JPH0312391B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は円形状に形成された情報記録媒体を内
部に有するデイスクカセツトに関するもので、と
くにそのシヤツター開閉機構に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来の８インチ標準フレキシブル磁気デイスク
や5.25インチミニフレキシブル磁気デイスクなど
のいわゆるフロツピーデイスクは、磁気デイスク
がプラスチツク薄板で作られたジヤケツトに入つ
て保護されている。そのジヤケツトには磁気デイ
スクをクランプするためのセンサーホールや磁気
ヘツドが挿入されるためのヘツドウインドウ等の
開口があけられている。デイスクが使用されない
時には、デイスクは紙製のエンベロープに入れら
れて、それらの開口がカバーされるものの、磁気
デイスクがそれらの開口において露出しているた
め、ジヤケツトの中に塵埃が侵入し、又は磁気デ
イスク上に容易に指紋が付着する。塵埃や指紋が
磁気デイスク上に付着すると、磁気デイスクから
再生される再生信号にドロツプアウトが生じやす
い。したがつて磁気デイスクの取扱いには細心の
注意が必要である。

磁気デイスクに塵埃や指紋が付着するのを防止
するために従来第２図ａ，ｂ，ｃに示すデイスク
カセツトが提案されている。第２図ａは記憶装置
等本体１、第２図ｂはデイスクカセツト３を示
し、第２図ｃは本体１にデイスクカセツト３を装
着した状態を各々示す。デイスクカセツト３はシ
ヤツター４、シヤツター４の端部にその一端が結
合されたシヤツター開閉用治具５、シヤツター開
閉用治具５にその一端を接続した引つ張りコイル
ばね６、及びデイスク１２とから成る。デイスク
カセツト３を本体１に装着すると、本体１側に設
けられたレバー２にシヤツター開閉用治具５が当
接し、デイスクカセツト３の挿入に従つて、シヤ
ツター４が移動し、ヘツドウインドウ１１が完全
に開成される。即ち第２図ｃの状態と成る。また
デイスクカセツト３を本体１より取り外す場合
は、デイスクカセツト３の動きに応じて、引つ張
りコイルばね６が縮み、シヤツター４が徐々に閉
成される。

また他の従来例としては実公昭45−10063号、
あるいは実開昭51−27112号に記載されたものが
知られている。実公昭45−10063号に記載された
デイスクカセツトはシヤツターの閉成に引つ張り
コイルばねを用いている。引つ張りコイルばねの
繰返し使用に耐える最大伸び量δは、加えられる
力Ｐと素線径ｄと巻数Ｎとコイル直径Ｄと線材の
横弾性率Ｇとすると次式で定まる。すなわち δ＝8PND³／Gd⁴ であり、伸び量δは巻数Ｎと直径Ｄの３乗に比例
する。したがつて伸び量δはシヤツターの移動量
であるから、シヤツターの移動量が大きくなるに
したがい、巻数Ｎを多くするか、コイル直径Ｄを
大きくする必要がある。実公昭45−10063号に記
載されたデイスクカセツトはハードデイスクを内
蔵する磁気デイスク容器であるから、容器厚さ方
向に大きな制限はなく、コイル直径Ｄを大きくと
ることができ実施上問題がない。

〔発明が解決しようとする課題〕

実開昭51−27112号に記載されたデイスクカセ
ツトはシヤツターとして回転シヤツターを用い、
ヘツドウインドウの閉成にはシヤツターの回転軸
に巻き付けたねじりコイルばねを用いている。ね
じりコイルばねを用いていることにより前述の実
公昭45−10063号にて問題となつた容器の薄型化
は解決されているがシヤツターの回転中心を磁気
デイスクの外周より外側においているため、シヤ
ツター幅だけ容器外径が大型化する欠点がある。
また、シヤツターの閉成に用いられているねじり
コイルばねのコイル部はシヤツターの回転軸に巻
き付けられ、その一端はシヤツターの切欠きに係
止し、その他端はケースに係止しているため、万
が一ねじりコイルばねが回転軸がらはずれた場
合、ねじりコイルばねが磁気デイスクを傷つける
可能性がある。

