JPH0313285B2 - - Google Patents
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- JPH0313285B2 JPH0313285B2 JP14184486A JP14184486A JPH0313285B2 JP H0313285 B2 JPH0313285 B2 JP H0313285B2 JP 14184486 A JP14184486 A JP 14184486A JP 14184486 A JP14184486 A JP 14184486A JP H0313285 B2 JPH0313285 B2 JP H0313285B2
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Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
Description
<産業上の利用分野>
この発明は最表面部分にダイヤモンド粒子が密
着していることを特徴とするダイヤモンドインク
ラストワイヤの製造方法に関するものである。 <従来の技術> 近年、セラミツクや超硬合金材料の切断あるい
はシリコンやガリウム砒素などの半導体材料の切
断、さらには非常に細い穴の金属加工材の面取加
工などにワイヤを用いることが検討あるいは実施
されている。 <発明が解決しようとする問題点> このためワイヤとしては、従来より非常に強度
の高い高抗張力線材、いわゆるソーワイヤが使用
されているが、この場合その切断はワイヤと被切
断材との摩擦によつてのみ行なわれるので切断効
率が悪いという問題がある。また被切断材とワイ
ヤとの間に高電圧をかけ、その間での放電によつ
て切断する、いわゆる放電ワイヤカツトという方
法があるが、この方法は被切断材に導電性がなけ
ればならず、被切断材の材質が限定されるという
問題がある。 これに対し、近年線材表面にダイヤモンドの微
粒をメツキ法によりコーテイングさせたダイヤモ
ンドワイヤを用いて切断する方法ざ知られてい
る。 しかしながら、この方法も主としてCuメツキ
やNiメツキによりダイヤモンド粒をワイヤ表面
にコーテイングさせているのみであるので、ダイ
ヤモンドの付着力が弱いとともに、線材表面全周
に亘つて均一なコーテイングを行なうのが困難と
いう問題があつた。 また、最外周部と中心部の間に間〓を設けた円
筒状金属体を用い、この間〓に金属粉末とダイヤ
モンド粒子との混合物を充填、密閉し、これに熱
間押出し又は熱間圧延を施すか、または焼鈍のみ
を施したのち、さらに冷間加工と焼鈍とを繰返し
行なつて、同様の線材を製造する方法があるが、
このような方法だけでは最外周部金属を除去した
後の最終線材の状態においてダイヤモンド粒子が
十分表面に露出するように間隙の寸法を設定した
場合、逆にダイヤモンド粒子が中心部に食い込み
(突出るような形となる)、中心部に切欠きが生じ
るという問題がある。 このように、該線材の強度を事実上支えている
中心部の表面に切欠きが生じると、該線材は極め
て破断しやすくなり、ワイヤとしての寿命が短い
ものとなる。 <問題点を解決するための手段> この発明は上記の点に鑑みて、ダイヤモンド粒
子が露出できる条件を保持しつつ、中心部に対す
る切欠きが生じることを除去し、ワイヤとしての
寿命を長くするための新規なダイヤモンドインク
ラストワイヤの製造方法を提供することを目的と
するものである。 即ち、この発明は円筒状金属体の中心部に、該
金属体の内径よりも小さな外径を有する円柱状金
属体を挿入してなる所要寸法の金属体において、
円筒状金属体との間に間隙ができるように、該中
心円柱状金属体に密着させた状態でパイプ状金属
体を挿入するか、または中心円柱状金属体に金属
薄膜を巻きつけ、これと円筒状金属体との間の間
隙内に金属粉末とダイヤモンド粒子との混合粉末
を充填し、次いで前記粉末充填金属体の両端を密
閉したのち、熱間押出し又は熱間圧延を施すか、
または焼鈍のみを施したのち、さらに冷間加工と
焼鈍とを繰返し施して線材となすとともに、該線
材の最外層として残存する前記金属体の円筒状金
属体部分を機械的、化学的方法により除去して線
材表面に前記金属粉末が焼結した金属とダイヤモ
ンド粒子との混合層を顕出せしめることを特徴と
