JPH03139286A - 狂犬病ウイルスg蛋白質を産生する組み換えバキュロウイルス及びg蛋白質の製造方法 - Google Patents

狂犬病ウイルスg蛋白質を産生する組み換えバキュロウイルス及びg蛋白質の製造方法

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JPH03139286A
JPH03139286A JP27798789A JP27798789A JPH03139286A JP H03139286 A JPH03139286 A JP H03139286A JP 27798789 A JP27798789 A JP 27798789A JP 27798789 A JP27798789 A JP 27798789A JP H03139286 A JPH03139286 A JP H03139286A
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rabies virus
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Kotaro Tsuchiya
土屋 耕太郎
Susumu Ueda
進 上田
Zenji Matsuura
善治 松浦
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NIPPON SEIBUTSU KAGAKU KENKYUSHO
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は狂犬病ウィルス糖蛋白質(以下G蛋白質とする
)をコードする遺伝子を昆虫ウィルスであるバキュロウ
ィルス(以下「^CNPVJ という)のポリヘドリン
(多角体)遺伝子のプロモーターの下流に組み込んだ組
み換えAcNPVの作出、およびこの組み換えAcNP
Vを昆虫細胞に感染させた場合に発現される組み換え狂
犬病ウィルスG蛋白質の製造方法に関するものである。
(発明の背景) 狂犬病は古くギリシャ時代から知られていた病気の一つ
であり、ウィルスに感染したのち発症した場合には致死
率がほぼ100%に達する病気である。わが国において
は昭和31年(1956年)の発生を最後に1957年
以降完全な撲滅状態が維持されている。この無病状態の
樹立およびその維持ができたのは昭和25年に制定され
た狂犬病予防法のもとに、木屑の人への主たる伝播者で
ある犬を対象として検疫、野犬捕獲、著大の登録および
予防注射の3本柱による防疫対策の徹底実施のためであ
る。しかしながら世界的には木屑は発生拡大の傾向にあ
り、わが国においても狂犬病の問題はなくなったわけで
はなく、例えば1970年にネパール旅行中の日本人学
生が犬に噛まれ、帰国後発症死亡している。
〔従来の技術〕
狂犬病ウィルス粒子はり、N、G、NS、Mの5種類の
蛋白質より構成されているが、このうちG蛋白質が強い
中和抗体8導を担っており (ウィクトーら(Wikt
or et at、)、 1973、J、Immuno
l、、110:269−278) 、感染防御抗原とし
て有効であろうと考えられている。今日までにはヨルバ
ートンら(Yolverton et al、、198
3゜5cience、 219:814−620)が大
腸菌の発現系を用いてこのG蛋白質を発現させており、
キエニら (Kieny  at  al、、1984
.  Natrure、312:163−1[i6)は
ワクシニアウィルスの発現系を用いて発現させている。
また酵母により発現させる提案もなされている(特願平
1−171489号)。
(解決しようとする課題) しかしながら、上記した従来の発現系によっては、G蛋
白質の産生量が少なく、工業的規模で大量にこれを製造
するためには未だ改善すべき余地がある。
本発明においてはこのG蛋白質を哺乳動物には病原性の
ないバキュロウィルスの発現系を用いて発現させ、得ら
れた蛋白質が本来のウィルス粒子中のG蛋白質と抗原性
が同じであることを確認し、本発明をなすに至ったもの
である。
上記目的を実現する本発明の特徴は、バキュロウィルス
(AcNPV )のポリヘドリンをコードする遺伝子の
プロモータの下流に、上記ポリヘドリンをコードする遺
伝子に組み換えて狂犬病ウィルスG蛋白質をコードする
遺伝子を組込んだ組み換えバキュロウィルスにあり、特
に狂犬病ウィルスG蛋白質をコードする遺伝子が、狂犬
