JPH03130249A - 芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルの精製方法 - Google Patents

芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルの精製方法

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JPH03130249A
JPH03130249A JP16038990A JP16038990A JPH03130249A JP H03130249 A JPH03130249 A JP H03130249A JP 16038990 A JP16038990 A JP 16038990A JP 16038990 A JP16038990 A JP 16038990A JP H03130249 A JPH03130249 A JP H03130249A
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dicarboxylic acid
aromatic dicarboxylic
ester
raw material
aromatic
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JP16038990A
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Masayasu Ishibashi
正安 石橋
Yuichi Matsunaga
松永 雄一
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルの精
製方法に関する。
〔従来の技術〕
芳香族ポリエステルは1強度、ヤング率、耐薬品性など
に優れているため、高性能の樹脂や繊維などに使用され
ているが、色相の優れた芳香族ポリエステルを製造する
には、原料となる芳香族カルボン酸アリールエステル自
体にも色相の優れた高純度のものが要求される。
従来、芳香族ポリエステルの原料となる芳香族ジカルボ
ン酸ジアリールエステルなどの芳香族カルボン酸アリー
ルエステルの製造方法としては。
(a)芳香族カルボン酸と芳香族モノヒドロキシ化合物
とのエステル化反応による方法、(b)芳香族ジカルボ
ン酸アルキルエステルと芳香族モノヒドロキシ化合物と
のエステル交換反応による方法、(c)芳香族カルボン
酸アルキルエステルと脂肪族カルボン酸アリールエステ
ルとのエステル交換反応による方法、(d)芳香族ジカ
ルボン酸と脂肪族カルボン酸アリールエステルとの反応
による方法。
(e)芳香族カルボン酸の酸ハロゲン化合物と芳香族モ
ノヒドロキシ化合物との反応による方法、(f)芳香族
カルボン酸とジアリールカーボネートとの反応による方
法などがあげられる。
これらの方法により芳香族ジカルボン酸ジアリールエス
テルを製造する場合、通常芳香族ジカルボン酸モノアリ
ールエステルが副生するため、高純度の芳香族ジカルボ
ン酸ジアリールエステルが得られない、このため反応液
にさらにジアリールカーボネートを添加し、このジアリ
ールカーボネートと芳香族ジカルボン酸モノアリールエ
ステルとを反応させて、芳香族ジカルボン酸モノアリー
ルエステルを芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルに
変換し、芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルの濃度
を高めることが行われている。しかしこのような方法で
は、芳香族ジカルボン酸モノアリールエステルを芳香族
ジカルボン酸ジアリールエステルに変換するための工程
が増えるため好ましくない。
またこのような方法を含め、前記(a)〜(f)の方法
の反応生成物は1通常着色が著しいため、そのままでは
芳香族ポリエステルの原料として使用するには適さない
、このため、いくつかの芳香族カルボン酸アリールエス
テルの精製方法が提案されている。
芳香族カルボン酸アリールエステルの精製方法としては
1例えば再結晶溶剤として炭素数9〜10のアルキル置
換ベンゼンおよびモノクロロベンゼンよりなる群から選
ばれた1種または2種以上あるいはこれらの少なくとも
1種を主成分とする混合物を用いるテレフタル酸ジアリ
ールエステルの精製方法(特公昭55−47027号公
報)、再結晶溶剤として弐RO(CH,CH,0)、、
H(Rは炭素数1〜10の有機残基であり、nは1〜2
の数を表わす)で示されるアルコール類を用いるテレフ
タル酸ジアリールエステルの精製方法(特公昭46−3
7574号公報)、再結晶溶剤として沸点100〜25
0℃、融点20℃以下の芳香族炭化水素および活性水素
を分子内に持たない含窒素塩基性化合物を用いる芳香族
カルボン酸アリールエステルの精製方法(特開昭59−
36644号公報)などが提案されている。