するダイヤモンドインクラストワイヤの製造方法
である。 <作用> この発明の方法を実施例に対応する第1図乃至
第3図を参照して説明すると、この発明はダイヤ
モンドインクラストワイヤの製造方法において、
ま最外周部1と中心部2との間に間隙Sを設けた
所要寸法の円筒状金属体Aの前記間隙S内に最外
周部1との間に間隙ができるように、中心部2に
密着させた状態でパイプ状金属体Bを挿入する
か、または中心部に金属薄帯Cを巻きつけ、これ
と最外周部1との間の間隙S′内に金属粉末4とダ
イヤモンド粒子3との混合粉末Dを充填してか
ら、上記金属体Aの両端を密閉したものを予め製
造する。 第1図および第2図は上記金属体Aの構造を示
す模式図で、第1図はパイプ状金属体Bを用いた
場合、また第2図は金属薄帯Cを用いた場合であ
り、夫々aはその上面図、bは同側断面図であ
る。 次に上記両端を密閉した金属体Aを既知の熱間
押出し又は熱間圧延を施すか、または焼鈍のみを
施したのち、さらに冷間加工と焼鈍とを繰返し行
ない、所要線径の線材とする。 第3図は伸線途中での断面の金属組織の一例を
示す約15倍の顕微鏡写真である。 さらに、上記線材の最外層として残存している
前記金属体Aの最外周部1金属を研摩または酸洗
い等により除去することにより焼結された金属層
内にダイヤモンド粒子が均一に保持されてなる混
合層が線材最表面層として顕出しているダイヤモ
ンドインクラストワイヤを得るに至るのである。 この発明で用いる第1図に示す最外周部1、中
心部2の材質としては、一般に炭素鋼を用い、ま
た挿入するパイプ状金属体Bまたは金属薄帯Cの
材質としては、一般にNiやNi合金を用いるが、
使用する条件によつてはステンレス鋼やCu合金
等を用いてもよい。さらにこれらの材質は各々異
なつていてもよい。なお、これらの寸法は使用す
る最終線材の径や充填するダイヤモンドの粒径、
および充填比率によつて任意に選択することがで
きる。 また、ダイヤモンド粒子と混合する金属粉末
は、一般にNi粉やNi基合金粉が用いられるが、
これら以外にもCu粉やCu基合金粉、Fe粉やFe基
合金粉であつてもよい。 そして、前記粉末充填金属体Aの両端を密閉し
たのち、熱間押出し又は熱間圧延を施すか、また
は焼鈍のみを施し、さらに冷間加工と焼鈍とを繰
返し施して所要の線径の線材とするものである。 その後、伸線加工した鋼線において、最外層と
して残存する前記金属体の最外周部金属を機械
的、化学的方法により除去して線材表面に前記金
属粉末が焼結した金属とダイヤモンド粒子との混
合層を顕出せしめ、従来のメツキ法によるワイヤ
に比べ、より強固にダイヤモンドが密着している
とともに、従来のパイプ状金属や金属薄帯を用い
ず、伸線法によつて製造するワイヤに比べてダイ
ヤモンド粒子が中心部に食い込み、中心部に切欠
きが生じ、ワイヤとしての寿命が短いものとなる
おそれのないダイヤモンドインクラストワイヤを
得ることができるのである。 <実施例> 以下、実施例によりこの発明を詳細に説明す
る。 実施例 1 第1図に示す円筒状金属体Aの素材としては最
外周部1に一般構造用圧延鋼材(JIS−SS41)
を、中心部2には炭素工具鋼鋼材(JIS−SK7)
を用いた。このときの円筒状金属体Aの寸法とし
ては、最外径70mmφ、最外周部1の厚さ5mm、間
隙Sの幅6mmである。そして該間隙S内に内径48
mm、厚さ2mmの純Ni製チユーブBを挿入し、こ
のNiチユーブと最外周部1との間隙S′に純Ni粉
末と0.5重量%の炭素を混合したもの4に平均粒
度140μmのダイヤモンド粒子3を体積比で13%
混合した混合粉末Dを充填した後、金属体Aの両
端の間隙S部を溶接密閉した。 その後、1000℃で2時間加熱し、押出比15で押
出しを行なつた。さらに850℃での焼鈍と冷間伸
線加工を繰返し、1.0mmφの線材とした。この時
の引張強度は143Kg/mm2であつた。第3図は本実
施例における伸線途中での断面の組織構造の一例
を示す顕微鏡写真である。 これより明らかなように、ダイヤモンド粒子は
パイプ状Niによつて中心部から離れており、ダ
イヤモンド粒子が中心部に食い込み、切欠きをつ
けることはないことがわかつた。 これを濃度35%の塩酸溶液中に15分間浸漬して
線材の最外層として残存する金属体Aの最外周部
1の炭素鋼(SS41)を溶解除去してアルカリ溶