病ウィルスRC−HL株由来である組み換えバキュロウ
ィルスにある。
また本発明の他の特徴は、上記組み換えバキユロウィル
スを、スボドプテラ フルジベルダ細胞(S odo 
tera fru i erda細胞:以下rS、f、
、細胞という)に感染させて、この細胞を培養後、細胞
内に蓄積している狂犬病ウィルスG蛋白質を分離精製す
るところにある。
木2明においては、狂犬病ウィルスとして西ケ原株に由
来するRC・HL株(日本生物科学研究所作出、野村吉
利、1985、食品衛生研究、35二209−218 
、また岐阜大学農学部、源宣之博士より入手可能)を用
いた6本ウィルスのG蛋白質をコードするcDNA(以
下r G−CDNAJという)は、精製狂犬病ウィルス
より遺伝子RNAを抽出し、合成ブライマーを用いてギ
ュブラーとホフマン(Gubler and Hoff
man、1983. Gene。
25: 21i3−269)の方法により、クローニン
グすることがで各る。クローニングしたG−cDNAは
AcNPV トランスファーベクターであるpAcYM
l(マツウラ(Matuura)ら、1987.J、g
en、Virol。
1+8:1233−1250)の多角体プロそ一ターの
下流へ組み込むために、合成ブライマーの部位から翻訳
開始コドンであるATGの数塩基上流までを除く。除去
には例えばキロシークエンスプレージョンキット(宝酒
造社製)を用いる方法やBa131エクソヌクレアーゼ
を用いる方法を例示することができる。後記する実施例
においては、前者のキットを用いて不要部分を除き、こ
のG−cDNAをpAcYMl トランス7フーベクタ
ーの多角体プロモーターの下流に組み込んだ組み換えp
AcYM1ベクターを構築した1組み換えAcNPVを
得るために上記の組み換えpAcYM1ベクターと野生
型^cNPVの遺伝子DNAの混合DNAをスポドブテ
ラ フラジペルダ(S、f、)細胞にトランスフェクト
する。トランスフェクトさせた細胞を4〜5日間培養す
ると培養上清中に野生型AcNPVのほかにホモロガス
リコンビネーションによって作られた組み換えAcNP
Vが放出される1組み換えAcNPVはポリヘドリン(
多角体)遺伝子を欠いているのでポリヘドリンを産出し
なし)ウィルスクローンをブラック法によりクローニン
グできる。
以上の手順により組み換えAcNPVを得るために必要
なpAcYMl )ランスフ1−ベクター、野生型Ac
NPV及びその遺伝子DNA 、S、f、細胞は英国N
ERCウィルス学研究所のビショップ博、±(D、H,
L、、B15hop)より入手可能である。
上述の組み換えAcNPVは、S、f、細胞に感染する
と狂犬病ウィルスG蛋白質を発現し、この確認は各種抗
原−・抗体反応、例えば蛍光抗体法やイミュノブロツテ
イング法により行なうこと力(で診る。また、目的蛋白
質の発現量を直接確認するためには5DS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動を行ないクーマシーブルーで染色
して行なうことができる。
本発明で得た組み換えAcNPVを、S、f、細胞へ感
染させると蛍光抗体法により感染細胞中に特異蛍光がU
められ、イミュノブロツテイング法によってもG蛋白質
に特異的なバンドが認められた。またクーマシーブルー
によって染色したゲル上でも組み換え^cNPV感染細
胞に特異的なバンドが認められ、これはイミュノブロツ
ティング法によって認められたバンドと一致した。
本発明における狂犬病ウィルス組み換えG蛋白質の発現
量は組み換えAcNPV感染細胞の全蛋白質の10%程
度を占め、大量にG蛋白質を得るたやの有益な方法であ
る。
なお、本発明によって発現させたG蛋白質は、狂犬病ウ
ィルス中のG蛋白質より−やや分子量が小さいことが確
認されているが、これはG蛋白質の糖鎖の付加の仕方が
両者で異なっているためと思われる。しかしながら、上
述したように抗原性という観点からの比較においては両
者は同一であるため、本発明で得られたG蛋白質は狂犬
病ウィルスのサブユニットワクチンの開発あるいは診断
用抗原として有用である。
(実 施 例) 以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説明する。
なお各実施例のうち遺伝操作法においては、特に断りが
ない限り以下の試薬及び方法を用いた。
牝ILj臼に1生ヌ 制限酵素は宝酒造■社製及び東洋紡績■社製のものを添