本発明の目的は前記した従来技術の欠点をなく
し、本体に装着して初めて開成し、本体より取り
はずすと同時に自動的にスムーズに取成されるヘ
ツドウインドウのシヤツター開閉機構を有する薄
型のデイスクカセツトを提供することにあり、と
くに、直線的な可動部分を有し、大きなストロー
クでシヤツターが開閉されることが可能で、かつ
情報記録媒体が安全に保存され、使用されるデイ
スクカセツトを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明では情報記
録媒体を内蔵するケースのヘツドウインドウを覆
うシヤツターの閉成に、一端がシヤツター開成手
段に係止され、他端がケースに係止され、中心の
コイル部はどこにも係止されず、コイル部が移動
可能としたねじりコイルばねを用い、ねじりコイ
ルばねが配置される隅部領域とデイスクが配置さ
れる領域との間に隔壁が設けられる。

〔作用〕

ねじりコイルばねは、その一端がシヤツター開
成手段に結合され、その他端がケースに係止さ
れ、かつ、コイル部が移動可能であるため、ねじ
りコイルばねの一端がその他端に向かつて直線的
に移動できる。しかも、ねじりコイルばねの一端
と他端が互いに近接する位置にまで、ねじりコイ
ルばねの一端が大きなストロークで移動できる。
また、ねじりコイルばねがシヤツター開成手段や
ケースより外れてしまうことが万一発生した場
合、隔壁によつてねじりコイルばねのデイスクの
配置されている領域への侵入が妨げられ、デイス
クが破壊されることを未然に防止できる。

〔実施例〕

以下に発明をその実施例に係るフレキシブル磁
気デイスク記憶装置のデイスクカセツトに応用し
た場合を図示しながら図面とともに詳述する。第
３図は本発明に係るシヤツター開閉機構の基本的
な構成を示す図であつて、第３図ａは記憶装置等
の本体１、第３図ｂはデイスクカセツト３、第３
図ｃは本体１にデイスクカセツト３を挿入すべき
本体１には、シヤツター７を開成するためのレバ
ー２が本体１より若干突出して設けられている。

第１図は本発明のデイスクカセツト３の構成図
を示す。第１図ａはケース１３の片側１３ａと、
ケース１３ａに回転可能に取付けられたシヤツタ
ー７ａとを示す。ケース１３ａには縦長の開口で
あるヘツドウインドウ１１ａと、円形の中心開口
１６ａとが形成されている。

第１図ｂは中心にハブ１７を有するデイスク１
２を示す。ハブ１７はデイスク１２の回転駆動
時、駆動力を受けると同時にデイスク１２の中心
出しを精度良く行なう働きをなす。

第１図ｃはケース１３の片側１３ｂと、ケース
１３ｂに回転可能に取付けられたシヤツター７ｂ
とシヤツター７ｂの外縁部にその一端を接続し、
レール１５に沿つて滑動するシヤツター開閉用治
具８とシヤツター開閉用治具８の他端に接続した
ねじりコイルばね１０とを示す。ケース１３ｂに
は縦長の開口であるヘツドウインドウ１１ｂ（シ
ヤツター７ｂが覆つている。）と、円形の中心開
口１６ｂと、レール１５と、隅部領域２１及びデ
イスク１２が配置される領域２７との間に隔壁２
６が形成され、更に、ケース１３ｂの側面２４ｂ
には案内溝１４ｂが形成されている。レール１５
ｂはケース１３ｂの内部に形成された凹状の断面
を持つ溝で、円弧状部１９と直線部２０から成
る。

ケース１３ａとケース１３ｂとが合わさるとケ
ース１３と成り、案内溝１４ａと案内溝１４ｂが
合わさつて案内溝１４と成り、側面２４ａと側面
２４ｂが合わさつて側面２４と成る。