しかし、従来の精製方法を芳香族ジカルボン酸ジアリー
ルエステルの精製に適用した場合、下記のような問題点
がある。
(イ)多量の再結晶溶剤を必要とする。
(α)再結晶溶剤を多量に用いるので、母液中に失われ
る被精製物の量が多くなり1回収率が低下する。
(ハ)再結晶溶剤を多電に用いるので1例えば溶剤とし
てプソイドクメンを用いて、テレフタル酸ジフェニルエ
ステルとイソフタル酸ジフェニルエステルとの混合物を
晶析して精製した場合、イソフタル酸ジフェニルエステ
ルの溶解度がテレフタル酸ジフェニルエステルの溶解度
よりも約10倍大きいため、精製前の混合物の組成比と
精製後の混合物の組成比が大きく違ってくる。
(ニ)色相の上で満足のいくものが得られない。
(ネ)芳香族ジカルボン酸モノアリールエステルを多量
に含む被精製物を精製した場合、芳香族ジカルボン酸モ
ノアリールエステルの分離、除去が不充分である。
(^)再結晶溶剤としてアルキル置換ベンゼンを単独で
使用した場合、結晶が容器の壁面に析出して強固に付着
しく以下、スケーリングと称す)、分離操作性の悪い結
晶形状となる。
(ト)再結晶溶剤としてアルコール類を単独で使用した
場合、芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルとアルコ
ールとの間でエステル交換反応が起こる。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上記のような問題点を解決するため、
再結晶に使用する溶剤を削減でき、しかも高純度で色相
の優れた芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルを分離
操作性のよい結晶状態で、かつ高回収率で得ることがで
きる芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルの精製方法
を提案することである。
本発明の他の目的は、芳香族ジカルボン酸モノアリール
エステル等の副生物や未反応の原料などを多量に含有す
る被精製物の場合でも、芳香族ジカルボン酸モノアリー
ルエステル等の副生物および未反応の原料などを容易に
分離、除去することができる芳香族ジカルボン酸ジアリ
ールエステルの精製方法を提案することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、次の芳香族ジカルボン酸ジアリールエステル
の精製方法である。
(1)芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルを再結晶
させて芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルを゛精製
する方法において、芳香族ジカルボン酸ジアリールエス
テルを再結晶溶剤に加熱溶解し、アルコール類の存在下
に冷却して芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルを析
出させることを特徴とする芳香族ジカルボン酸ジアリー
ルエステルの精製方法。
(2)芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルを再結晶
溶剤に加熱溶解した後、アルコール類を添加し、次に冷
却して芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルを析出さ
せる上記(1)記載の精製方法。
本発明の精製方法では、再結晶溶剤に芳香族ジカルボン
酸ジアリールエステル(以下、精製原料と呼ぶ場合があ
る)を加熱溶解した後、冷却して目的とする芳香族ジカ
ルボン酸ジアリールエステルを再結晶させて精製する際
、アルコール類の存在下に芳香族ジカルボン酸ジアリー
ルエステルを析出させる。この時精製原料中の不純物は
、再結晶溶剤およびアルコール類の混合液中に残り、精
製原料中から分離、除去することができる。精製原料中
の不純物としては、芳香族ジカルボン酸ジアリールエス
テルの製造に用いた原料、エステル化触媒、エステル化
反応で副生じた芳香族ジカルボン酸モノアリールエステ
ル等の副生物などがあげられ、これらも精製原料中から
他の不純物とともに分離、除去することができる。
本発明において精製の対象となる精製原料としては特に
制限はないが、例えば下記芳香族ジカルボン酸と下記芳
香族モノヒドロキシ化合物とのエステルなどを例示でき
る。
上記芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸
、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカ
ルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ナフタ
レン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン=1.5−ジ