付のプロトコールの条件にしたがって使用した。
修飾酵素及びキット等は、以下のメーカーより購入した
。すなわち生化学工業■社より逆転写酵素を、宝酒造■
社より大腸菌RNaseH1大腸菌DNAポリメラーゼ
I、大腸菌DNAリガーゼ、大腸菌アルカリフォスフ1
ターゼ、クレノー酵素、キロシーフェンス用デレージョ
ンキット、ライゲージコンキットを、ファルマシア社よ
り子牛胸腺由来ターミナルデオキシヌクレオチジルトラ
ンスフエラーゼ、各種デオキシリボヌクレオチドトリフ
ォスフエイトを、BRL社よりpBR322のPst 
 I部位にdGポリマーを付加したベクターを、アマジ
ャム社よりα−32P−dcTPα−”P−dATPを
それぞれ入手し、添付のプロトコールの条件あるいはモ
レキュラークローニング(Molec、ular (:
1oniB、マニアティスら(Maniatis at
 al、)、1982.コールドスプリングへ−バー 
ラボラトリ−)に記載の条件にしたがって使用した。
DNAの 断、 飾 びライゲーション各々の反応に使
用する酵素及びキットに添付されているプロトコール及
び上記モレキュラークローニングに従った。
アガロース 気味 によるDNA断片の回収BIOIO
1社製DNA精製用キットGENECLEANをフナコ
シ薬品■社より購入し、添付のプロトコールに従って目
的のDNA断片を回収した。
プラスミドの 出・精製 モレキュラークローニングp90〜91及びp36a〜
369に記載されているアルカリ法を用いた。
ドツト・プロットハイブリダイゼーション第3図に示し
た狂犬病ウィルスHEP−Flury株のG−CDNA
断片であるプローブIの部分とプローブIIの部分を各
々M13ベクターにクローニングした一本鎖DNAを、
京都大学 河合明彦教授より分与を受け、この−末娘D
NAに、M13ベクターに相補的なブライマーをアニー
ルさせ、クレノー酵素及びα−”P−dcTPを用いて
、アイソトープ標識したプローブを調整した。検査する
プラスミドtlNへのニトロセルロースフィルタ− グされたDNAと上述のプローブとのハイブリダイゼー
ションは、モレキュラークローニングp331&びp3
87〜389に記載されている方法に従った。
実施例1 : G−cDNAのクローニング(1) R
C−)fL株のブラッククローニングG−cDNA(7
)クローニングに先立ち、狂犬病ウィルスをセドウイッ
クとウイクトー(Sedwickand Wiktor
, 1967、 J. Virol.、 1. 122
4)の方法に準じて寒天内浮遊法により B)IK−2
 1細胞を用いてブラッククローニングした。すなわち
5 X 10’個のB)1に一21細胞をO,詰の寒天
培地に浮遊させ、60mmプッシュに播種し、この細胞
にウィルス液を接種してブラックを形成させクローニン
グした。このクローニングしたウィルスをルー瓶に培養
したBHK−21細胞に感染させ、増殖したウィルスを
回収し種ウィルスとした。
(2)狂犬病ウィルス遺伝子RNAの抽出上記(1)の
穏ウィルスをルー瓶lO本分の81(K−21細胞に 
moi=1.5で感染させ60時間37℃で培養した。
得られた培養液を4,OOOrpmで10分間遠心し、
その上清へ最終濃度として6、5零ポリエチレングリコ
ール# 6000と、2.2零NaC fLを加え遠心
によりウィルスの沈殿を得た.さらにこの沈殿よりウィ
ルス粒子を精製するために、10〜45 w/v9gの
ショ糖密度勾配を用いて遠心し、精製ウィルスを得た。
これにより、500mlの培養上清より約2mg相当の
ウィルス蛋白質が得られた.精製ウィルス粒子をトルド
(Todor)ら(1986, NucreicAci
d Reserch, 14: 2671−2683)
の方法に従ってブロテイナーゼにおよびSOS処理し遺
伝子RNAを得た。
(3)狂犬病ウィルスG蛋白質をコードするcDNAの
合成とクローニング 二本ticDN^の合成はギュブラーとホフマン(Gu
bler and Hoffman. 1983,Ge
ne, 25: 283−269)の方法に準じて行な
った.即ち最初に遺伝子RNAのG蛋白質をコードする
領域の3°側の部分に相補的な2B塩基の合成ブライマ
ー[5 ’−TAGAATAATCAGATAATAT
CCCGCA^−3°1をベックマン(Beckmai
+)社製DNA合成機Syste@IE Plusによ
り合成した。また上記(2)で得た狂犬病ウィルス遺伝
子RNAを、モレキュラークローニングのp231に記