デイスク１２はケース１３の内部のデイスク配
置領域２７に中心開口１６ａ，１６ｂと同軸に回
転可能に配置される。シヤツター開閉用治具８は
可とう性の材料で形成され、一端はシヤツター７
ａ，７ｂの外縁部とかん合する凹部１８ａ，１８
ｂを有し、多端には突起部９を有するが、突起部
９は案内溝１４には突出してはいるものの、デイ
スクカセツト３の外部には突出していない。ねじ
りコイルばね１０は隅部領域２１に納められ、一
端をシヤツター開閉用治具８の端部に係り、他端
は隅部領域２１の角部近傍２３に係止され、ねじ
りコイルばね１０のコイル部１０ｃは隅部領域２
１内を移動可能に自由となつている。シヤツター
７ａ，７ｂは非磁性の薄板で成形され、凸状２２
にはめこまれ、凸状２２の回りにスムーズに回転
する。ねじりコイルばね１０はシヤツター開閉用
治具８を常に押し上げる方向に働き、デイスクカ
セツト３単体の状態ではシヤツター７ａ，７ｂは
ヘツドウインドウ１１ａ，１１ｂを覆つている。
このときケース１３の側面２４に側面開口２５が
形成される。

今本実施例の機構とその動作を第４図ａ，ｂ，
ｃを参照しながら説明する。デイスクカセツト３
を本体１に徐々に挿入すると（第４図ａ）、案内
溝１４に沿つてレバー２が相対的にスライドし、
レバー２は突起部９に当接する。更にデイスクカ
セツト３を本体１に押し込むと（第４図ｂ）、突
起部９が押し下げられ、シヤツター開閉用治具８
がケース１３に設けられたレール１５を滑動して
シヤツター７の外縁部を引つ張り、シヤツター７
は回転して、ヘツドウインドウ１１は徐々に開
き、デイスクカセツト３を本体１に完全に挿入し
た時点でヘツドウインドウ１１は開成し、またシ
ヤツター開閉用治具８の他端に接続されたねじり
コイルばね１０は最高にたわむ。第４図ｃはデイ
スクカセツト３が本体１に装着され、ヘツドウイ
ンドウ１１が完全に開成されている状態を示す。

またデイスクカセツト３を本体１より取外す場
合は、デイスクカセツト３の動きに応じてねじり
コイルばね１０の付勢力よりシヤツター開閉用治
具８が押し上げられ、シヤツター開閉用治具８先
端部がシヤツター７の外縁部を押し、シヤツター
７が回転して徐々にヘツドウインドウ１１を閉じ
るようになる。デイスクカセツト３を本体１より
完全に取り出した状態では、第４図ａに示す元の
状態にシヤツター７は戻り、ヘツドウインドウ１
１は完全にシヤツター７により覆われる。