液で中和し洗浄した。 この方法により製造したダイヤモンドインクラ
ストワイヤは、外周部にはダイヤモンド粒子3が
均一に付着していると共に、内部ではダイヤモン
ド粒子が中心部に食い込むことがなく、切欠きの
ない長寿命のワイヤであることが認められた。 実施例2 第1図に示す円筒状金属体Aの素材としては、
最外周部1に一般構造用炭素鋼管(JIS STK30)
を、また中心部2にピアノ線材(JIS
SWRS72B)を用いた。この時の円筒状金属体A
の寸法としては、最大径20mm、最外周部1厚さ2
mm、中心部2の直径13mmである。そして、この中
心部2に厚さ0.1mmの純Ni薄帯を0.5mmの厚さに密
に巻きつけ、これと最外周部1との間隙S′に純
Ni粉末と0.5重量%の炭素を混合したもの4に平
均粒度15μmのダイヤモンド粒子3を体積比で13
%混合した混合粉末Dを充填したのち、金属体A
の両端の間隙S部を蓋止し溶接密閉した。 その後850℃での焼鈍と冷間伸線を7回繰返し、
直径0.2mmの線材とした。この時の引張強度は181
Kg/mm2であつた。これを濃度35%の塩酸溶液中に
20分間浸漬して線材の最外層として残存する金属
体A最外周部1の炭素鋼(STK30)を溶解除去
し、アルカリ溶液で中和し洗浄した。 このようにして製造したダイヤモンドインクラ
ストワイヤは従来のパイプ状金属体や金属薄帯を
用いず、伸線法によつて製造する同線径のダイヤ
モンドインクラストワイヤに比べて、後述する第
1表の結果より明らかなように、ダイヤモンド粒
子3が中心部2に食い込み、中心部に切欠きが生
じ、破断しやすいというおそれのない著しく寿命
の長いものであつた。
着していることを特徴とするダイヤモンドインク
ラストワイヤの製造方法に関するものである。 <従来の技術> 近年、セラミツクや超硬合金材料の切断あるい
はシリコンやガリウム砒素などの半導体材料の切
断、さらには非常に細い穴の金属加工材の面取加
工などにワイヤを用いることが検討あるいは実施
されている。 <発明が解決しようとする問題点> このためワイヤとしては、従来より非常に強度
の高い高抗張力線材、いわゆるソーワイヤが使用
されているが、この場合その切断はワイヤと被切
断材との摩擦によつてのみ行なわれるので切断効
率が悪いという問題がある。また被切断材とワイ
ヤとの間に高電圧をかけ、その間での放電によつ
て切断する、いわゆる放電ワイヤカツトという方
法があるが、この方法は被切断材に導電性がなけ
ればならず、被切断材の材質が限定されるという
問題がある。 これに対し、近年線材表面にダイヤモンドの微
粒をメツキ法によりコーテイングさせたダイヤモ
ンドワイヤを用いて切断する方法ざ知られてい
る。 しかしながら、この方法も主としてCuメツキ
やNiメツキによりダイヤモンド粒をワイヤ表面
にコーテイングさせているのみであるので、ダイ
ヤモンドの付着力が弱いとともに、線材表面全周
に亘つて均一なコーテイングを行なうのが困難と
いう問題があつた。 また、最外周部と中心部の間に間〓を設けた円
筒状金属体を用い、この間〓に金属粉末とダイヤ
モンド粒子との混合物を充填、密閉し、これに熱
間押出し又は熱間圧延を施すか、または焼鈍のみ
を施したのち、さらに冷間加工と焼鈍とを繰返し
行なつて、同様の線材を製造する方法があるが、
このような方法だけでは最外周部金属を除去した
後の最終線材の状態においてダイヤモンド粒子が
十分表面に露出するように間隙の寸法を設定した
場合、逆にダイヤモンド粒子が中心部に食い込み
(突出るような形となる)、中心部に切欠きが生じ
るという問題がある。 このように、該線材の強度を事実上支えている
中心部の表面に切欠きが生じると、該線材は極め
て破断しやすくなり、ワイヤとしての寿命が短い
ものとなる。 <問題点を解決するための手段> この発明は上記の点に鑑みて、ダイヤモンド粒
子が露出できる条件を保持しつつ、中心部に対す
る切欠きが生じることを除去し、ワイヤとしての
寿命を長くするための新規なダイヤモンドインク
ラストワイヤの製造方法を提供することを目的と
するものである。 即ち、この発明は円筒状金属体の中心部に、該
金属体の内径よりも小さな外径を有する円柱状金
属体を挿入してなる所要寸法の金属体において、
円筒状金属体との間に間隙ができるように、該中