載の方法により水酸化メチル水銀でディネーチャーさせ
た.これらのブライマー(7.5ピコモル)と遺伝子R
 N A (0.75ピコモル)をアニールさせ、50
μ1反応液中で、逆転写酵素により一木1icTIN^
を合成した。
次に一木娘cDN^とハイブリダイズしているR N 
A *iに大腸菌TINaseHによってニックを導入
し、形成されたR N A IJi断片をブライマーと
して大腸菌DNAポリメラーゼ■及び大腸菌DNAリガ
ーゼにより二本鎖cDNAを合成した(第1図)。
このようにして合成した二本鎖cDNAに子牛胸腺由来
ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ
を用いて(ICポリマーを付加し、クローニングベクタ
ーであるpBR322のPst 1部位にdGポリマー
を付加したベクター( BRL社製)とアニールさせた
(第2図)。
この組み換えDNAをコンピテントな状態の大腸菌D)
15α株に導入し、形質転換細胞pBR−RaGLのク
ローンを得た。得られたクローンのうち50個について
第3図に示す狂犬病ウィルスHE.P−Flury株の
G蛋白質cDNA断片をプローブとしてドットプロット
ハイプリダイゼーシミンを行ない陽性クローンを得た。
この陽性クローンについて制限酵素他国をモレキュラー
クローニングの方法に従って作成し、第3図に示した。
この第3図から分るように本発明者らがクローニングし
た西ケ原株由来R(ニーML aのG−cDNAと、板
木ら(特開平1−171489号)がクローニングした
同株由来N−1(L株のG−C[lNAを比較すると、
G蛋白質をコードする領域内には、少なくとも6種類の
制限酵素の切断部位のうちNrur部位とXho1部位
に変異が認められた。
実施例2 : G−cDNAのデイリージョン及びG−
cDNAを組み込んだAcNPV )ランスファーベク
ターの構築 (1) G−cDNAのデイリージョンG−cDNAの
翻訳開始コドンであるATGの上流の非翻訳領域を除く
ために次の手順によりデイリージョンを行なった。
実施例1で得たクローンよりG蛋白質のオープンリーデ
ィングフレームを含むPst 1−Hindllr消化
2.:l kbフラグメントをpuctaベクターのP
st I −Hindlll切断部位へ組み込んだ(第
4図)。このプラスミドについてキロシーフェンス用デ
レージョンキットを用いてデイリージョン反応を行ない
(第5図)、上記ATGコドンの6塩基上流までデイリ
ージョンされたクローン90C−ΔRaGを得た。
上記ATG付近の塩基配列は、ハラトリとササキ(il
attori and 5asaki、 19H,八n
al。
Biocham、、 152; 232)の方法に準じ
てニラポンジーン(財)社製M13シークエンシングキ
ットを用いてシーフェンスし346図に示した。
シーフェンスした部位は前述のN−HL株と比較すると
2つの塩基に変異が認められ、そのうち1つの変異はア
ミノ酸の変異を誘導していた。
(2) G−cDNAを組み込んだAcNPV )ラン
スファーベクターの構築 上記のpuc−ΔRaGよりεcoRI −Hlnd 
ITI消化2.Okb フラグメントを調整しクレノー
酵素により末端を平滑化した。また、マツウラら(Ma
tuura et al、、1987. J、gen、
 Virol、。
68:1233−i250)の開発したAcNPV ト
ランスファーベクターであるpAcY旧をBamHIで
消化切断した後、同様にクレノー酵素により末端を平滑
化した。上記の2.0kbフラグメントとpAcYM1
ベクターをライゲーシミンさせ、得られたプラスミドの
うちG−cDNAが多角体プロモーターに対して順方向
に挿入されているクローンを選び、これをpAc−Ra
Gとした(第7図)。
以上の方法によりAcNPV多角体プロモータの下流に
G−cDNAを組み込んだ場合、両者の結合部位の塩基
配列は以下のようになる。すなわち[5°−・・・・A
CCT^^^TACGGATCI^^TTCGAGCT
CGGGAAA眩■GTII:CGC・・・−3°]と
なり、配列中縦線の上流が多角体プロモータの配列、下
流がG−cDNAの配列を示し、下線を引いたATGが
翻訳開始コドンを示している。
実施例3:組み換えAcNPVのクローニング野生型A
cNPVよりスミスとサマー(Smith andSu
mmer、1983、Mo1. Ce11. Bio!
