JPH0312704Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、例えばリキツドフアンデーシヨンの
ようなクリーム状化粧料を加圧して少量ずつ小出
しするクリーム状物注出容器に関する。

「従来の技術」 従来、この種化粧料の容器としては壜形のもの
が基本であり、化粧の都度開蓋し中身を指先です
くって顔面に点々と塗りつけ、この後ひきのばし
て化粧している。

「考案が解決しようとする問題点」 前記のように、容器としては壜形なので携帯に
不便であり、またいちいち指先ですくって塗るの
で化粧に手間がかかり、忙しいときには面倒であ
る。

本考案は、外形をペンシル形として携帯、取扱
いに便なる形状とし、また注出孔部を顔面に当て
ノツク式ペンのように押釦を押し操作して少量ず
つ小出しして顔面に直接塗布する構成とし、手間
を省き従って化粧時間を短縮できるようにしたク
リーム状物注出容器を得るにある。

「問題点を解決するための手段」 本考案のクリーム状物注出容器は、細長な直筒
状の胴体９を有し、この胴体９の頂部開口に配し
した一定ストローク押下げ可能な押釦１０から軸
芯部に押棒１１を立下げ、この押棒１１と胴体９
間の内部に液密に上下摺動可能なドーナツ状の可
動蓋１２を内装した容器体１と、球面状に垂下し
た外面を有し、かつ底部中央に取付孔を開孔して
前記容器体１下端開口部に取付け固定され、取付
孔周りの底部内面を平坦面イに形成した下部口部
部材２と前記平坦面イに載置される放射方向の数
本の足１３を有し前記取付孔にこの取付孔周縁と
の間に注出孔１４となる隙間を設けて配設された
注出孔部材３と、頂板中央に前記押棒１１下端部
を遊挿させこの押棒１１周りの隙間を吸込み孔１
５として前記容器体１下部に内嵌固定された貯溜
室胴部材４と、中央部に吐出孔１６を開孔して前
記胴部材４下面部に配設され、吐出孔１６部に吐
出弁１７を設けた吐出弁部材５と、前記押棒１１
下端に軸部１８により結合されて前記胴部材４中
間部にこの胴部材４内周と隙間ロを設けて内装さ
れ、この胴部材４内を連通する上下の貯溜室Ａ，
Ｂに形成するピストン６と、このピストン６軸部
１８上部外面と胴部材４内面間に配設された吸込
み弁７と、前記ピストン６を介し押棒１１、押釦
１０を常時上方に押上げ付勢する復帰ばね８とで
構成している。

「作 用」 上記にて、常時はピストン６及び押棒１１、押
釦１０は復帰ばね８で図示上限位置に押上げら
れ、また貯溜室Ａ，Ｂには吸込み弁７を介し吸込
まれた内容物が満たされており、この状態で吸込
み弁７、吐出弁１７は閉弁している。

ここで、化粧時には下部口部部材２の底部であ
る注出孔１４部を顔面の所要個所に押しあて、指
先で押釦１０を復帰ばね８に抗して押込む。する
と押棒１１、ピストン６が同体に下方に移動し、
ピストン６が貯溜室Ｂ内の内容物を加圧するの
で、この内容物は注出弁１７を閉弁し足１３間の
間隙を介し注出孔１４から顔面に注出されて塗布
する。

注出が終了したことで押釦１０の押込み停止す
ると、この押釦１０、押棒１１、ピストン６が復
帰するが、この復帰で貯溜室Ｂが負圧化するので
貯溜室Ａ内の内容物が貯溜室Ｂ内に吸込まれ、こ
の吸込みで貯溜室Ａ内が負圧化するので、容器胴
体９内の内容物が吸込み弁７を開弁して貯溜室Ａ
内に吸込まれ、各部は原状態に復帰する。

以上の操作を繰返し、化粧料を顔面の所要部に
点々と塗布する。

「実施例」 添付図が示す実施例は、既述した「問題点を解
決するための手段」で述べたところと同様であ
り、重複を避けるために該既述部分についての説
明は省略し、既述しない事項についてのみ説明す
る。

容器体１の胴体９上端内周には内向きの突出部
１９があり、押釦１０は外向きフランジ２０をこ
の突出部１９の下側に係合して抜け出さないよう
にしてあり、また胴体９の上端の一側を切欠き、
この切欠き部２１から指により押釦１０を押下げ
操作するようにしてある。従って、押釦１０と胴
体９の頂面を面一とすることができ、これにより
押釦１０を不用意に押下げ操作するようなことが
なくなり、同時に押釦１０の押下げストロークを
一定化できる。可動蓋１２は軟質合成樹脂等から
なり、胴体９側周縁を断面弧状の弾性周壁２２
に、押棒１１側周縁を内上方の弾性傾斜周壁２３
に形成して胴体９内面、押棒１１外面に圧接さ
せ、液密に上下摺動可能としてある。尚、押釦１
０の一部に通気用の例えば小孔２４を明け、可動
蓋１２との間の空間ハが負圧化しないようにして
おく。

下部口部部材２は、拡径した上部を前記容器胴
体９下部外面に螺着により取付け固定されてお
り、中間部外周には螺条２５を、また内周には係
合凹溝を形成し、そして底部の取付孔は下すぼま
りに幾分傾斜させてある。