カルボン酸、ナフタレン−1,6−ジカルボン酸、ナフ
タレン−1,7−ジカルボン酸、4,4′−ジフェニル
ジカルボン酸、3,3′−ジフェニルジカルボン酸、3
,4′−ジフェニルジカルボン酸、 2.2’−ジフェ
ニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルケトンジカル
ボン酸、3,3′−ジフェニルケトンジカルボン酸。
3.4′−ジフェニルケトンジカルボン酸、2,2′−
ジフェニルケトンジカルボン酸、  4.4’−ジフェ
ニルスルホンジカルボン酸、3,4′−ジフェニルスル
ホンジカルボン酸、3.3′−ジフェニルスルホンジカ
ルボン酸、 4.4’−スチルベンジカルボン酸、4,
4′−ジフェノキシエタンジカルボン酸、およびこれら
のハロゲンもしくは低級アルキル基等による置換体など
をあげることができる。ハロゲンとしては、例えば塩素
、臭素などをあげることができる。低級アルキル基とし
ては、例えば炭素数1〜4のアルキル基、具体的にはメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などをあげる
ことができる。置換体の具体的なものとしては、例えば
クロロテレフタル酸、5−クロロイソフタル酸、メチル
テレフタル酸、ジクロロテレフタル酸などをあげること
ができる。
前記芳香族モノヒドロキシ化合物としては:1個のヒド
ロキシル基が芳香環に直接結合した化合物が例示でき、
具体的にはフェノール、α−ナフトール、β−ナフトー
ル、およびこれらのハロゲン、低級アルキル基もしくは
アラルキル基等による置換体などをあげることができる
。ハロゲンとしては1例えば塩素、臭素などをあげるこ
とができる。低級アルキル基としては1例えば炭素数1
〜4のアルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基などをあげ、ることかできる、アラ
ルキル基としてはベンジル基などをあげることができる
。置換体の具体的なものとしては、例えばオルトクレゾ
ール、メタクレゾール、パラクレゾール、オルトクロロ
フェノール、メタクロロフェノール、パラクロロフェノ
ール、 2.3−キシレノール、2.4−キシレノール
、2,5−キシレノ−ル、2,6−キシレノール、3,
4−キシレノール、3゜5−キシレノール、ブチルフェ
ノール、ベンジルフェノールなどをあげることができる
芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルの具体的なもの
として、例えばテレフタル酸ジフェニルエステル(以下
、DPTと略記する場合がある)、イソフタル酸ジフェ
ニルエステル(以下、 DPIと略記する場合がある)
、テレフタル酸ジ(メチルフェニル)エステルなどをあ
げることができる。これらの中では、DPT、 DPl
、およびこれらの混合物が好ましい。
本発明の精製方法は、上記精製原料をそれぞれ単独で回
収する場合のほか、混合物、例えばDPIとDPIとの
混合物を混合物の形で回収する場合にも好適に採用でき
る。
本発明において精製の対象となる精製原料はどのような
方法で製造されたものでもよく、例えば(a)芳香族ジ
カルボン酸と芳香族モノヒドロキシ化合物とのエステル
化反応による方法、(b)芳香族ジカルボン酸アルキル
エステルと芳香族モノヒドロキシ化合物とのエステル交
換反応による方法。
(C)芳香族ジカルボン酸アルキルエステルと脂肪族カ
ルボン酸アリールエステルとのエステル交換反応による
方法、(d)芳香族ジカルボン酸と脂肪族カルボン酸ア
リールエステルとの反応による方法、(6)芳香族ジカ
ルボン酸の酸ハロゲン化合物と芳香族モノヒドロキシ化
合物との反応による方法、(f)芳香族ジカルボン酸と
ジアリールカーボネートとの反応による方法等により製
造されたものなどをあげることができる。これらの中で
は上記(a)の芳香族ジカルボン酸と芳香族モノヒドロ
キシ化合物とのエステル化反応により製造されるもの、
または(f)の芳香族ジカルボン酸とジアリールカーボ
ネートとの反応により製造されるものが好ましい。
本発明においては、精製原料として、前記(a)〜(f
)の製造方法などにより得られる反応液をそのまま使用
することができる。また反応液にジアリールカーボネー
トを加えて、芳香族ジカルボン酸モノアリールエステル
と反応させ、芳香族ジカルボン酸モノアリールエステル
を芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルに変換したも
のを、精製原料として使用することもできる。さらにこ
れらを蒸留などの方法により、特に減圧蒸留により予備
精製を行い、未反応の原料や副生物などを分離、除去し
たものを使用することもできる。
通常前記(a)〜(e)の製造方法により得られる反応
液中には、副生じた芳香族ジカルボン酸モノアリールエ