心円柱状金属体に密着させた状態でパイプ状金属
体を挿入するか、または中心円柱状金属体に金属
薄膜を巻きつけ、これと円筒状金属体との間の間
隙内に金属粉末とダイヤモンド粒子との混合粉末
を充填し、次いで前記粉末充填金属体の両端を密
閉したのち、熱間押出し又は熱間圧延を施すか、
または焼鈍のみを施したのち、さらに冷間加工と
焼鈍とを繰返し施して線材となすとともに、該線
材の最外層として残存する前記金属体の円筒状金
属体部分を機械的、化学的方法により除去して線
材表面に前記金属粉末が焼結した金属とダイヤモ
ンド粒子との混合層を顕出せしめることを特徴と
するダイヤモンドインクラストワイヤの製造方法
である。 <作用> この発明の方法を実施例に対応する第1図乃至
第3図を参照して説明すると、この発明はダイヤ
モンドインクラストワイヤの製造方法において、
ま最外周部1と中心部2との間に間隙Sを設けた
所要寸法の円筒状金属体Aの前記間隙S内に最外
周部1との間に間隙ができるように、中心部2に
密着させた状態でパイプ状金属体Bを挿入する
か、または中心部に金属薄帯Cを巻きつけ、これ
と最外周部1との間の間隙S′内に金属粉末4とダ
イヤモンド粒子3との混合粉末Dを充填してか
ら、上記金属体Aの両端を密閉したものを予め製
造する。 第1図および第2図は上記金属体Aの構造を示
す模式図で、第1図はパイプ状金属体Bを用いた
場合、また第2図は金属薄帯Cを用いた場合であ
り、夫々aはその上面図、bは同側断面図であ
る。 次に上記両端を密閉した金属体Aを既知の熱間
押出し又は熱間圧延を施すか、または焼鈍のみを
施したのち、さらに冷間加工と焼鈍とを繰返し行
ない、所要線径の線材とする。 第3図は伸線途中での断面の金属組織の一例を
示す約15倍の顕微鏡写真である。 さらに、上記線材の最外層として残存している
前記金属体Aの最外周部1金属を研摩または酸洗
い等により除去することにより焼結された金属層
内にダイヤモンド粒子が均一に保持されてなる混
合層が線材最表面層として顕出しているダイヤモ
ンドインクラストワイヤを得るに至るのである。 この発明で用いる第1図に示す最外周部1、中
心部2の材質としては、一般に炭素鋼を用い、ま
た挿入するパイプ状金属体Bまたは金属薄帯Cの
材質としては、一般にNiやNi合金を用いるが、
使用する条件によつてはステンレス鋼やCu合金
等を用いてもよい。さらにこれらの材質は各々異
なつていてもよい。なお、これらの寸法は使用す
る最終線材の径や充填するダイヤモンドの粒径、
および充填比率によつて任意に選択することがで
きる。 また、ダイヤモンド粒子と混合する金属粉末
は、一般にNi粉やNi基合金粉が用いられるが、
これら以外にもCu粉やCu基合金粉、Fe粉やFe基
合金粉であつてもよい。 そして、前記粉末充填金属体Aの両端を密閉し
たのち、熱間押出し又は熱間圧延を施すか、また
は焼鈍のみを施し、さらに冷間加工と焼鈍とを繰
返し施して所要の線径の線材とするものである。 その後、伸線加工した鋼線において、最外層と
して残存する前記金属体の最外周部金属を機械
的、化学的方法により除去して線材表面に前記金
属粉末が焼結した金属とダイヤモンド粒子との混
合層を顕出せしめ、従来のメツキ法によるワイヤ
に比べ、より強固にダイヤモンドが密着している
とともに、従来のパイプ状金属や金属薄帯を用い
ず、伸線法によつて製造するワイヤに比べてダイ
ヤモンド粒子が中心部に食い込み、中心部に切欠
きが生じ、ワイヤとしての寿命が短いものとなる
おそれのないダイヤモンドインクラストワイヤを
得ることができるのである。 <実施例> 以下、実施例によりこの発明を詳細に説明す
る。 実施例 1 第1図に示す円筒状金属体Aの素材としては最
外周部1に一般構造用圧延鋼材(JIS−SS41)
を、中心部2には炭素工具鋼鋼材(JIS−SK7)
を用いた。このときの円筒状金属体Aの寸法とし
ては、最外径70mmφ、最外周部1の厚さ5mm、間
隙Sの幅6mmである。そして該間隙S内に内径48
mm、厚さ2mmの純Ni製チユーブBを挿入し、こ
のNiチユーブと最外周部1との間隙S′に純Ni粉
末と0.5重量%の炭素を混合したもの4に平均粒
度140μmのダイヤモンド粒子3を体積比で13%
混合した混合粉末Dを充填した後、金属体Aの両
端の間隙S部を溶接密閉した。 その後、1000℃で2時間加熱し、押出比15で押
