端まで移送し、
そこで荷を下した時点で支柱を折畳んでいるのが
現状である。

〔従来技術の問題点〕

しかしながら、前記従来の手段ではコンベヤ上
におけるパレツトからの荷下し作業には人手を要
するが、この荷下し作業と同時に支柱の折畳みを
行えば、最少限の人員で短時間に空荷パレツトの
始末が能率的に行える。しかしながら、コンベヤ
終端まで移送してから支柱折畳み操作を行うと、
それだけ余分な人手と手間を必要とし、且つ作業
の能率低下が生じていた。

〔本考案の技術課題〕

そこで本考案は、前記従来の欠点を除くため
に、コンベヤライン上において柱パレツトを倒置
又は起立を行うのに、手前側からでは手の届きに
くい向い側の位置にある柱については直接手で持
つことなく、手前の位置にあるレバー操作でカム
機構を作動させることにより、支柱の起倒を迅速
且つ容易にしてコンベヤラインの流れを円滑に保
つと共に作業性の向上を図ることを目的とする。

〔本考案の技術的手段〕

上記の目的を達成するために本考案は、パレツ
ト本体の四隅に設けた基支柱の内部に嵌合すると
共に、係止具を介して起立する支柱を上方へ移動
することにより、基支柱に設けた案内溝に沿つて
上昇する支柱の係止具を当該基支柱の係止受部か
ら解除して倒置する折畳み式柱パレツトにおい
て、少なくとも後部側に位置する左右一対の支柱
が、当該支柱と嵌合する基支柱に対して上下方向
の移動及び起倒作用するためのカム機構を前記基
支柱側に軸支すると共に、カム機構の操作レバー
を手前側に位置する基支柱の前方に設けたもので
ある。

〔本考案の作用〕

そして本考案は前記の技術的手段により、内部
に積載物を収納した柱パレツトが、コンベヤライ
ン上にのせられて所定個所まで移送されると、コ
ンベヤの上方に設備されているホイストによつて
パレツトの積載物を吊上げて荷下しをする。荷下
し終了後のパレツトは、先ず手前側の左右に位置
する支柱を手で持つて引上げると、支柱基部の係
合軸が基支柱の案内溝に沿つて上昇し、同時に支
柱の係止具が基支柱の係止受部から外れ、次いで
左右の支柱を互いに対向内向きに倒置する。

次に向い側の左右に位置する支柱は、手前側の
支柱の前方にある支柱の上下移動用レバーを上昇
方向に回動すると、カム板によつてこれに係合す
る支柱の固定ピンを押上げるので同時に支柱も上
昇し、支柱の係止具も基支柱の係止部から外れ
る。そこで次に、支柱の起倒用レバーを倒置方向
に回動すると、起倒用カムによつて、これに係合
する支柱の係止具と一体に設けられている係止軸
を押圧して支柱を水平方向に倒置すると、支柱の
全てが折畳まれ、パレツトの支柱高さによる嵩張
りがなくなつてコンパクト化される。

また、倒置した支柱を起立する場合は、前記の
手順と逆に行えばよいものである。

〔本考案の実施例〕

以下図面について本考案の実施例を説明する
と、図示例は載置面が２段式になつているパレツ
トを示し、１はフオークリフトカーのフオークの
差込みが可能なパレツト、２はそのパレツト１の
四隅に設けた基支柱で、その基部は隅板３によつ
てパレツト側面に起立保持させ、且つ上部は左右
一対の基支柱の対向内面を開放した横断面コ字形
のケース２１を設ける。４は基部を基支柱のケー
ス２１に収め、底部４１を受具２１₁で支受する
ように配置した支柱、５はケース２１のコ字形両
片にあけた案内溝、６は支柱４の基部に設けて、
前記案内溝に移動できるように係合した係合軸、
７は基支柱のケース２１の上端に切欠き形成した
係止受部、８は支柱に固定した前記係止受部に対
して係脱する係止具、９は支柱４を基支柱に対し
て上下動し、且つ起倒作用を行うカム機構を示
し、支柱を上下動させるためのカム板９２及び起
倒させるためのカム板９３との基部を基支柱２の
上部に取付軸９４，９５で同一軸心上で且つ内外
に嵌合独立して回動できるように結合する。前記
取付軸は手前側の基支柱を貫通して前方に突出し
てある。支柱の上下動用カム板９２のカム面９６
_１，９６₂を有する長孔９６に係合する軸９８が支
柱の基部に固定されている。また、支柱の起倒用
カム板９３のカム面９７₁，９７₂を有する長孔９
７に係合する軸９９が支柱の係止具８と一体に固
定されている。１０は支柱４を係止具解除に必要
な距離ｈで上下動させるためにカム板９２の取付
軸９４に固定したレバー、１１は支柱を垂直から
水平に又は水平から垂直に起倒させるためにカム
板９３の取付軸９５に固定したレバーである。１
２は２段式の載置面のうち上段の載置面を構成す
るはね上げ式になつている左右一対の棚板、１３
は棚板１２の対向先端部を支受する受柱、１４は
積載物たるミツシヨンユニツトｗの受部材、１５
はホイスト吊り用の掛け具である。

なお、実施例においては支柱４が基支柱２を含
めた全高の約２分の１に相当する中段部位から起
倒する構造のものを示すが、基支柱をパレツト１
のデツキボード１₁から多少突出した高さに抑え、
前記デツキボードの近傍から支柱を起倒させる公
知の構造のパレツトにも適用することができるも
のである。

〔本考案の効果〕

本考案は上記の構成であるから、手前からは手
の届きにくい向い側の支柱を折畳むのに直接手で
持たなくても、手前のきわめて近い位置で支柱の
上下動と起倒作用とをレバー操作で迅速且つ容易
に行える。従つて、自動化されて連続的に可動す
るコンベヤラインにのせる流れ作業工程におい
て、コンベヤの可動を中断することなく、空荷に
なつたたパレツトの全ての支柱を作業者は１個所
で折畳むことができるから作業が能率的である。

また、本考案によれば、コンベヤがその向い側
に人が立てない配置になつているようなラインに
おいてきわめて有効である。

さらに、本考案においてはパレツトに収納され
ている荷物を取出した後の支柱を倒置の場合のほ
か、支柱が折畳まれているパレツトに前記と逆に
荷物を積込むときの支柱の起立にも適用されるこ
とは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案折畳み柱パレツトの実施例を示す
もので、第１図は正面図、第２図は側面図、第３
図は一部を省略した平面図、第４図は第２図の一
部の拡大面図、第５〜７図は支柱の起倒作用を示
す拡大面図であり、第５図は支柱起立状態図、第
６図は起倒の途中工程図、第７図は支柱の倒置状
態図である。 １……パレツト、２……基支柱、３……隅板、
４……支柱、５……案内溝、６……係合軸、７…
…係止受部、８……係止具、９，９２〜９９……
カム機構、１０及び１１……レバー、１２……棚
板、１３……棚板受柱。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パレツト本体の四隅に設けた基支柱の内部に嵌
   合すると共に、係止具を介して起立する支柱を上
   方移動することにより、基支柱に設けた案内溝に
   沿つて上昇する支柱の係止具を当該基支柱の係止
   受部から解除して倒置する柱パレツトにおいて、
   少なくとも向い側に位置する左右一対の支柱が、
   当該支柱と嵌合する基支柱に対して上下方向の移
   動及び起倒作用するためのカム機構を前記基支柱
   側に軸支すると共にカム機構の操作レバーを手前
   側に位置する基支柱の前方に設けたことを特徴と
   する折畳み式柱パレツト。