JPH0312863Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、便器本体下部の余剰スペースを有効
に利用した水洗式腰掛便器に関する。

［従来の技術］ 従来から、便所内には様々な用途のために汚物
入れを備えることが通常である。

このような汚物入れは、便器とは独立した容器
で、内部に投入された汚物類を処理するために定
期的に持ち出し、汚物の廃棄を行うとともに容器
自体を清潔に保つことが必要である。

［考案が解決しようとする問題点］ しかし、このように便所内の床面に汚物入れを
置いておくと、便所の掃除等の場合に邪魔になり
容器を倒して汚物を床面に洩らしたりする等極め
て不衛生な問題がある。

また、汚物の種類によつては人目に触れること
が好ましくないものもあるので、便器と独立して
放置状態に便所内に床面に置いておくこと自体に
も少なからず問題がある。

本考案の目的は、便所に必須の汚物入れのため
の容器を便器本体に一体的に収納可能とし、便所
内の掃除等の支障となること及び汚物の露呈を防
いで、便所内を衛生的な環境とすることにある。

［問題点を解決するための手段及び作用］ 本考案は、ボール部下部のトラツプ部から便器
本体の後部側へ排水路を形成しかつ上記便器本体
の前部側下部に中空状の脚部を形成した水洗式腰
掛便器であつて、上記脚部が便器本体の正面側を
向く面を開放した収納部を該脚部の中に設け、該
収納部に便器本体の前後方向に出し入れ自在な汚
物投棄用等の容器を組み込んだことを特徴とす
る。

この構成によるとき、汚物用の容器は便器本体
の一部として組み込まれるので、便所の床等に汚
物を捨てるための容器を置き放しにする必要がな
くなる。また、容器の収納部は便器本体の下部側
に隠れるようになり、容器は便器本体の前側から
前後方向に引き出して使えるので、便器に腰掛け
たまま汚物を捨てるときには汚物が人の大腿部や
脚の上を跨ぐように通ることがなく、衣服や身体
を汚すことなく衛生的に使える。

［実施例］ 以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を説
明する。

第１図は本考案に係る水洗式腰掛便器の斜視
図、第２図は便器本体のみの縦断面図である。

本例における腰掛便器は、ボール部内の水封量
を大きくするとともに、ジエツト水噴出口を備え
た「サイホンジエツト式」の水洗便器である。

便器本体１はその後部に配置した洗浄水タンク
２に連通するリム通水路３、下部にトラツプ部５
を形成するボール部４、トラツプ部５に連通して
汚物を洗浄水とともに排出する排水路６、便器本
体１の下部に開口し排水路６を床面下に配管した
排水管（図示せず）に連結するための排出口７を
形成し、さらに洗浄水タンク２に別の流路（図示
せず）によつて連通しトラツプ部５に開口するジ
エツト水噴出口８を設けている。

排水路６及び排出口７はトラツプ部５より後部
側に位置し、便器本体１の前部側におけるボール
部４の下位の脚部９内は中空状である。

１０はこの脚部９内を開放する開口で、内部に
は隔壁１１によつて収納部１２を形成し、この収
納部１２には汚物等を入れるための容器１３を矢
印方向に出し入れ自在に備えている。

容器１３は、合成樹脂またはホーロー引き等で
形成し、収納部１２からの出し入れの際に隔壁１
１面を円滑に摺動して異音の発生を防ぎ、また前
面には指先で引き出せるように把手１４を設けて
いる。

本考案の腰掛便器では、上記のように汚物等を
投入する容器１３を便器本体１内の下部に一体的
に収納する構成なので、便所内に汚物入れを別途
備える必要がない。

従つて、便所内を清潔な雰囲気とすることがで
き、掃除の場合も何等の障害物が便器本体１周り
にないので簡単にでき、常に便所を衛生的に使用
できる。

また、汚物を投入した後の容器１３を収納部１
２に収容すれば、汚物が露呈することはなく、使
用者に不快感を与えることもない。そして、収納
部１２は便器本体１の下部に設けているので、目
立つことがなく、男女兼用の便所においても支障
なく使用できる。

なお、容器１３は汚物を捨てるためだけでな
く、消臭用の芳香剤やその他の小物備品の収納用
としても使うことができる。

［考案の効果］ 本考案では、便器本体の下部側の脚部に収納部
を設けて便器本体の正面部分から前後方向に出し
入れできる容器をこの収納部に組み込んでいる。
このため、汚物投棄用等の容器を便所に床に置き
放しにする場合に比べると、便所の環境が衛生的
に保たれ便所の掃除も簡単になる。また、容器は
便器本体の下部側にあつて見え難く外観上の問題
もなく使える。更に、正面側から容器を取り扱え
るので、便器本体を便所の扉に向けたレイアウト
の場合では便器本体の手前の開いたスペースを利
用して容器からの汚物の取り出しを簡単に行うこ
とができる。また、容器は便器本体の正面側の前
面に引き出せるので、便器に座つたまま汚物を捨
てるときでも大腿部や脚を汚すことはなく、清潔
な使い勝手が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る水洗式腰掛便器の斜視
図、第２図は便器本体のみの縦断面図である。 １……便器本体、４……ボール部、５……トラ
ツプ部、６……排水路、７……排出口、９……脚
部、１０……開口、１１……隔壁、１２……収納
部、１３……容器、１４……把手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボール部下部のトラツプ部から便器本体の後部
   側へ排水路を形成しかつ上記便器本体の前部側下
   部に中空状の脚部を形成した水洗式腰掛便器であ
   つて、上記脚部が便器本体の正面側を向く面を開
   放した収納部を該脚部の中に設け、該収納部に便
   器本体の前後方向に出し入れ自在な汚物投棄用等
   の容器を組み込んだことを特徴とする水洗式腰掛
   便器。