JPH0312410Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、軽量Ｈ形鋼を２分して断面形状が
Ｔ字形状とされたこのＴ字の頭部の面の内部応力
の不均衡によつて生じた歪を修正する修正装置に
関する。

〔従来の技術〕

従来、軽量Ｈ形鋼を２分して断面形状がＴ字形
状となるように切断された鋼材の歪は、歪んだ部
分に熱を加えるかあるいは、外力を加えるかによ
つて歪の修正が行われていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、前記のように熱を加えて歪を修正する
にはバーナ等の熱設備が必要となり、火気の取扱
等に注意を払わなければならない問題点があり、
外力を加えて歪を修正するには断続的に外力を加
えるようにするため、手数がかかり省力化が計れ
ない問題点がある。それに加えて、各歪の修正作
業は断続的に行われるため自動化し難いという問
題点がある。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、
その具体的手段は、被修正物を送る下ガイドロー
ルと上ガイドロールとを有するガイド部を架台の
前、後に設け、この両ガイド部間に複数の固定ロ
ール部と複数の移動ロール部とを交互に配設し、
前記各固定ロール部は夫々、架台に設置された枠
体と、該枠体に回転自在に保持され且つ被修正物
にその外側から当接可能となるように配置された
外ロールとを有し、前記各移動ロール部は夫々、
架台に設置された外枠と、該外枠に移動可能に嵌
入された内枠と、該内枠に回転自在に保持され且
つ被修正物にその内側から当接可能となるように
配置された内ロールと、前記外枠に回転自在に嵌
入されると共に前記内枠にねじ結合され且つその
回転によつて該内枠とのねじ結合の螺合深さが変
わることにより前記内枠及び内ロールを被修正物
の内外方向に対して移動させる引軸とを有し、前
記下ガイドロール及び外ロールを駆動機で駆動さ
せると共に、被修正物を前記外ロールと内ロール
との間を通過させるように構成したところにあ
る。

〔作用〕

上記手段によると、駆動機の動作によりガイド
部の下ガイドロールが駆動され、この下ガイドロ
ールと上ガイドロールとにより被修正物が一定方
向に送られる。この場合、被修正物は、複数の固
定ロール部の外ロールと、これと交互に配設され
た複数の移動ロール部の内ロールとの間を通過す
ることになるが、前記各外ロールは被修正物に外
側から当接し且つ前記各内ロールは被修正物に内
側から当接することになり、これにより被修正物
の歪が修正されることになる。そして、前記内ロ
ールを保持している内枠は、架台に設置された外
枠に移動可能に嵌入されており、引軸を適宜回転
させることにより該引軸と内枠とのねじ結合の螺
合深さが変わり、これに伴つて内枠ひいては内ロ
ールが被修正物の内外方向に対して移動すること
になる。このように、内ロールを被修正物の内外
方向に対して移動させることにより、被修正物の
内外方向に対する外ロールと内ロールとの間の離
間寸法が調節されることになるので、歪の修正度
を自由に変化させて被修正物の歪を修正できるこ
ととなる。尚、前記外ロールも駆動機により駆動
されるので、被修正物が外ロールと内ロールとの
間を通過する際には、この外ロールも被修正物を
一定方向に送るための作用に関与することとな
る。

〔実施例〕

この考案の実施例を以下図面に基づいて説明す
る。

この考案の実施例の修正装置１は、第１図及び
第２図に示すように、架台２上に設置された前ガ
イド部３、後ガイド部４、複数の固定ロール部
５、複数の移動ロール部６及び駆動機７で構成さ
れていて、軽量Ｈ形鋼を２分して断面形状がＴ字
形状となつた２つの鋼材８ａ，８ｂの歪を同時に
修正するものである。前記架台２は鋼材で枠組さ
れていて、この架台２上の前端部及び後端部の中
央にそれぞれ前ガイド部３及び後ガイド部４が設
けられている。各ガイド部３，４は門型枠９、下
ガイドロール１０及び上ガイドロール１１から構
成されている。下ガイドロール１０は前記門型枠
９内に回転自在に取り付けられていて、駆動機７
と連結されて回転するようになつている。上ガイ
ドロール１１は前記門型枠９上に設けられた流体
シリンダ１２を操作装置（図外）の操作で作動さ
せることによつて上下動自在となるようにこの門
型枠９内で、かつ、前記下ガイドロール１０の上
方に設けられていて、各鋼材８ａ，８ｂのＴ字足
部１３を下ガイドロール１０側に押え、この下ガ
イドロール１０の回転力を確実に各鋼材８ａ，８
ｂに伝達してこの各鋼材８ａ，８ｂを後方に送る
ようになつている。前記複数の固定ロール部５は
前記架台２上の各ガイド部３，４間に等間隔で設
けられていて、各固定ロール部５は前記架台２の
両端側に垂設された脚１４を有する門型の枠体１
５とこの枠体１５の内側のそれぞれの端部側に回
転自在に設けられた２つの外ロール１６とから形
成されている。この外ロール１６はそれぞれの減
速機１７と連結され、この減速機１７と軸体１８
を介して駆動機７に連結されていて、駆動機７の
回転によつて各外ロール１６が回転され、この外
ロール１６と各鋼材８ａ，８ｂのＴ字頭部１９の
Ｔ字足部１３側の面と反対の面で接する各鋼材８
ａ，８ｂを前記下ガイドロール１０と同様に後方
に送るようになつている。前記複数の移動ロール
部６は前記各ガイド部３，４間にある各固定ロー
ル部５の間に設けられている。この移動ロール部
６は、第３図に示すように、前記架台２上に前記
固定ロール部５の枠体１５と平行に門型の外枠２
０が設けられている。この外枠２０内にはコ形の
内枠２１が相対向するように嵌入されている。こ
の各内枠２１は外枠２０に回転自在に嵌入された
それぞれの引軸２２とねじ結合されていて、この
引軸２２の回転によつてねじ結合の螺合深さが変
り内枠２１が各鋼材８ａ，８ｂの内外方向（第３
図左右方向）に対して移動して外枠２０と内枠２
１の両端側の隙間Ｌが調節可能となつている。
又、この内枠２１の上下には夫々回転自在な内ロ
ール２３が前記各鋼材８ａ，８ｂのＴ字足部１３
が挿入できる隙間を有するように設けられてい
て、前記外枠２０と内枠２１の隙間Ｌを調節し
て、内ロール２３を移動させ、この内ロール２３
を各鋼材８ａ，８ｂのＴ字頭部１９のＴ字足部１
３側の面に接触させて、前記外ロール１６とこの
内ロール２３で各鋼材８ａ，８ｂを挾むようにな
つている。尚、第１図からも明らかなように、前
記外ロール１６は各鋼材８ａ，８ｂ（Ｔ字頭部１
９，１９）にその外側（両外側方）から当接可能
となるように配置され、また前記内ロール１６は
各鋼材８ａ，８ｂ（Ｔ字頭部１９，１９）にその
内側（架台２の中央部側）から当接可能となるよ
うに配置されている。