、、 3: 2156−2165)の方法によって得た
AcNPV DNAと上記の組み換えトランスファーベ
クターpAc−RaGの混合DNAを、マツウラら(M
atsuura et a171987゜J、 gen
、 Virol、、 61S:1233−1250)の
方法によりAcNPVの宿主細胞であるS、f、細胞に
トランスフェクトした。28℃で4日間培養後、培養上
清を回収しS、f、細胞上でブラックアッセイを行なっ
た。多角体を産生じていないブラックについて3回ブラ
ッククローニングを行ない狂犬病ウィルスG−cDN^
を組み込んだ組み換えAcNPVを得た(第8図)。
実施例4:組み換えAcNPVを感染させたS、f、細
胞での狂犬病ウィルルG蛋白質の発 現 組み換え八cNPVをmoi= 1でS、f、細胞へ感
染させ28℃で4日間瑣養した後感染細胞を回収し、以
下に述べる方法により狂犬病ウィルスG蛋白質の発現を
確認した。
(1)間接蛍光抗体法によるG蛋白質の検出回収した感
染細胞をスライドグラスに適当量滴下し風乾により細胞
を付着させ一20℃のアセトンにて10分間処理して抗
原検出用の材料とした。
一次血清には抗狂犬病つィルスG蛋白質ウサギ血清を1
:100に希釈して使用し、二次血清はFITC標識抗
ウサギつgGヤギ血清を用いた。
反応はウィルス実験学総論(国立予防衛生研究所学友会
1編)に従りた。
蛍光顕微鏡による観察の結果、G蛋白質に対して特異的
な蛍光は組み換えACNPVを感染させたS、f、細胞
にのみ認められ、野生型AcNPVを感染させた細胞や
ウィルスを感染させていない細胞では認められなかった
(2) 5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によ
るG蛋白質の確認 レムリ(Laemli、 1970. Nature、
 227:680)の方法に準じて10%ポリアクリル
アミドゲル上で感染細胞の蛋白質電気泳動を行なった。
泳動したゲルをクーマシーブルー染色し、染色された蛋
白質のバンドをアタゴ抹社製デンシトメータによりスキ
ャンした結果を第9図に示した。第9図(C)に示すよ
うに野生型AcNPV感染細胞では約33キロダルトン
(kDa)のところに多角体蛋白質のバンドが観察され
るのに対し、組み換えAcNPVを感染させた細胞では
多角体蛋白質のバンドはなく、かわりに約58kDaの
ところに新たなバンドが観察された(第9図(a)参照
)。また、狂犬病ウィルス蛋白質を泳動した場合には約
67kDaのところにG蛋白質のバンドが認められた(
第9図(b)参照)。この58kDaの蛋白質の発現量
をクーマシーブルーでの染色の濃度から求めると10’
個の細胞光たり約20μgであり、感染細胞の全蛋白質
の約10%を占めていた。
そこで、上記58kDaのバンドが狂犬病ウィルスG蛋
白質と抗原性が同一であることを確認するために5OS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行なった後株動さ
れた蛋白質をニトロセルロースフィルターに転写し酵素
抗体法により調べた。−次血清には蛍光抗体法と同様に
抗狂犬病つィルスG蛋白質ウサギ血清を使用し、−次血
清の結合したバンドの検出にはホースラディシュベルオ
キシダーゼ標識プロティンAとジアミノベンチジンを使
用した。反応はアンチボディーズ(^ntibodie
s +ハローとレーン(Harlow and Lan
e)編、1982゜コールドスプリングハーバ−ラボラ
トリ−)に準じた。発現量を上記と同様にデンシトメー
タでスキャンした結果を第10図に示した。
その結果、第10図に示すように上記の58kDaのバ
ンドは狂犬病ウィルスG蛋白質と抗原性が同一であるこ
とが確認された。なお、クーマシーブルー染色では肥め
られなかったが58kDaよりやや大きな分子量のG蛋
白質も発現しており、この両者の違い及びこれらと狂犬
病ウィルス粒子中のG蛋白質の分子量の違いは、糖鎖の
付加の相違によると推定される。
(発明の効果) 本発明によれば、狂犬病ウィルスを構成する蛋白質の一
つであって、しかも病原性はなく、中和抗体8導を担っ
ている感染防禦抗原として有効なG蛋白質を、哺乳動物
には病原性のないバキュロウィルスの発現系を用いて大
量に産生させることができるという効果がある。
したがって狂犬病ウィルスのサブユニットワクチンの開
発0診断用抗原への応用の上で、その有用性は高いもの
がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は狂犬病ウィルス遺伝子RNAに相補的なブライ