ステルが存在しているが、このような反応液をそのまま
精製原料とした場合でも、精製原料中から芳香族ジカル
ボン酸モノアリールエステルおよびその他の副生物を分
離、除去することができ、このためジアリールカーボネ
ートを添加して芳香族ジカルボン酸モノアリールエステ
ルを芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルに変換する
工程を省略することができる。
一方、このようなジアリールカーボネートによる芳香族
ジカルボン酸モノアリールエステルの変換を行った反応
液、または予備精製により未反応の原料や副生物などを
予め分離、除去したものを精製原料として精製した場合
、精製の精度は高くなり、さらに色相の優れた芳香族ジ
カルボン酸ジアリールエステルを得ることができる。
前記(a)の製造方法において使用される触媒も特に限
定されず、スズ、アンチモン、鉛、マンガン、コバルト
、チタン、ジルコニウム等の金属の酸化物、水酸化物、
酸素酸塩、カルボン酸塩、ハロゲン化物、フェノキシト
、アルコキシド等の化合物;シリカ、アルミナ、酸性白
土およびゼオライト等の固体酸触媒などの公知のエステ
ル化触媒をあげることができる。具体的な触媒としては
1.1,3.3−テトラブチル−1,3−ジフェノキシ
ジスタノキサン、酸化第一スズ、酢酸第一スズ、ジブチ
ルスズオキシド、酸化アンチモン、酢酸アンチモン、二
酸化アンチモン、酸化鉛、酢酸鉛などをあげることがで
きる。
本発明で使用する再結晶溶剤としては、精製原料の溶解
度が熱時に大きくて冷時には小さく、化学的に安定であ
り、比較的低沸点であるものが使用できる。
このような再結晶溶剤として具体的には1例えばトルエ
ン、0−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、混合
キシレン、1,2.4−トリメチルベンゼン(プソイド
クメン)等のアルキル置換ベンゼン;モノクロルベンゼ
ン等のハロゲン化ベンゼン;ブチルエーテル、アニソー
ル等のエーテル類;フェノール、クレゾール等のフェノ
ール類;ヘキサン。
ヘプタン、ドデカン等の脂肪族炭化水素などがあげられ
る。
これらの中ではアルキル置換ベンゼン、特にトルエン、
0−キシレン、II−キシレン、P−キシレン。
混合キシレン、プソイドクメンが好ましい、再結晶溶剤
としては、上記化合物を1種単独で使用してもよいし、
2種以上を混合して使用してもよい。
アルコール類、特に脂肪族アルコール類は精1に原料と
エステル交換反応して回収率が低下するので好ましくな
い。
本発明で使用するアルコール類としては1例えば下記一
般式〔1〕および〔2〕で表わされるアルコール群から
選ばれるアルコールをあげることができる。
R”−〇H・・・〔1〕 (式中 nlはアルキル基を示す、) R”−0−(CH,CH,O軸H・・・〔2〕(式中 
nlはアルキル基、nは1または2を示す、) 前記一般式〔1〕においてR1で示されるアルキル基と
しては9例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基およびイソプロピル基、イソブ
チル基、イソペンチル基等の前記アルキル基の異性体な
ど、炭素数1〜10のアルキル基をあげることができる
前記一般式〔1〕で表わされるアルコール類の具体的な
ものとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパ
ツール、イソプロパツール、ブタノール、イソブタノー
ル、ペンタノールなどをあげることができる。これらの
中ではメタノール、イソプロパツールが好ましい。
前記一般式〔2〕においてR8で示されるアルキル基と
しては、前記R1と同じ炭素数1〜10のアルキル基を
あげることができる。
前記一般式〔2〕におけるnは1または2であり、1の
方が好ましい。
前記一般式〔2〕で表わされるアルコール類の具体的な
ものとしては1例えばメトキシエタノール、エトキシエ
タノール、ブトキシェタノールなどをあげることができ
る。これらの中ではブトキシェタノールが好ましい。
アルコール類は1種単独で使用することもできるし、2
種以上を混合して使用することもできる。
本発明ではまず精製原料を再結晶溶剤に加熱溶解するが
、この時の溶解温度は精製原料が溶解する温度以上ない
し再結晶溶剤の沸点以下の温度が好ましく、50〜30
0℃を目安にすることができる。
また加熱溶解時の圧力は常圧〜100kg/cm”G、
好ましくは常圧〜10kg/c+m”Gが望ましい、ま
た加熱溶解の時間に特に制限はないが、0.1〜8時間
を目安にすることができる。
再結晶溶剤の使用割合は、溶剤の種類、温度。
精製原料の純度などにより異なるが、通常精製原料10
0重量部に対して1〜200重量部、好ましくは10〜
100重量部が望ましい。
再結晶精製処理にアルコール類を存在させるには、精製
原料を再結晶溶剤に加熱溶解した後添加する方法、加熱