出しを行なつた。さらに850℃での焼鈍と冷間伸
線加工を繰返し、1.0mmφの線材とした。この時
の引張強度は143Kg/mm2であつた。第3図は本実
施例における伸線途中での断面の組織構造の一例
を示す顕微鏡写真である。 これより明らかなように、ダイヤモンド粒子は
パイプ状Niによつて中心部から離れており、ダ
イヤモンド粒子が中心部に食い込み、切欠きをつ
けることはないことがわかつた。 これを濃度35%の塩酸溶液中に15分間浸漬して
線材の最外層として残存する金属体Aの最外周部
1の炭素鋼(SS41)を溶解除去してアルカリ溶
液で中和し洗浄した。 この方法により製造したダイヤモンドインクラ
ストワイヤは、外周部にはダイヤモンド粒子3が
均一に付着していると共に、内部ではダイヤモン
ド粒子が中心部に食い込むことがなく、切欠きの
ない長寿命のワイヤであることが認められた。 実施例2 第1図に示す円筒状金属体Aの素材としては、
最外周部1に一般構造用炭素鋼管(JIS STK30)
を、また中心部2にピアノ線材(JIS
SWRS72B)を用いた。この時の円筒状金属体A
の寸法としては、最大径20mm、最外周部1厚さ2
mm、中心部2の直径13mmである。そして、この中
心部2に厚さ0.1mmの純Ni薄帯を0.5mmの厚さに密
に巻きつけ、これと最外周部1との間隙S′に純
Ni粉末と0.5重量%の炭素を混合したもの4に平
均粒度15μmのダイヤモンド粒子3を体積比で13
%混合した混合粉末Dを充填したのち、金属体A
の両端の間隙S部を蓋止し溶接密閉した。 その後850℃での焼鈍と冷間伸線を7回繰返し、
直径0.2mmの線材とした。この時の引張強度は181
Kg/mm2であつた。これを濃度35%の塩酸溶液中に
20分間浸漬して線材の最外層として残存する金属
体A最外周部1の炭素鋼(STK30)を溶解除去
し、アルカリ溶液で中和し洗浄した。 このようにして製造したダイヤモンドインクラ
ストワイヤは従来のパイプ状金属体や金属薄帯を
用いず、伸線法によつて製造する同線径のダイヤ
モンドインクラストワイヤに比べて、後述する第
1表の結果より明らかなように、ダイヤモンド粒
子3が中心部2に食い込み、中心部に切欠きが生
じ、破断しやすいというおそれのない著しく寿命
の長いものであつた。
【表】
<発明の効果>
以上詳述のように、この発明の方法よりなるダ
イヤモンドインクラストワイヤは、従来の伸線法
によるワイヤに比べて、寿命が著しく長く、極め
てすぐれた切断用ワイヤとして広く利用でき、さ
らには面取加工などのワイヤとしても用いること
ができるのである。
イヤモンドインクラストワイヤは、従来の伸線法
によるワイヤに比べて、寿命が著しく長く、極め
てすぐれた切断用ワイヤとして広く利用でき、さ
らには面取加工などのワイヤとしても用いること
ができるのである。
第1図および第2図はこの発明に用いる円筒状
金属体の構造を示す模式図であつて、第1図は該
金属体がパイプ状金属体の場合を示し、同図aは
上面図、bは側断面図、第2図は該金属体が金属
薄帯の場合であつて、同図aは上面図、bは側断
面図、第3図はこの発明の方法による製造途中で
の線材断面の金属組織構造の一例を示す約15倍の
顕微鏡写真である。 A……円筒状金属体、B……パイプ状金属体、
C……金属薄帯、D……混合粉末、1……金属体
の最外周部、2……金属体の中心部、3……ダイ
ヤモンド粒子、4……金属粉末、S……金属体最
外周部と中心部との間隙、S′……金属体最外周部
とパイプ状金属体または金属薄帯との間隙。
金属体の構造を示す模式図であつて、第1図は該
金属体がパイプ状金属体の場合を示し、同図aは
上面図、bは側断面図、第2図は該金属体が金属
薄帯の場合であつて、同図aは上面図、bは側断
面図、第3図はこの発明の方法による製造途中で
の線材断面の金属組織構造の一例を示す約15倍の
顕微鏡写真である。 A……円筒状金属体、B……パイプ状金属体、
C……金属薄帯、D……混合粉末、1……金属体
の最外周部、2……金属体の中心部、3……ダイ
ヤモンド粒子、4……金属粉末、S……金属体最
外周部と中心部との間隙、S′……金属体最外周部
とパイプ状金属体または金属薄帯との間隙。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 円筒状金属体の中心部に、該金属体の内径よ