第４図ａに示すデイスクカセツト３単体の状態
では、シヤツター７はねじりコイルばね１０の働
きにより常にヘツドウインドウ１１を覆つてい
る。突起部９は前述したように、デイスクカセツ
ト３の外部には全く突出していないので、デイス
クカセツト３を手に持つても指等に触れることな
く、したがつて幼児がいたずらしても簡単にはシ
ヤツター７が開かない。万一、偶発的に開いたと
しても、シヤツター７はねじりコイルばね１０の
力で自動的に復帰するので、シヤツター７はいつ
までも開いていることはない。また、デイスクカ
セツト３の側面２４には側面開口２５が形成され
るが、デイスク配置領域２７と隅部領域２１との
境には隔壁２６があり、デイスク配置領域２７を
外部から遮断して、塵埃がこの側面開口２５を通
つて侵入するのを未然に防止している。また、ね
じりコイルばね１０がシヤツター開閉用治具８や
ケース１３より外れてしまうことが万一発生した
場合、隔壁２６によつてねじりコイルばね１０が
デイスク配置領域２７に侵入することが妨げら
れ、デイスク１２が破壊されることが未然に防止
される 〔発明の効果〕 以上詳述したごとく、本発明によればシヤツタ
ーの閉成にねじりコイルばねを使用し、その一端
をシヤツター開成手段に係止し、他端をケースに
係止し、その中心のコイル部の動きを自由とした
ため、シヤツター開成手段の直線運動を可能と
し、かつシヤツター開成手段のストロークを大き
くすることを可能にすることができる。しかも、
薄いケース内の余分のスペースで実現できるた
め、ケースの薄型化、小型化を可能にすることが
できる。さらに、デイスクが配置される領域とね
じりコイルばねが配置される領域との境には隔壁
を設けたので、デイスクが配置される領域が外部
より遮断され、塵埃が側面開口を通つて侵入する
恐れが無い。また、ねじりコイルばねがシヤツタ
ー開成手段やケースより外れてしまうことが万一
発生した場合でも、隔壁によつてねじりコイルば
ねのデイスクの配置されている領域への侵入が妨
げられ、デイスクが破壊されることが未然に防止
される等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂ，ｃは本発明に係るデイスクカセ
ツトの第１の実施例の組立斜視図、第２図ａ，
ｂ，ｃは従来のデイスクカセツトのシヤツター開
閉機構を示す断面図、第３図ａ，ｂ，ｃは本発明
に係るデイスクカセツトのシヤツター開閉機構を
示す断面図、第４図ａ，ｂ，ｃは本発明に係るデ
イスクカセツトのシヤツター開閉機構の動作説明
図である。 １……磁気記憶装置等の本体、２……レバー、
３……デイスクカセツト、４，７……シヤツタ
ー、５，８……シヤツター開閉用治具、６……引
つ張りコイルばね、９…突起部、１０……ねじり
コイルばね、１１……ヘツドウインドウ、１２…
…デイスク、１３……ケース、１４……案内溝、
１５……レール、２１……隅部領域、２５……側
面開口、２６……隔壁、２７……デイスク配置領
域。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 円形状に形成され回転可能な情報記録媒体
   と、略角形に形成され、上記情報記録媒体を内部
   に囲み、ヘツドウインドウを有するケースと、上
   記ケースのヘツドウインドウを開閉するシヤツタ
   ーと、上記シヤツターが上記ヘツドウインドウを
   開く方向に外力を受けるシヤツター開成手段と、
   上記シヤツターが上記ヘツドウインドウを覆う方
   向に上記シヤツター開成手段を付勢するばねとか
   ら構成されたデイスクカセツトにおいて、上記ば
   ねは、ねじりコイルばねからなり、上記ねじりコ
   イルばねは上記ケース内の１つの隅部領域に配置
   され、上記ねじりコイルばねの一端は上記ケース
   の上記隅部領域内に係止され、上記ねじりコイル
   ばねの他端は上記シヤツター開成手段を付勢し、
   上記ねじりコイルばねのコイル部は上記シヤツタ
   ーの移動に伴い上記ケース内の上記隅部領域内で
   移動可能であり、上記情報記録媒体が配置されて
   いる上記ケース内の領域と上記ねじりコイルばね
   が配置されている上記隅部領域との間には隔壁が
   設けられていることを特徴とするデイスクカセツ
   ト。 ２ 円形状に形成され回転可能な情報記録媒体
   と、略角形に形成され、上記情報記録媒体を内部
   に囲み、対向する２つの面に一対のヘツドウイン
   ドウを有するケースと、各々のヘツドウインドウ
   を開閉する一対のシヤツターと、上記一対のシヤ
   ツターを結合し上記一対のヘツドウインドウを開
   く方向に外力を受けるシヤツター開成手段と、上
   記一対のシヤツターが上記一対のヘツドウインド
   ウを覆う方向に上記シヤツター開成手段を付勢す
   るばねとから構成されたデイスクカセツトにおい
   て、上記ばねは、ねじりコイルばねからなり、上
   記ねじりコイルばねは上記ケース内の１つの隅部
   領域に配置され、上記ねじりコイルばねの一端は
   上記ケースの上記隅部領域内に係止され、上記ね
   じりコイルばねの他端は上記シヤツター開成手段
   を付勢し、上記ねじりコイルばねのコイル部は上
   記一対のシヤツターの移動に伴い上記ケース内の
   上記隅部領域内で移動可能であり、上記ケースの
   側面には上記隅部領域と上記ケースの外部とを結
   ぶ開口部が設けられ、かつ、前記情報記録媒体が
   配置されている上記ケース内の領域と上記ねじり
   コイルばねが配置されている上記隅部領域との間
   には隔壁が設けられていることを特徴とするデイ
   スクカセツト。