溶解中に添加する方法、精製原料を再結晶溶剤とアルコ
ール類との混合液に溶解する方法、再結晶溶剤とアルコ
ール類を同時に添加する方法、再結晶溶剤の前にアルコ
ール類を添加する方法などが採用できるが、溶解温度等
の条件などにより精製原料とアルコール類との間でエス
テル交換反応が起る場合があるので、精製原料とアルコ
ール類との接触時間はできるだけ短くすることが好まし
い、したがって上記方法の中では。
精製原料を再結晶溶剤に加熱溶解した後、アルコール類
を添加する方法が特に好ましい、この場合、精製原料を
再結晶溶剤に溶解した溶液に対して活性炭処理等の別の
精製操作を行い、減圧蒸留などにより再結晶溶剤の一部
を留去した後、アルコール類を添加してもよい。
アルコール類の使用割合は、アルコールの種類、温度、
精製原料の純度などにより異なるが、通常精製原料10
0重麓部に対して10〜SOO重量部、好ましくは50
〜200重量部が望ましい。
本発明で使用するアルコール類は精製原料を溶解する溶
剤として使用されるものではないため、メタノールなど
の精製原料溶解性の小さいアルコールを使用しても何ら
問題はない。
アルコール類は芳香族ジカルボン酸ジアリールエステル
との間でエステル交換反応を起しやすいが1本発明にお
いては、このようなアルコール類を前記再結晶溶剤とと
もに使用するため、アルコール類を単独で使用した場合
と比較してエステル交換反応は起り難い、さらに精ga
s料を再結晶溶剤に加熱溶解した後、アルコール類を添
加して冷却することにより、エステル交換反応による悪
影響を軽減することもできる。
精製原料を再結晶溶剤に加熱溶解後、アルコール類の存
在下に冷却して芳香族ジカルボン酸ジアリールエステル
の結晶を析出させる際、冷却温度は加熱溶解温度より低
い温度、通常0〜50℃が好ましい。
このようにして冷却を行うことにより、芳香族ジカルボ
ン酸ジアリールエステルの結晶が液中に析出し、スケー
リングも生じない、このとき精製原料中の不純物は、ア
ルコール類または再結晶溶剤に溶解して液中に残り、高
純度で白色度の高い結晶が析出する。精製原料として芳
香族ジカルボン酸モノアリールエステルを含有するもの
を使用した場合にも、芳香族ジカルボン酸モノアリール
エステルは液中に残るので、芳香族ジカルボン酸ジアリ
ールエステルから容易に分離、除去することができる。
析出した芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルの結晶
は、ろ過、遠心分離などの方法により容易に固液分離で
きる。
本発明の精製方法においては、再結晶精製処理の前およ
び/または後に活性白土または活性炭などを用いた処理
を行ってもよく、また加熱溶解時または冷却時に活性白
土または活性炭などを共存させることもできる。
本発明の再結晶精製処理は2度以上繰返して行うことが
できる。また、再結晶精製処理の前および/または後に
蒸留または水素添加などの処理を行うことにより、特に
減圧蒸留を行うことにより、より好ましい純度で精製芳
香族ジカルボン酸ジアリールエステルを得ることができ
る。
以上のようにして精製された芳香族ジカルボン酸ジアリ
ールエステルは、芳香族ジカルボン酸モノアリールエス
テルの含有量も少なく、また高純度で色相が優れている
ため、芳香族ポリエステルの製造原料、プロピレン・エ
チレン・テレフタレート樹脂の改質材などとして好適に
使用できる。
〔発明の効果〕
本発明の精製方法によれば、精製原料を再結晶溶剤に溶
解し、アルコール類の存在下に冷却して芳香族ジカルボ
ン酸ジアリールエステルを析出させるようにしたので、
再結晶に使用する溶剤を削減でき、しかも高純度で色相
の優れた芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルを、ス
ケーリングを起すことなく分離操作性のよい結晶状態で
、かつ高回収率で得ることができる。
また本発明の精製方法によれば、芳香族ジカルボン酸モ
ノアリールエステル等の副生物や未反応の原料などを多
量に含有する精製原料の場合でも、芳香族ジカルボン酸
モノアリールエステル等の副生物および未反応の原料な
どを容易に分離、除去することができるので、芳香族ジ
カルボン酸モノアリールエステルを芳香族ジカルボン酸
ジアリールエステルに変換する工程や予備精製工程を省
略することもできる。
さらに本発明の精製方法によれば、精製原料として溶解
度の異なる芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルの混
合物、例えばテレフタル酸ジフェニルエステルとイソフ
タル酸ジフェニルエステルとの混合物を用いた場合、精
製による混合物の組成変化を小さくすることができる。
(実施例〕 以下、本発明の実施例について説明する。なお、部は重
量部を示す。
実施例1 イソフタル酸22.6g、テレフタル酸22.6g、フ
ェノール204.8.および触媒としての1.1,3.
