JPH0312182B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、施工が容易となり、かつ壁パネルの
取付精度を高めうる壁パネルの取付構造に関す
る。

〔背景技術〕

パネルを用いて壁体、床体等を形成する乾式工
法の建築物において、壁体を形成する壁パネルが
基礎と梁材との間に建込まれる。又壁パネルに
は、建込みにより架構体の剛性を向上するいわゆ
る耐力フレームが適宜の位置に配設される。この
ような耐力フレームが介在する壁体の成形は、従
来、基礎上に立設される柱体に予め梁材を固定す
るとともに、基礎と梁材との間に壁パネルを嵌入
し、壁パネルを基礎に仮支持させたのち壁パネル
上面に突出するボルトを梁材下面のボルト孔に挿
入し取付けていた。従つて柱の建ち等各部材の寸
法誤差が重なり、ボルトと透孔との位置ずれが大
きく、その修正に手間を要しかつ取付精度が劣る
他、壁パネル上面と梁材との間に高さ調整用のラ
イナー等が必要であつた。

〔発明の目的〕

本発明は、壁パネル上面に螺着する固定用ネジ
金具の螺退により梁材下面に当接する受板を設け
ることを基本として、壁パネルの取付精度の向上
とその建込能率を高め、前記問題点を解決しうる
壁パネルの取付構造の提供を目的としている。

〔発明の開示〕

以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。

図において本発明の壁パネルの取付構造は、壁
パネル２の上面を上方の梁材７に、固定用ネジ金
具６とナツト１１とを用いて取付けるものであつ
て、前記固定用ネジ金具６は、ネジ軸３に上面が
受面４をなす膨出部３１を形成しかつネジ軸３の
前記膨出部３１下方の下方部３Ａを前記壁パネル
２の上面に螺着するとともに、上方部３Ｂに前記
受面４で支持される受板５を外挿している。又上
方部３Ｂを前記梁材７の透孔９に下から挿通する
とともに、前記固定用ネジ金具６を、ネジ軸３が
上方に移動する向きに回動させることにより受板
５を梁材下面に当接させしかも前記透孔９から上
に突出する前記上方部３Ｂにナツトを螺締してい
る。

壁パネル２は、本例ではその下面に垂設した脚
片１４を基礎１５にアンカボルト止めされる金具
１６によりボルト止めされることにより該基礎１
５上に立設される。

又壁パネル２は、本実施例では、建込みにより
架構体の剛性を向上するいわゆる耐力フレームで
あり、矩形筒状の枠材を矩形に配した周囲枠２０
内部に、ラチス２１を架設している。又壁パネル
２は、その下面に垂設した脚片１４を、基礎１５
上の前記金具１６にアンカボルト止めすることに
より、本例ではその一側面を柱１７に沿わせ固定
される。

前記周囲枠２０の上方には該周囲枠２０の上の
枠材２４と隔て片２５を介して上の枠材に平行な
取付枠２６が設けられ、該取付枠２６両端上面に
は一対のネジ孔２７，２７を設けた座板２９を固
定する。

前記固定用ネジ金具６は、ネジ軸３の略中間高
さに周面外側に膨出する膨出部３１を設けてお
り、これによりネジ軸３は、該膨出部３１下方に
位置し壁パネル２の前記ネジ孔２７に螺着する下
方部３Ａと、この下方部３Ａに同芯かつ膨出部３
１上方の上方部３Ｂとを具えることとなる。

固定用ネジ金具６は、前記のように下方部３Ａ
を壁パネル２上面に螺着することができ、又本例
では、壁パネル２の２つのネジ孔２７，２７の
夫々に固定用ネジ金具６，６を立上げる。又膨出
部３１の上面はネジ軸３の軸心と直交する平面を
なすことにより前記受面４を形成する。又各ネジ
孔２７，２７に螺着する２つの固定用ネジ金具
６，６の上向きの上方部３Ｂ，３Ｂは、前記受板
５の２個の孔３４，３４に挿通されかつ前記受面
４，４によつて受板５は下面を支持される。なお
受板５は、矩形板状の基体に前記壁パネル２のネ
ジ孔２７，２７に位置合わせして前記２個の孔部
３４，３４を穿設している。

なお固定用ネジ金具６の上方部３Ｂ上端面に
は、ネジ軸３を螺進退させる回動具３５が嵌入す
る六角孔からなる回動部３６が設けられる。回動
部３６は、前記孔の他、ネジ軸３上端に、例えば
六角ボルトの頭状の角柱片を突出することによつ
ても形成できる。