りも小さな外径を有する円柱状金属体を挿入して
なる所要寸法の金属体において、円筒状金属体と
の間に間〓ができるように、該中心円柱状金属体
に密着させた状態でパイプ状金属体を挿入する
か、または中心円柱状金属体に金属薄膜を巻きつ
け、これと円筒状金属体との間の間〓内に金属粉
末とダイヤモンド粒子との混合粉末を充填し、次
いで前記粉末充填金属体の両端を密閉したのち、
熱間押出し又は熱間圧延を施すか、または焼鈍の
みを施した後、さらに冷間加工と焼鈍とを繰返し
施して線材となすとともに、該線材の最外層とし
て残存する前記金属体の円筒状金属体部分を機械
的、化学的方法により除去して線材表面に前記金
属粉末が焼結した金属とダイヤモンド粒子との混
合層を顕出せしめることを特徴とするダイヤモン
ドインクラストワイヤの製造方法。 2 円筒状金属体と円柱状金属体および挿入する
パイプ状金属体または巻きつける金属薄帯とが同
種または異種の金属成分よりなる特許請求の範囲
第1項記載のダイヤモンドインクラストワイヤの
製造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14184486A JPS62297405A (ja) | 1986-06-17 | 1986-06-17 | ダイヤモンドインクラストワイヤの製造方法 |
CA 534908 CA1305324C (en) | 1986-04-17 | 1987-04-16 | Wire incrusted with abrasive grain and method for producing the same |
DE19873788673 DE3788673T2 (de) | 1986-04-17 | 1987-04-16 | Mit Schleifkörnern überkrusteter Draht und Verfahren zu seiner Herstellung. |
EP19870105714 EP0243825B1 (en) | 1986-04-17 | 1987-04-16 | Wire incrusted with abrasive grain and method for producing the same |
US07/039,253 US4866888A (en) | 1986-04-17 | 1987-04-17 | Wire incrusted with abrasive grain |
US07/333,647 US4964209A (en) | 1986-04-17 | 1989-04-05 | Method for producing a wire incrusted with abrasive grain |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14184486A JPS62297405A (ja) | 1986-06-17 | 1986-06-17 | ダイヤモンドインクラストワイヤの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62297405A JPS62297405A (ja) | 1987-12-24 |
JPH0313285B2 true JPH0313285B2 (ja) | 1991-02-22 |
Family
ID=15301471
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14184486A Granted JPS62297405A (ja) | 1986-04-17 | 1986-06-17 | ダイヤモンドインクラストワイヤの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62297405A (ja) |
-
1986
- 1986-06-17 JP JP14184486A patent/JPS62297405A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62297405A (ja) | 1987-12-24 |
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