3−テトラブチル−1,3−ジフェノキシジスタノキサ
ン0.18gを。
攪拌機および充填塔式蒸留塔を備えたオートクレーブに
装填した1次に280℃、約8 kg/a#Gの下に加
熱し、生成する水をフェノールとともに、上記蒸留塔の
塔頂より7時間に亘って留出させた。得られた反応液を
液体クロマトグラフィーで分析した結果、フェノール1
2.4重電%、イソフタル酸モノフェニルエステル(M
PI)3.0重量%、テレフタル酸モノフェニルエステ
ル(MPT)3.4重量%、イソフタル酸ジフェニルエ
ステル(DPI) 40.9重量%およびテレフタル酸
ジフェニルエステル(DPT) 40.3重量%であっ
た。
この反応液20gを混合キシレン20gに130℃にて
加熱溶解した。その後加熱を停止し、ブトキシェタノー
ル50mff1を加えた後、20℃まで冷却した。得ら
れたスラリーを遠心分離して得られた結晶の組成は、フ
ェノールトレース量、 MPI O,2重量%。
MPT O,1重量%、 DPI 44.0重量%、・
DP755.6重量%であった。
以上の結果から、アルコール類を添加する本発明の精製
方法は、エステル化反応により得られる反応液をそのま
ま精製原料として用いても、芳香族ジカルボン酸モノア
リールエステル(MPI、MPT)および製造原料(フ
ェノール)を容易に分離、除去することができ、高純度
の゛芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルが得られる
ことがわかる。
実施例2 テレフタル酸166g、ジフェニルカーボネート642
gを撹拌機および充填式蒸留塔を備えたオートクレーブ
に充填した0次に250℃に加熱し、生成する二酸化炭
素およびフェノールを上記蒸留塔の塔頂より6時間に亘
って留出させた0反応生成物は混合キシレンを用いて再
結晶を行い、  DPTの純度が99.8%、結晶色相
す値が2.5の粗DPTを得た。
テレフタル酸ジフェニルエステル(DPT)とイソフタ
ル酸ジフェニルエステル(DPI)との混合割合がDP
T/DPIの重量比で171となるように、上記粗DP
Tおよびヘキストセラニーズ社製の粗DPIを混合した
。この粗DPT/DPI混合物(結晶色相す値2.9)
40部に、プソイドクメン60部を加え、130℃加熱
下に溶解した。この溶液にブトキシェタノール80部を
加えた後冷却し、結晶を析出させた。析出した結晶はス
ケーリングすることなく、分離操作は容易であった。結
果を表1に示す。
実施例3 実施例2で得たDPTとDPIとの混合割合がDPT/
DPIの重量比で171の粗DPT/DPI混合物(結
晶色相す値2.9) 40部、混合キシレン200部お
よび活性炭5部を加え、粗DPT/DPI混合物溶解後
100℃で1時間活性炭処理を行った。活性炭除去後、
140℃で減圧下に混合キシレン160部を留去した。
その後系内を常圧に戻し、ブトキシェタノール80部を
加え、冷却して結晶を析出させた。析出した結晶はスケ
ーリングすることなく、分離操作は容易であった。結果
を表1に示す。
実施例4 ヘキストセラニーズ社製の結晶色相す値が2.8のDP
I 100部を混合キシレン125部に加え、90℃加
熱下に溶解した。この溶液にイソプロパツール50部を
加え、冷却して結晶を析出させた。析出した結晶はスケ
ーリングすることなく、分離操作は容易であった。結果
を表1に示す。
実施例5 実施例4において、混合キシレンをトルエンに替えて同
様の操作を行った。析出した結晶はスケーリングするこ
となく、分離操作は容易であった。
結果を表1に示す。
実施例6 実施例5において、イソプロパツールをメタノールに替
えて同様の操作を行った。析出した結晶はスケーリング
することなく1分離操作は容易であった。結果を表1に
示す。
実施例7 実施例4で用いた結晶色相す値が2.8のDPI 10
0部、トルエン200部および活性炭10部を仕込み。
DPI溶解後90℃で1時間活性炭処理を行った。活性