前記梁材７は、柱１７，１７間の壁パネル２上
方に配される。梁材７は、本例では溝型材を溝部
を内に向け上、下に配してなる上弦材４１、下弦
材４２の間にラチスを架け渡してなるラチス梁で
あつて、該梁材７の両端部に、柱１７側壁に開穿
されるボルト孔４４…に位置合わせされ穿設され
る取付孔４５…を具える側板４６を設ける。

又梁材７は、その下面に前記壁パネル２に螺着
する前記固定用ネジ金具６…と位置を合わせて穿
設される複数個の前記透孔９…に固定用ネジ金具
６…の上方部３Ａを挿通させる。なお梁材７は、
前記取付孔４５、柱１７のボルト孔４４をともに
挿通するボルト等の固定具を用いて柱に取付けら
れる。

さらに回動具３５を用いて、ネジ軸３を壁パネ
ル２上面の前記ネジ孔２７から螺退させる方向に
回動し、ネジ軸３を上方向に移動することによつ
て前記受面４上の受板５は上昇し、受板５上面に
梁材７下面が当接する。

又固定用ネジ金具６の透孔９から突出する突出
端１０にナツト１１を螺締することによつて、梁
材７と壁パネルとは互いに密着し固定される。

然して壁パネル２を、脚片１４および金具１６
を用いて仮支持により基礎１５上に立設するとと
もに、壁パネル２上面のネジ孔２７，２７のそれ
ぞれに固定用ネジ金具６，６の下方部３Ａを膨出
部３１の下面が座板２９に近接する位置まで深く
螺入する。又受板５は、その孔３４，３４に、前
記上方部３Ｂが挿通することによつて受板５は受
面４により支持される。

然る後、固定用ネジ金具６…の各上方部３Ｂ
を、透孔９…に挿通させつつ梁材７を柱１７にボ
ルト孔４４、取付孔４５をともに挿通する固定具
を用いて仮支持するとともに、第４図に示す如く
回動具３５を用いて固定用ネジ金具６を螺退方向
に回動し、受板５を梁材７下面に当接させるとと
もに固定用ネジ金具６の透孔９からの突出端１０
にナツト１１を螺締する。

なお梁材７は壁パネル２に前記受板５と当接し
ているため透孔９の孔径は比較的大きくでき、従
つて固定用ネジ金具６と透孔９との位置合わせは
容易となる。

前記取付けが完了したのち壁パネル２、及び梁
材７の取付位置を修正のうえ壁パネル２を基礎１
５に、又梁材２を柱１７にそれぞれ固定する。

〔発明の効果〕

叙上の如く本発明の壁パネルの取付構造は、壁
パネル上面に螺着する固定用ネジ金具に、固定用
ネジ金具の螺退方向の回動により梁材下面に当接
する受板を設けるとともに、固定用ネジ金具の梁
材の透孔からの突出端にナツトを螺結しているた
め、壁パネルを仮支持したのち梁材の取付けが可
能となり、従来位置合わせが困難であつた固定用
ネジ金具を梁材の固定に先行して梁材に嵌入でき
る結果、壁パネルの建込作業を合理化でき作業性
を大幅に向上するとともに、従来の構造のものの
ようにライナーを用いることなく、壁パネルと梁
材とが密着でき建付精度が高まり、品質の向上を
も計りうる。

なお固定用ネジ金具は単数個を壁パネルの上面
略中央部に螺着することもでき本発明は種々な態
様のものに変形できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す正面図、第２図
はその要部を示す一部断面の拡大正面図、第３図
は要部の分解斜視図、第４図は固定用ネジ軸の取
付を作用とともに示す断面図である。 ２…壁パネル、３…ネジ軸、３Ａ…下方部、３
Ｂ…上方部、４…受面、５…受板、６…固定用ネ
ジ金具、７…梁材、９…透孔、１０…突出端、１
１…ナツト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 壁パネル２の上面を上方の梁材７に、固定用
   ネジ金具６とナツト１１とを用いて取付ける壁パ
   ネルの取付構造であつて、前記固定用ネジ金具６
   は、前記壁パネル２の上面に螺着する下方部３Ａ
   と該下方部３Ａと同芯かつ前記梁材７の透孔９に
   下から挿通される上方部３Ｂとの間に該上方部３
   Ｂに外挿されしかも前記梁材７下面に当接される
   受板５を支持する膨出部３１を設けるとともに、
   前記透孔９から上に突出する前記上方部３Ｂにナ
   ツト１１を螺締することを特徴とする壁パネルの
   取付構造。