JPH0313098Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車体のスペヤタイヤ保持装置に関し、
更に詳しくはスペヤタイヤとして走行タイヤより
も小径、幅狭のタイヤを保持する保持装置に関す
るものである。

（従来の技術） 従来、自動車のスペヤタイヤは走行タイヤと同
一サイズのものをスペヤタイヤとして格納してお
き、走行タイヤがパンクした場合には格納してあ
つたスペヤタイヤと交換しこれを走行タイヤとし
て使用すると共に、パンクしたタイヤは修理して
これをスペヤタイヤとして格納しておくのが一般
であつた。

ところが、近時自動車の軽量化の要請から走行
タイヤより小径、幅狭のタイヤがパンク時のタイ
ヤとして準備されるようになつた。すなわち、こ
のタイヤは走行に常用することなく走行タイヤの
パンクを修理するまで一時応急的に走行タイヤの
代用として使用するもので、言わば応急タイヤで
ある。したがつて、走行タイヤの修理後は使用中
の上記応急タイヤと修理したこの走行タイヤとを
ただちに交換して、もとの走行タイヤを常用する
ことを前提にしている。

したがつて、スペヤタイヤ保持装置は、寸法の
異なる応急タイヤおよび走行タイヤのいずれにも
使用できることが望まれる。このような観点か
ら、通常の走行タイヤとそれより狭巾で少径の応
急タイヤのいずれをも格納できるようにした吊下
げ式のスペヤタイヤ格納装置が特開昭57−955号
に提案されている。このスペヤタイヤ格納装置
は、スペヤタイヤハンガーのほかに、スペヤタイ
ヤと車体下面との間に置かれる補助部材としてス
ペーサを用い、該スペーサを上下裏返して使用す
ることにより、通常の走行タイヤと応急タイヤの
いずれも遊び無く保持できるようにした構成を有
する。この格納装置は、簡単な構成によりいずれ
のタイヤも保持できる利点はあるが、タイヤハン
ガとは別体のスペーサを用い、その載置の仕方に
より双方のタイヤハンガを保持するようにしてい
るので、タイヤの取付け作業に手間取るという問
題点があつた。

（考案の目的） 本考案の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑
み、簡単な構成で、取扱いが便利であり、応急タ
イヤおよび走行タイヤのいずれをも保持し得るス
ペヤタイヤ保持装置を提供することにある。

（考案の構成） そのために、本考案では、一端が車体に回動可
能に支持され、他端が車体に繁止可能とされたタ
イヤハンガを有し、該タイヤハンガと車体との間
にタイヤを挟持する車両のスペヤタイヤ保持装置
であつて、前記タイヤハンガのタイヤ載置面に
は、当該タイヤ載置面から突出され、応急タイヤ
のホイール部の車体外側面が載置可能な支持台を
有し、当該支持台は走行タイヤのホイール部の車
体内側面に嵌入可能であり、そのほぼ中央部に応
急タイヤのホイールセンタに嵌入する突起を有す
る車体のスペヤタイヤ保持装置を提供する。

このように構成した本考案においては、応急タ
イヤをそのホイール部の車体外側面が支持台に対
向した状態でその支持台上に載置して、タイヤハ
ンガの端部を車体に繁止すれば、その支持台と車
体との間に応急タイヤが挟持される。また、走行
タイヤをそのホイール部の車体内側面に支持台が
嵌入した状態にタイヤ載置面上に載置して、タイ
ヤハンガの端部を車体に繁止すれば、そのタイヤ
載置面と車体との間に走行タイヤが挟持される。

（考案の効果） 本考案によれば、タイヤハンガに、応急タイヤ
のホイール部の支持台を形成するという簡単な構
成により、スペーサ等の補助部材を用いることな
く応急タイヤおよび走行タイヤのいずれをも保持
することが可能となる。また、タイヤを保持装置
へ取り付けるにあたつても、タイヤの車体内側面
を上にするか下にするかという簡単は操作が必要
とされるのみであり、スペーサ等を挿着する必要
がないので取り付け作業が極めて簡単になる。加
えて、本考案は既知のスペアタイヤハンガ本体に
支持台を付設することによつて、簡単に実現で
き、その場合にはスペアタイヤハンガ本体が支持
台によつて補強されるという効果を有する。

（実施例） 以下に、図面を参照して本考案の実施例につい
て説明する。

第１図ないし第４図は本考案の一実施例を示す
ものである。第１図に示すように、本考案に係る
保持装置１は一般に車体２の後部下面３に設置さ
れ、破線で示すようにタイヤハンガ４と車体下面
３との間にタイヤ５が挟持される。