マーの合成部位およびG−cDNAの合成過程を示した
図、第2図はG−cDNAのpBR322Pst 1部
位へのホモポリマー法によるクローニングの過程を示し
た図、第3図はクローニングされたG−cDNAの制限
酵素地図およびそれの他株との比較を示した図、第4図
は第3図に示したG−cDNAのG蛋白質をコードする
領域を含んでいる PstI −Hindlll  2
.3kbフラグメントのptlcIBベクターへのクロ
ーニングの過程を示した図、第5図はG−cDNAの^
TGコドンの上流の不要部分のデイリージョンの過程を
示した図、第6図はクローニングされたG−cDNへの
へTGコドンイ寸近の塩基配列とこれから推定されるア
ミノ酸配列をN−)IL株と比較して示した図、第7図
はG−cDNAを組み込んだバキュロウィルストランス
ファーベクターの構築を示した図、第8図はG−cDN
Aを組み込んだ組み換えバキュロウィルスの構築を示し
た図である。 第9図(a)〜(C)はS[)Sポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動したゲルのクーマシーブルー染色像をデンシ
トメータでスキャンした結果を示した図、第10図(a
) 、 (b)はイミュノプロツティングの像をデンシ
トメータでスキャンした結果を示した図である。 狂犬病ウィルス遺伝子RNAの構造 0プライマ一合成部位 [5’−TAGAAT^^TCAGA丁AATATCC
CGCAA−3’]遺伝子RNA 狂犬病ウィルス GL−cDNA 第 図 ↓Pst I消化 3・6=コ[ア3” GL−cDNA 6.6起]フGGGG 1:!: 2 第 5゜ 図 第 図 Bindlll 口[==]■に二 二ロマ3Σマ弼コ 第 図 ・−・−・・−・−・−−−−−−・・−−−−−C−
・−−−・−・−・−−−−−一−−・。 −−−Arg−−+  −・ 第 7 図 ↓クレノー酵素処理 ↓クレノー酵素処理 門[=トモ=ヨ E=二二二二ヨ \ ライゲーション / 第 図 \ コ・トランスフェクション / リコンビナントウィルス

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 バキュロウイルス(AcNPV)のポリヘドリンを
    コードする遺伝子のプロモーターの下流に、上記ポリヘ
    ドリンをコードする遺伝子に組み換えて狂犬病ウィルス
    G蛋白質をコードする遺伝子を組込んだ組み換えバキュ
    ロウイルス。 2 請求項1において、狂犬病ウィルスG蛋白質をコー
    ドする遺伝子が、狂犬病ウィルスRC・HL株由来であ
    ることを特徴とする組み換えバキュロウイルス。 3 請求項1又は2の組み換えバキュロウイルスを、ス
    ポドプテラフルジペルダ(¥Spodop−teraf
    rugiperda¥)細胞に感染させて、この細胞を
    培養後、細胞内に蓄積している狂犬病ウィルスG蛋白質
    を分離精製することを特徴とする狂犬病ウィルスG蛋白
    質の製造方法。
JP27798789A 1989-10-25 1989-10-25 狂犬病ウイルスg蛋白質を産生する組み換えバキュロウイルス及びg蛋白質の製造方法 Pending JPH03139286A (ja)

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JP27798789A Pending JPH03139286A (ja) 1989-10-25 1989-10-25 狂犬病ウイルスg蛋白質を産生する組み換えバキュロウイルス及びg蛋白質の製造方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998008936A1 (fr) * 1996-08-28 1998-03-05 Nippon Institute For Biological Science Herpes-virus canin recombine
KR100436232B1 (ko) * 2001-07-13 2004-06-12 제연호 재조합 바이러스 및 이를 이용한 베큘로바이러스 발현시스템으로 외래 유전자를 발현시키는 방법
JP2011516040A (ja) * 2008-03-14 2011-05-26 サノフィ パスツール バイオロジクス カンパニー 複製欠損フラビウイルスワクチンおよびワクチンベクター

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