注出口部材３は、その外周面を前記取付孔に対
応して傾斜させてある。

貯溜室用胴部材４は、外周壁４ａと内周壁４ｂ
とを一体に組合わせて形成し、外周壁４ａ下部外
面の係合突条２６を前記係合凹溝に係合させて下
部口部部材２に固定されており、また内周壁４ｂ
下面から係合周壁２７を垂設している。この胴部
材４は２部材で形成する必要はなく、一部材で形
成してもよい。

吐出弁部材５は、前記胴部材４下端開口を塞ぐ
基板の周縁を断面Ｕ字状部とし、このＵ字状部で
前記取付用周壁２７を挟着し、かつこの部を胴部
材４と下部口部部材２間に挟持させて固定してあ
る。吐出弁１７は逆さカツプ形の形状で、弾性頂
板に舌状の弁部を切設した逆止弁機能であり、周
壁部をＵ字状部に内嵌して吐出孔１６部下面に配
設されている。

ピストン６の軸部１８には、頂板を有する部材
２８を嵌合固定し、また下面には輪状の深溝を凹
設し、この深溝と吐出弁部材５の基板間に配設し
たコイル状の復帰ばね８によ上方に押上げられて
いる。

このピストン６で形成された上下の貯溜室Ａ，
Ｂは略同じ大きさで、指先ですくわれる化粧料の
量程度の大きさに整定される。貯溜室をＡ，B2
室に形成したのは、貯溜室が１室であると復帰時
の吸込み作用の切れ目が判然とせず、このため吸
込み量を一定量に切ることが困難で定量貯溜がむ
ずかしくなるが、２室構成とすると両室Ａ，Ｂ間
での液切りが可能となり、このため貯溜室Ｂ内の
定量貯溜が可能となり、従って定量注出が可能と
なるためである。

吸込み弁７は軟質合成樹脂材からなるドーナツ
状の逆止弁機能のもので、ピストン６の部材１８
上部に嵌合固定され、下方に拡開したスカート状
の弾性弁体の周縁が胴部材４内面に圧接してい
る。

２９，３０はパツキングを示す。３１はキヤツ
プで、前記螺条２５に螺合して下部口部部材２外
面に嵌合装着され、また裏面に注出孔１４外囲を
塞ぐリング状の突縁３２が設けてある。

上記各部は合成樹脂材で成形製作する。

「考案の効果」 上記本考案によれば、貯溜室をＡ，B2室に分
け、容器胴体９内の内容物を一旦貯溜室Ａに吸込
み、つぎにこれを注出用の貯溜室Ｂに吸込む２段
構成としたので、吸込みの液切りれが良好となつ
て定量貯溜が可能となり、しかも押釦１０の押込
みストロークが一定なので少量ずつ定量を小出し
注出することが可能となり、従って注出孔１４部
を顔面に押しあて直接顔面に化粧料を注出塗布す
る化粧法が可能となり、化粧の手間が省け、化粧
に要する時間が短縮できる。また操作はノツク式
ペンのように頭部の押釦１０を指先で押込めばよ
く、何の面倒もなく簡単であり、しかも全体形状
がペンシル形なので持ち運びに便利で、携帯用に
適している。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案クリーム状物注出容器の一実
施例の半部縦断面図である。 １…容器体、２…下部口部部材、３…注出孔部
材、４…貯溜室用胴部材、５…吐出弁部材、６…
ピストン、７…吸込み弁、８…復帰ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 細長な直筒状の胴体９を有し、この胴体９の頂
   部開口に配した一定ストローク押下げ可能な押釦
   １０から軸芯部に押棒１１を立下げ、この押棒１
   １と胴体９間の内部に液密に上下摺動可能なドー
   ナツ状の可動蓋１２を内装した容器体１と、球面
   状に垂下した外面を有し、かつ底部中央に取付孔
   を開孔して前記容器体１下端開口部に取付け固定
   され、取付孔周りの底部内面を平坦面イに形成し
   た下部口部部材２と、前記平坦面イに載置される
   放射方向の数本の足１３を有し前記取付孔にこの
   取付孔周縁との間に注出孔１４となる隙間を設け
   て配設された注出孔部材３と、頂板中央に前記押
   棒１１下端部を遊挿させこの押棒１１周りの隙間
   を吸込み孔１５として前記容器体１下部に内嵌固
   定された貯溜室用胴部材４と、中央部に吐出孔１
   ６を開孔して前記胴部材４下面部に配設され、吐
   出孔１６部に吐出弁１７を設けた吐出弁部材５
   と、前記押棒１１下端に軸部１８により結合され
   て前記胴部材４中間部にこの胴部材４内周と隙間
   ロを設けて内装され、この胴部材４内を連通する
   上下の貯溜室Ａ，Ｂに形成するピストン６と、こ
   のピストン６軸部１８上部外面と胴部材４内面間
   に配設された吸込み弁７と、前記ピストン６を介
   し押棒１１、押釦１０を常時上方に押上げ付勢す
   る復帰ばね８とからなるクリーム状物注出容器。