炭除去後、80℃で減圧下にトルエン75部を留去した
。その後系内を常圧に戻し、イソブロパノール50部を
加え、冷却して結晶を析出させた。析出した結晶はスケ
ーリングすることなく1分離操作は容易であった。結果
を表1に示す。
実施例8 実施例4で用いた結晶色相す値が2.8のDPI 10
0部をブトキシェタノール200部およびトルエン12
5部の混合液に溶解後90℃で1時間撹拌を行った。
その後室温まで冷却し、結晶を析出させた。析出した結
晶はスケーリングすることなく、分離操作は容易であっ
た。結果を表1に示す、なお液体クロマトグラフィーに
よる分析ではエステル交換反応によるフェノールの生成
は確認されなかった。
比較例1 実施例2において、ブトキシェタノールを添加しないで
同様の操作を行った。析出した結晶はスケーリングが起
り、結晶の取出しが困難であった。
結果を表1に示す。
比較例2 実施例2において、ブトキシェタノールを添加せず、プ
ソイドクメンを140部使用して晶析操作を行った。析
出した結晶はスケーリングが起り。
結晶の取出しが困難であった。結果を表1に示す。
比較例3 実施例4において、イソプロパツールを添加しないで同
様の操作を行った。析出した結晶はスケーリングが起り
、結晶の取出しが困難であった。
結果を表1に示す。
比較例4 実施例7において、イソプロパツールを添加しないで同
様の操作を行った。析出した結晶はスケーリングが起り
、結晶の取出しが困難であった。
結果を表1に示す。
比較例5 実施例4で用いた結晶色相す値が2.8のDPI 10
0部をブトキシェタノール300部に140℃で溶解し
、140℃で1時間撹拌を行った。その後室温まで冷却
し結晶を析出させた。結果を表1に示す、なお液体クロ
マトグラフィー分析により、フェノールの生成が確認さ
れた。フェノールはエステル交換反応により生成したも
のと認められる。
表1から、アルコール類を添加する本発明の精製方法は
、アルコール類を添加しない方法に比べて回収率をほと
んど変えず、色相の良好な結晶が取扱い容易な状態で得
られることがわかる。
さらに精製原料がDPTとDPIとの混合物である場合
、精製前のDPT/DPIの組成比と精製後のDPT/
DPIの組成比の変化が小さいことがわかる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルを再結晶
    させて芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルを精製す
    る方法において、芳香族ジカルボン酸ジアリールエステ
    ルを再結晶溶剤に加熱溶解し、アルコール類の存在下に
    冷却して芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルを析出
    させることを特徴とする芳香族ジカルボン酸ジアリール
    エステルの精製方法。(2)芳香族ジカルボン酸ジアリ
    ールエステルを再結晶溶剤に加熱溶解した後、アルコー
    ル類を添加し、次に冷却して芳香族ジカルボン酸ジアリ
    ールエステルを析出させる請求項(1)記載の精製方法
JP16038990A 1989-07-31 1990-06-19 芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルの精製方法 Pending JPH03130249A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1-198719 1989-07-31
JP19871989 1989-07-31

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JPH03130249A true JPH03130249A (ja) 1991-06-04

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