第２図に示すように、タイヤハンガ４は鋼管を
略Ｕ字形に屈曲して形成されている。このＵ字形
の両側部を形成する鋼管の直線部分４ａ，４a′に
より走行タイヤハンガの載置面が形成されてい
る。この直線部分４ａ，４a′は、Ｕ字形の解放端
側において上方に屈曲されて傾斜部４ｂ，４b′が
形成され、これら傾斜部４ｂ，４b′の先端が回動
自在に車体下面３に取り付けれれている。一方、
直線部分４ａ，４a′の他端側も、上方方へ屈曲さ
れて傾斜部４ｃ，４c′が形成され、これら傾斜部
４ｃ，４c′の先端は直線部分４ｄにより連ながつ
ている。この直線部分４ｄには、ハンガの取手と
しての鋼管４ｅが溶接されている。

６はタイヤハンガ４の繁止部であり、頭部が車
体下面３に着脱可能や取り付けられたボルト６ａ
を有し、そのボルト６ａの脚部に螺着されたナツ
ト６ｂにはタイヤハンガ４を繁止するためのフツ
ク金具６ｃが固着されている。このフツク金具６
ｃによりタイヤハンガ４の直線部分４ｄが繁止さ
れる。ここで、第３図、第４図に示すように、タ
イヤハンガ４がフツク金具６ｃによつて繁止され
た状態において、ハンガ４の直線部分４ａ，４
a′（タイヤ載置面）が車体下面３と平行となり、
またそれらの間隔Ｔが走行タイヤ５ａの幅に等し
くなるように設定されている。

一方、ハンガ４の直線部分４ａ，４a′間には、
これらを形成する鋼管よりも小径の鋼管４ｆ，４
f′が交差した状態で架け渡されている。これら両
部材４ｆ，４f′の交差点は、両直線部分４ａ，４
a′相互間の中央に位置するように設定され、また
両部材４ｆ，４f′はこの交差点を中心にして、応
急タイヤ５ｂのホイール部の車体外側面の直径に
ほぼ対応した長さに亘つて上方へ突出さている。
この突出部分は鋼管から成る円環４ｇにより連結
され、これによつて応急タイヤ５ｂのホイール支
持台４ｈが形成される。更に、両部材４ｆ，４
f′の交差点は上方に突出され、応急タイヤ５ｂの
ホイールセンタへの嵌入突起４ｉが形成されてい
る。ここで、ホイール支持台４ｈのタイヤ載置面
（直線部分４ａ，４a′）からの突出量は、第３図
に示すように、応急タイヤ５ｂのホイール部がこ
の支持台４ｈと車体下面３とにより挟持されるよ
うに設定されている。

このように構成した本実施例において、応急タ
イヤ５ｂを取付けるには、第３図に示すように、
タイヤハンガ４のホイール支持台４ｈ上に、応急
タイヤ５ｂのホイール部の車体外側面がその支持
台４ｈに対向した状態となるように応急タイヤを
載置し、応急タイヤ５ｂのホイールセンタに突起
４ｉが嵌入するように位置決めし、その後フツク
金具６ｃにタイヤハンガ４を繁止すればよい。こ
れにより、応急タイヤ５ｂはそのホイール部が両
側から支持台４ｈと車体下面とにより挟持され
る。次に、パンクした通常の走行タイヤ５ａを取
り付けるには、第４図に示すように、タイヤ載置
面（直線部分４ａ，４a′）上に、走行タイヤ５ａ
のホイール部の車体内側面に支持台４ｈが嵌入し
た状態となるように走行タイヤ５ａを載置し、そ
の後フツク金具６ｃにタイヤハンガ４を繁止すれ
ばよい。これにより、走行タイヤ５ａはタイヤ載
置面と車体下面との間に挟持される。

なお、上記実施例においては、ホイール支持台
４ｈを鋼管を用いて形成したが、例えば第５図に
示すように鋼板等の金属板により成形しても良い
ことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の取付位置を示す
図、第２図は本考案の一実施の全体構成を示す斜
視図、第３図は第２図の実施例において応急タイ
ヤの取付状態を示す側面図、第４図は第２図の実
施例において、走行タイヤの取付状態を示す側面
図、第５図は考案の他の実施例を示す斜視図であ
る。 ３……車体面、４……タイヤハンガ、４ａ，４
a′……直線部分、（タイヤ載置面）、４ｈ……ホイ
ール支持台、４ｇ……突起、５，５ａ，５ｂ……
タイヤ、６……繁止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端が車体に回動自在に支持され、他端が車体
   に繁止可能とされたタイヤハンガを有し、該タイ
   ヤハンガと車体との間にタイヤを挟持する車体の
   スペヤタイヤ保持装置であつて、前記タイヤハン
   ガのタイヤ載置面には、当該タイヤ載置面から突
   出され、応急タイヤのホイール部の車体外側面が
   載置可能な支持台を有し、当該支持台は走行タイ
   ヤのホイール部の車体内側面に嵌入可能であり、
   そのほぼ中央に応急タイヤのホイールセンタに嵌
   入する突起を有することを特徴とする車両のスペ
   ヤタイヤ保持装置。