以上の修正装置１によつて歪を修正するには以
下のように行う。

まず、前ガイド部３及び後ガイド部４の下ガイ
ドロール１０の回転力が各鋼材８ａ，８ｂに十分
伝達されるように、流体シリンダ１２を作動させ
て上ガイドロール１１を下降させ各鋼材８ａ，８
ｂのＴ字足部１３を押えてこの各鋼材８ａ，８ｂ
のＴ字足部１３を下ガイドロール１０に密着させ
ることができる位置に調節する。更に、各鋼材８
ａ，８ｂのＴ字頭部１９が固定ロール部５の外ロ
ール１６とこの外ロール１６と同じ側の移動ロー
ル部６の内ロール２３とがこのＴ字頭部１９の各
面と接するように、移動ロール部６の外枠２０と
内枠２１の隙間Ｌを調節して内ロール２３を移動
させる。

次に、各鋼材８ａ，８ｂのＴ字足部１３を前ガ
イド部３の下ガイドロール１０と上ガイドロール
１１の間に挿入する。すると各鋼材８ａ，８ｂは
下ガイドロール１０の回転力で後方に送られ、こ
の各鋼材８ａ，８ｂのＴ字頭部１９が前記外ロー
ル１６と内ロール２３の隙間を通過して、このＴ
字頭部１９の歪が修正される。このとき、駆動機
７で回転させられている外ロール１６によつて各
鋼材８ａ，８ｂは後方に送られる。そして、修正
が完了した各鋼材８ａ，８ｂのＴ字足部１３は、
後ガイド部４の下ガイドロール１０と上ガイドロ
ール１１の間を通過し、この下ガイドロール１０
の回転力で送り出される。

尚、前記実施例では各鋼材８ａ，８ｂの歪を同
時に修正するものであるが、各鋼材８ａ，８ｂの
単体のみの歪を修正する構造としたものもこの考
案の技術的範囲に含まれる。又、前記実施例のよ
うに１つの駆動機７で下ガイドロール１０及び外
ロール１６を回転させるような機構に限定される
ものではなく、１つ以上の駆動機７を使用して下
ガイドロール１０又は各外ロール１６を回転させ
るようにしてもよい。

〔考案の効果〕

以上の説明より明らかなように、固定ロール部
の外ロールと移動ロール部の内ロールの隙間に歪
が生じている被修正物を自動的に通過させるだけ
で歪が修正されるので、火気の取扱に注意を払う
必要もなく、又、手数もかからないので省力化が
計れるのに加えて、自動化が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図はこの考案の実施例を示し、
第１図は全体平面図、第２図は全体側面図、第３
図は内ロール部の半断面図。 １……修正装置、３……前ガイド部、４……後
ガイド部、５……固定ロール部、６……移動ロー
ル部、７……駆動機、８ａ，８ｂ……鋼材（被修
正物）、１０……下ガイドロール、１１……上ガ
イドロール、１６……外ロール、２０……外枠、
２１……内枠、２２……引軸、２３……内ロー
ル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被修正物を送る下ガイドロールと上ガイドロー
   ルとを有するガイド部を架台の前、後に設け、こ
   の両ガイド部間に複数の固定ロール部と複数の移
   動ロール部とを交互に配設し、前記各固定ロール
   部は夫々、架台に設置された枠体と、該枠体に回
   転自在に保持され且つ被修正物にその外側から当
   接可能となるように配置された外ロールとを有
   し、前記各移動ロール部は夫々、架台に設置され
   た外枠と、該外枠に移動可能に嵌入された内枠
   と、該内枠に回転自在に保持され且つ被修正物に
   その内側から当接可能となるように配置された内
   ロールと、前記外枠に回転自在に嵌入されると共
   に前記内枠にねじ結合され且つその回転によつて
   該内枠とのねじ結合の螺合深さが変わることによ
   り前記内枠及び内ロールを被修正物の内外方向に
   対して移動させる引軸とを有し、前記下ガイドロ
   ール及び外ロールを駆動機で駆動させると共に、
   被修正物を前記外ロールと内ロールとの間を通過
   させるように構成したことを特徴とする修正装
   置。